LOVE! HEROES!

特撮番組全般、そして高岩成二さんと伊藤慎さんを応援します。

個人的な事情でほとんど出歩けなかった時期の上映だったため映画館での鑑賞はかなわず、そしてまた、お話のベースとなる「オーズ」TVシリーズ自体毎回観られてはいなかったためDVDなどを利用することもなく、なんとなく観そこなっていたこの映画。
「4号」のためdビデオ(もうすぐdtv)に登録したついでにいろいろ物色していたら、ラインナップにあったため早速観てみました。
正直、登場人物間の細かい感情の機微とかネタとかは拾いきれていないと思うので、いつもの形式での感想文は書けませんが、とりあえず観た記録として。


bingo! / yoppy


恒例、ネクストライダーのお目見えは仮面ライダーフォーゼ。
「仮面ライダーは助け合い」の映司にふさわしく、
「おれはすべての仮面ライダーとダチになる男だ!」と宙から降ってきます!
今をときめく福士さんの、当時の初々しいセリフ回し(要するにまだあまりお上手ではない)が懐かしかったり。もう4年も前の映画なのですね。
物語は、例によって要らんことしいの鴻上会長による、ドイツ・チューリンゲン州での発掘作業から始まります。彼らの目的は800年前、オーメダルをも含め欲望のメダルを開発した錬金術士たちの研究室の跡と、そこにまだ残されているはずの膨大な量のメダル。
いよいよだと固唾をのむ鴻上らの前で、重機によってゆっくりと持ち上げられようとしている封印の蓋が、ちょっとマンホールの蓋っぽいのはキニシナイ。現地はドイツの森であるのに、鴻上がまるで熱砂かジャングルを行くようなサファリルックなのもキニシナイ。変なものを掘り出そうとすれば災厄が引き起こされるのは物語の常であり、たちまち目覚める800年前の錬金術士・ガラの魂。吹き上がる大量のメダルはたちまちそびえ立つ塔の形を取り、飛び出してきたナイト兵(西洋の騎士風のかっこうです)に襲われ、とらわれる鴻上と美人秘書・里中。

第一にこのガラが、起きだすや否や早速800年前に中断した世界征服に乗り出すのがなんとも言えずエネルギッシュ。
人々の欲望を誘ってメダルに変え、そのメダルを天秤にかければ、重みで世界がひっくり返る、という魔術的な方法と、いきなり街の人々に
「ここでお客さまに質問です!」と、よく商業施設などでいきなり始まるアトラクションのような呼びかけを行うやり方は、「神さまの言うとおり」「今はのくにのアリス」などのような不条理ゲーム・パターンかと思いました。道化師の服装をした少女たち(荻野可鈴ちゃん可愛い)が
「一生ちょんまげ姿をする代わりに500万円を受け取るか否か?」と問うた時には、笑ってないない、と手を振っていた人々。が、実際に積み上げられた札束の山を見せられると顔色が変わります。
1人のロッカー(ちょんまげお似合いでした、唐橋さん)が
「ほんとに500万くれんの?」と進み出て、実際にお金をゲットすると、我も我もと乗り出す人々。その欲望を解放した代償として、次々と塔に集められるメダルの山。

世界がひっくり返るとは文字通り、オセロの黒と白のように、円形に切り取られた土地が反転すると、他の世界と入れ替えられているという現象です。
初めに、遠く離れたドイツ・チューリンゲンの森と新宿のビル群の一角が入れ替えられた様を目撃した映司と伊達。驚き駆けつければ、都庁近くの公園がガラやナイト兵らに蹂躙されています。そこで救った少年・駿と行動を共にするようになりますが、今度は新宿の別の一角が8代将軍吉宗公の城下町と入れ替えられた際、江戸の街へと迷い込み――。

ということで不条理ゲームに「暴れん坊将軍」が加わり、江戸の城下町に西洋の騎士がなだれこむわ、たかだか500万円で男も女もちょんまげ頭になりたがるわ、そしてひっくり返され古生代の森となった土地では恐竜が跳ねまわるわでかなりがちゃがちゃとした印象。一応、
・駿の母を思う気持ちと
・比奈が兄を思う気持ちと
・映司が江戸の町民らに化物と誤解された時、旗本の三男坊・
 徳田新之助だけがその真意を理解してくれた時の感情、そして
・新宿から迷い込んできた人々と江戸の町の人々との関係を
“つながり”という言葉でまとめてしまっていますが、それによってじんと胸を熱くさせるような描き込みがあるわけではありません。それより先に、とにかく派手な画面に目を奪われます。スーパー大戦のように大量にライダーが出てくるわけではありませんが、これはやはりお祭り映画なのです。

