LOVE! HEROES!

特撮番組全般、そして高岩成二さんと伊藤慎さんを応援します。

金田監督ということでアクションシーンに期待して行ってきましたが、ドラマパート、俳優さんたちの好演が思ったより素晴らしくてじんときました。

見どころ1位
なんといっても霧子・進ノ介のプロポーズ・OK・結婚式、それぞれのエピソードの美しさ。
血みどろ殺伐な井上ラブもいいのですが、生真面目な2人にはこのくらいが合っているし、程がいい気がします。「トリロジー」の侑斗と愛理さんとか、コヨミと晴人とかを思い出しました。素敵です。
見どころ2位
お父さんの手斧アクション。斧グレイト。斧は強し。
ちゃんと普段は薪を割るのに使います。
見どころ3位
進ノ介の頼もしい先輩ライダーぶり、そしてちびタケルと大きいタケルの掛け合い。
とくに入浴中の3人の会話と、それを火の加減を見ているお父さんが外でそっと漏れ聞くところ。
ヒーローという生き方も、人の命とともに未来につながれています。
見どころ4位
言いたかったことがチェイスに言えた剛(´;ω;`)
見どころ5位
ラスト近くの生身アクション。とくに御成、霧子。


Axe Glamour Shot / Martin Cathrae


アクション面では、金田監督がよくやられている映画ならではの外連味のあるシーン、というのが今回、ほとんどなかったように思います。あの火力は確かにTVシリーズを遥かに超えていましたけど、正直画面が暗くなりすぎてよく見えなかったり。
それよりもスタイリッシュなドライブのアクションスタイルが懐かしくてよかった。
あと、マッハの帰ってきた感がすごくて、これ淳さんがかなり入られてるんじゃないのかな、と思います。
あとさすが彫刻家は力強いよなあと納得のミケランジェロ。蛇のモチーフはなんだっけとぐぐっていて見つけたまとめサイトがおかしかった。「最後の審判」の儀典長だったようです。

以下感想文。ネタバレとか気にしてませんので未見の方はご注意。
東京。白昼堂々、“見えない”盗賊の出現に鳴り響く警報。何者の姿も見えないのに、店舗の窓ガラスが割られ、ショーケースが割られ、宝石を収めた布袋だけが宙にふわふわ浮く怪事件。

ロイミュード撲滅から数ヶ月。

あれからどうも、頭に靄がかかったようになってしまった進ノ介。捜査会議にも積極的にコミットする気にはなれず、霧子との結婚を意識して指輪を買ったはいいものの、それを手渡すこともできず。
そんな頃、本願寺から、最近頻発するようになった不可思議な事件の捜査を、個人的に任されます。
科学では説明のつかないいくつもの事件の、その現場に必ず立ち会っている2人の男女(御成とアカリ)。
かれらの話を聞くために訪れた大天空寺で、進ノ介は霧子とともに怪しげな現象を目撃する――。

冬のMOVIE大戦は「ディケイド」以降、仮面ライダーAのパート、仮面ライダーBのパート、そしてA・B共同で共通の人類の敵を片づけるMOVIE大戦パート、という三部構成が恒例になっていますが、今回ははじめから進ノ介とタケルが絡み、共に最初から最後まで一つの事件に取り組む趣向。

それで映画として完成度が高まったかというと、そこはまあいろいろ粗はあります。
例えばいきなり大天空寺に合流するマコトが妙に協力的できれいな深海マコト。よりによってTVでは最高に殺伐としている今。
そしてハーレー博士に再度作ってもらったというドライバーを、なぜか進ノ介の分まで持って、いきなり大天空寺に現れる剛。何しにここへ、とか、ベルトさんの遺志は気にしてないのか、とひっかかります。
眼魔が見えるゴースト、スペクターと、見えないドライブ、マッハとのすれ違い&ドタバタは楽しいのですが、泥棒眼魔の布袋まで見えなくなっているのも謎。

そうこうするうちにタケルと進ノ介はワームホールに吸い込まれ、10年前の大天空寺へ。
しかし、いきなり落下の衝撃で壊れている、ハーレー製の新ドライバー。そしていきなり境内のその辺に落ちている野生のベルトさん。ベルトさんそこで何をしているのですかとか、ベルトさん的には初対面であるのにいきなり腰に巻いて変身する進ノ介が強引すぎるとか。
ていうか
「変身か……興味深い」という感想も変で、変身想定してないならなんでその姿なのとか。

ざっと冒頭だけでもこれだけツッコミどころがあります。
この調子で全編、あれはどうなったのとかこれおかしいんじゃないのかとかのツッコミ待ちで突っ走っていきます。

個人的にはわたしはご都合主義、「いきなり」「意味なく」が続き、ところどころ辻褄が合わなくなったりする展開も、そう嫌いではありません。子供向けの場合テンポの良さのほうが大事ですから。
とはいえ「ドライブ」は、科学の進歩とそれを使いこなす側の倫理が釣り合わない悲劇をテーマにした(?)推理+SF。
「なるほど、そうきたか」
「これがこうなるのか」
 とこちらを納得させる凝りようが身上の作品でしたので、それをベースに考えると戸惑います。
過去に行ってバタフライイフェクトで……というのは、つらい過去を抱えるタケルに合った内容だと思いますが、ジェネシスをうたい2ライダーの始まりを描く脚本としてはなんというか、いろいろと。

