LOVE! HEROES!

特撮番組全般、そして高岩成二さんと伊藤慎さんを応援します。

優美にして繊細、華麗にして流麗。前回の予告で「次は卑弥呼」と知らされてもゴーストのアクションに心配な点はなかったのですが……喋らないほうがよかったかもですね。


Misty cherry blossom road / Takashi(aes256)


敵側の新幹部登場、ネクロムの意外な使い方、ニュートンの不審な動きと、いろいろ気になる点はありますが、わたしとしては
「敵が女子供を操り攻撃を仕掛けてくるが反撃できないヒーロー」という大好きなシチュエーションが見られたのが一番うれしかったところです。心理的にも物理的にも縛られるヒーローが好きなのです。
新幹部対アカリの科学者対決もスリリングでよかった。
マトリックス御成も、だんだんただの賑やかしでなくなってくるところがいいですよね。
難を言えば今回の依頼人がただタケルの元へ、予言と眼魂を届ける役割を果たすだけの存在だった点が残念。まあ、1話完結だと龍馬ほどの尺はとれないので、依頼人自身のドラマは割愛したのかもですけど。

折りたたみ以下は感想文。今回は台詞が大事だと思うので(とくにアカリ)、もう一度ちゃんと録画を見なおしてあとで修正したいと思います。修正しました。
霧の中の女

アランがネクロムとなって襲いかかり、マコト兄ちゃんが怪我をした。残された時間はあと、73日――。

大天空寺本堂。座禅を汲みつつ、アランの言葉を思い返すタケル。

人間同士いがみ合うのが、そんなに楽しいのか?

(あいつらの世界に争いはないってことなのか? 友だちになれたなら、わかり合えるはずだ……)

雨の中、赤い傘をさし舗道を歩む女。突如その行く手に巻き起こる紫の霧に、顔を上げます。
「ぴっちぴっち ちゃっぷちゃっぷ らんらんらん♫」
奇妙な歌とともに霧の向こうで鈍く光る刃。黒黒としたシルエットはシンギングイン・ザ・レインの振付で踊り、現れたナイフ眼魔に襲われる女。モチーフはジャック・ザ・リッパー。――そしてその光景を、やや離れた歩道橋の上から静かに見つめている、もう一人の女。蛇の目傘に花模様の脚絆、結い上げた髪。その異様な風体よりも特徴的な、青く醒めた目。

大天空寺地下室の実験スペース。
「この眼魂の成分がわかれば、弱点が見つかるはず……!」
前回から引き続き、眼魔の眼魂の破片を分析しているアカリ。破片にある試薬を垂らすと、シュウシュウと薄緑の煙があがります。初めての反応に目を瞠るアカリ。
「え、これって!」

朝。大天空寺境内。錫杖を振り鍛錬する御成の、いつになく真剣な表情。裂帛の気合。大きく振りかぶり、跳び上がりつつ敵を打ち据えた、ところで身を起こせば、いつからか背後に立っているタケルに驚きます。
「うわ。……これはタケル殿。いらしたのですか」
「忙しいのに頑張るね。すごい気合だよ」にこにこと賞賛するタケル。それを見て、静かに話し始める御成。
「タケル殿は今、迷いの中にあります」それを支えるには修行あるのみだと言う御成。「アカリくんのように科学という武器のない拙僧には、人間力を鍛えるしかありませぬゆえ……っ!」
御成の想いに心打たれたのか、表情を引き締め聞いていたタケル。ふっと微笑み、いい雰囲気です。しかし、そこへ、慌てたように奥から飛び出してくるアカリ。やや腰が抜けているのか、もつれる足で倒れこみ、そのまま震える手で背後を指さします。
「ちょちょちょ、あ、誰か。うわあああ!」
「どうしたの!?」
「一体何ごと!」
驚き駆け寄るタケル、御成に、
「ああああああれ。いいいいるの。いるの!」

「――?」
大天空寺居間。を、そっと覗きこむ一同。中には異様な風体の女が、鼻歌とともに舞を舞っています。派手な文様の衣装、高く結い上げた髪、勾玉を連ねた首飾りに、朱を効かせた不自然な化粧。
「……不気味ですなあ」
「でしょでしょ!」
御成の感想に我が意を得たりという仕草のアカリ。その2人を置いて、
「あの、どなたでしょうか」と声をかけるタケル。
「きゃあ♡」奇声をあげつつタケルに笑顔を向ける女。舌っ足らずな話し方で、「見えちゃうんです、未来が!」
「未来……?」
問い返された瞬間、眼の色が変わる女。打って変わった低い声で、
「助けてください、恐ろしい怪物が、霧の中の怪物が……」と口走り失神します。
「しっかり、大丈夫ですか!」崩れ落ちた女を助け起こすタケル。そうしておいて、水を取りに出ていきます。

