LOVE! HEROES!

特撮番組全般、そして高岩成二さんと伊藤慎さんを応援します。

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「……やっぱりこの事務所はこうでなくちゃ」
前回、事件の終わりを喜び、リラックスした雰囲気の翔太郎や亜樹子、竜たちを眺め、微笑んでいたフィリップ。
しかしかれの願いはかなわず、風都の、そして鳴海探偵事務所の歴史は、大きな転換期を迎えます。いつまでもこのままではいられない、そんな予感と憂愁に満ちた、翔太郎のモノローグ。地球の本棚に「W」の本があるならば、いまだ語られていない章は、あとわずか。


真田井戸 / norio_nomura


あと園咲さんは組織の長ならば安全管理とかリスク管理とかを学ぶべき。別に組織の長でなくっても、子を持つ親ならあんな場所で子供から手を離すとか問題ありすぎです。まあ琉兵衛さんは
「結果オーライ!」って思ってそうな顔してましたけどシュラウドさんは子供を犠牲にする気はなかったようですのでなおさらです。
プロローグ

ガイアメモリにまつわる事件は、おさまる気配すらない。おれたちの街を見下ろす風都タワーも、こんな有り様にされた。
淀んだ街の空気が教えてくれている――かつてない恐怖が、おれの背後に迫ろうとしていることを。


事務所の前にひとり佇み、憂愁にふける翔太郎。背後にそびえ立つ風都タワーは、やはり劇場版「A to Z」を反映しているようです。しかしそんなことより、やっぱり翔太郎の独白は、声に出ているのですね。
その想いは、一陣の風とともに現れた女によって、破られます。
「シティボーイ。ひとりごとなら家でなさい!」
挑発的な声音とともに、いきなり長い鞭を脅すように鋭く足元に打ち付けられ、驚く翔太郎。
「邪魔よ。あたしはこの上に用があるの」
「ああ。うちの、客?」
「あんた、探偵? ――ちょうどいいわ!」その鞭で翔太郎の身体を巻き上げると、引きずりながら階段をあがっていくのが豪傑です。西部劇のような勇ましいBGM。「わたしの依頼を受けなさい!」
「うわぁっ! おい!」

騒々しい物音を聞きつけ、飛び出してくる亜樹子。その前に投げ出され転がされる翔太郎。
依頼人の名は轟響子。博物館学芸員。インディ・ジョーンズかぶれ。
強面の彼女は、しかし依頼内容を口にし始めるや、一転恋する乙女のような態度となり、鳴海探偵事務所の面々を翻弄します。
「あたしの憧れの恩人を助けたいの……」
声音すら変わり、身悶えする響子。
「はい?」
「この街の人間なら知らないはずはない方よ。風都博物館、かーんちょう……」陶然となる響子は、翔太郎、フィリップの顔色には気づきません。
園咲琉兵衛。悪の組織、<ミュージアム>を統べる男、そして、フィリップの父親。
そのかれが、発掘現場で、何か大切なものを失くしたらしいと説明する響子。

響子の回想。
「小規模だが、地殻変動があったようだねえ。在処がわからなくなってしまったんだ」
「大事なものなのですか」
「ああ、来るべきその日にはどうしても必要だ」博物館の暗い廊下を、白服の男と連れ立って歩きながら話していた、園咲。「なんとか見つけなければ……<イーヴィルテイル>……」


博物館の命運に関わる重要なものに違いないと、訴える響子。「……一緒にその、<イーヴィルテイル>とやらいうものを探して!」
「いやちょっと無理……」口を出しかけて、ひと睨みされ硬直する亜樹子。
「わかった。引き受けよう」翔太郎が快諾すると、
「決まりね!」笑顔になる響子。対照的に心配顔の亜樹子。
「いいの? だって、園咲家って」
「ああ。こいつはきっと、運命だ」帽子をかぶり直す翔太郎に、
「そうかも知れないね」目を細めるフィリップ。

