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特撮番組全般、そして高岩成二さんと伊藤慎さんを応援します。

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【「渋谷怪談」配布PC用壁紙】

このブログでは、特撮番組について書いても、出演されている若手俳優の皆さんのことは、ほとんど書いていませんでした。
ましてや、わたしが再び特撮番組を見るきっかけとなった「仮面ライダー555」については、とても冷静に扱えない、それほど好きだという言い訳を楯に、短い感想すら、ほとんど書いたことがありません。
したがって、「555」の影の主人公、ホースオルフェノク/木場勇治役の泉政行さんについて今までこのブログに書いたことは、たぶんほんの1~2度、あるかないか、程度ではないかと思います。
わたしが「555」の世界にひきずりこまれた主な理由は、2つありました。1つは何度か書きましたが、「一定の条件をクリアすれば誰でもファイズとなって戦うことができる」という設定と、それを可能にしたファイズのスーツアクター・高岩成二さんによる、多種多様な演じ分けの妙。
そしてもう1つの要因が、劇場版の「パラダイス・ロスト」における、木場勇治の慟哭、です。「555」は観れば観るほど好きになる要素がどんどん出てきて何が魅力かというのは10年以上経った今でもうまく整理できないのですが、最初の入り口は間違いなくこの2つであり、そしてどちらかといえば、泉さんの演技に惹かれた部分が、当時は大きかったのではないかと思います。

「おれは今まで何をやってきたんだ!」

心優しく騙されやすく、育ちの良さを感じさせる品格と、高い理想を持ち、しかし人の裏切り、汚さには激しく傷つき憤る――木場勇治の魅力と、その脆さを、信じる人に裏切られたと“思い込んだ”絶望の深さを、一瞬で表現したシーンでした。
舌足らずな話し方や柔らかな笑顔とのギャップが凄まじく、確かにあの瞬間、泉さんの背に大きな黒い翼が生えた、ように見えました。
「パラダイス・ロスト」から、わたしは泉さんのファンでした。泉さんに“巧さ”を感じたことは、失礼ながらありません。舌足らずな話し方も柔らかな笑顔も、ほとんど素、であったようで、その後様々な作品でも、またインタビューや座談会のようなもののなかでも、何度も観ることができました。そして何の役を演じても、その人物がそこにいる、という不思議な存在感があり、作品の世界に惹きこまれました。

「渋谷怪談」では無謀で軽はずみな大学生の1人。惨劇のあと生き残ったヒロインに寄り添い、支える役でもありました。

「ロザリオの雫」では、社会の矛盾に苦しみつつ、それでもヒロインに惹かれ、身を滅ぼす若者の役でした。

「555」以前の「ごくせん」は、後に特撮番組に出演するようないわゆる若手イケメン俳優を大勢輩出した番組でしたが、泉さんはその中でも明るく元気で、物語のなかではその他大勢的な役なのに、妙に視界に入ってくる生徒でした。あと入浴シーンではその腹筋を惜しげもなく披露され、変なところに注目してしまって申し訳なかったのですが、やはり目立ちました。

裁判員 選ばれ、そして見えてきたもの」では障害者の方でも制度に参加できるという説明のための「交通事故で車いす生活を送る青年」役でしたが、理知的で繊細な雰囲気を醸し出していて、地元の上映会で観てよかったと思いました。

「闇の軍団」では忍者役で、「バック転でも何でもできる泉さんが忍者!」とはりきって観に行ったら、忍者の中でも陰陽師というあまりアクティブではない役だったのですが、残酷な運命に傷つきつつも生き残っていく強さを感じ、「555」菊池啓太郎役の溝呂木さんとの共演もあり、シリーズすべてのDVDを揃えました。

「イケメン新選組」はふざけたタイトルなのですが沖田総司の皆に可愛がられたという天真爛漫さを体現しつつ、池田屋事件の描写では天然理心流の特徴である高速三段突きを実現されていてたいへん感心しました。また、付録の京都観光案内の映像では、説明しながら史跡であるお寺や宿舎などの中を歩くのですが、泉さんはまったく畳の縁を踏むことがなく、立ち居振る舞いの端正さにも驚かされました。

踊る! 親分探偵」シリーズではちゃらいちんぴら役でしたがこれがまた可愛らしい。ちゃらいのに可愛いという役どころで、マツケンサンバ華やかなりし頃のドラマでした。

「科捜研の女」シリーズでは主演の沢口靖子さん演ずる“榊マリコ”がペットのようにこき使う物理担当研究員・“乾健児”役でしたが、大型犬のように純真で愛嬌のある性格でありつつも、決して上司の言いなりではない頼もしさ、骨っぽさのようなものもありで、ああ泉さんらしい役だなあと思いました。この番組には当初若手刑事役として半田健人さんなども出演されており、それとの対比や、「555」では半田さんの役名だった“乾”が今度は泉さんにつけられているというおかしさもあって、毎週楽しみにしていました。

「冬の輪舞」は昼ドラでしたので視聴は困難だったのですが泉さんの出演回はなんとか見ていて、これが非の打ち所のないおぼっちゃま役なのに、気取ったところのない泉さんが演じると生来のノーブルさ、のようなものがにじみ出て不思議だったり。

昨夜帰宅して、訃報に接しても、頭ではその意味を理解しても感情では消化できていなかったようで、ぼんやり上記の作品のDVD(「冬の輪舞」「科捜研」「踊る!」を除く)を見返し、そのうちに寝入っていました。
さっき、「555」TVシリーズのDVDのマンション組座談会のことを思い返していて、
「そういえばスネークオルフェノク/海堂直也役の唐橋さんが、撮影時のエピソードを披露する際
『そう! うちの木場さん、ここ(目元を指す)怪我したんですよ!』と話されて、その“うちの木場さん”という言い方が家族っぽくって好きだったなあ」と思い出して――急に哀しくなってきました。スイッチが入るのが遅いです。
2012年の「ベースボーーール・ハムレット!」、観に行くことができませんでした。行けばよかった。
私生活ではお酒好き、スポーツ好きのエピソードが多く、見かけに反する磊落さもまた好きで、でもそれから、33歳のお誕生日を最後にブログの更新がなくなって、「555」のブルーレイボックス化で久しぶりに拝見したお顔が、ひどく痩せていて驚いたり……。
野球や新体操で鍛えていたというだけあって、本当に健康的な方だったのに。「555リポート!」では待機時間だったのでしょうか、JAEのミニトラを借りて、楽しそうにバック転したり、バス爆破シーンでは物見高く見物をされていたりする姿が映っていたのに。

いくら書いても書きつくせないようにも思い、でも本当に書くべき言葉は出てこないようにも思います。

35歳。ご家族はじめ周囲の皆様のお嘆きの深さはいかばかりでしょうか。

謹んでお悔やみ申し上げるとともに、泉さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。






Lucky & Peace KOHEI MURAKAMI Official Blog「泉政行君
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2015.08.05 19:29 | heroes | トラックバック(-) | コメント(-) |
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