予言する女

「……霧の中の怪物。そういえばニュースで」代わって女性に近づいてくる御成とアカリ。
既に若い女性ばかり5人が襲われている怪異現象。全員まるで魂を抜かれたように、昏睡状態にあり、きっと眼魔のしわざだと語り合う2人。
「お水だよ。大丈夫ですか」そこへ戻ってきたタケル。女に声をかけると、やおら目を開き、再び跳ね起きる女。
「うわっ。あ、水が」驚き飛びのいて、こぼしてしまった水を拭き始めるタケル。
「――あたしにはその事件が見えるんです! いつ? どこで? どんな女性が襲われるか!」
「あなたには予知能力があるのですな」感心して近づいていく御成。
「あるわけない! 予知だなんて非・科学的よ!」とアカリ。勃発する2人の争い。

***

大天空寺・和室。看病につかれうたた寝をするカノン。その傍らでは表の喧騒に目を覚まし、半死半生の身体を起こすマコト。

***

なおも続く2人の言い争い、止めに入るタケル。それをよそに、またも女の眼の色が変わります。
「――見える」
「えっ」
タケルがその言葉を聞きとがめますが、突如その懐から飛び出していく青い眼魂。
「ニュートン? おおおお?」表へ飛んで出て行くニュートン眼魂を追い、慌てて駆け出していくタケル。
「眼魂が勝手に動いた、こんなの初めてじゃない?」
「まるで、自分の意志で逃げ出したようでしたぞ」
「――見える」周囲の聞く態勢が整っていようがいまいが、マイペースに予言をもたらそうとする女。御成たちもつい、その言葉に耳を傾けます。「犯行は30分後、豊町のガード下の公園、被害者は赤い鞄の女性
「「ええっ」」驚き聞き入る2人の前で、それだけ言うと、再び倒れる女。
「……また気絶した」

街を走るタケル。
「ほんと、どこ行っちゃったんだよ……あっ」
小さな児童公園の、ブランコに乗っているニュートン眼魂。シュールです。
その背後からじりじりと歩み寄り、一気に跳びつくタケル。
「捕まえた! どうして急に逃げたんだよ?」土埃をそっと拭ってやる指先が優しい。

豊町。30分というタイムリミットに間に合わせようと、ここまで駆けてきた御成、アカリ。
川の土手近く、高架下の空間が公園として整備されているのですが、そこから外まで、立ち篭める紫色の霧が漏れ出ています。
入り口の前で思わず立ちすくむ御成とアカリ。
「うおお。なんと怪しい霧!」
「し、なにか聞こえる!」

ハイヒールの音を立て霧の立ち篭めた公園を歩む、若い女性。そこへ、
「ぴっちぴっち ちゃっぷちゃっぷ ジャーグジャグ♫ 美女の魂切り裂くナイフ……ッ」と襲いかかるナイフ眼魔。絹を裂く悲鳴。

それを聞きつけ緊張する2人。
「行きますぞ」と顔を見合わせ駆け込みます。しかし怪人は犯行を終え、立ち去った後。
「だい、大丈夫ですかっ!」倒れている女性に駆け寄っても返答はなく、既に昏睡状態です。
「……遅かりし」悔やみつつも女性の傍らに落ちているバッグに目を留める御成。「だが、時間。場所。……赤い鞄。すべて予言通り、やはり彼女の力は本物!」
「そんな、まさか」
信じられないまま再び被害者の女性に目をやれば、そこからすい、と青い魂が浮き上がり、飛んでいきます!
後を追い、それが外で待つ中年の男の懐へ、飛び込んでいくのを目撃するアカリと御成。
「見るからに怪しいですなありゃ」
「早くタケルに連絡しよう!」アカリがスマホを取り出しますが反応がありません。「あれ、電話が変!」
「なんですと!」
「――静かにしてくれないか」飛んできた魂を調べながら、御成たちには目もくれない男。見たところ文官のようですが、ジャベル、アランたちの軍服と似た系統の上着をまとい、頭には眼鏡を乗せています。「……今、魂の純度を確認中だ。ナイフ眼魔、あなたが相手をしなさい」

