かの有名なシェイクスピアの戯曲「リチャード三世」において、リチャード三世とは簒奪者。
それも、王位を奪うために気の毒な甥たちを殺すという残忍な人物。
しかしそれは「トニイパンディ」(Tonypandy)、本邦における「司馬史観」のようなものではないか――との疑念は、実は目新しいものではなく、たとえば1950年代にはもう、ジョセフィン・テイの「時の娘」が非常な説得力を以てその真実に迫ろうとしています。
なので正直、この映画のもとになった「駐車場でリチャード三世の遺骨を発見」という報道を見て、逆に
「今頃そんなことやっているのか?」と思ったくらいです。歴史家は何をやっていたのかとか、シェイクスピア強いなとか。

本作の主人公は、そんな世界の常識を疑い、リチャード三世の真実を証明しようとしたアマチュア歴史家の物語。
なので困難に打ち克った素晴らしい人、信念の人、あるいは情熱の人という感動ストーリーの映画、もしくはリチャードオタクによるリチャードオタクのための偉業! 推しはあらゆる困難を跳ね除けるパワー! みたいに若干コメディテイストを盛り込んだ映画と予想していました。
ところが主人公のフィリパ。なんとも好きになれそうにない、近づきたくないタイプの人でした。
それも、王位を奪うために気の毒な甥たちを殺すという残忍な人物。
しかしそれは「トニイパンディ」(Tonypandy)、本邦における「司馬史観」のようなものではないか――との疑念は、実は目新しいものではなく、たとえば1950年代にはもう、ジョセフィン・テイの「時の娘」が非常な説得力を以てその真実に迫ろうとしています。
なので正直、この映画のもとになった「駐車場でリチャード三世の遺骨を発見」という報道を見て、逆に
「今頃そんなことやっているのか?」と思ったくらいです。歴史家は何をやっていたのかとか、シェイクスピア強いなとか。

本作の主人公は、そんな世界の常識を疑い、リチャード三世の真実を証明しようとしたアマチュア歴史家の物語。
なので困難に打ち克った素晴らしい人、信念の人、あるいは情熱の人という感動ストーリーの映画、もしくはリチャードオタクによるリチャードオタクのための偉業! 推しはあらゆる困難を跳ね除けるパワー! みたいに若干コメディテイストを盛り込んだ映画と予想していました。
ところが主人公のフィリパ。なんとも好きになれそうにない、近づきたくないタイプの人でした。
「ホームカミング」「ファー・フロム・ホーム」と合わせ、可愛いスパイディとホーム三部作の掉尾を飾る本作。なのにこれだけ金曜ロードショーで観ることになり、金曜ロードショーに怨みはありませんが(むしろお世話になってます)やはり残念。
途中、えっと思う仕掛けがあり、ここだけはやはり映画館で、他の観客の反応も一緒に、最初は鑑賞したかったなあと思いました。
日本ではまだコロナワクチンがなく、外出を控えている最中の公開だったんじゃないかな? うちには年寄りもおり、どうしようかなと迷っている間に見逃してしまった記憶があります。

UnsplashのEmmy Gaddyが撮影した写真
タイトルは敢えて直訳するなら「家には帰れない」。
これまで可愛い可愛い言ってたスパイディも高校を、そして少年期卒業の時を迎える本作です。社長はたぶん悪くない。
途中、えっと思う仕掛けがあり、ここだけはやはり映画館で、他の観客の反応も一緒に、最初は鑑賞したかったなあと思いました。
日本ではまだコロナワクチンがなく、外出を控えている最中の公開だったんじゃないかな? うちには年寄りもおり、どうしようかなと迷っている間に見逃してしまった記憶があります。

UnsplashのEmmy Gaddyが撮影した写真
タイトルは敢えて直訳するなら「家には帰れない」。
これまで可愛い可愛い言ってたスパイディも高校を、そして少年期卒業の時を迎える本作です。社長はたぶん悪くない。
いや走れメロスの開封の儀ってなんやねん、って自分でもツッコみたくなりますがある日たまたま、Xでこんなポストが流れてきたのです。
この一つ前の記事の通り、わたしには京都行きの予定があったので、ついでに買いに行けるかも? いや行かねばなるまい太宰治ファンとして! と思い、亀屋良長の本店まで行ってきました。通販でも買えるのに。
太宰治って今はどんな評価なんでしょうか。わたしが中学生の頃は「人間失格」を読むのが流行ってて、新潮文庫の黒と白のどぎつい表紙がなんとも言えない圧を発してて敬遠してたのに、つい級友に勧められるまま読んでしまい、暗くスノッブな雰囲気に閉口したのに文体の柔らかさや独特のリズム感が妙に印象に残って。
それで他の作品に手を出したら、はまってしまいました。だいたい中学生が買えるものは全部揃えましたが、海外の古典や日本の昔話、古本屋で売られていた他人の日記、そうしたものを近代的な視点から換骨奪胎したものが特に好きでした。「女の決闘」とか、「カチカチ山」とか。「駈込み訴え」とか。その中の一つで、わりと明るいトーンで仕上げられているのがこの「走れメロス」です。
余談ですが「ポスト」っていうのは一般名詞で直訳すると「投稿」なので、Xの、とつけないとなんのことかわからないんですよね。「Tweet」や「つぶやき」ならTwitterのことだとわかるのに。突然ですが、『走れメロス』が和菓子になりました。
— 亀屋良長 吉村良和 (@yoshimura0303) October 23, 2023
その名も「文菓子」。
作中の印象的な感情や情景に寄り添ったお菓子をお作りし『走れメロス』を読みながら、色付きの一文にあわせて一つずつお菓子を楽しんで頂きます。… pic.twitter.com/4AqdVpXR0I
この一つ前の記事の通り、わたしには京都行きの予定があったので、ついでに買いに行けるかも? いや行かねばなるまい太宰治ファンとして! と思い、亀屋良長の本店まで行ってきました。通販でも買えるのに。
太宰治って今はどんな評価なんでしょうか。わたしが中学生の頃は「人間失格」を読むのが流行ってて、新潮文庫の黒と白のどぎつい表紙がなんとも言えない圧を発してて敬遠してたのに、つい級友に勧められるまま読んでしまい、暗くスノッブな雰囲気に閉口したのに文体の柔らかさや独特のリズム感が妙に印象に残って。
それで他の作品に手を出したら、はまってしまいました。だいたい中学生が買えるものは全部揃えましたが、海外の古典や日本の昔話、古本屋で売られていた他人の日記、そうしたものを近代的な視点から換骨奪胎したものが特に好きでした。「女の決闘」とか、「カチカチ山」とか。「駈込み訴え」とか。その中の一つで、わりと明るいトーンで仕上げられているのがこの「走れメロス」です。