LOVE! HEROES!

特撮番組全般、そして高岩成二さんと伊藤慎さんを応援します。


DSC_6865 / dibaer


いつもリアタイ更新でしたが、今回週末色々な納期が集中してたのでやっつけてからゆっくり見ました!

わたしが子供の頃住んでいたのは山を切り開いて作った住宅地で、家はびっしり建ってたものの、お店とか公園とかぜんぜんなかったので、毎日自転車でゆるい山道上ったり下りたりして過ごしてたような気がします。
野犬などもいて結構危険だったんですが、溜池の向こうはどうなってるのかとか、あの小屋を過ぎると崖だとか、この小川でザリガニが釣れるとか、探検気分でよくあちこち走り回っていました。
今思うと、独りでよくやってたなあ、としか言いようがないですが、そしてもしかしたら他人様の土地の中も走り回っていたんじゃないかというような気がしますが。

自転車があると子供でも、どこへでもいける気分になっちゃうんですよね。

そんなノスタルジーとかを思い出した今回。
冒頭の仁藤のバイク(自転車)アクションが素晴らしすぎる。
おまけに少年相手に包容力みせちゃってもう。
笛木

面影堂。ピッチでのことを語り合っていたのでしょうか、食卓を囲みつつ、溜息混じりに詫びる輪島。
「済まなかったな。俺はまたあの男のために指輪を」
「仕方ないさ。人の命がかかってるなんて言われたら」
晴人の言葉に傍らで頷くコヨミ。
「一年前と何にも変わってないなあ、俺は」嘆く輪島。

回想。嵐の日の面影堂。店先でトレンチコートの男と対峙する輪島。
「名前も身分も明かしてもらえないとなると、こちらとしても」
「代金なら全額前払いする」
「お金の問題じゃ」断りかけて、男の開けたバッグの中身に目を留めてしまう輪島。「あっ、そんなに?」
その隙にすかさず、
「なにより輪島さん、このめずらしい石を形にしてみたいと思わないかね」と男は、次には小さなアタッシュケースを開いてみせます。
中からのぞく、色とりどりの魔宝石に思わず目を奪われる輪島の表情が、職人のという感じでいいです。

「そういや、今回渡された石は、今までと感じが違ったな」
「特別な、指輪なのかな」とコヨミ。
「さあな。でも、やつは何かをしようとしてる。……探してみるか」ひとりごちる晴人で、OP。

緑の風吹く公園。
ベンチにかけて、大門にその不思議な男の話をする晴人。
しかし、メモ帳片手にはりきっていた大門も、あまりの手がかりのなさに、顔をしかめます。
40代から50代の男。笛木という名すら、偽名かも知れない。
わかっているのはその顔だけ――。
「国安の力を借りるしかないかも」
「あいつに?」嫌そうに言う晴人。

0課。
執務室で盛大にくしゃみしている木崎。
「風邪かな」と自分の肩を抱きます。
この人はコーヒーといい、リアクション担当なのでしょうか。

風を使う男

どこかの屋上。険しい顔で下界を見下ろすミサ。
「――見つけた」と振り返ると、
「さすがミサちゃん。ご苦労様。それじゃあ西川くん、後のことはよろしくね?」と後をひきとったソラが、離れた場所に立つ男に声をかけます。
肩までの髪、白い風変わりな服装。下界に向けまじないをかけているかのような、あるいは、オーケストラに指揮棒を振るような手振り。その胸には、青と黄の風車が、コサージュのように挿され、強い風にからからと回っています。

俺に自転車

自転車店。
外からウィンドウをじっと見つめている少年。

大きな池のある公園。よろよろと現れ、その手すりにすがるのは仁藤。
「あああ、居ねえなあ……ファントム」
情けなくしゃがみこみそうになるところへ、ブレーキの音も高く現れたのは瞬平。
「ども?」と気取った挨拶に、「おおおおっ」と奇声をあげて駆け寄る仁藤。
「ハードテール!」と歓声をあげつつ、しゃがみこんで車体を撫で回します。
「知り合いからお古もらったんですよお」
「いいじゃねえか。昔はこれであっちこっちの遺跡を回ったもんよ!」

