LOVE! HEROES!

特撮番組全般、そして高岩成二さんと伊藤慎さんを応援します。

テレビでやってたのでお皿洗いながら流し観してたら意外に面白かった。
途中水音などでぜんぜんわかららなかった部分があったのでdtvで観直しました。


El Popo a lo lejos... / bdebaca


舞台は米墨戦争が終わったばかりのメキシコ。勝者として土地の割譲を受けた米国政府はさっそく鉄道敷設を計画し、予定地の買収に入るわけですが、当然紳士的なビジネスなどあるわけもなく。
ニューヨーク銀行がよこした男・ジャクソンは見た目からして怪しげでしたが、やり口もめちゃくちゃ。
まず商談の名目で訪れた地元の銀行家・ディエゴを毒殺し、契約を楯にすべての資産を差し押さえます。
ディエゴ銀行を傘下におさめるばかりでなく、そこで融資を受けていた人々の土地をすべて、わずか1ペソで買い叩くのです。

ジャクソンの魔手から危ういところで逃げ出すことのできた2人の美女――かたやヨーロッパのフィニッシングスクールを出たばかりのディエゴの娘、サラ。かたや農場の差し押さえに抵抗し、ジャクソンの手下に傷つけられた農夫の娘、マリア。2人はそれぞれの動機でディエゴ銀行を襲撃し、現金を手にします。
町の皆のため、なにはなくとも生きていく金が必要だというマリア。
利己的であるのは重々承知、父のものであった金を取り戻し、ヨーロッパに戻るだけだと考えていたサラ。
銃の名手ながら残弾の計算ができず、頭の弱さがコンプレックスでもあるマリア。
教養もあり経験も豊富、しかし肝心なところでしゃっくりが出て弾を外してしまうサラ。
庶民派とお嬢、性格も目的も正反対の2人は当然衝突を繰り返し、そのなかで互いへの尊敬と友情を育んでいきます。
すべてを奪われたことへの復讐と、皆の土地を買い戻し、これからの生活を支えていくための資金稼ぎ。
やがて2人は、旧メキシコ領に新たにできたニューヨーク銀行の、すべての支店を襲うという共通の目標を持つことに。

神父の紹介で前科何十犯もの凄腕銀行強盗に軍隊式にしごかれる2人が楽しく、このままこのしぶい師匠と美女2人で銀行強盗を続けていく話かと思ったらちょっと違って、師匠は
「もうお前たちは一人前だ」とばかりにとっとと去って行くのが残念!
代わりに、映画冒頭で最新の科学捜査手法を他の警官たちにプレゼンしていた若い刑事、クェンティンが介入してきます(死体の所見やその他発見された証拠を列挙しそれによって死の真相を推理する早口だけ、「SHERLOCK」のシャーロックみたいでしたね)。
ニューヨーク銀行からこの連続銀行強盗犯をなんとかしろと依頼されたクェンティン。
頭取令嬢の婚約者でもあるかれははりきって当地に乗り込んできます。
なのになぜか、“心臓麻痺”で片づけられたはずのディエゴの死から捜査を始めるクェンティン。顕微鏡とリトマス試験紙、指紋採取により、ディエゴは毒殺された、という心象を持ちます。

強敵現ると知った2人は、先手必勝でクェンティンのホテルに乗り込み、相手の恥ずかしい写真を撮って脅す一方、キスで籠絡し、強引に自分たちの復讐に巻き込んでいきます。
「ぼくには婚約者が」と拒んだものの美しい女盗賊たちの魅力に籠絡された後はジャクソンの犯行の証拠をつかんだ後は、むしろ積極的に
「これは正義だ」とばかり2人に協力し始めるクェンティン。
かれを人員に加えることで、ただの強盗ばかりでなく詐欺的な要素が入ってきたり、実行犯2人とバックアップ兼見張り1人という人員配置が可能になったりと犯罪の手法に幅が出てきて、結果、ジャクソンとの知恵比べや痛快で派手なアクションの連続に。
とくに馬の扱いがいいです、馬。

ラテン美女が大暴れ、とか、はじめは反目しあっていたのにやがて熱い友情で結ばれていく、定番バディストーリーとか、クェンティンをめぐる擬似的な恋のさやあてとか、おたくっぽい気弱な青年が正義に目覚めた瞬間そのポテンシャルを発揮していくとか、わたしの好きな要素がいっぱいで、何も考えずとも楽しめる映画。
ペネロペとサルマの可愛いさやお色気を堪能していればいい、ある種のアイドル映画。

ただ、<グリンゴ>の非道と抑圧に対するメキシコ人民の反抗、という視点が入っていることは、
・スペイン建築の要素を取り入れた優雅にして重厚なディエゴ邸や、教養豊かな
 レディでもあるサラにジャクソンが一切尊敬の念を払わないシーンとか、
・自分のことしか考えていなかった利己的なサラが、縛り首になるところを
 町の人々に救われ、皆が一体となった興奮のなかメキシコ万歳を叫ぶシーン
などからも明らか。
クェンティンへの礼にメキシコ人民蜂起のきっかけを与えてくれた、というコメントがあったり、また、2人に比べればさほど魅力的にも見えない婚約者が現れた途端、クェンティンが
「本命現る!」的な態度になってしまうのも、つまりはそういうことなのかな。

そして師匠も協力者も去って行き、広い荒野に残るのは2人だけ。
「ねえ、ヨーロッパの銀行ってどうなの」
「大きいわよぅ」
 ……と意味深な会話の後、荒野を駆け去っていく2人で終わります。

いや面白かったんだけど、やっぱり師匠と3人での掛け合いを、もうちょっと見たかったなあ。
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2015.10.23 07:27 | dvd box 観たらめも | トラックバック(-) | コメント(-) |
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