男の声に従い飛び出してくる、ナイフ眼魔。
「はあい。いっひ、お前らの魂も切り裂いている……!」
「アカリくん、ここは拙僧が!」錫杖を構え飛び出していく御成。
「えええ?」半信半疑のアカリの前で、
「日頃の修行の成果を、今こそ!」とじゃまになる袖にたすき掛けします。「やあああ!」
勇敢に打ち込みつつも、しかし、あっという間に真っ二つに切られる錫杖。
「わっ。あああ。高かったのにこれ……!」
へたり込んで叫ぶ、その煩悩まみれの顔に、浅い切り傷をいくつもつけていくナイフ眼魔が明らかに遊んでいます。
「やはは。いい顔になったじゃないか、ヒヒヒッ」
その顔を嘲笑い、ぽいとアカリのほうへ投げ捨てる眼魔。
「御成! 大丈夫?」
「何のために拙僧は……」傷だらけの顔を、悔しげに歪める御成。
「御成……」
「いっひっひっひ。遊びは終わりだ!」そして離れた場所から覗きこむような身振りのナイフ眼魔がやっぱり遊んでいます。「覚悟しナイフぅ?」

「待て!」
その時現れる青い影。いつ抜けだして来たのでしょう。駆け寄ってくるその姿に叫ぶアカリ。
「マコト」
「ここはおれに任せろ!」飛び出すパーカがナイフ眼魔を牽制し、すっくとそこに立つ堂々の姿。
「……あれがスペクターか」木にもたれ、遠間からそれを眺める中年の男。
「イヤアアアアアッ!」気勢を上げスペクターに襲いかかるナイフ眼魔。

逃げるニュートン

大天空寺居間。
「……お待たせ!」そこへ顔を出すタケル。「あれ。誰もいない……」
無人の室内を見回すタケル。その時、中空からゆっくりと降りてくる足。先ほどの異様な風体の女です。
「おかしいな……うわ!」振り返りそれに気づいて驚愕するタケル。それをテーブルの上から見下ろす女。
「そなたは、人の力を信じるか」
唐突な問いに驚きつつも、答えるタケル。
「うん。信じるけど……?」
それを聞き、女がまた何事か言おうとした時に――また逃げるニュートン眼魂。
「また逃げた! もう!」後を追うタケル。話がまったく進みません。
無言で見送る女。

***

「お兄ちゃん……?」
同じ頃、大天空寺の和室。うたた寝から醒め、目の前の空っぽの寝床に驚いているカノン。

***

大天空寺地下。
「どこだ……? あ」発見したニュートン眼魂に階段から飛びつき、床に倒れこむタケル。「ニュートン。ほんとにどうしちゃったんだよ」
「見える。わしには見える。まぼろしの邪馬台国……」そこに近づいてくる沓が古代風です。顔を上げればそこには神話の世界そのままに、みずらを結った仙人の姿。
「おっちゃん? ……っ」膝を撫でさすりつつ立ち上がるタケルの前で、まだくねくねと芝居がかった様子を続ける仙人。
「……神の言葉を告げ、国々を治めた女王が今、よみがえる……! あ、じょおおおお、じょおおおお♫」
「邪馬台国の女王。……それって!」
一瞬、偉人録を取りに行こうと言う素振りを見せるタケルに、どーぞ、と懐からその偉人録を差し出す仙人。
「ありがとう。……卑弥呼だ!」

「タケルくん」その時、戸口から顔を覗かせるカノン。
「カノンちゃん。下に降りておいでよ」
「……そこには行きたくないの」
来なくていい、来なくていい、と小声でつぶやき駆け出していく仙人をちらりと振り返り、
「そっか」
カノンとマコトにとってはいまだ、禍々しい思い出の残るこの地下室に、入れというのは無神経だったかも知れない、と悔やむようなタケルの横顔。
「他に、誰かいるの?」
「いませーん」と叫び、消えていく仙人を無視し、
「いや?」と応じるタケル。「どうかしたの」
「お兄ちゃんが、どこにもいなくて」
「マコト兄ちゃんが? どこに行ったんだろう」
「コンドル電話ーっ!」黒電話を手に現れるユルセン。お前はドラえもんか。「で探せばいいだろ」

