LOVE! HEROES!

特撮番組全般、そして高岩成二さんと伊藤慎さんを応援します。

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「W」という番組において、悪役は園咲琉兵衛率いる<ミュージアム>、それに対するは鳴海探偵事務所のおかしな二人、フィリップと左翔太郎…というのが当初の構図でした。
悪の側はその後、
・霧彦の退場
・井坂に唆された長女・冴子の造反
・実は秘蔵っ子であった次女・若菜の覚醒
・財団の関与
と揺れに揺れましたがようやくそれぞれの立ち位置、思惑も明らかになってきました。
正義側では当初、復讐鬼という危うさたっぷりに登場した照井竜もすっかり落ち着きを見せています。
――ということで収まりの悪いのは謎の女、シュラウドただ一人となっていました。長年<ミュージアム>を憎み続ける彼女は正義側のようにも見え、しかし翔太郎を排除すべくあれこれ画策する様は鳴海探偵事務所にはストレッサーでしかなく、サードパーティーとしか言いようのない存在です。彼女の生き様を知り、それによって園咲の家族史を知った竜、翔太郎、フィリップ。それはフィリップの、失われた記憶を取り戻す一助となるのでしょうか。


白い花 / kaidouminato


メインの流れはまあそんな感じで、おのれの妄執が引き起こした罪にずっと怯えていたシュラウドが、赦しを得て初めて引き下がる勇気を持つことができたという美しい話だったのですが、今回事務所が扱った事件のほうは「愛」とまとめるにはなんというか、「子を持つ闇」とさえ言えないただのエゴのような気がしてちょっと首をひねります。親であっても愚かなのだとか、親も過ちを犯し、赦しを求めているのだとか、そういうことならわからないでもないのですけど。
泥沼

公園。
オールドドーパントに喉元を捕まれ、いいように殴りつけられるファング。起き上がり反撃に転じたいフィリップに反し、
「眠い。……お休み」とぐにゃぐにゃと老翔太郎。
「しっかりしろ翔太郎!」そんな気ままな左半身を、右手だけで引っ張り起こそうとするファング。

(やはり、今の翔太郎では戦えない)

思い起こすのはシュラウドの予言めいた言葉。この敵にだけは負けられない。
「やだ! いいようにやられちゃってるじゃない!」
追いついて悲鳴をあげる亜樹子。彼女とともに現れた良枝は、しかし、人の変わったような表情をしています。
先ほど
「みゆちゃんがいたら久美が主役をとれない」と身勝手極まりない理由を光子から聞かされ、何かが壊れてしまったようです。地味に顔が怖い。
「……おれは占い師やってて気づいたんだよ。人間は自分の幸福と同じくらい、人の不幸を望むってなあ!」
これからもこのメモリで稼いでやると、拳で地を打てば、まるでそこが沼でもあるかのようにずぶずぶと沈んでいくオールド。
駆け寄って変身を解いたフィリップを、助け起こす亜樹子の背後で、先ほどのオールドの言葉をただ、心のなかで繰り返している良枝。

(人の……不幸……)

バンクショット

高級クラブのビリヤード台。1つ1つ、狙った玉を落とし続ける冴子。元を正せばシュラウドが井坂にウェザーのメモリを渡したことが、竜の家族が惨殺されることにつながったのだと、愉しげに話し続けています。
「残念ね? 井坂先生を倒して、復讐を終えたつもりでいたでしょうに……復讐は、終わらない……」
最後のショット。狙い過たず、まっすぐに転がる手球を、はっしとつかみ、止める竜。

「加頭くん、今月の報告書だ」
財団Xに援助を受けている<ミュージアム>。何にいくら投資し、どれだけの成果が上がったか、報告するのは当然のことです。
「確かに」と一瞥して顔を輝かせる加頭。「遅れを取り戻しましたね?」
次の投資分の小切手を園咲に手渡し、立ち上がります。
「わが<ミュージアム>が今日これだけの成果をあげられるのは、長年にわたる財団Xの援助のたまものです」愛想よく見上げる園咲。そちらに振り返りもせず、
「わたしもたいへんうれしく思っています」と立ち去る加頭。

