LOVE! HEROES!

特撮番組全般、そして高岩成二さんと伊藤慎さんを応援します。

春らしいいい天気ですね!
月曜日にやるはずだった用件を今日までのばしのばししてしまったのですが、正解だったかも…久々に遠出して楽しかったです。
ただ、あてにしていた本屋さんが改装中?か何かで利用できず。
本屋さんで本を買って、それをそのへんの喫茶店で読むというのが外出の楽しみなので残念でした。
そして今日も東京スカイツリーは伸びてました。完成の時は、あの一番上のクレーンを下ろすところを見たいなあ。最後はエレベーターか何かで下ろすはずなので、だんだんちっちゃくなっていく過程のところを。

ということで1時間ほどの用件を済ませただけで大仕事した気分になっている本日読了シリーズ。
8割方読み終えていた若竹七海が魔窟の何処かへと消えてしまい、こちらが先に読み終わりました。

砂漠で溺れるわけにはいかない
ドン・ウィンズロウ著 東江一紀訳
砂漠で溺れるわけにはいかない (創元推理文庫)砂漠で溺れるわけにはいかない (創元推理文庫)
(2006/08)
ドン ウィンズロウ

商品詳細を見る

帯に大書されている通り、ニール・ケアリーシリーズ最終巻。
今まで読み続けてきた者としては感慨無量ですし、ほとんど丸々エピローグのような気もしますが、もちろんこれ単独で読んでも充分に楽しいチャーミングな一冊です。

主人公、ニール・ケアリー。
娼婦の私生児として生まれ、ネグレクト気味に育ち、ストリートキッズとして、生きるためにできる、あらゆることをしながら暮らしていた彼は、ある日ちょろいカモに見えた男の財布をスることに失敗し…と書くとハードな作風のようにも思えますが、全然そんなことはありません。

その“カモ"、ジョー・グレアムはロードアイランドの“銀行"が、顧客のために様々な便宜をはかる秘密機関、“朋友会"の雇われ探偵でした。
ニールの資質を見抜き、その探偵術を伝授すると共に、彼を名門校に入れ、上流階層の人々と交わって浮かないためのマナーや教養、そして学問を身につけさせます。
グレアムを「父さん」と呼びながら成長した彼は、やがて学問の徒として生きる道を希望するようになり--しかしそれは問屋がおろさない。

口ではお前の自由にすればいいと言いつつも、ニールの資質に合いそうな案件とみれば、こちらの都合など気にもせず、ちょっと手を貸せと言ってくるグレアム。
そしてニールもまた、グレアムへの敬愛の念と、生い立ちによるものか妙に自分の価値を低く見つもる習性から、ぶつぶつ言いつつも結局はその意に従うのです。
既刊「ストリート・キッズ」「仏陀の鏡への道」「高く孤独な道を行け」「ウォータースライドをのぼれ」はだいたいそのパターン。そして今回も。

“銀行"の上得意である老人が、ふらりとラスヴェガスに出掛け、戻らない。老人の自由といえば自由だが、年齢も年齢であり、アルツハイマーの気もあるので、“朋友会"としては心配している。
「お前ちょっと行って、連れ戻して来てくれ」というのがグレアムの指示。
しかしニールは二ヶ月後に結婚を控え、しかも子どもを作る時期についての話し合いが微妙な成り行きとなっていて、今は片時も婚約者・カレンのそばを離れたくないのです。
「だったらさっさと用件を済ませればいい」というのがグレアムの意見。どうせ、おじいさんをラスヴェガスからプロビデンスへエスコートするだけの、雑用です。2日もあれば充分。

そう思っていたのに首を突っ込んでみたら一筋縄ではいかない事態。
子ども扱いされ、蚊帳の外におかれ、まさに砂漠の真ん中で、溺れそうになってしまうニール。最後のは比喩表現ではありません。

問題のおじいさんがまた、チャーミング極まりない人物で、その渾身の軽口が紙数の大半を占める一方、事件の背景に関する読者への説明は極端に簡素化されています(その上、直接には物語には登場しない人物のラブストーリーが展開)。
元々ウィットの効いた文体や会話はこのシリーズの楽しみでしたが、それでも過去の長編は事件そのものを丹念に描き出してきたので、やはりこの「砂漠」はその中でも独特。こんな書き方もあるのかと驚きました。

なお、結婚するからには早く子どもをつくりたいと言うカレンに対し、何となく及び腰になってしまうニール。
父親になることへの自信が持てないのは、自分の生物学上の父親を知らないからなのか。父親を与えないばかりか自身もろくに子育てに関わろうとしなかった母親への怒りがあるのか。
シリーズを通じニールは自分で自分を育て直してきたわけなのですが、その総仕上げとなりそうなこのテーマにも、ニールは何とか答えを出さねばなりません。
一冊丸々エピローグとはそういう意味で、過去作を読んできた読者にはまた感慨無量なエンディングなのですが、同様に初めてこれを手にとる方にも、なんだか知らないけど萌える話だと思っていただけると思います。

なおああいう状態でそういう成り行きになるのはニールが「たくましい」からじゃなく、男性の場合はああいう状態だからこその「生物としての本能」なんじゃないのかとカレンには言いたいです。ふふん。

そして、今「過去作を読んできた読者には」と、さぞ自分も全作読んできたように書きましたが、そういえば「ウォータースライド」を読み損なっていたことに本作で気づいてショックです。
このシリーズ、完結までが長くて長くて、それは作家の遅筆によるものかと思い込んでいたのですが、日本の出版事情という翻訳側の問題であったことを今回あとがきで知りました。
出版不況と言いますが、シリーズもののような一気読みしたくなるものは、もっとテンポよく出してほしいなあ。
何年も間が空くと、買い損なってしまうんですよね。
関連記事

style="clap"














管理者にだけ表示

トラックバックURL↓
http://maki555.blog88.fc2.com/tb.php/1641-4a2a799a

| ホーム |