そのまま自転車話に花が咲きそうだった二人ですが、突然響く悲鳴に表情を引き締めます。
瞬時に立ち上がる仁藤がヒーロー然とかっこいい。
「瞬平!」
「はいっ!」
しかし一転して顔を緩め、「借りるぞお?」と瞬平の自転車にまたがり走り去ってしまいます。
「え、ええっ? ……っ、もぉっ」
悔しがりつつ、携帯を取り出す瞬平。捜査は大門、見敵通報が瞬平、という役割分担でしょうか。

逃げ惑う人々のなかで、倒れこんだのは先程の少年。
グールの群れに取り巻かれ後ずさりしますが壁に行く手を阻まれます。
その場へ楽しげに現れたのは、先ほど西川と呼ばれていた男。今回顔も下半身も映りましたがますます風変わりな風体です。派手なプリント模様のパンツに、尖った靴先が大きく上へ巻き上がった、サーカスのピエロのような靴。
「ヘイヘイヘイ。怖いだろう? 怖いよねえ?」歌うように少年に迫りより、「そのまま一気に絶望しちゃいな♬」と胸の風車を抜いてかざすと、巻き起こる風のなかで変身します。
その姿はファントム・シルフィ。
得意げに少年に歩み寄ろうとしたところへ、チリンチリン、と自転車のベルの音。
「えっ」
顔をあげたシルフィ。その視界に飛び込んできたのは、
「どぉりゃっ!」と瞬平の自転車を駆り、BMX競技のような大ジャンプを見せる仁藤。
そのまま、
「どけどけどけーっ!」と叫びつつベルを鳴らしつつ、グールの群れを蹴散らし公園の階段を駆け下りてきます!
かっこよすぎてク、クウガみたい。
最後は急ターンで自転車を停めつつシルフィへ蹴りを浴びせ、倒れた相手を傲然と見下ろす様が、まさにヒーロー登場。
「運が悪かったな。今の俺は、鬼に金棒ならぬ、<俺に自転車>だ!」なんだそれ。
おら、こっちだ、こっち、と巧みに自転車を操り、敵の攻撃を躱しつつ、グールらを
「おらおらおらおら! おっせえぞ」と轢き倒しなぎ倒し走り回るのは実に楽しそう。ジャックナイフに一本橋、次々と技を繰り出し、公園脇の屋台から落ちた商品は
「スイマセン」と拾って戻す軽快なアクション。

そのさまを、やや離れた場所まで退避して眺めている少年。
「すごい……」

「へんーっ、しん!」
その眼前で派手なポーズを取り、指輪をベルトに翳す仁藤。セット、オープン。
思わぬ展開に目を見張る少年。
変身後は一転、パワフルな動きで時に自転車を武器に振り回し、時に自転車を軸に回し蹴りを浴びせ、グールたちを圧倒するビースト。

「こっちはがら空きだ?」
「……っ」

しかし、その間、シルフィは少年のすぐそばまで間を詰めてきていました。
ひーっひっひっひ、と気味の悪い笑い声を立てながら迫り寄るシルフィ。
後ずさる少年へ伸ばした手が、今しも相手の肩へ触れそうになった、その瞬間……
地中から少年の楯となるべく、躍り出てきたのはウィザード・ランドスタイル!
「ぎゃあっ」
「どこががら空きだって?」
剣で払われ悲鳴をあげるシルフィに、さらに撃ちかかっていきます。
しかしその剣先を、暖簾に腕押し的なゆるさで躱すシルフィ。ひらひらと円の動きが多いのは風車と関係があるのでしょうか。ひょいと高所へ逃れ、
「なんだか冷めちまったぜ?」とウィザードに肩をすくめてみせます。余裕だな。
「また会おう……wow!」奇声をあげ、サーカスのピエロのようにゆるーいトンボを切って姿を消す敵を、見送るランドさんがかわいい。

慕情

一方、連続でグールを倒し、その魂を腹中に収めるビースト。
「はあ、ごっつぁん」と両手を合わせている向こうで、ランドが少年に
「大丈夫か」と声をかけます。しかし、そちらには目もくれず、無言でビーストの方へ駆けよる少年。「おっ、おい?」と手を伸ばすランドさんがかわいそう。
「はあああ、喰った喰った」腹を撫で、「お、大丈夫か?」と少年に声をかけるビースト。
少年はビーストのライディングテクニックに魅了されていたのですね。
「あのっ」緊張の面持ちで口を開く少年。「僕に、自転車の乗り方を教えて下さい!」
「ああ、はいはいはい……ええっ!?」