なので一番印象に残っているのはアクションシーンの面白さ。
初対決時にガラにメダルを奪われたため、手元にあったバースシステムで変身せざるを得ない映司(体型や動きが明らかに高岩さん)。そのバース映司と対決する鵺ヤミー・藤井さんの素晴らしさ。野性的な華々しさは、少し「Next」シザーズの渡辺智さんを彷彿とさせます。触発されてかバース映司のアクションもいい。ここは大好きなシーンです。

この時、巻き込まれそうになった町人をとっさにかばったことから、「W」に次ぐ、人々の声援を受けるライダーとなった映司。二度目の襲撃の際には皆に見守られる中、
・白馬にまたがる暴れん坊将軍とバイクのオーズの並走
・西洋の騎士をバッタバッタと斬り伏せる暴れん坊将軍の剣術
といった他ではまず見られない絵も盛りだくさん。徳田進ノ介は白昼堂々街なかで八代将軍吉宗の正体を表したりしなかったはずだし、“叩き割る”西洋剣プラス鎖帷子のナイト兵が日本刀であんなに斬れるのかどうかよくわからないのですが、そこはそれ。暴れん坊将軍ファンでもあったわたしにはうれしいシーンでした。
そして、さすがの剣殺陣でナイト兵を退けた後、再び鵺ヤミーにまみえるオーズ。ここで、暴れん坊将軍から徳田家伝来のメダルを提供され、ブラカワニコンボで敵をたたくのですが、特撮ってほんとにレッドスネークカモンネタが未だに出てきますよね。好みですが小さいお友達は元ネタ見たことあるのだろうかと心配になったり。

その次に印象に残っているのは不条理ゲームものとした場合の展開の妙。囚われの身でありながらゲームの成り行きを高みの見物よろしく見守っていた鴻上は、ガラにある提案をします。
それは、
「火野映司にも欲望を開放するチャンスを与えろ」というもの。
当面の敵であるオーズに欲望を解放させ、それによって得たメダルで世界を一気に終わらせる――これ以上ない皮肉に、ガラも魅了されます。
鵺ヤミーを倒し喜びに沸く江戸の町に、派遣された道化師姿の少女。
「あなた一人だけ、元の世界に帰れることができます。その代わり、後の人々は消滅します。どうしますか?」と変身を解いた映司に問いかければ――。

オーズ全体のテーマ、欲望。
普通欲望というものは、人の身を滅ぼすものとされています。良くないものであり、抑制すべきもの、人前では恥じるもの、見せないものと、子供たちも教育されます。しかし無欲は大欲に似たり、大欲は無欲に似たり。
映司の欲望の大きさは、大きすぎて却ってガラに不利と、踏んでいた鴻上。果たしてその計略はあたり、動揺するガラの隙をついてとっとと逃げ出すところがお見事です。

この映画はまた、メダル集めの物語でもあります。元々そうだ、というのは置いといて、一時ガラにメダルを奪われ、オーズに変身できないと思われていた時には日頃うるさいアンクまでがメダルを提供してくれますし、前述のように徳田家に献上されていたものも将軍様からゲットします。また現代社会に戻れたオーズがラスボス化したガラに手を焼いていると、
「オーズ、受け取れ!」とウヴァたちが気前よくメダルの雨を降らすめずらしいシーンも。このためありとあらゆるコンボが同時発生します。
ガラに王になられては自分たちも困るのだという説明に納得し、よろこんで好意に甘えるオーズですが、
「これも受け取れ」と投げられたキヨちゃん人形はちょっと扱いかねてましたね。

こんな感じで、総じて楽しい映画でした!
最後にわたしの“欲”を言えば、いきなり江戸時代の町に迷いこんでしまうということ自体たいへんな話なので、とくに主人公らと共に巻き込まれてしまった一般の現代人がどうしていたのか、どのようにして最後の一体感が形成されていったのかというあたりも丁寧に描いてくれたらと思います。ただの興味本位ですが、映司たちには店ごと移動していたクスクシエがあったというエピソードで、余計に他の人達は? と心配になったので。でもまあ、そんなことをしていたら1時間ではまとまらないし、焦点がぼけるのだろうとも……
関連記事

style="clap"
2015.04.09 02:24 | oooオーズ | トラックバック(-) | コメント(-) |
| ホーム |