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LOVE! HEROES!

特撮番組全般、そして高岩成二さんと伊藤慎さんを応援します。

いよいよ真魚の物語が、と思いましたが、結論から言うと、いまだ風谷殺しの解明はなされません。
ここでの物語は、過酷な運命に悩まされる登場人物1人ひとりが、それぞれに
「孤独の中で、自分の居場所をいかに求めていくか」というテーマに収束していくように感じます。

「自分が父に手を下したのかもしれない」という問に苛まれながら、誰にもそれを打ち明けられない。学校で、そして美杉邸でも、居場所のなさを感じる真魚。

孤独と一言で言い表せない、喪失に次ぐ喪失。与えられた運命の中であがきながら、
「自分がこの力を持つ意味」を見つけ出そうとした涼。

初めて感じた敵への恐怖に、誰も助けてくれる人のいない孤独を味わい、今さらのように
「なぜ自分が」と運命を呪う翔一。

いつアンノウンに襲われるかわからない、その恐怖の中で、身を寄せ合うようにして暮らすあかつき号事件の生存者たち…

絶対的な孤独を感じつつも、しかしその孤独は自らが作り出しているものと気づいた時、人は強くなれるのでしょうか。

過酷な物語の中で、警官達の日常がコメディリリーフとなり、そのさじ加減は絶妙です。
「わたしは警察官ですから」
戦うこと=人命救助をごく当たり前のことと受け止めている氷川の不器用ぶり。
「男2人で何しようっていうの。氷川君に聞きたいことがあるならここで聞いたらどう」
「小沢さん、氷川君はおむつをつけた赤ん坊じゃないんです。いい加減保護者ぶるのをやめたらどうです」
小沢・北條のじゃれあいも健在。

後半、パワーアップ弁当イベントあり。
■真相に近づく真魚

テニス部は辞めた。が、美杉家の団欒にも、入っていけないものを感じる真魚。
身辺で次々と起こる不思議な現象。公園の少年のスケボーが、ブランコの座板が、壊れ、人を襲うかのように飛ぶ。その禍々しさは、花火の夜、テニス部の先輩を襲ったあの現象を、そして、
「やはり自分が父を殺したのでは」という真魚自身の疑念を忘れさせてくれない…
そんな彼女に、沢木の命で近づく克彦。
半ば誘拐まがいの強引さで、彼女をマンションへ連れていきます。“関係ない”少女をあかつき号という過酷な運命に引き入れるために。
猜疑心に囚われ、真魚を歓迎しない真澄。
この子が新しい仲間?けっこう可愛いじゃん、と呑気な、真島という少年。

「俺たちはできるだけ多くの仲間が必要なんだ、互いにわかり合うため、自分の力の意味を知るために。そしてそういう仲間が集まった時、それが俺たちの居場所になる」--。
当初は隙を見て逃げようとしていた真魚ですが、同じ超能力者である克彦の言葉には心を衝かれます。能力ゆえの孤独を知る人は、そうはいません。
共感した真魚が、彼女を探し当てた翔一に告げたのは
「自分の居場所を探したい、美杉家は自分の居場所ではない」という言葉でした。

その様子を見守る克彦。それを背後から襲う蟹型アンノウン!
翔一は真魚、克彦を逃がしてアギトへと変身します。
傷を負った克彦をかばい、彼の言うまま相良邸へ逃げてきた真魚。
庭に向けて置かれた椅子にかけた克彦は、ついに死期を悟ったのか、
「自分の居場所はこの家にしかなかった」と語り始めます。家というよりは、妻の思い出。
追憶はいつも、庭の花々と共に蘇る。
「お前に謝りたいことがある…お前はサイコキネシスじゃない。あれは全部おれがやったんだ」
すべては真魚を惑わせ、孤立させ、仲間に引き入れるため。過酷な運命に巻き込まれることになる少女を、かわいそうにも思った、躊躇もした。しかしやったことに変わりはない。懺悔の時間。
「そんな…!」
「見つかるといいな、お前の場所が」
安らかに告げた刹那、その手が落ち、膝に抱いていた枯れ果てた鉢が床へ落ちる。それはかつて、彼の妻が丹精した鉢。
息をのんで立ち尽くしていた真魚は、改めて鉢を拾い、克彦の膝に乗せてやります。
その時、邸内に光が満ち、克彦の膝の鉢が、そして庭の花々が、一斉に蘇り咲き乱れる--。

