LOVE! HEROES!

特撮番組全般、そして高岩成二さんと伊藤慎さんを応援します。

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Witness / mikecogh


今日は朝から所用のため外出で、さっきようやく録画が観られました! 来週も、多分こんな感じ。

思った以上にセオリー通り、きっちり来ましたね。まるで昭和の「怪奇ミステリー」みたいで懐かしさすら感じます。
ほんのちょっとした好奇心で、あるいは何らかの誘惑を受けて、あるいは間違いで、あっけなく人ならぬ身となってしまった者の悲劇、というのが昔は洋の東西を問わず多かったんですよ。

しかしこの第14話での初瀬亮二のモノローグはなく、彼に人の心が残っているのか否かを示す手がかりもなく、
「そいつは人間なんだ、おれたちの仲間なんだ!」と叫び続ける紘汰と、
「これはいわば正義ってもんだろ?」と、目の前で化け物退治を展開するユグドラシル側の新世代ライダー、シグルドと、いずれが正しいかは示されません。
モンスターが倒された後で人らしい仕草を見せるとか、逆に人だと信じあくまで説得を続けるヒーロー側が心をなくした化け物に八つ裂きにされかけるとか、そういう展開が「トワイライトゾーン」の昔からこのパターンでは多いのですが。
その辺がなんというか、もやもやしますが、その分紘汰の必死の
「人間だ!」という叫びがぐっと来ました。
初瀬

「もう一度おれに力を!」
失った“力”を取り戻すため、ヘルヘイムの果実を食した亮二。しかしそれは禁断の果実でした。
鎧武、バロン、斬月・真、三者の目の前で、ヘキジャインべスに変じる亮二。様々な動物のキメラのような、異様な姿のなかで、特に右手の、際立って発達した大きな爪が目を引きます。
「そんな、なんで――?」立ち尽くす鎧武。しかし傍らで斬月が、その強力な弓を構えるのに気づき、
「やめろ!」とつかみかかります。
狙いが逸れ、
「何をする」と憤る斬月。
「あんたこそ!」抗議する鎧武。「そんな武器で撃ったら初瀬が死んじまうだろ!」
「当然だ。殺さないでどうする!」
「何言ってんだ。人間だぞ!」
なおもヘキジャインベスへ向かおうとする斬月を、後ろから引き止める鎧武。その間にヘキジャインベスはその場から逃亡していきます。はっとする鎧武の隙をつき、その腕を振り払う斬月。はずみで倒れた相手に向かい、
「あれはもう人間じゃない。人を襲う怪物だ」と告げます。
「決めつけんなよ。あいつはまだ、何もしてねえだろ!」
その口論に割って入るように、斬月に唐突に打ちかかっていくバロン。
「――こいつにはおれも借りがある。ここは任せろ」
「わかった!」ヘキジャインベスを追い、工場の外へ飛び出していく鎧武。

「初瀬!」外にはしかし、インベスの影も形もありません。「どこ行ったんだ? 初瀬!」
その頭上から、無言で飛びかかってくるヘキジャインべス!
「……っ! 落ち着け!」その猛攻をかわしつつ、なんとか相手を取り押さえようとする鎧武。もっぱら右手を振り下ろしてくるのを躱し、地面に押し倒して、「お前を助けたいだけなんだ!」と叫びます。
それを払いのけ、爪の攻撃、的中して後退する鎧武にさらに火弾を吐き、攻撃の手を緩めないヘキジャインべス。
吹き飛び倒れた鎧武にラッシュをかけます。
なんとか起き上がり、剣で相手をはねのける鎧武――。

一時の対峙の末に、しかし、まっすぐ立ち上がり、鎧武は変身を解きます。
から手であることを示すように両手を広げ、
「な、おれがわかるか」と、語りかける紘汰。
「鎧武の葛葉紘汰だ。お前を傷つけるつもりはないんだ」言いながらじりじりと歩み寄り、「なあ初瀬。お前はいま病気だ。一緒に病院へ行こう? ……初瀬!」
呼びかけに自らの頭を抱え、苦しげにうずくまるインべス。
「おい、大丈夫か、おい」
悶え苦しむその姿が、再び亮二のそれへ戻り、安堵した紘汰は「良かった」と不用意に近づいていきます。
それを叫び声を上げながら振り払う亮二。右手の爪だけは元に戻らず、その手を見て動揺しているようでもあります。
「病院へ行こう。きっと治してもらえるよ」屈み込み、亮二の背へ、手をかけようとする紘汰。その喉元を左手で締めあげ、右手で思い切り殴りつける亮二は、しかし常人の域を超えた力を有しています。
「ああっ!」衝撃に吹き飛び、資材の山に倒れかかって土煙を上げる紘汰。それを見届け、よろめきながら逃げていく亮二。
「あ、おいっ!」とっさに起き上がったものの満身創痍の紘汰。すぐに倒れかかってしまいます。「……待ってくれ。初瀬!」
叫んでも、亮二は戻らず――。