園咲家ホール。
「相変わらずあなたの言葉に感情はない……」園咲とのやりとりを見てでもいたのか、険しい表情で加頭を呼び止めるのは若菜。
「手厳しいですね? ところで、照井竜という刑事が、シュラウドのことを探りだしましたよ」
「えっ」
思わず息を呑む若菜。その反応を確かめ、にんまりと笑い、立ち去っていく加頭。

ぽかぽかとした昼下がり。天気もいいし風も爽やか――。天下泰平、ハードボイルドじゃぁ……

モノローグさえ好々爺然と変わってしまった老翔太郎。事務所の席で、掌にほどよい重みの湯のみを抱え、茶をすすっています。ハードボイルドという言葉の意味を問いなおしたくなります。
「どこがハードボイルドよ。……どこが天下泰平よぉ」
亜樹子のツッコミは今ひとつ冴えません。お笑いはテンポが命、しかしお年寄りの脳天を直撃するには、彼女のスリッパスマッシュヒットはキレがありすぎるのです。振り上げた手を自ら抑える亜樹子。
「フィリップくん! 翔太郎くんがあれじゃ勝てっこないよぉ! あのドーパント強いし。……竜くんも、どっかいっちゃったきがするし
「照井、竜……」そんなことは亜樹子に言われる前から、何度も考え続けているフィリップ。究極のWになるためには――。

詰問

いつかの森。バイクから降りるやアクセルの重い剣を生身で引きずり、
「シュラウド!」と叫ぶ竜。木漏れ日が青く画面全体を染め、トライアル以降竜がよく着ているジャケットの青が空気に滲んでいるかのようです。
果たして青白い炎の向こうから、かげろうのように姿を現すシュラウド。若菜が後をつけてきている気がするのですが大丈夫でしょうか。

なぜ、おれだ

唐突な問いですが、ただ思い悩んで煩悶するよりはストレートに問う、警官らしいといえなくもない、竜です。
それに対し、いつかそう問われると覚悟していたのでしょう、話し始めるシュラウド。
「あなたのデータを調べたら、ある事実がわかった。あなたこそわたしがずっと探し求めていた、特殊体質の人間だということが」
指をつきつけられる竜。
「特殊体質だと?」
「精神感応タイプの特殊攻撃に耐えられる体質よ。実際オールドの攻撃は効かなかった。それは同じ種類の、テラーの攻撃にも耐えられるということ……来人とともに究極のWになれば、必ず園咲琉兵衛に勝てる!」
話すうちに、自分の言葉に自分で昂ぶるシュラウド。
「そして……憎しみの炎。憎しみの力こそが、サイクロンアクセルエクストリームの源!」
「井坂にメモリを渡したというのはほんとうか」
対照的に、静かに、ただ静かに問う竜。
「それは」
「答えろ」
「……っ、」突然言いよどむシュラウド。「……ほんとうよ」
「そうか」束を握る手に、こもる力。「よくも今まで騙してくれたな。……よくもおれの、家族の命を」
一転、すさまじい雄叫びを上げ、重い剣を手に、走りだす竜。その剣を、銃弾で弾き落とすシュラウド。
「とてもいい目をしている。復讐の光に満ちた目」
無言でメモリを握る竜。<Axel>と、地球の呼び声。紅いボディが森の青い光を映して今はどす黒く見える、仮面ライダーアクセル。
迎え撃つように<Bom>のメモリを取り出すシュラウド。銃に装填して撃てば、強力な爆弾が宙に浮かび、アクセルの身体を吹き飛ばします。
「うわああああっ! …………っ、」
それでも起き上がろうと、シュラウドを睨みつけながら荒い息をつき、地を掴むアクセル。
「そうよ」その目の強い光に、興奮したように声を震わせるシュラウド。「憎みなさい……!」

