LOVE! HEROES!

特撮番組全般、そして高岩成二さんと伊藤慎さんを応援します。

最初に言っておく。このブログでは「刀剣乱舞」のことにはほとんど触れていません。歌舞伎の話でもありません。検索で来られた方には申し訳ありませんがこれは特撮ヒーロー番組の女形についての記事です。紛らわしくてごめんなさい。

さて、このブログを始めたばかり、2007年1月の記事ですからもう大昔のことですが、

女形スーツアクターについて考えてみた

というメモ書き程度の記事を載せたことがありました。
ちなみに記事中「ある歌舞伎の女形」としているのはたぶん初代芳村あやめ

それを思い出したのは、昨日RTされてきたこのツイートです。まず次郎太刀というのは、一に戦国武将真柄直隆の子、真柄隆基の太刀(とされており、当然太郎太刀もある)で、しかし文脈からすると「刀剣乱舞」のキャラクターのことでしょう。設定画を見れば女性的な服装の美丈夫で、描いたイラストレーターも「女形」であると発言されていますが、そのイラストに対して上記tw中の
「片はずしに笄と花櫛……」というコメントが出ているようです。片はずしは武家の女性特有の髪型であり、また、そういう役を演ずる際につける鬘の一種です。笄(こうがい)はその髪型をつくるもの、花櫛は髪に挿す装飾品ですね。
「次郎太刀」のイラスト(↑)。

要はこういうイラストをご覧になった@makka_beniさんのお父様が、
「(この髪型なら)立役かもしれない」と言われたということなのですね。で、わたしがこのtwに興奮したのは「刀剣乱舞」と全然関係ないのでファンの方には申し訳ないのですが、この前振りのあとに来る、

立役の女形は一番高貴で強い。

の一文です。
ただ「立役(男役)」の「女形(女役)」ってどういう意味か、ものを知らない悲しさでよくわかりません。大雑把に
・女形専門の役者が演じる町娘や姫などの“女”ではなく、
 普段は立役をこなす役者がその持ち味を残したまま演じた女形
というふうに解釈していますがそれだと敵役、憎まれ役であることがほとんどだそうですし、単に
・弁天小僧、雪之丞変化的な女装の男を演じる女形(立ち回りもある)か、
・片はずしの大役も演じる立女形
のことなのか?

いずれにしろ、その価値は
「男性から見た女性の客観的な美」「人工美の粋」であり、演ずる者にとっても醍醐味であると。

ということで思いつくのがやっぱり女形スーツアクター、なかでも可憐な少女から艶やかな悪の女幹部(「シンケンジャー」での太夫は絶品!)まで演じ分ける蜂須賀姐さんになってしまうので、同じ発想に至った方が、先のtwをRTしたあと
「蜂須賀祐一さんはもはや伝説」とコメントされています。
「今年は女形で」と言われれば体型すら変えて役に臨むプロフェッショナリズム。そんなことは当然と思われる方もあるかもしれませんが、アクションをしながら、必要な筋肉は落とさないように配慮しながらとなると、難易度があがります。愛らしい表情、ぞくりとくる色香、子を思う母の眼差し、そうしたものが面の下に“見え”、べつになよなよと女らしい仕草をするわけではなく、「シンケンジャー」の姫レッドや「キバ」の麻生母子イクサなど、ただ戦士として、戦場で颯爽と闘いながらもにじみ出てくる表現ですから、いったいどこがどうなってこんなことが可能なのかと思います。

かつて特撮の現場やヒーローショーで、女形は当たり前の存在でした。とにかく女性のアクターが少なかったのですから仕方ありません。そのため、中にはがに股で歩くなどのぼろを出してしまったり、逆に記号化された女らしさを過剰に出してしまうような、女形としての適性の低い人、小柄な体格のみで女性役にあてられた人というのも、いたかもしれないと思います。前の記事を書いた8年半前には人見早苗さんをはじめ若手の女性スーツアクターが何人も活躍していらして、そのうち女性役は女性が演じるのが当たり前になるのかも、と思ったりしていました。

過去記事とも重複しますが女性スーツアクターにはなんといっても、本物の女性であるという強みがあります。首周りや肩、手首のあたりの華奢さは立っているだけですでにして可憐で、激しいアクションの中ではほんとうにはらはらさせられます。日頃男性には体力で劣るぶんをどう補うかと日々工夫していらっしゃるであろうことが、自然に演技に現れるでしょうし、また、女性特有の線の柔らかさ、動きの滑らかさは、早く鋭く、動こうとすればするほどに引き立ちます。ああやはり男性とは違う美しさだと、同じ女として観ていてほんとうに憧れますし、もっともっと若手の女性アクターが出てきてほしい、活躍してほしいと思います。

しかし一部の方を除くと、女性スーツアクターの命は短いのかなあと思います。もともとの母数が少ないせいもあり、舞台劇など他のステージに移ったり、結婚出産で遠ざかってしまったり、あっという間にごっそり減ってしまったように思えます。
一方で女形スーツアクターによる女性美は変わらずそこにあり、ベテランの手で年々、凄みすら感じられる域にまで磨き上げられているのに。

わたしは以前、女性スーツアクターより女形のほうが好きだと書きましたが、それは、
・一般的に女性より男性は体力があり、それがアクションの美しさにつながる
・客観的に女性を描ける
というだけでなく、
・長く続けられる
ということもあるのかなと、今は感じています。
同日追記。タイトルに誤字が! 他にもあるかもですがとりあえずそこだけ訂正しました、お恥ずかしいです。
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2015.06.12 07:11 | heroes | トラックバック(-) | コメント(-) |
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