真魚、覚醒。

それを確認した沢木は戸惑う真魚に
「悲しみはこれからも続く。それを終わらせるにはお前の力が必要だ」と告げます。
真魚の治癒の力で涼を蘇らせるのが、彼の目的でした。涼がアギトと、翔一と同じ力を持つ存在であると知り、言葉通りにする真魚。
彼女はその後もしばらく、あかつき号メンバーたちのマンションで暮らすのですが、この間真魚は、真島や真澄、後には沢木、及び蘇った涼との会話を通じ、翔一より少し早く、「真相」の一端に近づいていきます。

・あかつき号メンバーはやがてアギトとなる
・その前段階として、超能力が発現する
・アンノウンは彼らの覚醒を恐れ、それ以前に彼らを亡き者にしようとしている
・「お前たちを救う者」を自称する沢木という男は、あかつき号メンバーや真魚の力を覚醒させる能力を持っている


彼女自身はもともと超能力者でしたが、直接はあかつき号メンバーの運命と、何の関係もありません。風谷の事件が絡んでくるのだろうと予測はできますが、現時点ではまだ、何も明らかになっていないのです。
作劇上は知ったことを翔一に伝えるとして、そして沢木的には涼を蘇らせる駒として、“巻き込まれた”形になるわけですが、その中で自分の生きる意味を、自分の居場所を模索する真魚が可憐でたまりません。

真魚の“家出”を心配の余り、身も世もないほど取り乱した叔父の姿を見て、ようやく美杉家に真の居場所を見出す真魚。
「…ほんというとね、わたし翔一くんの記憶が戻らないといいと思ってた。翔一くんだけ居場所を見つけるのはずるいって。わたしひがみっぽいのかも。でもわかったこともある、自分の居場所を探しているのわたしだけじゃないって」
「そうだね、もしかしたら先生も、太一だって」
「そうだよね、それなのに、わたし…甘えん坊だよね」
「真魚ちゃん見つけたんだよ、自分の居場所を。やっと見つけたんだ、ほんとうの裸の自分を」
そんな真魚に、美杉もわかってやれなくて済まなかったと詫びます。自分も遠慮があった、真魚への隔意があったと。
「おじさん」
「帰って…くれるか」
取りあえずのハッピーエンドにほっとしました。そして真魚家出騒動の間、心配して小沢に女子高生の心理について訊ねたり、翔一と一緒になって訪ね人のポスターを貼って回ったりした氷川が、村の駐在さん級にいい人です。

■水のエル覚醒

一方、マンションで真魚から克彦の最期を聞き、恐怖の余りヒステリックになった真澄。あんたたち子どもと居ても何もならないと、他に頼れる人を求めて出ていきます。
まずは木野と表札の出た一室を訪れますが答えはなく。諦め、立ち去る真澄を見守っている鮫っぽいアンノウン。

次に訪れたのは橘純という女。
「そう…とにかく一度皆で集まったほうがいいわね」と同情的に話していた相手は、そのまま奥の部屋へ。次の瞬間、
「…純?」と声をかけつつ、奥へ入る真澄。しかし部屋の主は、そこで電話をかけようとした姿勢のまま、死んでいました。悲鳴をあげ逃げるように立ち去る真澄。
さらに真澄は高島という男を訪れますが、何度叩いても返答のないそのドアに、しかし鍵はかかっていません。恐る恐る上がり込む真澄。そこにはやはり、変わり果てた高島の姿が--。