連鎖

鳴海探偵事務所。ベルトにメモリを挿す訓練をしている老翔太郎が涙ぐましい。
やっとできるようになったわい、と頷くかれの前で、開くドア。おずおずと顔を覗かせる老婆は、みゆ。
「あら、みゆちゃん」努めて明るい声を出す亜樹子。「どうしたの?」
「………」無言で身体をずらすみゆ。するとその背後から、同じくらいの背格好の老婆が、顔をのぞかせます。
「その、おばあちゃんは?」
意を決したように、この時初めて探偵たちに口を開くみゆ。
「久美ちゃん」
「久美ちゃんって」もう一人の老女の髪のリボンに、見覚えのある亜樹子。それはあの児童劇団で会った――。「え、あの久美ちゃん!?」
「じゃあ、恨んでるのは」と問うフィリップ。
「お母さん。久美ちゃんのママを、絶対許さないって言ってたから……」
そこが限界だったのか、手を取り合い泣きじゃくる2人の老婆。声だけは幼い少女のもので、いたましそうにそれを眺める老翔太郎。
「おおおお、可哀想にのう」
進み出て腕を広げれば、うええええんと泣き声をあげながらしがみついてくる、みゆと久美。なだめる老翔太郎の顔が、いつしか決意に満ちています。

暴露

「うわあああああっ!」
森のなか。またもシュラウドの攻撃に倒れるアクセル。
「アクセルは、お前を来人のパートナーとして鍛えるために渡したメモリだった。そしてお前はわたしの期待に応え、それを使いこなした。……究極のWまで、あと一息よ」
「そのために左も排除したのか。あのドーパントを利用して!」
「そうよ」
「あの親子は、左とドーパントをぶつけるための餌か」
「そうよ」
「貴様!」

耐え切れず憤りに叫ぶ竜。しかし竜が怒り激昂すればするほどシュラウドが興奮するので、なんだか思う壺のような気がして気の毒です(´・ω・`)

「さ、わたしを憎みなさい……! もっと憎むのよ!」
「おれたちは貴様の道具じゃない」身を起こす竜。トライアルのメモリ。その限界を超えたスピードでシュラウドの連続攻撃をくぐり抜け、彼女の側頭部へ蹴りを見舞います!
「!」
瞬間、シュラウドの銃が自分の頭に突きつけられたのを感じ、動きを止めるトライアル。

永徳さんはこの、女の頭を蹴ろうとしてその寸前で足をぴたりと止めるという、この演技確か2回目ですね。前回はフレームアウトするところで誰かが身体を支えてくれたのかなと思っていましたが、今回は全身が映っているのでそれはありません。

「……っ、」
息をつき、相手を伺うトライアル。
「おやりなさい。わたしの命を断てば、お前は完全なる憎しみの化身となる」

そんな化物みたいなのにはなりたくない。という表情のトライアル。息を呑み、躊躇するトライアル。
しかしかれが決断を迫られることはありませんでした。
突如2人を襲う砲撃。