ドーナツ店、はんぐり~。
今日は滝のある公園に店を広げています。
「きみ、自転車乗れないの?」と瞬平。
「今まで、避けてたから」
「いや、教えるのはぜんぜんいいんだけどよぉ」
言いよどむ仁藤に続け、
「今は危ない。ファントムを倒して、落ち着いてからにしな」と諭す晴人。
「早くしないと、間に合わないかもしれないんです!」
その背後で、新たに現れた女性客がドーナツの注文をしています。
長い髪、白く小さな顔。その手首に揺れる、ブレスレットの鈴の音に振り返る少年。
「あ」
「譲くん!」
「……こんにちは」
あとは続かず、ただ立ち尽くす少年・譲に、女性客の方も言葉をかけにくい様子で、商品を受け取るなり
「じゃあね?」と立ち去っていきます。

「はははっ」
「なるほどお」
「……可愛いじゃん」
少年の慕情をからかうように、立ってきて代わる代わるその肩を叩く晴人、仁藤、瞬平。
「あの」
「わかってるわかってる皆まで言うな。今の彼女にいいとこ見せたいんだろ?」
「ち、ちがうよ! ――朱里姉ちゃんとは家が近くて小さい頃よく遊んでくれたんだ。でも」

理由

譲の回想。公園で友達となわとびをしている幼い譲。
学校帰りらしく、制服姿で自転車を停め、
「譲くん!」と声をかける朱里。
「朱里姉ちゃん!」駆け寄って「うわあ、新しい自転車いいなあ」とその車体に触れる譲。
「何言ってるの。譲くんはまだ、自転車に乗れないんでしょ」
「えへへ」
「朱里お姉ちゃん、なわとびしよう」
「はあい」
皆に慕われているのか、他の子供達にも呼ばれ、譲をその場に残し、そちらへ向かう朱里。そして――。

縄を手に、ふと譲のほうを見やった朱里の目に映ったのは、大きすぎる彼女の自転車にまたがり、よろよろと公園を出て行く譲の後ろ姿。
「譲、ダメ!」
公園の外はすぐ、交通量の多い道路。叫び声、トラックのクラクション。

事故の責任を感じ見舞いに現れた朱里に、譲の母は責める言葉を浴びせ、追い返しました。それを影で聞いていた譲。

「……それからなんか、話しづらくなって。でも、昨日聞いたんです、来週、朱里姉ちゃんち、引っ越すんだって」
「ええっ、来週?」
「だから僕、どうしても」
「ようしわかった。俺に任せろ!」
微笑んで、男見せてやろうぜ、と少年の肩をたたく仁藤。
「じゃ俺は、用事済ませてから来るかな」
頑張れよ、と少年の頭を撫でて去る晴人。

公園の緑を吹き抜ける風。

そして、強風吹きすさぶビルの屋上。そこに立つ西川。
「オーケーオーケー。……ぜんぶ聞こえたよ?」

特訓・初級編

高架下の児童公園。
自転車にまたがり、両足で地面を蹴る練習をしている少年。最近知ったのですが、今はこういう練習をするんですよね。いきなりペダルを踏ませ、お父さんが荷台を支えて後ろから走る(そして勝手に手を離す)、というのが昔のやり方だったので、わたしもこんなふうに段階追って科学的に教えてもらいたかったなあ。
「その調子だ。今度はペダルを漕いでみろ」
「う、わぁぁぁっ」
「おい、さっきの感覚忘れんな?」
おっかなびっくりでペダルを踏む少年。わざとらしく(だって途中までは乗れてるので)何度もすっ転んでしまいます。身体が痛むのか、じっと動かず地に伏せたままの少年に、
「事故のこと思い出してびびってんじゃねえぞ」と心を鬼にする仁藤。「ここを乗り越えなきゃおめえは何も変われねえままだ。いいのか、それで」
「……嫌だ」決然と起き上がる少年。
「だったらふんばれ。できるな?」

何度目のトライなのか、まだ不安定ながら、何とか自転車で走ることのできた少年。
「……やった。やった……」
声の変化で感情のうつろいが見事に表現されています。
それを見送り、第一段階終了だな、とつぶやく仁藤。