さらわれるマコト

「……っ!」
信長をまとうスペクターに、倒されるナイフ眼魔。
「ナイフ眼魔」呆れたように声をかける中年の男。「ぐずぐずしてる暇はないぞ」
「あ」跳ね起きるナイフ眼魔。
「貴様、何者だ」火縄銃を向け、問うスペクターにも、
「応える必要はない」と冷静です。立ち去っていく男。
「待て!」
「お前にはおれだろ? けぇ!」
追いかけようとしたスペクターの前に立ちはだかるナイフ眼魔。改めて周囲に紫色の霧を立ち篭めさせます。それが力になるのか、動きも良くなるナイフ眼魔。一転、身動き一つままならなくなりもがくスペクターに、何度も斬りつけます。血に塗れるスペクターの前で刃を振りかざすナイフ眼魔。
「お前も切り裂いてやろうか……!」

「やめろ」

「……。アラン様!」息を呑み振り返るナイフ眼魔。
「そいつはわたしの手で葬り去る。どいてろ」
は、しかしと小さく抗議するナイフ眼魔の声と、ブレスからの変身音の「Yes, sir!」が重なり、広がる緑の波紋。問答無用でそこに立つのはあくまでも静かなネクロム。
「……ふ」みなぎる力に満足の笑みを漏らし、襟を正すや一転、スペクターに襲いかかってきます!
その重い拳によろめくスペクター。殴られ、蹴られ、防戦一方となりながら
「お前と戦っても、無駄だ!」
「まだそんなことを」
大点眼。そのままガード下まで殴り飛ばされ、地を転がりつつ変身を解かれてしまうマコト。同様に変身を解き、歩み寄ってくるアランに捉えられます。
「わたしを苛立たせるな、スペクター……!」
無造作に引き起こされ、柱に背を押し付けられるマコト。そのベルトに、再び取り出したネクロムの眼魂を、装填するアラン。
「うわああああああああっ!」絶叫するマコト。その体表を覆う強化スーツ、それでも動かないマコトを無理やり背後から抱き起こし、まといつくネクロムのパーカ。

元よりライダーの装備を装着強化スーツと考えれば可能なことですが、基本的に魂がどうのこうのと、そこに精神的要素が絡んでくるゴーストでこうしたことができるとは、思っても見ませんでした。
たぶんネクロムは、アランたちがエジソン眼魂などを分析して開発した、純粋に科学的な産物なのでしょうね。

ゆらり、うなだれたまま振り返るネクロム(マコト入り)の肩に手を置き、
「これでわたしたちは、本当の友になった……」と微笑むアラン。その声に応えるように、ゆっくりと顔を上げるネクロムのアップで、CM。先週からとんでもない修羅場が続いています。

VERSUS

大天空寺山門。
「早くタケルに知らせなきゃ!」と駆け込んでくるアカリ、御成。
「……」裏から寺を出たのか、カノンを後ろのシートに座らせ、コンドルの誘導でバイクを走らせるタケルとすれ違います。
寺社仏閣にはだいたい、男坂(正門へまっすぐ上がっていく急坂、もしくは階段)と女坂(裏門からゆっくりとカーブを描いて降りてくる比較的傾斜の穏やかな坂)の2つのルートがあり、だからこそ可能な構図。ほんの一瞬の交錯。面白い絵でした。

大天空寺居間。
「……いない」探し歩き、駆け込んできたアカリたちがそこに見たものは……宙に浮いた足、ではなく無人のテーブル。次の間となっている和室を覗き込み、「え。そこで何してるの!」
独りくつろいでいる異様な風体の女。マコトの布団の上に寝転び、
「おかえりなさい」と振り返ります。「タケルさんならさっき出てきましたよ、変な鳥追いかけて!」
「鳥?」
立ち上がり居間のほうへ戻りつつ、アカリたちに、さらに問いかける女。
「それで、事件のほうはどうなりました?」
「それが……」苦々しげな顔になる御成。長身を折り、深々と頭を下げます。「申し訳ない」
「あーららあ♫」
「修業の成果も、大したことないわね」薬箱を手に憎まれ口を叩くアカリにも無反応で、ただ席につく御成。「どうしたの、いつもは大声で言い返すのに」
焦って煽るアカリ。その声も耳に入らないような御成。
その背後でまた、女の眼の色が変わっていることに、気づかない2人。

「――見える。次の事件が」

再び始まる予言。
「次の事件。しかし、今さっき……」タケルがいなければ、打つ手はありません。戸惑う御成の横で、
「よし! 今度はあたしが」とやる気を出しているアカリ。出ていこうとする背に、
「待たれよ。やはり、タケル殿抜きで眼魔には」
「任せて」振り返り、にっこり微笑むアカリ。折れた御成の心を、守るために。「科学の力、見せてやるわ!」