「その女はわたしの獲物よ」背後に立っていたのはクレイドール。「とどめはわたしがさすわ」
「若菜?」
「……っ、気安く呼ばないで。<ミュージアム>を裏切り、わたしたち家族を捨てたくせに!」
唐突に始まるホームドラマに、あっけにとられているトライアルの前で、地団駄を踏まんばかりのクレイドールがすっかり子供返りしています。
「はあっ!」シュラウド目がけ突進するクレイドール。そうしながら砲撃を見舞い、砲身となった腕で殴りつけようとするのでたまりません。防戦一方のシュラウド。
「ああっ」倒れこむシュラウドに、腕を突きつけるクレイドール。
「とどめよ……」
しかしその腕は、背後からトライアルに抱きとめられます。
「待て、家族とはどういう意味だ」
「離して!」
「答えろ」
「……」止められて興が失せたのか、ふんと鼻を鳴らし、変身を解く若菜。それに応じ、自分も変身を解く竜。
「その女の本名は」まだ倒れたままのシュラウドを顎で指し示す、美しい若菜の顔こそが憎しみの化身とも言うべきものです。「園咲、文音。わたしと来人の実の母親よ」
「シュラウドが……フィリップの母親?」
実の娘に睨めつけられたのが堪えたのか、よろよろと立ち上がるシュラウド。
「照井竜」と呼びかける声もか細く震えています。「また来なさい」
背を向けて歩み去る、その姿が炎の中に消えていき、
「逃げられたわ!」と舌打ちする若菜。「……お前がいるならそれでもいいわ。必ずきちんと仕留めなさい」
とんでもないことを任され戸惑う竜。逆方向に立ち去っていく若菜を見送り、ふと一陣の風に舞う、白い花びらに顔をあげます。
見回せば森の一角に咲き乱れる白い花。それは照井家の墓前にたむけられていたのと同じ――。

修羅場

「あなたが久美をあんなふうに変えたのね!」
児童劇団の練習場。
「そうよ」不敵に応える良枝。「ど? 大切な娘をおばあさんにされた気分は」
「!」泣き出しそうな顔でつかみかかる光子。「ひどいわ。なんで……!」
「良枝さん!」みゆ、久美をここまで連れてきた亜樹子が駆け寄ってきます。母親たちの醜い争いにまた、怯え悲しむ10歳の老婆たち。
「いくら悔しかったからって、復讐は、」
「あんたになにがわかんのよぉ!」割って入る亜樹子を、力任せに突き飛ばし吠える良枝。「先にしかけたのはこの女よ。やり返して当然でしょうが!」
「………」あまりの事態に膝から崩れ落ちる光子。言葉もなくただ泣き声を上げるだけです。その肩をつかみなおも揺さぶりながら叫び続ける良枝。
「ふざけんじゃないわよ。泣いてすむことじゃないわよ! なに泣いてんのよ!」

「いいかげんにしろ!」

冷水を浴びせるような男の声。立っていたのは竜。
「自分がなにをやっているか、わかっているのか」
「あたしはただ」興奮から醒め、光子から手を離す良枝。「……娘のために」
「違う」静かにつぶやく竜。「あんたは自分の憎しみをぶつけただけだ。見てみろ、子供たちを」
「ままぁ……」泣きじゃくりながら久美と手を取り合い、訴えるみゆ。
「みゆ」それを見る良枝の顔に、驚きの表情が広がります。
「……愚かだ。あんたは」突き飛ばされた亜樹子を助け起こす竜。

「刑事さん」その時、彼らの背後から現れる主宰。良枝、光子をかばうように立ちます。「……許してやってください。親の子供への愛は、理屈ではないんですよ。元々は……愛、なんです」

このシーンは稽古場に備えられた鏡に、みゆと久美、そして膝をつきうなだれる光子が映っていて、その前に立つ良枝、主宰とともに全員の表情が見て取れる面白い構図になっています。

「だから、許してやってください」
白髪頭を下げる主宰が、まるで母親たちの、そのまた父親のようです。立ち上がる光子、その光子と顔を見合わせる良枝。
「みゆ」
「久美!」
我が娘のもとへ駆け寄り、抱きしめる母親たち。めでたしめでたしです。あとはドーパントを仕留めて少女たちを救うのみ。それを見ながら、
「やっぱりお年寄りの言葉には重みがあるわ……」と頷いている亜樹子。
「愛?」目の前の人間ドラマとは裏腹に、考えこんでいる竜。