不安と恐怖の中、行くあてもなくマンションに戻った真澄ですが、突然人ならぬ者に意識を奪われ、身体を乗っ取られてしまいます。声音さえ変わり、居合わせた真島、そして真魚に、
「人でないものは滅べばいい」と襲い掛かる!
気配を感じ、駆けつけた翔一はアギトとなって真澄の使役する鮫っぽいアンノウンと戦いますが、真澄の身体から影のように立ち昇る、水棲生物のような姿(クレジットには“水のエル”とあります)には何もできません。
大人と子供のような力の差。
しかしそれ以上に、水のエルの前に立つだけで、震えが抑えられないほどの恐怖を感じるアギト。

抗う真澄の身体に、再び溶け込むように入り込む水のエルですが、翔一はそれすら認識せず、ただ一心に逃げていくのです。

水のエルは真澄の身体の中にずっと隠れていたようです。冒頭、1体のアンノウンが真澄を狙おうとしているのを、別のアンノウンが止めるシーンがありますが、このことを暗示していたのですね。
「完全に目覚めたいのですね。いいでしょう。あなたが目覚めれば全てが解決するでしょう。この世のアギトはすべて滅び、人は、わたしが愛することのできるものだけになる
謎の青年の力を以て完全に覚醒した、水のエルは、
「もうお前に用はない」と真澄に告げます。その瞬間、真澄は思い出すのです、純に、高島に手を下した自分の姿を。
「そんな!…ごめんなさい。ごめんなさい…」
ヒステリックで猜疑心が強く、仲間と認めない相手には攻撃的。
登場以来ずっと“嫌な女”として描かれてきた真澄。しかしそれだけに、仲間に対する彼女の信頼は、依存と言い換えてもいいほどに深かったはずでした。その仲間を次々と手にかけていたのが自分自身だと--それを最後の記憶として、泣きながらこの世を去らねばならないとは。
残酷な死を迎えた彼女の身体を脱ぎ捨て、影ではなく自らの肉体を持った水のエルが地上に降り立つ--。

水のエルとの邂逅以来、何かから逃避するかのような翔一の態度に疑問を持った真魚。
菜園で、
「翔一くん何かあると必ずここに来るね。真澄さんあれからどうした?」と尋ねますが、その返答は意外なものでした。
「知らない。俺、逃げたから」
「翔一くんが逃げた?」
「俺あいつと前に会った気がするんだ…俺はきっとあいつには勝てない。戦ったら俺は…なんで俺がアギトなんだろう」
あいつはまた俺を襲う、俺がアギトだから。何で俺アギトなのかな。アギトをやめることってできないのかな…
「怖いんだ」と頭を抱える翔一を、無言で見守る真魚。

■真相に近づく氷川・北條

警察もまた、ここへきて新たな事実を知ることになります。
真澄豹変時、初めその真澄にけしかけられ、アギトと戦っていた鮫っぽいアンノウン。
直後、アギトが水のエルと対峙する間は横から現れたギルスと戦うこととなり、形勢不利と見て逃走します。それを追うギルス。そこへさらに駆けつけた氷川は、逃走したアンノウンを追うのを諦め、変身を解いた涼の姿を目撃するのです。人間がギルスだった。それも榊亜紀警護時に会ったことのある、見覚えのある人物。意外な展開に目を見張る氷川。
ギルスが人間なら、アギトも人間ではないか。

なお氷川は、時系列的にはこれよりかなり後になりますが、水のエルとも一度、対峙することになります。
「人間もこれほどの力を持ったか」と驚きつつ氷川のG3-Xを倒し、止めを刺そうとした水のエルは、しかし突然その手をとめ、
「お前はアギトではない。アギトになるべき人間でもない」と告げ、去っていくのです。
この報告を受けた小沢は、

・ならばアギトはやはり、人間が変身したものである
・そして、アギトとなる人間は、一人とは限らない
・アンノウンは無作為に人を襲うのでなく、アギト、及びアギトになる者を襲っている
 (アギト覚醒の前段階として、超能力に目覚めることになると仮定すれば「超能力者、及び血縁者が襲われる」という従前の仮説とも矛盾しない)


と結論づけるのです。

一方、捜査一課に戻った北條は、さらに高島雅英、橘純の死について調査していました。
「手口から見て同じアンノウンの仕業と思われますがこの二人には血縁関係がない」
被害者たちをつなぐ線はまだ別にあるのではないかと、その経歴を洗っていたのです。
その結果浮上したのは…。

