LOVE! HEROES!

特撮番組全般、そして高岩成二さんと伊藤慎さんを応援します。

車社会なこの街に越してきて早5年、完全なひきこもりになってしまっている上に、ジムもこの夏の繁忙期のためにすっかり気持ちがくじけてしまっているmakiですこんばんは。
先週くらいから自分にスクワットブームが来ているのですが、運動不足解消なら基本はやっぱり歩くことだよなあ……?
そんな今日このごろに読み終えました。

ゴースト・ヒーロー (創元推理文庫)
S・J・ローザン著 直良和美訳


過去作もずっと読んできているのでシリーズそのものの紹介はそろそろ省略しようかと思うのですが、実はこの本を書店で手にとったのは、
「ローザンのリディア&ビルシリーズだから」ではなく、まずタイトルが目に飛び込んできたから。
元々特撮ヒーロー好きで、おまけに、まもなく始まる「仮面ライダー“ゴースト”」の予告が頭に焼きついていたから……というのが正直なところです。手にとってみればいつものローザンで、だからこそ、安心して買ってきたわけなんですが。

今回の主人公はNYの私立探偵、リディア・チン。その彼女が、謎めいた依頼人を迎えるところから話が始まります。
現代アートのなかでも特異な地位を占める画家、チョウ・チャン。絵に詩文を書き添え、芸術であるという建前を取りつつ政治的アジテーションを行うという、中国アートの伝統を踏襲していたかれは、1989年の天安門事件で命を落とし、伝説の人、民衆のヒーローとなりました。
にも関わらず近年、その“新作”が出回っているという噂がある、遺作が新たに発見されたのではなく、近年書き下ろされた新作なのだと主張する依頼人。しかしそれでは、幽霊が描いているということになってしまいます。戸惑うリディアに、本当ならばぜひ投資を考えているので、噂の真偽を確かめてくれという依頼人。

・中国人はもてなしといえばまず茶
・中国人は森羅万象になぞらえたよくわからない暗喩を口にする(べき)

等々、リディア主人公回にはしょっちゅう顔を出す中国趣味が今回も全編横溢しています。とくに、珠茶に始まりジャスミンティー、紅茶、タピオカ茶と頻出するお茶や、食事のシーンが印象的。
一方では大々的な美術イベント、アジアン・アート・ウィークを控え沸き立つニューヨークの現代アート界が描かれ、画商や新進の画家たちの突飛だったり胡散臭かったりする振る舞いも楽しめます。
いつもの相棒であるビル・スミス、及びかれの紹介で知り合った、東洋美術専門の中国人探偵、ジャック・リーの協力を得て、あちこち藪をつつきまわるリディアですが、このつつきまわし方も「夜の試写会」のときのような詐欺師めいた小芝居の連続でまた楽しい。
当然ながら藪をつつけば蛇が出るもので、続々と怪しい振る舞いをみせる人物が登場します(筆頭はリディアの依頼人)。そこから導き出される真相は――実は途中からうすうす見当がついてしまい、これをリディアたちは政治的にどう収拾をつけるのかと、そちらに関心が移っていきます。
ラストは鮮やかにして爽快。
ですけどどうかな、これは正義といっていいのかなあ。
あと毎回思うけどリディアモテすぎ。国や人種の違いで美の基準って変わってくるものだと思うけど、だいたいいつでもどこでも美人扱いされてますよね。どれだけ美人なんだろう。
対して作中の描写では、リディア回ではビルよりも香港で出会ったマイクとか、今回のジャックなど、リディアに年の近い若いチャイニーズ青年のほうがだいたい魅力的に書かれている気がします。
ビル回のビルはものすごく魅力的な男性なのに。作者が意図的に書きわけているのかな。
そのせいで、リディアが最終的にビルをどうするつもりでいるのか、ぜんぜん予測がつかない感じです。

もう一つ、小説の内容とはぜんぜん関係ないのですが。
翻訳ものに中国人や韓国人が出てくると、この名前はどんな字を書くのだろうといつも思ってしまいます。
日本人でも<ミスター・モト>とか、なんだそれ日本人か? という名前になってたりして、でも基とか本村とかそういう字が当てられていたらたぶん納得するんだろうなとか。<カトウ・サン>って加藤さんかな加東さんかなとか。
そんなわけで今回のチョウ・チャンもいろんな字を当ててあれかこれかと考えてしまいました。伝説の人、民衆のヒーローとくると、描かれた絵の署名とかつい妄想するので、名前の字まで考察されてると説得力あるのになあと。細かいでしょうか。
同日追記。カテゴリがなぜか「仮面ライダードライブ」になっていたので、改めついでに誤字も見直しました。
天安門ってもう四半世紀前になるんですね。“ゴースト・ヒーロー”チョウ・チャンや、天安門の大虐殺で友を失った、自分はその場に立ち会ったのだと慟哭するヤン教授はもちろん創作上の人物ですが、あの事件で迫害された中国知識層のなかには、ヤン同様国外に逃れ出た先で教鞭を取る人も多いようです。日本で先年帰化した方もそうですね。
有名なタンクマンの映像はマイケル・ジャクソンのヒストリーツアー(“They don't care about us”)などにも使われていて、シルク・ド・ソレイユのマイケル・ジャクソン追悼ショーが北京で行われたときにもその映像が上映され、中国国内では封印されていた映像だったために会場が一瞬しんとなった、という新聞記事を読んだ気がしたりしなかったり。
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2015.09.18 00:17 | read or die 近視de乱視 | トラックバック(-) | コメント(-) |
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