赦し

再びの森。シュラウドの待つ前へ、歩み寄る竜。
「覚悟はできた? 究極のWになる、覚悟は」
「おれはWにはならない」
「なに!? ……だったら、なにをしに来た」
「あなたを許しに」
「まだそんな戯言を!」首を振るシュラウド。「テラーの力は恐怖そのもの。打ち勝てるのは、強い憎しみの力だけだ」
「あなたは、自分の復讐のために多くの人間を巻き込み、傷つけた。あなたをそこまで駆り立てたもの、あなたを復讐鬼に変えたもの……それは、愛だ。息子への、愛」
竜の言葉に息を呑むシュラウド。
「そうよ。わたしは来人を愛していた」
それにしてもいきなり素直すぎませんか。

セピア色の記憶。
両親や姉たちに囲まれ、生きているそれだけでうれしいというような笑みを浮かべる幼子。虹とはじけるシャボン玉。
上機嫌でその軽い身体を抱き上げあやす父の声……セーラー服姿でにこやかにその様を覗きこむ年長の姉、その周りを弾むように飛び跳ねる白いワンピースの年下の姉。幸せな家族の図を、離れた場所から見守る母の後ろ姿。


「あの時までは……とても幸せだった。でも。園咲琉兵衛はあの時から来人をまるで、道具のように扱った」

「来人を渡せ。その子はもう普通の子ではない。地球の子だよ!」
研究設備の前。抗う白衣の母から、幼子を奪い、抱き取る父。<Terror>という地球の呼び声。
「文音。お前にもう、用はない」
テラーの異形に変じた琉兵衛は、シュラウド、否、文音にそう告げ、どす黒い波動を彼女に浴びせたのです。
長い髪を振り乱し、恐怖のあまり絶叫する文音。それを見て心底おかしいと、哄笑するテラー。


「わたしは来人を奪われた。そして誓った、来人とともに復讐することを」追いすがる幼い若菜にも背を向け、園咲を去ったシュラウド。ガイアメモリのソケットが口を開ける、首筋を、顔を、包帯で覆い――死体を覆い隠す布、シュラウドを名乗った。「そして利用した。お前の家族の死を。その憎しみを。わたしの……来人を取り戻すために」

語り続けるシュラウド。しかしその声は、草を踏み、森のなかを歩む足音に、遮られます。木陰から姿を現すフィリップ。

「来人。すべて聞いていたのね」
「……」無言で見つめ返すフィリップに代わり、口を開く竜。
「今から証明してやる。オールドドーパントを倒し、闇の力に勝つのが、憎しみの力なんかじゃないことを。おれたち3人で」
「3人?」
「おれと、フィリップと……左翔太郎だ」

決着

「おうおう、ようやく見つけたぞぉ」廃工場の前で、あの手相見を呼び止める老翔太郎。振り返り苦笑する手相見の男。
「おいおい、おれを倒せると思ってんの?」
「倒せるぞぉ……さあ、お前の罪を、数えるんじゃ」言って杖を手に殴りかかる老翔太郎!
「おおっ?」戸惑う相手の手を殴りつけます。
「強いじゃない!」歓声を上げる亜樹子。
「まだまだ、若いやつには……負けんぞぃ」
杖でしたたかに打たれただけでも業腹なのに、勝ち誇られてはたまらないという表情の手相見の男。
「こいつ、調子に乗りやがって! スペシャルコースあと50年追加だ」オールドに変じ言い放ちます。「一瞬であの世に送ってやるぜ……お?」

近づいてくるエキゾーストノート。2台のバイクから降り立つのは竜、フィリップ。
「竜くん♡」亜樹子の歓声ににこりともせず、
「待たせたな」とアクセルになる竜。まっすぐオールドに跳びかかっていきます。
「翔太郎、ぼくらも変身だ」近づいてくるフィリップ。
「翔太郎くん、早く早く!」と亜樹子に引きずり出される老翔太郎。「練習しなくってもいつもやってるでしょ!」
変身したのは、なんといつものサイクロン・ジョーカー。失神したフィリップ、支える亜樹子を背に、よぼよぼと走りだすW!