工場の中。斬月に蹴られ、後退しつつ槍を構えるバロン。打ちかかっても躱され、見舞われた斬撃に倒れれば、足場に組まれた金属が派手な音を立てます。
「無駄な抵抗は止めろ。お前に勝ち目などない」
「黙れ。おれがくじけない限り、貴様が勝ったわけではない!」
起き上がりなおも打ち掛かるバロン。
「往生際の悪いやつだ!」派手な斬撃に火花が散り、そのまま一階の床へバロンを突き落とすと、その上へ跳びかかっていく斬月。剣でうちかかるのかと思えば弓を射掛けながら。
「ああっ!」なすすべもなく倒されるバロン。
「――まあいい。どのみちお前は身柄を押さえる予定だった」落ち着き払って告げる斬月。どうしてもお尻を観てしまって申し訳ない。白いスーツってどうしてもあれです。
「なんだと、」身を起こし、肩で息をするバロン。
「所詮そのベルトは試作品」言いつつ斬月はドライバーからメロンのロックシードを外し、弓にセットしています。「完成したゲネシスドライバーの敵ではない」
ロックオン。けだるい声とともにエネルギー充填を始める斬月の武器。
起き直り先にバナナスプラッシュを繰り出すバロンですが、あっさり破られ、カウンターで斬月の必殺技を喰らいます。
変身を解かれ、その場に崩れ落ちる戒斗。それへ背を向け、
「貴様ごときがユグドラシルに歯向かえると思ったか」とつぶやく斬月。なんでそんなあっさりばらすのでしょうか。
現れた黒影隊に取り押さえられつつ、
「ユグドラシルだと……? 貴様らが」目をむく戒斗。

捜索

高速道路のオレンジの照明を見下ろす高台の道路。
「初瀬!」日が暮れても尚、亮二を探し走り回っている紘汰。「初瀬、どこ行ったんだ……」
ガードレールにもたれかかるその横顔を、ヘッドライトが照らします。脳裏に浮かぶのは亮二があの奇妙な果実を食べた時のこと。
「あれはいったいなんなんだ?」

翌朝、呉島家門前。通学のため出てきた光実。その前を、帰宅してきた貴虎の車が通り過ぎます。
降り立って鍵もかけずに家へと向かう兄の後を追い、声をかける光実。
「おかえりなさい、兄さん。自分で運転なんてめずらしいね」
「運転手を呼ぶ時間も惜しかったんでな。またすぐに戻らなくては」そのまま中へ入っていく貴虎。
「忙しいみたいだね。何かトラブル?」」
「お前が気にすることではない」
「でも」食い下がる光実。「世間はトラブルだらけだよ? 怪物だけじゃない、変な病気まで騒ぎになって。ユグドラシルは何」
何を、と問うまもなく、振り返った貴虎に
「今のお前は勉強にだけ専念しろ」とはねつけられます。むっと見返す顔が可愛い。「余計なことを考えてる暇はないはずだ」
言い捨てて去っていく兄。
やむなく踵を返し、車のそばでふと、足を止める光実。

チーム鎧武のガレージ。いつものメンバーがほぼ揃っていますが、白けた雰囲気です。
「インベスの事件ってぜんぶあたしたちのせいにされてるよ」と、物憂げに口を開くチャコ。
「ネットのコメントも散々だよ……」応じるリカ。「先週まではファンのコメントもたくさんあったのに」
「こういうときに大騒ぎする奴に限って、事件とか関係なく、誰かを叩きたいってだけなんだよな」とラット。
「でも」立ち上がる舞。「誤解は解かないと。ほんとに怖いことは、何か別の原因で起こってるのに、みんなそれに気づかないままだとますますひどいことになるよ」
「でも、どうやって」