理屈ではなく、おれは肌で感じていた。いよいよフィリップの親父さんの秘密に迫る時が、来たことを。


ねこまっしぐら

光あふれる園咲家中庭。鼻歌交じりで現れる園咲。
「ミック!」特別な餌を手によばわれば、たちまち駆け寄ってくる愛猫ミック。
「し・ず・か・に」スプーンを左に、右に、そして正面に振って合図すれば、大人しく決まった食事場所に座り込むミックがおりこうです。相好を崩し、その前へ餌を置く園咲もなんという萌えお父様。「よろしい。さあ、とっておきのご馳走だ!」
「お父様? ご機嫌ですわね」外階段を降りてくる若菜。
「いよいよお前が地球の巫女となる日が来たのだからね。……だがさびしくもある。花嫁の父の心境かな」
「<ミュージアム>のキングが、らしくなくってよ」からかうように笑い出す若菜。「地球が我が家に婿に来る。そうお考えになって?」
豪胆な言葉を残し、去っていく娘を、頼もしい思いで見上げる園咲。
「あとは<イーヴィルテイル>のみか。食べたらはりきって探しておくれ、ミック」

星降谷発掘現場。
園咲琉兵衛は、ここで貴重な化石や遺跡を数多く発掘した。そして附近の土地を買い占め、自分の邸宅とした――。


「お先に」
広大な園咲家の敷地のなかの竪坑。するすると見事なロープ使いで降りていく響子を、さすがと見送る翔太郎。
次の瞬間、奇声をあげ頭上から落ちてきた亜樹子にぶつかられて、もろともに下まで落下します。
「ああもう! だから上で待ってろって言ってんだよ」
「いって……なによ! 所長様の、超感覚のすごさを忘れたの!?」
「知るかんなもん!」
いつものやりとり。しかし、
「ここは神聖な発掘現場よ!」鞭を打ち鳴らし、静かにと注意する響子がこわいです。

それにしても、屋敷の地下に、こんな広大な空間が広がっていたとは驚いた。


進み続ける3人。<イーヴィルテイル>がなにを指す言葉なのかと考察しながら、先を行く響子。
「園咲がらみでなきゃ、フィリップの検索で一発なのになあ……こりゃ広すぎるぜ」
その声の、うんざりした響きを耳に留め、にやりと笑う亜樹子。
「こんな時は……ダウジングスリッパー!」
「ちょっと。まじめにお願い」冷静な響子のつっこみも尻目に、スリッパ両手にうろうろ歩き始める亜樹子。「わたしはいつも大真面目です……お! あっちよ!」
「ちょ、どこ行くのよ!」

地球をめぐる冒険1

地球の本棚。
検索しても、どの本もフィリップが手を伸ばす前に粉々に吹き飛び、崩れ落ちてしまう――。
「やはりだめか……ぼくには<ミュージアム>関連の本は読めない」
園咲について調べようとすると、セキュリティがかかっているのか、こんな現象が起こるのです。考えこむフィリップ。
しかしその途中、唐突に数冊の本が眼前に現れます。
「どうした? まさか、これがぜんぶ<ミュージアム>に関する本……?」今なら知りたいことを、手にすることができる。ガイアメモリについて、ドーパントについて。ミュージアムについて。その中に、<Raito Sonozaki>というタイトルの本を見つけ、顔色を変えるフィリップ。ぼくのすべてがわかる本。吸い寄せられるように手に取り――。

どうでもいいですが、やっぱり日本人の名前表記はローマ字なんですね。

「……うわあっ!」恐怖に耐えかね、一度は手にしたその本を投げ出してしまいます。そこは鳴海探偵事務所のガレージ。
よろめき、うつむく横顔。ため息を漏らすそのくちびるも、まだ震えています。