「はっ!」狭い場所でのめまぐるしい殺陣。スピード感あふれる攻防。アクセルとオールド。廃工場のなかの薄暗がりに、アクセルの剣から飛び散る火花が映えます。
「おおおお……大丈夫かぁ、照井」
「けっ!」その声に、先ほどアクセルに打たれて転がったばかりのオールドが跳ね起き、「まずは二色の方から片付けてやる!」と赤い波動を起こします。弱い者から確実に撃破していくのは混戦を制するセオリーの一つ。Wがその、弱い者に該当すればの話ですが。
「!」思わず引き下がるWの前に、盾となって飛び出してくるのはアクセル。足を灼くその苦しみに悲鳴を上げつつも、シュラウドが物陰から見ている気配に振り返ります。

(よく見ていろ、シュラウド……憎しみのWなど、必要ない)

そのままずぶずぶと波動の中を歩み、オールドを押さえつけます。
「なんだっ、こいつ!?」怯えるオールド。
「今だ、左!」
「お、おお」合点した、と頷く動作すらよぼよぼしているW。よぼよぼと宙に舞い上がるその姿勢も今ひとつ力が入りきれません。情けないエクストリームとなって、剣を抜き叩きつけます!
「……っ!」その衝撃に一歩、二歩後ずさり、くるりと裏返るオールド。しぶとくも気持ち悪いですが、要は半面は終わったということ。残るはあと半面です。自分の番だと進み出て、トライアルとなるアクセル。
「おれはWではなく……仮面ライダーアクセルだ!」
高らかに宣言するトライアル。振りきってます。トライアルマキシマムドライブ。超高速で無数の剣を見舞えば、なすすべもなく爆散するオールドの身体。砕け散るメモリ、倒れ落ちた手相見の男。

慕情

「……あ」
敵の敗北を見届けて変身を解いた、翔太郎が元に戻っています。
「やったー!」後を追ってきた亜樹子。「翔太郎くんが……若い」
へ、とそちらを振り返ると、フィリップ、竜を見る翔太郎。
「おい照井、フィリップ」済まねえ、と手を上げ、「世話かけたな」
「いつものことさ」と応じるフィリップ。へ、とまた笑い、首を回して音を立てる翔太郎。互いに照れ隠しのようです。
仲の良い相棒たちの側から、一部始終を見ていたシュラウドの方へ、進み出る竜。
「おれの家族の墓に、白い花が手向けられていた。あれはあなたが手向けてくれたんだろう。あなたは……井坂がおれの家族を襲うところまでは企んでいなかった。違うか」
「わたしは」うろたえるシュラウド。「井坂の……テラーを倒したいという願望を知って、かれにメモリを渡した。でも……かれがあそこまでの怪物とは、予想できなかった。まさか……あなたの家族や、他の……あんなに多くの人の命を……奪ってしまうなんて」
さらに近づいてくる竜に、頭を下げるシュラウド。
「……ごめんなさい」
「もうあなたは」その肩に手を置く竜。「誰も傷つける必要はない」
歩み寄ってきた翔太郎らを振り返り、
「おれたちが園咲琉兵衛を倒す――仮面ライダーとして」
地味に帽子のつばを引き、その通りだという表情でシュラウドに会釈する翔太郎がいいです。
「わかった……」

真夏にもかかわらず、黒い外套のポケットに、手を入れるシュラウド。歩き出す前の、いつもの癖に、はっとなるフィリップ。

「わたしはもう、何もしない」
立ち去っていく母の背から、目をそらすフィリップ。
「行けよ」無理はするなと、声をかける翔太郎。背を叩かれ、そばに立つ竜を突き飛ばさんばかりの勢いで、前のめりに走りだすフィリップ。この瞬間の泣きそうな顔がぐっと来ます。ばたばたという足音、翻るロングベストの裾。しかし、既に遅く、廃工場の廊下にはシュラウドの影さえなく――。