一方、人間ドラマ的な視点で見ると、最初にも言いましたがどの出演者の方も好演で、面白かったのです。
正直、これくらい面白ければ、
「こまけえことはいいんだよ」でいいんじゃないかなあとも思います。

冒頭から快調にとばしている御成とアカリ、泣かせのシーンでまでとぼけた風味のチェイス。
幼い頃の自分の不甲斐なさや理解のなさに憤ったり、龍に頼もしいと褒められればうれしさを隠せない様子だったり、いちいちいじらしいタケル。
その、父を今度こそ助けたいというタケルの心情を汲み、おのれの心情を押さえてさりげなくフォローに回る包容力の進ノ介。
「おれだってとっくにトップギアだぜ!」とか
「あれ? ……盗られた?」とか、ちょこちょこ魅力的なライダーどうしの掛け合いもありました。
若い2ライダーに、変身はできないまでも大人の正義とはこうだ、と背中で示す、厳しくも温かい父・龍。
わがまま放題、元気いっぱいで生意気な口の利き方さえ可愛らしく、にも関わらずいざという時には覚悟を決め戦う8歳のタケル。演じる日向くんがとても良かった。
英雄眼魂は、その英雄に思い入れがなければ使いこなせない、という設定(映画オリジナル?)も独特で、マコトがよく使いこなしている信長、ツタンカーメンともシスコンで有名、ということをつい思い出したり、なんでも使いこなせるようタケルは偉人録を読まされていたのかと父の英才教育を思ったり。

というわけでわたしの個人的な不満は4点のみ。
・復活ロイミュードたちのドラマや、かれらに関わる描写がほとんどない
・本願寺×仙人はシュールでしたがギャグの対象年齢が高かった
 (一方お葬式からの流れは場内で笑い声があがりました)
・ドラマティックなやり方で現代に送られた英雄眼魂2個がまったく生きなかった
そして……
・レオナルド・ダ・ヴィンチの性格づけ


Enigmatic Lisa / iggyshoot


ルネッサンスって、人間復活の時代なんですよね。それまで神をあまりにも偉大なものとして崇め奉り、自分たちを卑小なものと貶めすぎていたために、教会の圧倒的な権力のもと、科学も美術も音楽も、すべてが停滞、もしくは逆行してしまった。その暗黒の果てに、古代から花開いていた文化を再評価し、
「人間も捨てたものじゃない」という気運が高まった時代。様々な方面で才能を発揮する偉人たちが登場し、人の知性と欲望が肯定され、神との関係が見直され始めた時代。
龍がしばしば口にする、
「人間の可能性を信じよう」という言葉にむしろ通じる時代であり、そして、その時代の精神を代表する万能人であったのがダ・ヴィンチだったのです。
なので、にも関わらず
「愚かな人間どもが」みたいな時代がかった台詞を吐き続ける場面にものすごい違和感がありました。あそこは何とかならなかったのかなあ。

白倉大聖堂wのロケーションもよく、一部エクソシスト的なシーンがありましたが、逆にこんな風に宗教絡めるなら、一番合ってない時期だったと思うんですルネッサンス。ダ・ヴィンチもそれは教会の仕事もしてますけれども、それは当時の教会がまだ経済的には貴族並み、もしくは貴族以上の上得意であったからで、別に信仰が厚いとかじゃなかったし。

そのダ・ヴィンチの目的は、タケルの集めた眼魂を奪うこと。集めてどうするのか、も知りたかったなあ。天才なんだから自分で集めろよ、と思わないでもない。
ちなみに作中「龍の命日」である12月20日やその前後のタケルはまだ眼魂集めのさなかにあり、同じ日にTVシリーズでは15個集まった眼魂を以って儀式を始めようとするわけで、映画とTVのリンクは考えず、パラレルということで良いのかもと思います。

最後は再び現代に集結し、決戦が行われますが、ここで3英雄と各ライダーとのそれぞれの一騎打ちに尺がとられています。
マス対マスの魅力としてはまず、シブヤとナリタが不知火を絶やさず、それによって眼魔たちの姿が目に見えるようにして戦いを可能にする役割を担ったところ。
いざ、と錫杖振り回し、力で押されれば念仏を唱え始める御成が最高です。
拳銃を取り出し刑事アクションの追田もしぶい。
「久しぶりに暴れますか」と当初のすごい身体能力の持ち主だという設定をあますところなく発揮する霧子、何故か卒塔婆をぶん回すアカリとりんな。素晴らしい素顔の戦士たち。
ライドブースターの復活。

戦いを終えて――。
ライダーの使命をゴーストにバトンタッチし、刑事の日常に戻る進ノ介。
辛い経験を乗り越え、眼魔との戦いへの意欲を新たにするタケル。

「やっぱりお前は、笑顔のほうがいい」

ラストはこの上なくハッピー、かつ美しい結婚式のシーンで終わります。入場者プレゼントは事前に宣伝していた2種のクリスマスカードに加え、霧子、進ノ介の
「私たち、結婚しました」カードも入っているのですが(後もう1枚チェイスと剛の友情カードも)、美男美女の新郎新婦の写真にはさりげなく
「PHOTO BY GO SHIJIMA」とクレジットが打ってあって芸が細かいというか。この細かい詰めを、映画本編にもというか。
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2015.12.14 09:38 | ghost ゴースト | トラックバック(-) | コメント(-) |
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