その時、音を立ててドアが開きます。入ってきたのは紘汰。
「よ、ミッチ来てないか」
「今日は電話にも出ないす」
「そうか……」疲れきったようにその場の階段に腰掛ける紘汰。
「なんかあったの?」と問う舞に、
「いや、レイドワイルドの初瀬が……」言いかけて口をつぐみます。「……ともかく初瀬を探してるんだけど」
「じゃああたしたちも手伝おっか」とチャコ。
「おお!」とラットも身を乗り出します。以前の少年探偵団のノリになりかけるのを、慌てて抑える紘汰。腰を浮かし、
「いやいい、大丈夫だ。……あいつは今、危ないんだ。もし見つけても、絶対に近づくなよ」とまた、出ていこうとします。嘘が下手なんですね。
呆然と見送る四人。
「どういうことよ!」
「事情はいずれ話す」心細そうに、舞を見返す紘汰。なにか言いかけて口をつぐみ、結局「ごめんな」と言い残して去っていきます。

閉まるドア。また、白けたようにうつむく四人。
一番にラットが、無言のままフレームアウトしていきます。
「ミッチといい紘汰さんといい、ちょっと最近おかしくない? なんか隠し事してるみたいでさ」
「うん、だよねえ」
続いて背を向けるチャコ、リカ。
残った舞の、不安そうな表情が大きく映されます。

ユグドラシルタワーへ向け走る貴虎の車。
いつもの地下駐車場に降り立ち、また、鍵をかける様子もなく社屋へ入っていきます。その後ろで後部座席のドアが音もなく開き――。

「おはようございます」
受付の前を通り抜ける貴虎。屈み込み、その後を追うように、自らはカウンターの下を、受付嬢の目に止まらぬよう通過していく光実。
(にいさんが何を企んでいるのか、今日こそ突き止めてやる)

暴露1

「水くせえよな、紘汰さんも」
「だよね」
フルーツパーラー。カウンター席でこぼすラット、頷くリカ。
その背後から、よろよろと亮二が入ってきます。
「あっ、初瀬!」呼び止めるラット。しかし亮二はそれに応えず、マスターの前へ向かっていきます。
「おお、いらっしゃい。――お前」
目をむくマスターに背を向け、そこに飾られたフルーツの山に食らいついていく亮二。
「ちょっと、どうしたのあんた?」
無防備に声をかけ、近づいていくリカ。「何やってんのよ」
「近づくな!」と叫ぶマスター。驚き足を止めるリカ。その目の前で亮二は、苦しそうに食べたフルーツを吐き出します。
絶叫し喉元を抑える右手、その異様に発達した爪がその時初めて視界に入り、たじろぐリカ。
見る間に亮二の姿は異形の化け物へと変わってしまいます。
「きゃああああっ」店内に満ちる悲鳴。さり気なくバイトの女の子がほうきを正眼に構えて勇ましい。
腰を抜かし座り込むリカ。それを庇うように、
「おいリカ、伏せろ!」と飛び出していくラット。
その背へ亮二の変じたヘキジャインベスが右手を振りかざします。
「ぎゃあっ」
受けた一撃に悲鳴をあげ倒れこむラット。慌てたリカが身を起こすと、ラットの背は鎧武のパーカが鉤爪で引き裂かれ、その下のシャツには見る間に血が滲んでいきます。
「え、ラット? ラット!」

街をいく紘汰。今日も亮二を探しているのでしょう。
ふと通りすぎる救急車に、目の色を変えます。
「まさか!」追っていけばそこは、彼らのたまり場であるフルーツパーラー。
「ラット、ラット!」泣き声を上げるリカが、運ばれていく担架に追いすがっています。
「リカ!」
「紘汰さん、ラットが! あたしを庇おうとしたから!」
「庇ってどうしたんだ! 落ち着け」
その時救急隊員が、誰が同乗していくのかと尋ねます。あたしが、と乗り込んでいくリカ。
わけがわからず顔を上げた、紘汰の前に、様子を見に出てきていたマスター。
「阪東さん?」
「初瀬だ」
バイトの女の子はまだほうきを持っています。
「……いきなり怪物になって暴れだした。すぐ逃げちまったが」
「ラット……」
後部ドアを閉め、走り去る救急車を、じっと見送る紘汰。

暴露2

ユグドラシル監視室。
「ちょっと。モニターの容量を移し替えたいのですが」
「きみはそんなこともできないのか」
監視カメラ網をもかいくぐり(しっかり映ってますが)人気のない廊下を進む光実。
大企業でこんなセキュリティはありえませんが、それより貴虎兄さんが何用あって一時帰宅したのかが気になっているわたしです。
何かを取りに来たのなら、スイカの件もあるので備品を自宅にみだりに持ち帰るなと思いますし、仕事で徹夜して着替えに戻ったとかなら、戒斗の身柄を押さえていままで何してたんだとか思うわけです。