所用

0課、木崎の執務室。
「お前たちの方から頼ってくるとはな」
デスクに肘をついた両手を組み、大門、晴人を迎える木崎。
「おいおい。先に頼ってきたのはそっちだろ」との晴人の言葉に色をなします。
「滝川空の件なら、お前たちにも有益な情報だったろ」
「……そういう態度が気に喰わないけど。あんたの力が必要なんだ」
「わかっている」

特訓・中級編

階段状になっている公園の散策路。そこを駆け上がる仁藤と譲。
「普通に自転車乗れたからって女の子が振り向くか? 俺レベルに乗りこなしてこそ、だ」
「わかってる」
高台の広場で中腰の姿勢のまま、頭や手に水の入った容器を載せられ、じっとさせられている少年。のどごし<生>の石田さんじゃないけど、香港映画の特訓シーンで毎度出てくるあのポーズです。足がぷるぷるしています。
その背後では片足一本立ちの妙なポーズをとっている仁藤。
「……当然、バランス感覚も鍛えてもらう」
「ああっ」言ったそばから倒れてしまう少年。

特訓・上級編

林道。険しい顔で腕組みする仁藤。少年と二人してライディングスーツ。
「いよいよこっからが本番だ」
まずはスピードに慣れろ、と言われ、ハイ、という声も凛々しく、下り坂を走る少年。すっかり安定した走りっぷりですが、二股にわかれた道の、中央の立木に正面衝突。
はっと顔色を変える仁藤ですが、譲がすぐに起き上がり、立て直した車体に躊躇なくまたがるのを見て頷きます。
「うわ。うわーっ。うわ!」
速いスピードで林道を駆け下りていく譲。だんだん声が楽しそうになっていきます。
「ようし。次はテクニックを磨くぞ!」
「はい!」
カーブや段差も含んだ、複雑な下り坂。当然転んでしまうのですが、よろけながらも起き上がり、自分で自分に気合を入れるさまに、仁藤も微笑みます。
あと、もう少しで仁藤の待つ平地へ届く、という時。
段差でジャンプした譲の身体と車体を、風が取り囲み、不自然に持ち上げます。
「譲!」
強風に煽られ、後方に二回転して、着地する譲。
駆け寄ってきた仁藤に笑顔で振り返ります。
「見た、今の!」
「やったな、譲!」
「うん!」

夜。仁藤のアウトドア生活が今回ほど馴染む話はないですね。今までは野宿、でしたが今回はキャンプ、みたいな。いや言葉の意味は一緒なんですけど。

ほら、と焼きあがったバーベキューの串を渡され、
「なんか、お父さんみたい」とはにかむ譲。
「はあ? 俺留年してっけど、まだ大学生だぞ?」
「ごめんなさい。うちのお父さん、僕がまだ幼稚園の頃に死んじゃったから」
え、と顔をあげる仁藤。
「……小さい頃、キャンプに連れて行ってもらったのを思い出して」
「ああ。――でもまあ、兄貴くらいにしといてくんねえかなw いきなり父ちゃんってのはな」
「わかった。攻介兄ちゃん」
頷く仁藤。
「ようし。明日早速、あかりちゃん呼び出すぞ」
と、それまで打ち解けていた譲の笑顔が、たちまちこわばり、小さくなって消えていきます。「……うん」
その肩をぽんと叩く仁藤。
「大丈夫だよ」という声が、顔がやさしくてびっくりします。見つめ合い、微笑み合う二人を、月が照らしていました。

ツンデレ捜査

0課資料室。大門と二人、PCのモニターに向かい、登録されている中年男の顔を一人ひとり検めている晴人。
この間大門がメドゥーサについて調べていた時も思いましたが、これはどういうデータなんでしょうね? 失踪者? 容疑者?
「違う。……違う」
しかし、笛木に似た男の写真は無く、やがてデータも尽きてしまいます。木崎に終わりだと告げられ、
「収穫ゼロかよー」と椅子でくるくる回る晴人が可愛い。
「こんなに見たのに」
「となると、目撃情報を当たるしかないな。大門刑事、モンタージュ写真を作成しろ。後は0課で調べる」
「わ、……かりました」
「あ、……りがと」
二人の妙な表情に気づき、目をあげる木崎。
し、仕事だからなっ」と背を向け、出て行きます。
着々とツンデレ化が進行していますね。