***

「これは。御成の……」
豊町のガード下。その手前に落ちているのは脱ぎ捨てられた衣と、錫杖の残骸。かがみ込み、そっと手に取るタケル。
一方、中の公園まで進み、側溝の水の中に落ちているベルトを、拾い上げるカノン。
「お兄ちゃん。……タケルくん、これ」
近づいてきたタケルに示すカノン。息を呑むタケル。
「――何をしに来た」その時、奥から歩み出てくる軍服姿のアラン。
「アラン様!」振り返り、おずおずと問うカノン。「お兄ちゃんが、どこにいるか知りませんか」
「いいや」←嘘つき
「そうですか……」
「おれも、お前に聞きたいことがある」代わって声を上げるタケル。
「なんだ」
「お前たちの世界は、ほんとうに争いはないのか……!」
この非常時に、と思わないこともありませんが、タケルにとってはそれが、アランの人となりを見極める重要な要素。
「ああ。完璧な世界だからな、そうだろう、カノン?」
「あ、はい……」

***

「ぴっちぴっち ちゃっぷちゃっぷ ジャーグジャグ! お前の魂、」
「きゃああっ!」絹を裂くような甲高い悲鳴。覆いかぶさるように今しもその身体を、切り刻もうとするナイフ眼魔。
「やめなさーい!」そこへ飛び込んでくる別の女の声。
「……いっ」思わず動きを止めるナイフ眼魔。
その隙に怯えつつも立ち上がり、逃げていく被害者の女。
「だーれだ、邪魔したのは!」邪魔が入った悔しさに、外から駆け込んでくる一行に振り返るナイフ眼魔、一足早く襲われた女性の手を引き、こっちだ、と連れて行く御成。
「あたしよ!」そして彼らの前に立ちはだかるアカリが勇ましい。
胸にはプロテクター、頭にはヘルメットとゴーグル。
「またお前らか……」
「今度は、さっきのようには行かないわ! 回収した謎の破片を分析して開発した対眼魔兵器。名づけて……」眼魔眼魂の破片の分析はとっくに済んでいたらしく、その成果を活かして新しい武器まで開発していたアカリが有能です。おもむろに抜かれた銃を構え、「不知火・改! その威力、とくと味わいなさい!」

***

ガード下。
「マコト兄ちゃんのこと、本当に知らないんだな」
「くどい」←嘘つき
その時、コンドル電話が突如、鳴り始めます。

***

「ふわあ、つながった! 実は今ですね、あのう……」うまく説明できないことに苛立ち、また、そこから見えるアカリのことが、気が気でない御成。スマホをぎゅっと握りしめます。
「もしもし?」状況がわからないようなタケルの声。

***

「科学の力でイチコロよ!」ナイフ眼魔に向けてポーズを決め、不知火・改の銃弾を発射するアカリ。
「あーっ、あぶね! ……え? お?」身をすくめるナイフ眼魔。しかしその弾道は大きく逸れ、いっこうに当たろうとしません。迷走する銃弾はそのまま外へ出ていき――。
「ほーっ!」
まだ通話の途中で背後からの直撃を受け、絶叫とともに倒れる御成。

***

「御成!?」
ガード下。受話器に向かって叫ぶタケル。
どうやら自分どころではなくなったらしいとばかり、無言で背を向けるアラン。去り際にふとカノンを振り返り、
「お前の兄は、きっと大丈夫だよ」

***

「いーひっひっひ! あーっはっはっは!」相手の失態をあざ笑うナイフ眼魔。
「なぜ。何か原因が?」焦り、一旦は不知火・改に目を落とすと、また周囲を見回すアカリ。ふと壁にかけられた時計に目をやります。
「あ、止まってる! ……この霧のせい? そうか、磁場ね。強力な特殊磁場が、弾道計算に影響を与えているのね!」
「あっ、そうなの?」わかってないようなナイフ眼魔に代わり、
「正解だ」高みからあの中年の男が、こちらを見下ろしています。「この世界にも少しは論理的考察のできる人間もいるようだ」
「イゴール様! お後がよろしいようで」難しい話はわからぬというように引き下がるナイフ眼魔。
ならばと中年の男、イゴールへ、胸を張るアカリ。
「当然でしょ。あたしは科学者よ!」
「科学。ちなみにわたしの世界では、【めいじゅつがく】と呼ぶが」霧の消えたスペースへ、歩み寄ってくるイゴール。「真理を探求する者なら理解できるはずだ。完璧な世界とは、どういうものなのか」
「あなたも科学者なの」
「完璧なる世界の統合と調和には、不確定な要素は一切あってはならない――だが、この世界の人間は不確定要素ばかりで、あまりにも不完全だ」嘆くように首をふりふり近づいてくるイゴール。
「だからって、個人や個性まで否定するのは……っ!」反発し、言い返すアカリ。

