LOVE! HEROES!

特撮番組全般、そして高岩成二さんと伊藤慎さんを応援します。

暖房が全然効いてる気がしないんですがどうしたものか。
twitterでRTしましたが今日が寒さの底だそうです…皆さん外出時にはご注意を。
映画観に行こうと思ってたんだけどなあ。

今日習い事に行ったときの待ち時間で読んでしまいました。

所轄刑事・麻生龍太郎(新潮文庫)
柴田よしき著
所轄刑事・麻生龍太郎 (新潮文庫)所轄刑事・麻生龍太郎 (新潮文庫)
(2009/07/28)
柴田 よしき

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RIKOシリーズは著者のデビュー作から始まったと記憶しているのですが、そのシリーズキャラクターとしてもかなり早期に登場する、麻生龍太郎のスピンアウトもの。
柴田作品は割合読んでいるのですが、我ながら猫の正太郎シリーズなど、ユーモア系に寄り過ぎだと思います。ハードな作風で知られるRIKOシリーズは最初のほうしか読めていません。

どうもレイプとか幼児虐待とかいうのは弱いんです、まだ猟奇殺人ものとか人肉食もののほうがましで、できれば殺すならさっさと殺す、殴るならさくっと殴る、そういう事件のほうが好みです。
そんなこと言ってると読めるものが激減してしまうので、なるべく気にしないようにしていますが、そういうわたしにRIKOシリーズはハード過ぎました。銃弾飛び交うのはいいんですけどね。
同性愛者が出てきやすいのも柴田作品の特徴で、それがだいたいリンチの手段に結びついたりするので、読む度
「そういう描写は必要か?」と思い…1作1作は面白いので買った以上読んでしまいますが、2作続けてそうだった後、もうこのシリーズの続刊を買おうという気にはなれなかったのです。

ということでおっかなびっくりの購入だったのですが、これはこの政治家みたいな名前の刑事が、まだホンチョウではなく所轄で、駆け出しの刑事として市井の事件に取り組んでいた頃のお話。
玄関先のプランターがたたき割られていた、マンションのベランダで幼児が泣いている、ホームレスの女が通りすがりの女子高生をひっかいた…そんな事件。どれも一通り解決の目処が立っている、その状態で、
「何か気になる」ものを感じてしまう龍太郎。

駆け出しの刑事がそんなことを言っても実際には相手にされないというケースが多いのではと思いますし、冒頭、先輩刑事が言うように
「自分が意見具申することで捜査の方針が変わり、それによって捜査が失敗することがあるのが恐ろしい」という組織に属する者特有の恐怖もあるものだろうと思います。
しかし龍太郎にはそんな感情は一切なく、何気なく感じた疑問をそのまま口にしますし、ゆるーい下町の雰囲気そのままの所轄署で、先輩や同僚もそれを受け入れ、
「こんな推理小説みたいな事件はお前に任せる」とある程度自由な行動を認めてくれます。
そして、事件は意外な顔を見せて終わる。
淡々とした筆致とツイストの効いた展開が面白かった。

こう説明するとよくある若手刑事の成長ものをイメージされるかも知れませんが、解説はこの龍太郎を、わたしたちを取り巻く日常の世界と、犯罪へ踏み出す狂気の世界、そのあわいに立つ者としています。だから事件の真相に気づくのだと。確かに、ボーダーは案外あっさりと乗り越えてしまうものだということを感じさせる、微妙な事件が揃っています。

龍太郎はいくら手柄をおさめても、その活躍をホンチョウに認められ最後には引っ張られることになっても、そしてそれを所轄の仲間に栄転だと祝福されても、終始淡々としています。後半に登場する野心に燃えた女刑事とは対照的。
嬉しくもなければ、仲間やなじんだ街を離れる感傷もない。
「自分は情に薄い、人の心がわからない」というのが龍太郎自身の自己評価であり、それは彼が同性愛的な恋愛をしていること(彼は現在パートナーである及川刑事だけが特別なのであり、今まで男性相手に恋をしたことはないため、自分を同性愛者とは考えていません)、それによる深い孤独を味わっていることに結びついています。わたしは本作で初めて龍太郎という登場人物に関心を持ちました。
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