地下水路。
「頼んだぞ」と使い魔を放つ笛木。

資料室。
「あ! ああ! でーきたーっ!」
「ああ! はあ、朝だよぅ」
徹夜で作成した笛木のモンタージュ。大門と喜びを分かち合う間もなく、腰を上げる晴人。
「おえ、うううおおみえくる」しかし、あくびしながらなのでわけがわかりません。
「あ? なんて?」
「譲の様子見てくる」
「……あ、後はやっとく、行ってらっしゃい」
言うなり机を枕に寝入る大門。カップラーメンの残骸がらしいというかなんというか。

賭け

林道。緊張して待つ二人の背後から、
「譲くん」と涼やかな声が響きます。それとともに鳴る、鈴の音。振り返る二人に、微笑む朱里。
「なに、見せたいものって」
無言で譲のそばから離れる仁藤。その影に隠れていた自転車に、朱里は目を留めます。
「……あ」
「あの時は、ごめんなさい」頭を下げる譲。「ずっと謝んなきゃって思ってた。でも、言えなくて。なんか、言えなくて。……でも、このままだともう一生会えないかもって思って。そんなのやで。だから」
「譲くん」
「ゴールのところで、見てて」
白い歯を見せ、告げる譲。笑顔で頷く朱里。

林道コース。決然と自転車を駆る譲。徐々にのっていくスピードにも、臆する様子はありません。二股に分かれる先の、立木を躱し、さらにスピードを上げつつ、思わず叫ぶ譲。
「僕、もう乗れるから。自転車乗れるから!」
腕組みし見守る仁藤。ゴールで待つ朱里。そちらへ向け、段差を躱し木々の間を走り抜ける譲。
「朱里姉ちゃんの悪いところなんか、一個もないから!」
連続するカーブ。
「だから、これ決まったら。許して!」
はっと緊張する朱里。
ゴールは目前。最後のジャンプで
「おりゃぁあああっ」と仁藤ゆずりの気合を入れる譲。
「あっ」瞬間、その成功を確信し、微笑む朱里、仁藤。その時。
「きゃっ」
強い逆風が吹き、朱里の帽子が吹き飛ばされていきます。空中で風に煽られのけぞり、バランスを崩す譲。
「――っ!」
はっと顔を上げた朱里の見たものは、宙高くから落下してくる、無人の自転車。

衝突

「ああっ」
そして、草地に投げ出され、全身を強く打つ譲。痛みに呻きつつ顔を上げた先には、自転車の直撃を受け倒れこんだまま、動かぬの朱里の姿がありました。
「譲っ!」
駆け寄り譲の無事を確かめた仁藤も、すぐに朱里のもとへ向かいます。
「あ、あかりちゃんっ? 朱里ちゃん」
肩に手をかけられ、ぐらりと傾く首。こちらに向いた、その白い額には赤黒い傷が――。
朱里姉ちゃん、朱里姉ちゃんとつぶやきつつ、自由のきかぬ身体で必死に這い寄ろうとする譲。
「おいっ、しっかりしろ、朱里ちゃん、おいっ」
呼び続ける仁藤をあざ笑うように、
「いっひっひ。そんなうまくいくわけなーいっての」ときいきいした声が頭上から聞こえてきます。顔を上げる仁藤。
声の主、シルフィが木々の間から姿を表します。
「……ファントム」
「ボーイ。お前がかっこよく●●できたのは、この俺、風使いのシルフィー様がアシストしてやったおかげなんだよっ」
ここなんて言ったのかわかりませんでした。ジャンプ? でも西川さんが楽しそうだからどうでもいいです。
「なに」
「お前らのボーイズトーク、風にのって筒抜けなんだぜえ」
聞こえる聞こえると、耳の後ろに手を当て、おどけてみせるシルフィ。
「すぐ手当してやっからな、ちっと休んでろ」囁くように朱里の身体を草に横たえ、立ち上がる仁藤。「ったく、趣味の悪い野郎だぜ。男の純情もてあそびやがって。ぶっ倒さなきゃ気がすまねえ」
セットオープン。ライオン。
「くくくくくっ」
なおも上機嫌に笑うシルフィに、憤然と斬りかかるビースト。しかしのらりくらりと手応えなく躱し続けるのがなんかむかつく。
「あああっ、もうっ!」
斬りつけた先で、つむじ風と消えるシルフィ。
「イーッヤッハー!」
旋回しながらの反撃に、傷つきのけぞるビースト。

