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LOVE! HEROES!

特撮番組全般、そして高岩成二さんと伊藤慎さんを応援します。

今日はいろいろ予定があったのですが、あまりの寒さにぐずぐずしているうちに、お昼になり午後になり…そうなったらなったで、焦る方向じゃなくだんだんやる気もなくなっていくという、だめパターンに入り込んでしまいました。
マイミクさんの朝一番に釣りにいった!という日記を拝見してその行動力がまぶしいです。
そして、こんなこと書きながら自分のぐうたらぶりがまんざら嫌いでもないのがさらにだめなところです。
晴れ渡った冬空も強い向かい風も好きですが、早い日の暮れはわびしくて欝ですね。

別にそんな冬の午後に読んだわけではないですが。
欝なときは腹筋崩壊ものに限りますからね。

屋上物語(祥伝社文庫)
北森鴻著
屋上物語 (祥伝社文庫)屋上物語 (祥伝社文庫)
(2003/06)
北森 鴻

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本作は正直、表紙買い。
青空、高層ビル、屋上から宙を舞う紙飛行機…高いところ好きとしては惹かれてしまったんですね。
著者名を見て、読んだことのある作家だからと安心して購入し、そして幾年月。
本作では女子高生はケータイじゃなくPHSを使っています。そのくらい長い間、我が家の魔窟に潜んでいたのを最近発掘した短編連作です。

舞台はデパートの屋上。そこに、讃岐うどんのさる名店が、アンテナショップとして出したうどんスタンドの店員、通称“さくら婆ァ”が主人公にして名探偵。
デパートの屋上には様々な人が集まります、裏社会にも通じた興行師、学校をさぼった高校生、くたびれた主婦、疲れたデパート従業員、幼い子を連れた母親、昼の休憩にやってきたサラリーマン…そういう市井の人々の中にある辛い記憶、些細な悪意を、さくら婆ァは見抜くという物語。
語り手はエピソードによって違いますが、屋上に勧請された社の狐であったり、古ぼけた観覧車やピンボールマシンであったり。彼らはすべての事実を知りながら人にそれを伝えることのできません。ふつうに“神の視点”で書けばいいと思うんですが、このもどかしさが物語に興趣を添えてもいるわけで。

高いところって妙に惹かれますよね。馬鹿だからなのかもしれませんが。
デパートの屋上に限りません、山の上とか、海を望む崖の上とか。
自分の上には空だけしかないというあの開放された感覚、周囲には自分が踏みしめているわずかな地平しかないという、あの孤立した感覚。
ここから踏み出せばどうなるだろうかと。
普通死ぬんですけどね、もしかしたら空を飛ぶことができるかもしれないという、妙な誘惑を感じます。

そんな憧れみたいなものもあって、表紙イラストの美しさに、読んだら少しは楽しい気分になれるのかな?という期待を持ってこの本を買ったんじゃないかと思うのですが、正直…これがどうにも侘しい物語でした。

表紙には「長編推理小説」とありますが、いわゆる創元推理文庫風の、短編を読んでいたらいつの間にかひとつの大きな謎が解けていき…というものじゃないんです。それよりはリレー小説という感じ。
物語としてのつながりは薄く、一つ一つ独立して読めるのですが、前の短編で登場した人物が次で重要な役割を果たし、またそこで脇で出てきていた人が次では…という感じに微妙に後を引いていくのです。
この余韻と、それからどの事件も登場人物が小悪党だったり愚かだったり、動機も卑近で矮小で切なくて…という侘しさが本作の特徴なのかなと思います。

どのエピソードもきちんとした本格推理の骨格を持っていて、謎解きの楽しさはあるのですが、しかしそれがカタルシスにつながらない。主人公(妙にハードボイルドな女丈夫です)の眉はいつも、憂愁の色に曇る…そういうものがお好きな方にはいいのでしょうが、スカッとした気分になりたい人には向かないかも?
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