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今週末にでもお花見行きたいな…なんて思ってましたが周りの花粉症の人たちの反応を見ていると、週末まで持つかどうか……? という感じですね。いい陽気が続くし、その割に雨は降るし。
こちらに引っ越してくる前までは、公園とか川岸とか、割と普通に街なかに桜の木があって、その様子を見ながらいわゆる花見の名所に行くかどうか判断していたのですが、今住んでいるところは学校だろうがなんだろうがほとんど桜が植えられてなくて、車で一山ぜんぶ桜とか桜の巨木が岩を割ってるとか、全国でここにしかないめずらしい品種の桜とか、そういう「名所」までわざわざ出かけていくしかありません。
桃や梅はすごいんですけどね?

そんなこんなで久々の本日読了。

コリン・ホルト・ソーヤー著「年寄り工場の秘密」
年寄り工場の秘密 (老人たちの生活と推理) 〈海の上のカムデン〉騒動記 (創元推理文庫)年寄り工場の秘密 (老人たちの生活と推理) 〈海の上のカムデン〉騒動記 (創元推理文庫)
(2015/02/09)
コリン・ホルト・ソーヤー

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久々に「本日読了」を再開するにあたって、ふつうは読んだ本のタイトルを記事タイトルにするものじゃないかと一瞬思ったのですが、一度に2~3冊書くときもあるのでこういうスタイルだったんだと思いだしました。どういう書き方してたか忘れてしまってるくらい久しぶりの感想文。

このブログでも何度か書いている、<海の上のカムデン>シリーズ最新作です。

リッチな老人ホーム、<海の上のカムデン>に暮らすおばあさんコンビ、アンジェラ・ベンボウとキャレドニア・ウィンゲイトの2人が、<カムデン>の近所に新たにオープンしたばかりのライバル施設、<黄金の日々>へ招かれるところからお話は始まります。<カムデン>からその<黄金の日々>に移り住んだトッツィが、相談を持ちかけて来たのです。曰く、<黄金の日々>では夜中に、奇妙な物音や靴音、子供のすすり泣きが聞こえると。
トッツィが心配していたのは幽霊騒ぎなのですが、すわ事件とばかり喜び勇んで乗り込むアンジェラと、そのアンジェラに引き回されてつきあうキャレドニア。

ということで、冒頭しばらくは、この<黄金の日々>の住人たちや、施設内部の様子が描写されます。
<黄金の日々>は<カムデン>とは実に対照的な施設。どこもかしこも真新しく清潔で、運営もシステマティックで正確ですが、幼い子供ならともかく、既に生活のスタイルができあがっている老人たちにとって、そこは生活の場というにはあまりにも管理の度が過ぎ、窮屈なのです。
与えられる食事は、栄養分こそ慎重に計算されているのでしょうが、第一にまずいし、またすこしでも遅刻すれば食べられないというありさまで、夜中にこっそり出前をとる者も。また終の棲家を好みのインテリアで飾ることもできず、あくまでスタッフにとっての掃除をしやすが主眼となっている、味気ない内装。窓からの眺めもごみごみしていて興ざめです。
「ここにいると自分がどんどん老けこんでいく気がする」
「ここは年寄りを作る工場みたい」
そう感じたアンジェラたちは、長居は無用とばかりに夜中の物音の謎を解き、とっとと引き上げてきます。ところが、彼女たちが居心地の良い古巣に戻った直後、<黄金の日々>では死亡事故が発生し――。

この事故は見た目通りの事故なのか、それとも何者かの意思が関わる“事件”なのか。探偵好きのアンジェラはもちろん、事件であってほしいと色めき立ちます。さらには事故を機に、<黄金の日々>から移り住んできた数組の住人が、<カムデン>の人間模様に新たな彩りを添え始める、というしかけ。

ミステリをずっと読んでいると、とくに推理するまでもなく、なんとなく
「この人が犯人じゃないかなあ」
「動機はこれかなあ」
という感じがするものです。与えられた情報をぜんぶ活かすと全体像はこうなるよね、的な(実際の事件では情報の収集や選別という段階がありますから、そう簡単な話ではないはずですが)。
この作品でもそういう感覚があり、犯人の告白シーンもやっぱりね、とさほど意外な感じもなく読んでいたのですが、そのあとのくだりでぎょっとさせられました。

殺人は自分にとっての安全策、または保険のようなものだという犯人。
通常、殺人は犯人にとっても大きなリスク要因であり、だからこそミステリでは相応の動機が求められるのですが、作中の犯人に言わせれば、老人を殺すことは
「極めて容易」なタスク。時間や特殊な技能、力を要するわけでもなく、手際よく行えるし、また、老人施設で老人が死ぬのは日常茶飯事であるため疑われにくい。少しでもメリットがあれば、やる価値はあるというわけです。
殺人狂ではないので無駄な殺しをする人ではないのですが、え、そんなことで殺したの、と問いたくなるような、ほんの少しのメリットで淡々と殺している、その冷静さが怖い。

また、<黄金の日々>の描写にも通じるのですが、老人を、それ以外の人間とは別な存在として扱う視点もなかなか怖い。
<カムデン>の住人たちは好みの食事を好きなようにとり、部屋を飾り、そしてこの度はペットも解禁され、新たな入居者の中にイケメンがいれば独占欲に燃えたり髪を染めなおすべきか否かと悩んだり。
仕事を退職しても困らないほどのお金持ちであること以外に、今のわたしたちと何がどう違うのか……と考えつつ、にも関わらずわたしにも老人を別のグループに属する人たち、とする見方があるわけで、なかなかぞっとする一瞬でした。
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2015.04.02 18:26 | read or die 近視de乱視 | トラックバック(-) | コメント(-) |
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