「いくじがなーいんだ♪」地球の本棚。フィリップの投げ出した本を手に、微笑む若菜。「せっかくセキュリティを外して、本が読めるようにしてあげたのに」

ここ掘れわんわん

「ここは?」坑道の奥で足を止める亜樹子。荒涼とした周囲の状況に、
「昔の発掘現場? 地震か何かで崩れちゃったのかしら」と応じる響子。
「匂う! 何かが埋まっていると、このスリッパが開くのよーっ!」途端にその手のなかで、180度に開くスリッパ。「おほーっ! ここ掘れ翔太郎!」
嫌がる翔太郎ですが響子までがやれと厳命するので仕方ありません。
「へいへい……」乱暴にガラクタをどける翔太郎。
「もっと丁寧に!」
「わっかりましたよー……と、おい。なんかあるぞ、これ」
下の方から、薄く土のかかった小箱を見つけます。表に刻まれた文字は、<evil tail>。
「これよ!」興奮する響子。
「すげえ……!」
「な? わたし、すごかろう!? な?」勝ち誇る亜樹子。
「鍵がかかっている……軽いわ。中身何かしら」
その時、ひどく敏捷な影が、彼らの前に現れます。
「か、怪物!」腰を抜かす響子。
「なんか、見覚えある!」と叫ぶ亜樹子。
ミック様ことスミロドンドーパントの出現にさっと顔を引き締め、
「下がってろ」と静かに進み出る、翔太郎。

地球をめぐる冒険2

「あの本――」鳴海探偵事務所ガレージ。まだその場に立ったまま、考え込んでいたフィリップ。読むべきだったのだろうか。

(そうすればぼくの家族のことも、すべて……)

その時、自らの腰にベルトが出現したことを悟るフィリップ。
「翔太郎?」
「顔なじみの組織の幹部だ」坑道のなか、ジョーカーのメモリを握りしめる翔太郎。
「ああ……わかった」立ち上がりサイクロンのメモリを手にするフィリップ。変身。サイクロンジョーカー。
「かっ……仮面ライダー!?」今度は探偵が変身したことに、顔色を変える響子。しかし驚いている暇はありません。Wがミック様ことスミロドンを取り押さえている間に、亜樹子の誘導でその場を脱出する響子。
追いすがるスミロドンは、その響子が取り落とした<イーヴィルテイル>を抱え込みます。
「そいつが狙いか!」飛びかかるW。エクストリームとなり、プリズムビッカーを翳しますが、しかし、その攻撃はわずかに遅れます。スミロドンの落とした小箱を、今度こそしっかり抱え込む響子。
今は敵を倒すことに集中し、壁を蹴り、天井を走り、縦横無尽のスミロドン。
「敵はスミロドンだ。……そのすべてを閲覧した」しばらく立ち尽くした後、そう告げるフィリップの声。ここだ、と振るった剣は、確かにスミロドンに命中しますが――何の痛痒も感じていないようなスミロドン。わずかにタイミングがずれたのです。信じられないというような声を上げるフィリップ。「……反射速度が、分析を超えている?」

じりじりと対峙するスミロドンとエクストリーム。スミロドンの脚が長くて長くて、ここ、伊藤さんじゃないのかなあと思ってしまいます。にらみ合い、間合いをはかり合う静寂の中、唐突に響く哄笑。辺りに満ちる昏い波動。テラーの姿は見えずとも、
「きみたちがそれを見つけてくれるとは」とひどく可笑しそうに話し始める声を、聞き間違えることはありません。
「これは……」暗い坑道の、その中空を見上げるエクストリーム。「園咲……琉兵衛?」
「これは、……まさか館長?」同時につぶやく響子。
猫が飼い主に慕い寄るように、声の方へ上がっていくスミロドン。
「それはガイアインパクトにどうしても必要な物なのだ」
「ガイアインパクト?」聞き咎めるフィリップと、
「ふざけんな。なにしでかす気かしんねえが、これ以上街を泣かせる真似はゆるさねえ。姿を現せ!」憤る翔太郎。
しかし勇ましくよばわるエクストリームの、その左足は震えています。間近まで迫る、テラーの昏い波動から目が離せないのです。
「あきちゃんたちもいる。この場は取り敢えず脱出しよう!」
「あ、ああ……」フィリップの声に励まされ、剣を収めるエクストリーム。「仕方ねえ」
亜樹子、響子を抱いて縦坑を一気に抜ければ悔しそうに唸るスミロドン。
「はっはっは。まあいいだろう、<イーヴィルテイル>が見つかっただけな。はっはっは……!」