巨大なドーム状の部屋に出くわす光実。最上部の通路にしゃがみ込み、下を見下ろせば、中央に大樹(これって高司神社のご神木ですよね?)が据えられ、幹の半ばに、大きなクラックが口を開けています。
その向こうに開ける緑は、光実も知る、ヘルヘイムの森。クラックのこちらでもあちらでも、白衣の人間が右往左往しています。黒影風のスーツを着た男たちも。
(あれは。クラック――人工的に維持してるのか)
スマートフォンのカメラを向ける光実。

今度は塔の螺旋階段を抜けます。
一転、ガラスを多用した明るいオフィスとなり、人通りの多さに思わず手近な部屋へもぐりこむ光実。
そこは会議室の控室のようです。アシスタントがプロジェクターを操作したり、お茶や配布資料の準備をしたり、プレゼン業者が待機していたりするところですね。会議室との間を仕切る扉のガラス部分から、さらに中を覗きこむと、オーバル型テーブルの一端に貴虎が座っています。
慌てて視線をそらせば中央のスクリーンには戦極ドライバーに酷似した設計図が映しだされ、さらにその向こうには、貴虎に背を向けるように、窓の外を見ているシドの姿が。
(シド!?)
「……ゲネシスドライバーの完成で、開発プランに一応のめどがついた」
「性能面はこれで十分だと?」
「ああ。今後は量産化に向けたコストダウンに研究の比重を移すことになる」
「それ、プロフェッサー凌馬は了解してんのかい」
「凌馬の見解は関係ない」その時貴虎の携帯が鳴ります。「ああ、わたしだ。……何? ……そうか」

不機嫌に目を伏せ、内ポケットにスマートフォンをしまいながら、
「本題のカテゴリーHが見つかった」とシドに告げる貴虎。「今度こそ始末をつけなくては」と立ち上がります。
「やれやれ、気が滅入る仕事だねえ」わざとらしく声をかけるシド。
「お前も来い。この機会にゲネシスの性能を確認しておくといい」
「……はいよ」
嫌そうに立ち上がり、貴虎とともに会議室を出て行くシド。

――その後に控室から入り込み、貴虎の残していった資料をぱらぱらめくる光実。すぐにその関心は、立ち上げっぱなしの貴虎のスマートパッドに向かいます。
なんだって鍵もかかってない部屋に、シャットダウンもせずパスワードもかけずに置きっぱなしにしていくのか理解に苦しみます。
「研究記録、って……」迷わず操作し始める光実。と、よくわからない数字名だけのフォルダがいくつも出てきます。
「これは?」
適当に選び出した一つを開いてみる光実。中身は動画で、白衣の男――それがプロフェッサー凌馬であることを光実は知りませんが――がカメラに向かい、口頭でその日の実験経過や成果を説明しています。
「5月18日 ケースファイル145。ヘルヘイム植物について総括する。その異様な繁殖力と成長速度もさることながら、最も脅威となるのはその果実の効能だ。摂取した生物の遺伝子構造に劇的な変化を起こし、」立ち上がり、光実も知るヘルヘイムの実の小片をピンセットでつまみ上げると、ガラスの水槽の中に入れる白衣の男。「……まったく新種の生命体を出現させる」
言いながら、中のラットに実を与えます。

と、見る間に緑色に輝くラットの姿。
一瞬、緑の葉が繁茂したように見え、次の瞬間、その姿はごく小さなインべスとなっています。
「そんな」
思わず声に出してしまう光実。身を起こし、スマートパッドの内容が、同時に映しだされているスクリーンのほうへ顔を向けます。
「じゃ、今まで倒してきたインベスは、こちら側の生き物が変身してたってことも」