その傍らでそこに置かれていたテーブルセットに腰かけ、悠然と椅子の背にもたれかかって、この科学者対決を見物しているナイフ眼魔。

「人間の感情に基づく行動は、矛盾に満ち、ときに同族間の争いをすら引き起こし、世界そのものを破壊へと導く」穏やかな表情で、しかし早口にまくし立てるイゴール。「それを防ぐために導き出される結論は」
「……正しい形への、修正」歯を食いしばるなかから押し出すように、答えるアカリ。
「それが不可能な場合は」さらに一歩迫ってくるイゴール。
「……排除」あとがない。手すりに背がぶつかったことに気づき、顔を歪めるアカリ。
「正解だ」にっこりと微笑み、顔を近づけてくるイゴール。
「なら、あなたは何なの」
「選ばれた存在。唯一無二の頭脳。それがわたしだ」

この対決はスリリングでした。一つ間違えれば安っぽいマッドサイエンティストになりそうな台詞を、あくまで穏やかに、まるでアカリに対する指導教授でもあるかのように淡々と口にすることで、却って科学者としての力量、威厳をにじませる男。その誘導にしたがってしまうおのれに悔しさを感じつつも、せめて一矢報いんと睨みつけるアカリも、心折れてなくていい。

***

一方、さっき不知火・改の銃弾を受けて倒れたままの御成。の頭を踏んでいく、花柄の脚絆で包まれた女の脚。
「いってええ! あ、そそそっちは」
跳ね起き、叫ぶ御成。

***

「……だが一つだけ不確定要素が残っている」なおも話し続けるイゴール。「なぜきみたちには、わたしの実験場がわかった? 2度までも」

「わたしには見えるからです、未来が」御成の亡骸を文字通り踏み越え(死んでないけど)、その疑問に答えるのは、異様な風体の女。その眼の色はまたも青く染まっています。

「あっ。なーんで連れてきたの!」後に続いてきた御成を咎めるアカリ。
「いや拙僧が連れてきたわけでは」
「未来予知! ……きみが」興味を持ったように顔を上げる男。「疑問には検証が必要だ。分析してみよう……ナイフ眼魔!」
「はいっ!」席から飛び起きると、異様な風体の女に刃を振り上げるナイフ眼魔。
「……っ! やだ。来ないで……誰か助けて」
元の人格に戻ったのか怯えて悲鳴を上げる異様な風体の女。その前に立ちふさがるアカリ。
「邪魔だ!」
そのアカリへ、青い光線を浴びせるナイフ眼魔。たちまちアカリの身体がショックに硬直し、一瞬の後、崩れ落ちます。
「アカリ!」再びコンドルを用いたのか、ようやく駆けつけてきたタケルで、またCM。

女王の魂

「……ひっ」倒れたアカリの前に屈み込み笑うナイフ眼魔。そこへ、
「はっ!」飛び込み生身のままナイフ眼魔を蹴り倒し、アカリを助け起こすタケル。その腕のなかで
「後は、お願いね」とだけ言い残し、気を失うアカリ。
「あっ、アカリ!」その身体から青い魂が飛び出していきます。
「ふむ……個人を尊重しながら他人のために自分を犠牲にする。矛盾だ。実に愚か……」それを評するイゴール。
「なんだと……!」憤り、振り返るタケル。を突き飛ばし、
「ふざけるなあっ!」と割り込んできたのは御成! 機先を制され、痛む腕をさすりつつ目を丸くするタケル。

「アカリくんのしたことは愚かではない、とても彼女らしい、覚悟と勇気のある行動です! そのまっすぐな心を侮辱するやつは……拙僧が許さん! うわああああああっ!」
いつもの喧嘩相手だからこそ、互いを深く理解している。定番ながらぐっとくる関係性です。あいつを馬鹿にしていいのはおれだけだと。違うか。