足止め

長い吊り橋を疾走するバイク。その中央に立つ女の影に、急ブレーキをかけます。
「メドゥーサ……」
ヘルメットを取る晴人。
「ここは通さないわ。今いいところなの」
仁藤が気軽に朱里を呼び出したから近くだと思ったのに、ずいぶん遠方で特訓していたものです。
ミサの言葉の意味を悟り、バイクを降りて詰め寄る晴人。
「まさか譲は!」
応えず、ただ微笑みメドゥーサへと変じるミサ。
「……だったら無理にでも通してもらう」
青空と緑の山を背に、フレイムスタイルの紅い瞳が、伸ばされた指先が、美しすぎて目がつぶれそうです。
「はっ!」
一転、激しく斬りかかるフレイム。息詰まる攻防。

絶望

「ていっ! ていっ!」やけになったのかシルフィを蹴りまくっているビースト。しかし斬りかかろうとした隙に反撃され、後退していきます。
その向こうに、まだ倒れたままの朱里と譲。
必死に這い寄りながら、動かないままの朱里に
「僕のせいだ……」とつぶやく譲。
「ゆずる、」振り向くビースト。それを殴り、退けるシルフィー。「ぜーんぶおまえのせいだ?」
「僕のせいで……朱里姉ちゃんが、こんな」
「ちがうっ! 譲のせいじゃねえ!」
「さあ絶望しろ、だーいすきな人を傷つけちゃった自分にwww」
「こんな……」
ドクン。身体に起こった予兆に、息を呑む譲。
「譲っ! だめだっ」
「ヘッヘッヘッへーイ」
譲に気を取られつつ戦うビーストを、隙だらけだと言わんばかりに小突き回すシルフィ。
その向こうでは譲の全身に、紫色の罅が走り始めています。

触手タイム

「はあっ!」
フレイムドラゴンに変じ、なおもメドゥーサと斬り結ぶウィザード。<connect>で取り出したドラゴタイマーを手に構えたところで、
「させるかっ」
メドゥーサの蛇の髪に捉えられ、締めあげられます。
「……っ」
持ち上げられ、やがて地上から離れるつま先。細い足首。
「ああっ……ぐぁっ」
「魔力を吸い尽くしてやる」
ドレイン。のたうち苦しむウィザードの体表から金色に燦めく光が溢れ、メドゥーサに流れ込んでいきます。
ああ、高岩さんには触手がよく似合う。
力を失ったその身体から、無造作に蛇の髪を離すメドゥーサ。
「――っ」
橋から川底へ、落ちていく寸前で橋桁に取りすがるウィザード。水面まで何メートルあるのでしょうか。必死で上げた顔の前には、メドゥーサの杖先が迫ります。
「這い上がることもできまい」

メイジ登場

勝利を確信し微笑む彼女の頭上に、急降下してきたのは白の使い魔。
その攻撃によろめくメドゥーサ。立ち直り、
「お前は――」と絶句します。

橋の上を、一歩一歩、大股に歩み寄ってきたのはチェックのミニスカート、紺のハイソックス。右手の指には、エンゲージの証。
灰色のブレザーの背が、すっきりと伸びて美しい。
無言のまま、全身から威圧感を発散させ、たじろぐメドゥーサの眼前に立つ、その少女は。
「真由ちゃん……」
まだ橋桁にすがったまま、呆然とつぶやくウィザード。
「久しぶりね。メドゥーサ」
「真由」人間体に戻るミサ。「わざわざ死ぬために戻ってきたの」
「いいえ。あなたを葬るためよ」
「なに」

ドライバーオン、変身。長い脚、長い腕。くるりとターンを切るとスカートの裾が丸く広がります。
シャバドゥビタッチヘンシーン、じゃなく彼女個人の変身音にしてあげればよかったのに……ただ、魔法陣がやや右斜め下から左斜め上へ走っていくのをアオリで撮る演出はちょっといいですね。金色に輝く身体、しかしその線があまり少女っぽくないような。
そして、その両肩の突き出たデザインが、なんというか、「響鬼」の鬼っぽいというか。
いや動いたらかっこいいんでしょうけど。

魔法使いとなった真由に、共に息を呑む、ウィザードとミサ。その前で真由は、高らかに宣言します。
「この手で倒してみせる。お姉ちゃんの命を奪ったあなたを!」
仮面ライダーメイジ、堂々たる初陣。となるのか。
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