インターミッション

風都ホテル。居室で茶を楽しみながら、
「ガイアインパクト、ってご存じですか」と唐突に問う加頭。爪の手入れから顔もあげず、
「何の話」と即答する冴子。さも驚いたようにカップを落とし、
「そのために屋敷も人払いし、今は若菜さんと二人きりだとか」と続ける加頭。「ついに何か動きますねえ……<ミュージアム>」
「!」そのわざとらしさを睨みつけ、立ち上がる冴子。ポニーテールがふだんより若々しく見えますね。寝室の方へ引き取ろうとします。彼女がドアのノブを掴んだその時、
「冴子さん? 無茶はしないでくださいね」と呼び止める加頭。「大好きなあなたが傷つかれたら。わたし、ショックです」
そんな言葉すら、あくまで無表情に、平板に、つぶやくのみ。答えず出て行く冴子。心細いのでしょうか、寝室のベッドに腰かけ、うなだれる姿が、今日は少女のように可憐です。

決意

「ガイアインパクト、か」
鳴海探偵事務所。竜も合流し、今までの話を聞いています。客用のソファに座り込んだまま、ショックに顔もあげられない様子の響子。
「組織の最終計画に違いない。そしてそのためには、その小箱が必要、と」
「<イーヴィルテイル>……取り敢えず開けるか」翔太郎が雑に箱に手をかけるので、
「だめ!」と叫ぶ響子。大事そうに抱え上げ、翔太郎からは離れた戸口近くの椅子に座り直します。「乱暴に扱わないで。大事な展示物だったらどうするつもり」
「響子さん。……園咲琉兵衛は、この街に悪のガイアメモリをばらまいている張本人です」耐え切れず、園咲の正体を口にする亜樹子。
「ああそうだ。そのためだったら家族だって平気に犠牲にする悪魔なんだ!」思わず同調し、そしてフィリップの存在に気づく翔太郎。「…………すまん。つい」
「ああ、いいんだ翔太郎。ぼくも……その事実を受け入れるべきだった。さっきちゃんと本を読んでいれば」
「何のこと?」
「ぼくは読めるようになっていたんだ。自分の、本が……でも、読めなかった。真実を知るのが……怖くて」
告白し、俯くフィリップ。それは響子も同じ思いなのでしょう。部屋の片隅で独り、さっきからずっと小箱を抱きしめ、俯いています。
「は、無理もねえ。それだけお前にとっちゃ、重い一冊なんだ」フィリップの元へ近づき、励ます翔太郎。この時響子がフレームアウトします。
「翔太郎」
「まずは<イーヴィルテイル>だ。……あれ」ここで一同が振り向いた瞬間、しかし、姿を消している響子。
「追うぞ」翔太郎を促し、ばたばたと飛び出していく竜。
頭を抱え驚いていた亜樹子も、さすが行動力の女と評します。ぼくも怖がっている場合じゃないと、改めて思うフィリップ。
読もう。ぼくの本を」

対決

風都博物館。独り展示室に佇む園咲の、背後へ歩み寄るのは響子。
「館長。お聞きしたいことがあります」決意に満ちたその声は、しかし心細さに震えているようにも聞こえます。メレ様の時も書いた気がしますがわたしはこの人の声が本当に好き。
「あなたは……」
「見給え轟くん」皆まで言わせない園咲。展示された化石や剥製を示し、「この地球で絶滅した生物は数知れない。人類も、このまま行けばその例外ではない。だが、人類が未来永劫、地球に生き残る種となる夢が、とうとう実現する。地球と一つになるのだ!」
園咲の笑い声に戸惑い、後退る響子。
「その箱は、そのために必要なんだ」彼女が後退るのに合わせ、歩み寄る園咲。「さ、わたしに……」

「渡しちゃだめだ! 響子さん」飛び込んでくる翔太郎と竜。
「やあ。ここで会うのは2度目かな、左翔太郎くん」あくまでにこやかな園咲。それから竜に目をやり、「そして文音、いやシュラウドの操り人形くん、かな」
「黙れ!」噛み付くような目の、竜。「そう簡単にはお前の思い通りにさせんぞ」
「そうだ。この街の涙はおれたちが拭う」