気勢を上げ新しい錫杖を振り回しイゴールに向かう御成。
そのイゴールを背に庇うように、再び立ち上がり、襲い掛かってくるナイフ眼魔。それをはねのける御成。
「イヤッハァ! ……お前の攻撃など効きもしない!」あざ笑うナイフ眼魔、その腹に猛然と突きを浴びせ、倒す御成。
「すごいぞ御成!」その活躍に拍手せんばかりのタケル。
「ただのまぐれあたりだ!」起き上がってくるナイフ眼魔。御成に向かい無数の火弾を浴びせます。
「ならば、さらなる修行の成果。お見せしよう……!」
至近距離から撃ちだされるそれを、大きくのけぞりマトリックス避けする御成!
「なに!?」
「あっはっはっはっは。あーっはっはっはっは。あーっはっはっは……ぐぎぃ」
しかし調子に乗りすぎて、背骨を痛めてしまいます(´;ω;`)
「ぐあーっ、とほほほほ、ああ……っ。背中が痛い……!」倒れのたうつ御成。賞賛の目を向けていたタケルもはあ、と息をつき、肩を落とします。
「やっぱりただの愚か者だ、あっはっは」ぴょんぴょん飛びながら笑うハサミ男。
「これが人間だ。ははははっ」そして失笑するイゴール。

「笑うな!」ここでようやく立ち上がる主人公。「おれの仲間を、馬鹿にするな!」

いや、ここで失笑するイゴールは責められない気がします。
気合を込め、一発闘魂。開眼、ブースト。
その変身動作を見て、すっくと立ち上がる異様な風体の女。

ナイフ眼魔には剣。攻撃し合いながら、ともに外へと駆け出ていくゴースト、ナイフ眼魔。
「がああ……っ」
その豪剣を受け、思わずうめき声を漏らすナイフ眼魔が劣勢です。それを救うかのように、
「これならどうかな?」と胸に下げたペンダントのような装置を、操作するイゴール。そこから青い魂がいくつも飛び出して行き、各々が若い女性の姿となって、ゴーストを取り囲みます。
「なんだ? ……えっ」

「……」無表情のまま、ゴーストを拘束し、攻撃を加えようとする女性たち。

「あ、や、やめてください……」困惑しあたりを見回しながら、女性たちの中にアカリも加わっていることを知るゴースト。「……アカリ!」
「そいつらは分離した人間の魂、わたしの操り人形だ……! はははっ」うそぶくイゴール。信じがたい思いで自分を取り巻く女性たちを、見回すゴースト。

(助けて……助けて……)
(こんなこと、したくないよ……っ)

無表情のままの女性たちの、悲鳴が聞こえます。
「救いたい。命を。この人達の魂を」祈るゴースト。その時。歩み寄ってくる異様な風体の女。

「天空寺タケル。人の心を集める力あり。ここはわらわに任せよ」

声とともに飛び込んでくるピンクの眼魂。それが異様な風体の女から飛び出して来たものだと気づくゴースト。
「あの人のなかに卑弥呼眼魂が……? ちょ、」屈み込み、女性たちの輪から抜け出てくるゴースト。「卑弥呼!」
握りしめ装填すれば飛び出してくる濃い鶸色の衣。額を、肩を彩る金色の飾り。開眼卑弥呼。
その絢爛たるパーカをまとい、佇むゴーストで、CM。

1号ってどう見ても次郎さんですよね。

華麗なる舞の如く

しなやかに、舞うように。手にした長剣を舞扇の如く振るえば桜か桃か、華やかな色彩に彩られた風とともに金粉が散り、たちまちゴーストを取り囲んでいた女性たちの姿がかき消えます。
「なに?」驚くイゴール。
「おれの出番だ……!」進み出るナイフ眼魔。
青い魂はそのまま宙に消えますが、おそらくはそれぞれの身体の元へ戻ったのでしょう、手近なところでは御成に介抱されていたアカリが目を覚まし、けたたましい悲鳴をあげています。

「はっ!」飛び出してきたナイフ眼魔をなで斬りにするゴースト。
「キリキリッ」と発射される紫の霧さえも、その剣先に巻き取られ、消えていきます。悲鳴をあげ倒れるナイフ眼魔。

***

「……またこんなところに」
元気になったアカリから手を離すと、そこに倒れていた異様な風体の女を、助け起こす御成。
その傍らでゴーストの戦いを見つめているアカリ。

***

開眼・卑弥呼オメガトライブ。ベルトには勾玉の数珠をかけ、祈祷のため握り合わされた女の手が浮かび上がっています。たちまち巻き起こる花嵐。
「なんだこれは……」
戸惑う相手に容赦なく剣を振るう、ゴーストの動きがしなやかにして流麗、華麗、豊麗にして繊細、けっして女っぽくはしていないのに美しいのです。
「はあっ」
オメガトライブ。
斬り倒され、水に落ちた黒インクのように、消えていくナイフ眼魔。その断末魔はなんと言っているか、よくわかりませんでした。

ショッキングピーンク!