引き止められなかった。
でも、わかってくれた。

矛盾する思いに独り、苦笑するフィリップ。

エピローグ

「A to Z……」つぶやきながら次世代型ガイアメモリを収めたアタッシュケースを検めている白服の男。「26本確かに。必ず財団本部に納めます」
ではよろしくお願いしますと、うなずく加頭。
場所は、かれが冴子を匿う高級クラブ。去っていく白服の男を見送りもせず、ビリヤード台の前に立つ冴子に、ところでと話しかけます。
「あなたのお母様、このゲームを降りたみたいですよ」
「そ」短く答えてキューを手に構える冴子。女だてらに結構なパワーショットだと思います。「……でもまだ、動いてる玉はあるわ」

事件は解決した。もっとも今回、あまりおれの出番はなかったが。
あの親子も笑顔を取り戻した。そしてシュラウド、フィリップの母親も、きっと救われたと信じたい――。


報告書を書く翔太郎。顔を上げ、フィリップの様子を眺めます。機嫌良さそうに足をぶらぶらさせ、本から顔を上げて宙をみつめるフィリップ。

「雨降って地固まる、か」
その額を打つ亜樹子スリッパ。
「あたぁっ!」
「なに爺くさいこと言ってんねん!」
「いきなり殴ることないだろ」
「仕方ないでしょ。……ずっと我慢してたんだから」
「だからってなぁ」指を鳴らし、「こらぁ亜樹子ぉ!」

「きゃあ~ん。竜くん助けてぇん!」
ところが追われてコーヒーを淹れている、竜の背に回り込み、甘えてしがみつく亜樹子。
払いのけも逃れもせず、ただ、くすっと微笑み肩越しに亜樹子を見やる竜。
「……なにその、甘い雰囲気は。おい、照井……?」
恐る恐る覗きこむ翔太郎を勝ち誇ったように見返し、見せつけてやるぜと言わんばかりにさらに強く、竜の背を抱く亜樹子。
「おれに質問するな♡」そしていつもの台詞さえ甘い、甘い、竜。

「……」思わず一歩後退る翔太郎。「……おいフィリップ、たいへんだ」
両手でハートの形を作ります。
「……できてる。はっはっは」
翔太郎のこの笑い方は思いがけないものを見たことへの、動揺の表れであることが多いのです。ジーン回然り、劇場版然り。そんな翔太郎になお、じゃれかかる亜樹子。上機嫌でコーヒーを淹れ続ける竜。
「相変わらず騒がしいけど」本から顔を上げるフィリップ。「……やっぱりこの事務所はこうでなくちゃ」
一件落着で以上報告します。
とはいえやっぱり、いつの間にカップル成立したの、という感覚は残ってます。お互いを意識したり惹かれ合ったりする描写はありますが、前にも書きましたけど亜樹子はフィリップにもときめいていましたし、翔太郎との息の合いっぷりも半端無いのです。それと竜はどう違うのか、までは描かれてなかった気がするし、まあ恋愛ものじゃないからそんなに突っ込んだ描写は要らないにしても、竜は律儀なので、たとえ惹かれていても気持ちを打ち明けていない女性に対し、ああいう態度に出るタイプじゃないと思い込んでいたのです。
亜樹子がストレートに桃色の波動と甘えたぶりをぶつけてくるので、まあそれもいいか、とふと受け入れる気になったお兄ちゃん気質、みたいな感じなのでしょうが。
でもそれが竜主役回のような今回の流れで出てくると、おおこいつずいぶん余裕があるな、と驚いてしまったり。つまり言いたいことはリア充爆発しろ。シュラウドはBom撃ちまくれ。
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2015.04.18 23:08 | w ダブル | トラックバック(-) | コメント(-) |
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