しかしその時、園咲の両の目が昏く光り、我知らずすくみ上がるような恐怖を覚える翔太郎。

「どうした左!」
「わからねえ、急に身体に震えが……」笑おうとしながら、我が腕を抱く翔太郎。その下肢が細かく震え、力が入らないのです。
「わたしの力を何度も見たからだ」親切に解説を始める園咲。その声にはっと振り向く竜、翔太郎が、聞き分けのいい生徒のようです。「今まできみは、わたしが<ミュージアム>の頭目と知ってもなお、その核心に触れようとはしなかった。そうだろう? ――わかるかね、その理由が」
指を突きつけ近づいてくる園咲に、いちいちびくびくと反応する翔太郎。何度も立ち直り、まっすぐ足を踏みしめて見返そうとしても。がくがくと震え、崩れ落ちそうになる脚、わなわなと震えだしそうな胴。一歩踏み出して戦いたいのに、心とは裏腹に、後ずさりしていきます。

「きみの身体はわたしへの恐怖で無意識のうちに我が屋敷への接触を拒んでいたのだ!」

この辺りは視聴者が、
「なぜ鳴海探偵事務所は園咲の正体を知りながら決着をつけようとしないのか」と言っていたことのアンサーになっているようですね。そうした邪魔者をひと睨みで引き下がらせるのもテラーの力だと。

「まさか……テラーの能力とは、相手の恐怖心を増幅する力!」その翔太郎の表情を信じられない思いで見つめ、合点する竜に、合格点を与えるように、
「そうだ」と園咲。「――ミック?」
スミロドンの骨格化石の展示ケースの前に、飛び出してくるスミロドンドーパント(ミック様)。怯えて逃げる響子を、追い回します。
「しまった!」響子を、<イーヴィルテイル>を守るべくアクセルとなる竜。
「……初めてわたしの姿を見た時から、きみは既に負けていたのだよ」なおも話し続ける園咲。必死でその場に踏みとどまろうとする翔太郎を、なぶるように。「わたしの恐怖。<terror>に、ね。…はははははは。はははははは!」
それが限界でした。立ち去っていく園咲の声を聞きながら、最早振り返ることすらできず、その場に崩れ落ちていく翔太郎――。

地球をめぐる冒険3

地球の本棚。覚悟を決め、<Raito Sonozaki>の本を開いているフィリップ。
重要な事実に行き着くまで、ぱらぱらと斜め読みで読み進んでいます。

園咲来人は、園咲家長男として父・琉兵衛、母・文音の間に生まれる。当時長女・冴子は13歳。次女若菜は4歳。
3歳にして琉兵衛にブリティッシュショートヘアの猫を買ってもらい、来人自身がミックと命名。
5歳の時、父・琉兵衛は地球意思との接触ポイントを発見。<泉>と命名されたこの場所を科学施設化する。
1ヶ月後、来人はその中に落ち

そして、思わぬ展開に頁をめくる手が止まり、記された事実に目を剥くフィリップ。
「なかに……おち……!?」途端に蘇る記憶。

発掘現場に掘られた井戸のごとく細く、深い立抗。何気なく覗き込み、うあ! と短い悲鳴をあげ落ちていく幼い来人。
ヘルメットを被り周囲を飛び回っていた若菜、冴子も驚き駆け寄ってきますが――。


風都博物館前庭。噴水まで逃げてきた響子。追い詰めるスミロドン。
トライアルとなってそれを押しとどめるアクセル。
「……」そして、ようようそこまで皆を追ってきた、翔太郎。園咲に何もできなかった悔しさとともに、まだ拭いがたい恐怖を感じている表情。

***

鳴海探偵事務所。
「嘘だ。…………そんなこと……!」
「フィリップくん!」意識は地球の本棚へ入り込んだまま、絶叫するフィリップ。その精神を案じ、大声で呼び覚まそうとする亜樹子。「起きて!」
あ、と目を開くフィリップを、助け起こそうとします。が、なおも叫び声をあげ、彼女を突き飛ばし外へ走り出ていくフィリップ。