破滅

「きゃああっ」
ショッピングセンター前の公園。沸き起こる悲鳴、逃げ惑う人々。転んだ我が子を庇うため、そのなかで足を止めた母親。襲いかかるヘキジャインベスを前に、子供を抱きしめうずくまります。
「たあっ」
右手を大きく振り上げたその姿に、体当たりをかます紘汰。
「早く逃げて!」母子を助け起こし、改めてインベスに向き直ります。
「お前に初瀬の心が残ってるなら、今すぐこんなことはやめてくれ」
立ち尽くす紘汰。その前へじりじりと迫りながら、奇声を上げ続けるだけのインべス。
「……」
その様子を見守っていた紘汰は、やがて覚悟を決めたようにドライバーを腰に当てます。
「もし、もしお前がこのまま続けるって言うなら、」
悲愴とも言える表情で掲げたロックシード。
オレンジ、の呼び声。
「お前はもう……初瀬じゃねえっ!」
ロック・オン。オレンジアームズ。
立ち尽くしたままの、花道オンステージ。
「うぁぁああああっ」
襲い掛かってくるインベスに、応戦する鎧武の背が悲しげです。後手に回り、襟首を掴まれ振り回せれ、柱を背に逃げ場のない状態で鉤爪を振るわれ。
受けた剣を振り払い、よろめく相手のほうへ出て行く鎧武。大きく広げた腕から腰への線。
がむしゃらに切りかかれば、インベスの顔面に亮二の顔が浮かび上がり、
「はせ……っ」思わず手を止め、叫びながら剣を投げ捨てる鎧武。
「おおおおおおおっ」敵へ走りより、素手でパンチを見舞います。一発、二発、三発……。
「!」インベスのほうも、殴り返してきます。純粋な暴力の爆発。

おれたちは今何をやってる。
どうしてこんなふうに戦わなきゃならない。

あの森で、白いアーマードライダーは言った。

敵に何故などと問いかける奴は、戦う資格すらない。
戦いに意味を求めてどうする。答えを探し出すより先に――死が訪れるだけだ。


前蹴りで突き放し、息をつく鎧武。

こうなることを、あいつは知ってて。

ユグドラシルタワー会議室。貴虎のスマートパッドを覗きこんでいる光実。
(この数字、もしかして日付だとしたら)
フォルダ一つ一つに付された、案件番号に目をとめます。
(裕也さんのいなくなった日だ)
「1006」と付されたフォルダを開けば、果たして新しい動画が再生され、
「10月6日 ケースファイル167。ヘルヘイムに迷い込んだ一般人の経過と行動記録」と、同じ声で解説が始まります。
「裕也さん!」
そこに映った人物の名を叫ぶ光実。
チーム鎧武のリーダー、裕也。小脇に戦極ドライバーを抱え、緊張した面持ちで辺りを見回していますが、やがて手近な果実を手に取ります。
皮を剥き、現れた透明な果肉に、魅せられたように食らいつく――。
次の瞬間、苦しみ始め、持っていた戦極ドライバーをも取り落とし、もがくように森をさまよい始める裕也。
その背が緑に輝き、一瞬体中から木の葉が繁茂したようになりますが、先ほどのラット同様、その姿は等身大のビャッコインベスへ、瞬く間に变化していきます。
「そんな……!」声を震わせる光実。

公園。
もんどり打って噴水の中へ落ちるヘキジャインべス。
近づいてくる鎧武に向け、火を吹きますが、鎧武の歩みは止まりません。
炎の中から飛び出してくる鎧武。決然たる剣捌きに後ずさるヘキジャインべス。
やがて逃げ場を失い、前へ出た、その胴を見事に払われます。苦しみ、倒れこんだまま、鎧武から距離をとろうとするインべス。そちらへ振り返り、肩で息をしながらまた、歩み寄っていく鎧武。
「……っ!」
もはや足が立たず、追い詰められて必死にこちらを見返すだけのヘキジャインべス、その前で足を止める鎧武。
とどめの剣を構えたその時、インベスの上に亮二の姿が重なって見えます。
嗚咽がおさえられず、剣を取り落としてしまう鎧武。
噴水のなかで膝を落とし、
「おれは人殺しなんかできない……っ!」とうつむきます。「できるわけねえだろう!」
地を拳で打ち、「こいつは初瀬だ!」と頭をも打ち付ける鎧武。「初瀬なんだ……」

会議室。
初めて変身した鎧武の、がむしゃらの戦いが、画面に映しだされています。
しかしその剣で屠られたビャッコインベスは、実は裕也の変わり果てた姿だったと、今やわたしたちは、光実とともに知っています。
再び映しだされる研究室の、白衣の男。
「ヘルヘイム感染により変態した犠牲者は、それも被験者ナンバー01によって排除された。戦極ドライバーの性能を実証する貴重なサンプルである」
「!」
画面の前から飛び退き、壁を背に崩れ落ちる光実。
「じゃあ――じゃあ裕也さんは、紘汰さんの手で」