■涼と氷川

バイクで走る涼の、その前に横ざまに車を差し込むようにして、涼の足を止めさせる沢木。
「なんだお前は?」
「お前を蘇らせた者だ」

沢木に伴われマンションにやってきた涼。しかし居合わせた真島は真澄の変貌を目の当たりにして、軽いパニックに陥っていました。
「何なんだあんたたち。…まさかあいつが現れるなんて」
水のエルがあかつき号を襲ったと言う真島。聞き咎める涼に、沢木が
「あかつき号のメンバーはある運命を追うことになった。それはお前と同じ運命だ」と解説します。
運命とはアギトとなり、変身して人ならぬものと戦うこと。お前はまだ死んではならない。だから蘇らせた、風谷真魚の力を借りて--。
「俺がアギトと同じ?でもなぜ俺が」
驚く涼に、戦う意味は自分で答えを見つけるべきことだと言う沢木。

翔一のいつにない恐怖。真魚は、そんな翔一を、涼に守ってもらうことを思いつきます。
皆に迷惑をかけないため、美杉邸を辞そうとしていた翔一を、呼びとめる涼、そして真魚。
「葦原さん。どうして?」
「あたしが頼んだの。翔一くんを守ってくれるように」
「彼女には借りがある。借りは返さなきゃならないからな」
「無理ですよ俺を守るなんて」
涼がギルスであることを知らない翔一はそのままバイクで去ろうとします。追う涼。
その前方に現れたアンノウン、そして水のエル。

已む無く変身する翔一、そして涼は、互いに互いの正体を知り、驚きます。
ギルスの力もやはり水のエルには歯が立たず、ひとまず退却する2人。
人気のないところまでバイクで逃げ、変身を解いた涼は、やおら翔一のほうへ向きなおります。

「なぜだ。なぜ亜紀を殺した」

それまで涼にとって、アギトとは榊亜紀を殺した存在でしたから、いざ本人を目にすればこれは当然の問いでしょう。
「俺が亜紀さんを?…そうか、それで葦原さん俺を…」
ギルスの激しい怒りに、圧倒された記憶。
「なぜ殺したと聞いているんだ!」
「違う、殺したのはアンノウンだ。俺は…助けようとしたができなかった」
悔やむ翔一を凝視し、--やがて手を緩め、うつむく涼。
「信じてくれたんですか」
「お前がアギトだって知らなかったからな。お前は人を殺せない。それは俺にだってわかる…」

緊張の糸が切れたのか、話している間に倒れ込む、翔一。
その翔一を、涼は自宅へ運びます。ディスコミュニケーションがテーマの「555」とは違い、ここで邂逅と和解のシーンになる「アギト」もいいですね。
翔一を介抱しつつ、
「そういえばお前に世話になったこともあったな」と微笑む涼。
自分と同じような人に初めて会った、嬉しいような気がすると答える翔一。
そこへ顔を出した真魚に、巻き込まれないよう遠ざかっていろと警告し、再び失神する翔一。

涼も、その翔一の言葉を支持します。
水のエルは今までのアンノウンとは違う。水のエルが翔一をつけ狙う以上、距離をとらなければ真魚も危うい。
「正直俺も津上を守り切れるか自信がない」

帰宅した真魚は、不安になったのか、さらに氷川にも翔一を守ってくれるよう依頼した、ようです。
涼の留守中、苺を片手に現れた氷川。巻き込みたくないと遠慮する翔一ですが、ふと、氷川にも、戦う理由を尋ねたくなります。
「氷川さんは何で戦ってるんですか。怖く…ないんですか」
「命を守るのに、理由なんか要りません」
即答する氷川。何の気取りも衒いもなく。ここの不器用ネタには、思わずにやりとする落ちがついていました。