***

風都博物館前庭。しかし速さでもスミロドンのほうが一枚上手で、たちまち捉えられ、首もとを掴まれ吊り上げられるトライアル。それを
「てるい……」とただ見ている翔太郎の、目の焦点が合ってない感じで異様です。怖い。
「翔太郎! 翔太郎、ぼくは……!」そこまで事務所から、ただ恐怖に駆られここまで走り続けてきたフィリップですら、その異常に気づくほど。
「てるい……」
「翔太郎?」そして振り返り、トライアルの窮地を知って驚くフィリップ。「……何をしているんだ! 変身だ翔太郎。翔太郎!?」

「……あいけねえ。おれ、何をぼっとして……?」そこで我に返り、首をふる翔太郎。「行くぜ、フィリップ」
「ああ」
サイクロン、ジョーカー。そして、新たに知り得た事実によってここまでの恐慌状態に突き落とされながら、戦うべき時にはさっと集中するフィリップがマインド強い。この横顔惚れ惚れします。
飛び出して行くも、トライアルですら敵わないミック様のスピードに、手を焼くW。
「ぼくに任せて。メモリの使用者を人間と想定したところにぼくらの落とし穴があった……」
メタルとなり長いシャフトを3回、左、右、前と降りつつ、
「ミック? 静かに」と声をかけるフィリップ。すると――小首を傾げながら喉を鳴らし、大人しく座り込むスミロドン。
スタッグ。メタルマキシマムドライブ。その腰を挟むように仕向け、
「少しだけ我慢して」とそのベルトのみを破壊します。
あとには愛らしいブリティッシュショートヘアが残るだけ。うにゃ? となおも喉を鳴らすミック様。

「ねこが、そしきの、かんぶだと……?」脱力するトライアル。

「どういうことだ、フィリップ」変身を解き、倒れているフィリップの身体まで歩み寄る翔太郎。起き上がるフィリップ。
「さっきのポーズは、ミックに特別なご馳走を与える時のいつもの仕草さ、園咲家独特の」ミックを抱き上げ、微笑みます。「お前はぼくの猫だった……もうこれで、ドーパントになることもないよ」
「フィリップお前」スミロドンのメモリを拾い上げる翔太郎。「本を読んだのか」
「ああ……すべてを知った。ぼくは、」そしてもう一度、その衝撃を翔太郎と分ち合おうとしかけるフィリップ。しかしその声は、園咲の声に遮られます。

地球をめぐる冒険4

「おめでとう来人!」高台の博物館から前庭に降りる階段の、上から彼らの方へ向けじわじわと流れ寄ってくる昏い波動。フィリップの手から飛び降りる/落とされた? ミック様。
波動の中から、やがてテラードーパントの姿が現れます。
「ようやく己の使命を知ったな?」
「ど、どういう意味ですか」
「来人。お前と<イーヴィルテイル>が揃えば、わたしの望むガイアインパクトが実現する」一歩一歩、階段を降り始めるテラー。
「翔太郎、もう一度変身だ!」慌てて叫ぶフィリップ、しかし頼りの相棒は、テラーが姿を現した瞬間から、わなわなと恐怖に身をすくませているだけなのです。
「翔太郎? 翔太郎!」
「かれはもう終わっているよ来人。二度とわたしに立ち向かうことはない」とうとうかれらと同じ高さまで降りてきたテラー。飛んできた銃弾を受け、射手のほうを向きます。
「あいにくだが、おれにはそれほど効果はないぞ?」と現れるのはトライアル。
「はっは。そうそう、そういう体質らしいなきみは」楽しげなテラー。「……だが、テラーを精神攻撃だけのドーパントと思うか」
「なに」
途端にその頭部から、顎に手足のついたような化物を現出させるテラー。シーサーとか、キジムナーとかいうテイストです。
「うあっ!」飛び退る翔太郎らの前をかすめ、トライアルの身体をその顎で咥え、飛び去ります。
「照井竜」
「きみは噛み砕いてさしあげよう」うれしそうに両手をぱんと合わせるテラーが、いかにも良いこと思いついた! みたいな天真爛漫さです。「物理的にねえ」
がつがつとトライアルを噛み砕きながら宙を飛び回る化物。
「うああああああっ!」
「終わりだよ、仮面ライダー諸君。はっはっはっは!」