公園。
「頼む、目を覚ましてくれよ初瀬」起き上がる鎧武。
慌ててさらに逃げ出そうとするヘキジャインべス。
「初瀬!」その上にまたがり、「元通りになれ! 初瀬!」と哀訴するかのような鎧武。

その争いを見下ろす四人の影。
メロンエナジー。チェリーエナジー。レモンエナジー。ピーチエナジー。
それぞれにロックシードを掲げ、変身動作に入れば、異空間から現れる四つのアーマー。
その一つ、メロンの装甲に身を固めた斬月が、
「初瀬!」となおもインベスに泣き縋る鎧武に、その矢を向けます。
「うわあああっ!」
衝撃に変身を解かれ、たちまちヘキジャインベスから遠く、噴水の端まで弾き飛ばされ、激しく転がっていく紘汰。
苦しみ喘ぎながらやっとのことで顔をあげ、そこに立つ四人のアーマードライダーの姿を認めます。
「まさか、ユグドラシル?」

その視線の先で、
「お前の悪ふざけが招いた結末だ。後始末くらいしたらどうだ」とまだ上に立ったまま、傍らを振り返る斬月。
「……はいはい」めんどくさそうに応じる、チェリーの装甲、シグルド。言うや高みから一気に飛び降り、得物をかざしてヘキジャインベスに斬りつけ、蹴りつけていきます。
倒れた相手に屈み込み、
「おいおい、どうした?」と挑発するシグルド。起き上がりかけたヘキジャインベスを、さらに斬りつけ、倒れた胸を踏みつけます。
「あんた、何を! やめろ!」
絶叫する紘汰。必死に身悶えますが先ほどの衝撃でどこかをいためたのか、起き上がれません。
「おい!」
聞こえぬかのように、そのままインベスの頭をつかみ、力を失った身体を持ち上げるシグルド。
「やめろ!」
ふらつく足元で、立っているのがやっとのインべスにさらに斬りつけるシグルド。よろよろと逃げ出しかける、その背に、満を持して矢を向けます。
「初瀬!」
矢が当たり、倒れたインべスに向かい走り寄るシグルド。
「待て、やめろ!」噴水のなかで傷む右腕の肘を張り、やっとのことで身体を起こしつつ、這いよっていく紘汰。
しかしシグルドは残虐にも、無抵抗の相手に必要以上に攻撃を重ね、たたみかけていきます。
完全なサンドバック状態。
「やめてくれ……っ」動かない足をつっぱり、少しでも前へ行こうとしながら叫び続ける紘汰。
「そいつは人間だ!」倒れこみ、「俺達の仲間なんだよ!」
その眼前でインベスにとどめの矢を向けつつ、エネルギー充填を始めるシグルド。その威力は、つい前日にもセイリュウインベスを的に見せつけられたばかりです。
あの時は、その強さが魅力にも感じられた。しかし。

「……やめろおぉぉぉっ!」

その背後で、やっと立ち上がった紘汰。
絶叫のなかで、しかし矢は放たれ、あっけなく四散するインベスの身体。

「……あ」

再び力を失い、膝を落とし、地に手をつく紘汰。
「ふう」一仕事終えた、という風情のシグルドに、
「どうして。どうして殺した。そいつは……っ」と言い募ります。
「何故か、だって? 一体何がおかしいってんだ」振り返り、変身を解くシグルド。
夕日を受け、帽子の鍔に手をやる粋な姿。
呆然とした紘汰の表情が、やがて怒りに染まっていきます。
「……シドォッ!」
「人を襲う化けもんを始末したんだぜ? こいつはいわゆる、正義、ってやつだろ」
「このやろぉっ!」立ち上がり殴りかかろうとする紘汰。「ふざけんなぁぁぁっ!」
しかしふらふらとシドの前へ出たところで、黒影軍団に取り押さえられます。
「なにすん……」
腹に、首に、一撃を見まわれ意識を失う紘汰。
おやおや、という表情でそれを見守り、恨めしげに斬月らを見上げるシド。引き立てられていく紘汰で、ラストカット。ということで極めて予想通りの展開ながら、
「人を守るために戦う、人は殺せない」で一貫している紘汰が、実は何も知らぬまま、すでに人を――それも、極めて親しかった人を――己が手にかけているという皮肉が効いています。
紘汰がそれを知る時、さらに大きな悲劇と苦悩が襲うという仕組み。
わくわくしてしまって申し訳ない。
一足先に知った、光実のことも心配です。
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