木野を捜す真島。その真島に、何度となく襲い掛かるカマキリアンノウン。
翔一に付添っていた氷川は出動要請を受けて涼の部屋を抜け出し、前述のように、そこで初めて水のエルと出会います。
圧倒的な力を見せつつ(胸を踏みつけられ泥水の中でもがくG3-Xが素敵でした)、G3-Xがアギトでないことに気づくと、とどめもささず去っていく水のエル。

その水のエルに、やはり撃退されて帰宅した涼。
「葦原さん、俺達これからどうしたら。だいたい奴ら何なんですか」
「やつらは俺達アギトになる人間を襲っていると言った奴がいる」
「どういうことですか。俺たちと同じような人間が増えていくということですか?」
「わからない、俺にも。…お前の気持ちはわかる。俺も普通の人間でいたかった。でも俺は自分を憐れんだりしたくない。今の自分である意味を見つけたい。いや、俺が俺である意味を、必ず見つけなければならないんだ」

水のエルは、アギトには
「お前は一度死んだはずだ。このわたしの手で」と言い、またギルスには
「お前もアギトと同じ、存在してはならないもの」と告げています。
同じ運命に苦しみながら、それを乗り越えた涼の言葉に、うつむくしかない、翔一。
「あのまま死の眠りについていたほうが、お前は幸せだった」という沢木の予言。涼には幸せになってもらいたいのですが…

■パワーアップ弁当

ファイナルベントみたいですが違います。
翔一を思い、慣れぬ手つきで弁当を作っている真魚。そこへ涼が現れ、翔一の菜園を見て驚きます。
翔一から真魚へ、菜園の手入れを頼むという伝言とメモをことづかって来たのですが、それを聞き咎め、
「翔一くんの友達なら」とはしゃいで招じ入れる美杉、そして太一。その様を見ながら
「…贅沢だな津上は。奴は幸せだ、俺なんかよりずっと。こんなに暖かい場所がある。心配してくれる人がいる」と微笑む、涼。

帰宅する涼の前に、再び現れたカマキリ。

出来上がった弁当を届けにきた真魚は、涼がまだ帰宅してないことに驚きつつ、翔一に持って来たものを手渡します。
「翔一くんの菜園の野菜を使ったよ。葦原さんもトマト食べて美味しいって。言ってたよ、翔一くんは幸せだって。翔一くんには翔一くんの場所がある。だから俺なんかよりずっといいって」

真魚の指の傷に気づいた翔一。
直後、アンノウンの発生を察知しますが、しかし動くことができません。その様子を見て、思い切ったように口を開く真魚。

「翔一くん。人のためには戦えるのに、どうして自分のために戦えないの?人のためにはあんなに勇敢だったじゃない。自分のためにも戦いなよ。良く分からないけど、それが人を守ることにもなるんじゃない?」

檄を飛ばされ、猛然と弁当を食べ始める翔一!
「ありがとう、真魚ちゃん。行ってくる」

ギルスとカマキリの死闘。ギルスの胸を踏みつけ、刀を振り下ろそうとするカマキリ。
そこへ駆けつけ、横から飛びつくG3-X。
以後、ギルスとG3-Xが交互に襲い掛かるため、一旦退却したカマキリ。
誰もいない場所で、じりじりと辺りを警戒するギルスとG3-X--そこへ現れた水のエル。
これと言った派手な技は使わないのですが、地力が違うのか、その武器に何度も突きのけられるだけで抵抗力を奪われ、揚句、倒されてしまうギルス、G3-Xは、喘ぐことしかできません。
カマキリアンノウンが止めを刺そうと近づいてきても、意識を失ったのか微動だにしない2人のライダーの影が黒々と映るのみ。

そこへ鳴り響くバイクの音。

降り立ってヘルメットを取る翔一。いつもにまして気合のこもった
「変身」の声に、現れた姿は真紅のバーニングフォーム。
身体のあちこちから陽炎のように揺らめく炎。
角は元から開いている、“最初っからクライマックス”状態。
拳が焔と燃え、その一撃で爆散するカマキリアンノウン。
派手なアクションはありませんが、それだけにアギトの力が格段に増したことがわかります。そのままゆっくりと、水のエルに向き直るアギトに、惚れぼれしました。
「そうか、アギトとは限りなく進化する力。それをあの方は恐れているのか」
あっさりと斬り伏せられた水のエルは、光球となって空を駆け、謎の青年の胸へ跳びこみます。