物陰から、その地獄絵図を覗いている響子。
「あの怪物が、館長?」しかし次の瞬間、後ろから近づいてきた女に肩を掴み上げられ、ひっとか細い悲鳴をあげます。
「お父様? こそ泥よ!」響子をテラーの前へ引きずり出していくのは若菜。同じ悪の女幹部経験者であっても、若菜のほうが背が高いぶん、響子の華奢さが引き立ちます。
「離せ!」強気にその手を振り払おうとする響子。無言でその頬を張る若菜。
「きゃっ!」
倒れこんだ瞬間、抱きしめていた<イーヴィルテイル>がテラーの真ん前まで転がり出ます。
「おお、<イーヴィルテイル>」
はっと関心を惹かれつつも、恐怖に凍りついたままの翔太郎、その前に立ちはだかり、成り行きを見守るフィリップ。そして、響子からは関心をなくしたかのように、フィリップに艶然と微笑む若菜。まるで活人画のような。
「来人。一緒にいらっしゃい? ……読んだはずよ自分の本を」
「あんなの。……あんなの嘘だ!」
「嘘ではない」横からテラー。「お前は死んだのだ。12年前にな」
今度こそほんとうに驚愕する翔太郎。

12年前。発掘現場に掘られた井戸のごとく細く、深い立抗。何気なく覗き込み、うあ! と短い悲鳴をあげ落ちていく、まだ5歳の来人。
「来人?」
「来人!」
ヘルメットを被り周囲を飛び回っていた若菜、冴子も。発掘調査に没頭していた両親や技術者たちも。驚き立抗の縁まで駆け寄り、中を覗きこめば、たちまち泉のごとく吹き上がり、広い坑内を眩く照らする緑の光。それは地球の力の結晶そのもの。
「ああああああーっ!」
我を失い叫ぶ妻・文音の悲鳴をよそに、己の得たものの正体を知り、思わず口元に笑みを浮かべる園咲。


「どういうことだよ」いかに恐怖に身がすくんでいても、相棒のただならぬ様子を見れば、問わずにはいられません。なおも力の入らぬ足を踏みしめ、立ち上がる翔太郎。「フィリップ!? ――おい!」
泣きそうな顔で、俯いたままのフィリップ。
「……今あの人が言った通り……らしい。翔太郎。ぼくはもう……死んでいる」

これ以上ないタイミングでの以下次号。
相棒が、実は――というのは、平成ライダーでは定番のサプライズ要因となりましたが、やはりこの展開はショックですね。
通常は主だった謎が解け、あとはいかに敵を倒すかというラスト数話で、相棒とは永遠の別れなのか? 相棒の力を欠いて主人公は敵を倒すことができるのか? 主人公はいかにして相棒を取り戻すのか? とたたみかけてくるわけですから。

(主人公が、実は――というのも同様に平成ライダーの定番で、これはこれで主人公の自己犠牲っぷりにぞくぞくしますが)

「W」はタイトル通り、ライダー名通り、2人で1人のバディものという特性がとくに際立っているだけに、たまらないものがあります。ずっと、ずっとこの2人の掛け合いを見ていたいと思っているのに。
翔太郎フィリップは距離感が好きなんです、お互いに心の奥底ではお互いを大切な存在と思っているのに、べたべた仲良しごっこもなく、かといって過剰にけなし合うとか喧嘩するとかでもなく、ちょっとした冗談や皮肉が程がよくて。性格や趣味が正反対なので一方がもう一方を自分の世界に引っ張り込むこともなく、尊重し互いに独立しているという雰囲気が好きです。
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2015.04.19 04:43 | w ダブル | トラックバック(-) | コメント(-) |
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