失神から回復し、よろよろと立ち上がるギルス、G3-X。
「待ってください。あなたたちはいったい」とアギト、ギルスに話しかけようとした氷川の試みは、しかしそこへ響きわたる、異様な叫びにより中断します。怒りの声は、アギト、と叫んでいるようです。声を振り絞り咆哮しながら天を仰ぐ、謎の青年…

涼の留守に、ありがとう、とメモを残して去る翔一。
涼の座っていた椅子を見て、涼の言葉を思い出しつつ…
帰宅した涼はメモを見て微笑み、直後訪ねてきた真魚にも見せます。
「やつならもう大丈夫だ。今頃君の家に帰っているだろう」
真魚に、あかつき号にはもう関わらないほうがいいと忠告する涼。
これからどうするのかと聞かれ、
「もう運命に弄ばれるのはごめんだ。自分の手で自分の運命を切り開こうと思っている」と答える様がどこまでも男前なのです。

■木野、登場

あかつき号メンバーの精神的支柱でありリーダー、にもかかわらず誰も彼も口を開けば
「このところ木野さんと連絡がとれない」と言う、わかりやすく謎の存在とされてきた木野が、いよいよ登場!
天才的な手腕を持ちながら、強引すぎるやり方は、恐らくまともな医師ではあるまいと思わせる、そんな“ブラックジャック”めいた外科医だったのですね。

女性がアンノウンに襲われるところを、見かけた涼。同じく駆けつけた黒服の男に手を貸せと言われ、まだ息のある被害者を、病院へ運び込みます。以下はその涼が、目撃した木野。

「緊急オペの必要があるが生存率は低い」という担当医に馬鹿にしたような顔で応じ、自分に女性のオペを担当させろと手術室へ押し掛け、NOと言われれば相手を力ずくで倒す!いきなり滅茶苦茶でした。
突然現れた見知らぬ医師に、驚く手術室スタッフの反論も
「時間がない、質問は受け付けません。患者の命が救いたければこのわたしに従うことだ」とねじふせ。
しかし一たびオペが始まれば、たちまちその手技に圧倒されるスタッフ達。
回復した担当医が手術室に駆け込んできた時には、すでに木野は去った後でした。
「オペは成功しました!新任の先生ですか?すごいですね」と口々に木野を褒め称える看護師たち。
「信じられない、この短時間で」
担当医の傍らで、加勢に連れて来られたもう1人の医師が訳知りにつぶやきます。
「こんなことのできる男は1人しか…」

病院にとどまり一部始終を見守っていた涼は、木野に話しかけますが、木野は一言も答えず去っていきます(被害者を運びこんで帰ろうとした涼を、手術終了まで引きとめたのは木野なのに!)。

バイクを停めた、木野の回想。吹雪の中、倒れた少年。
「まさと、しっかりしろ!」
気がつけば震える指。鳴り響く携帯電話。我に返り通話ボタンを押すと、
「…至急、オペをお願いしたいのですが。無論報酬はそちらのお望みどおりに」と。
電話の声に、すぐに行くと応じる木野。

あかつき号に関する調査を続ける涼。マンションを再訪し、改めて真島に起こったことを聞きただしますが、
「言えないことになってるんだ。木野さんがいいって言えば別だけど」
「また木野か…」
なぜそんなことを調べるのかと尋ねる真島。
「わからない。俺がどうやって生きるべきか、そのヒントが隠されてる気がするんだ」
「でも葦原さんはもう凄い力があるんだから」
力があればいいってもんじゃない。目的がなけりゃ。もしお前が力を持ったらどうするんだ、と尋ねると、真島は幼稚な答えを連発した挙句、
「そうだ!きっと木野さんが教えてくれる」と答えます。この真島は、真魚から風谷の死を聞かされても
「うるさい親ならいないほうがいいじゃん」とその境遇をうらやんでいました。まだ子供なのです。

再度木野の家を訪れる真島と、護衛についてきた涼。そこへイグアナっぽいアンノウンが現れます。変身する涼。
しかし戦いはアンノウン優勢で展開します。何度もギルスを突きのけては執拗に真島を狙うアンノウン。
とうとう力尽き、変身が解けてしまう涼。絶体絶命--そこへ現れたバイクは、あの黒衣の男。
「木野さん!」
「何?奴が…!」
降り立った木野は涼の目の前で、アギトに変身します。但し翔一とは違う個体であることが、その外見から明らかです。
アンノウンに向かって構えをとる、彼の足元に浮かび上がったアギトの紋章が、ラストカット。

■変身の後遺症

割とどうでもいいことなのかもしれませんが、この31~35話でわたしが気になったのが、能力を使ったことへの後遺症、でした。
ギルス/涼は生前、変身する度にひどい後遺症(頭痛、一時的な皮膚の老化)に悩まされ、ひところは戦っているか、ベッドで脂汗を流し失神しているかのどちらかだったと思います。
しかし、一度死亡し、蘇った後はその後遺症が無くなった、という涼。彼はそれも真魚のおかげと認識していますが、
「襲え」と頭の中で命ずる恐ろしい声も、消えたということでしょうか。

逆に翔一の方は、それまで後遺症らしき描写はほとんどなかったのに、水のエルと出会って以来、激しい頭痛に悩まされるようになります。
それを見て、
「お前の中で変化が起こっているのかも」と言った涼。
その変化とは、アギトとしての進化=バーニングフォーム発現のことなのでしょうか、それとも。

また、涼の蘇生を試みた直後の真魚は、やはり涼と同じく失神し、さらに数日後は手の皮膚の老化のような現象に悩まされます。変身せずとも、極端な力を用いたことがその引き金となるようです。

■明らかになる陣営

正直、謎の青年と沢木は同じ陣営だと思っていました。青年のほうは何でも
「いいでしょう」と沢木の望みをかなえていたので…。かつて
「わたしと同じ力を得て敵対したいつもりですか」と青年が問うていましたが、それは、沢木が力を持ちすぎることへの警告に過ぎないと思っていたのです。
しかしここに至って両者がはっきり陣営を分けたことが明らかになりました。

青年は人を愛していますが、その一方では人はみな同じだと、社会に満ちるその悪意、敵意に耳を傾けています。
そして、愛すべき人の中に混じった、愛せない存在、“人でない人”に対してははっきりと不快の念を持ち、自らあかつき号関係者を殺したこともありますし、同様に彼らを抹殺しようとしているアンノウン達(今回出現した水のエルのようなアンノウン一般とは別の存在も含め)の戦いを支援しています。アンノウンは彼の意を得て動いているとも考えられますが現時点ではわからないので支援、としておきます。

対する沢木は、「最初のアギトを殺した者」として青年の使徒となりました。
青年に願い出てより深く人を知ろうとし、さらには青年と同等の力を与えられて、それを今のところあかつき号関係者、及び真魚の能力覚醒に用いています。
それはアギトらを“増やし”、死んだ者は蘇らせ、その戦いを支援するため。

彼らの立場は実際にはこう単純化できないわけで、そもそも青年はアンノウンを支援するなら沢木に力を与えなければいいのに、面白がっていたような節もありますね。アンノウンの活動に関与して、人を救ったこともあります。当初は超越者として中立的な立場のつもりだったのではないかと思われます。
また沢木も、最初のアギトを殺したとはどういうことなのかと。彼が今は鬼籍にある翔一の姉(すなわち現アギトの血縁者)、雪菜の恋人であったことから、最初のアギトとは恐らく雪菜のことなのだろうと推測するのですが、しかしあの回想シーンは…
3/22追記。誤字を直してたらあちこち気になるところが出てきたので。特に最後は丸々追加しました。鮫っぽいのはオルカだったらしいです。
2015/6/30追記。超今更ですがカテゴリに「アギト」を新設し、そちらに整理しなおしました。アギトのOはΩにしたかったのですが小文字にするとωとなんか違う表現になりそうなので断念w
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