眼前で展開される必殺の技に、思わずあらぬことを叫ぶ御成。
地に落ちる鋏と、砕けた眼魂。ナイフじゃなく鋏じゃん、と一瞬思ったけどキニシナイ。ジャック・ザ・リッパーの正体は、一説には美容師と言われているのですよね。
「……十分成果は得られた」拾い上げたその鋏をかるく一瞥し、立ち去っていくイゴール。

自己紹介

「アカリ、御成。大丈夫?」
変身を解き、仲間たちに笑顔で駆け寄るタケル。うん、と頷く2人。
「あの人いったい何だったんだろう?」まだ倒れたままの異様な風体の女を見て首を傾げるアカリに、
「卑弥呼の眼魂が入ってたんだ」と解説するタケル。
「えっ」
次々と色々なことが起こるせいで、一同が彼女の話をゆっくり聞く余裕もないまま一件落着してしまいましたけど、要は彼女は卑弥呼の眼魂をタケルのもとに運ぶという役割を果たすべく、操られて大天空寺を訪れたのでしょう。
「あの……」異様な風体の女に近づき、そっと揺り起こすタケル。

「あ、ここは」起き上がる女。
「まさにあなたさまこそ、卑弥呼殿だったのですね」感動して声をかける御成。
「そう、わたしは大予言者卑弥呼!」元気に立ち上がる女。正気に返ったのに御成の言葉に疑問を抱かないところが、やっぱり普通ではありません。「ふふふ……これ、どうぞ」
差し出された名刺を、手に取る御成。覗きこむアカリ。
「卑弥呼研究会 副会長……?」カラフルな文字とイラスト、胡散臭い肩書。一転疑いの眼を向ける御成とアカリ。
名は日野美和子、と記されています。ここで初めて自己紹介です! しかも副。
「お近づきのしるしに、これどうぞ」ライダーの姿を模った、小さな人形を、タケル、アカリに手渡す美和子。そのうちのゴースト人形を見て、
「これおれじゃん!」と声を上げるタケル。
「で、これ、なんなの?」と問うアカリの手には、1号人形。
「近い将来出会う伝説のお方……じゃ、お世話になりました。ばーい♡」

足取りも軽やかに立ち去っていく美和子。年末もそうでしたが映画の宣伝をばんばん本編に入れてきますよね。

「伝説のお方……はあ……」その背を感慨深げに見送る御成。
「適当こと言ってんじゃないの?」混ぜっ返すアカリ。
「そうやっていっつも疑ってばかり。楽しいですか、人生が」と反論する御成。

「ちょっと」仲裁しようとして跳ね飛ばされるタケルに、
「……面白いな、おぬしの友達は」楽しそうに語りかけてくる卑弥呼眼魂の声がおじさんです。
「いっつもあんな調子なんだよね」苦笑するタケル。
「そうなの?」

――その瞬間、またもするりと何処へか飛び去っていくニュートン眼魂。

「勘弁してよ、なんで逃げるのニュートン!」追っていくタケル。

そして、賑やかに引き上げていく大天空寺の一行を、高い場所から見つめている、緑の目。ネクロムとアラン。
次週ついに、タケルが向こうの世界に?
ジャンクションの「この後、最終回!」で既にうるうる来てました。メガウルオウ……新月は、一度はほんとうに奥義を得てラスト忍者となることを、目指していたのかもしれないなあと。自分を“息子の踏み台としていた”好天に思い知らせるため旋風に勝つ、だけでなく、天晴とキンジのように、勝ち負けでなく共に力を合わせる仲間、となる道もあったのに。
と思って観てたら天晴、キンジが
「おまえさ、爺ちゃんに憧れてたんじゃないか」
「伊賀崎家に居場所を求めていたのではございませんか」
 とか言い出して萌えました。息子さえ踏み台にする幻月を見てたら、そうなるって。
金色の霧となって消えながら脳裏に描く人の名は――。
思い切った決断で世界を浄化する天晴の、
「生まれ変わっても忍者になって来いよ」にも萌えました。新月はもう1人の主人公ともいうべき好敵手でしたね。

戦隊のなかでもとくに名乗りが華々しく、アクロバティックだったこのニンニンジャーで素面名乗りがあるとは思わず度肝を抜かれました。
その後のみんな、の様子が楽しかったのですが、いきなり八雲で笑いました。キンちゃんの屋台は一瞬お寿司か? と思いました。天晴が一番まとも(弟子をとって忍術修行)とは。
恒例のレッドバトンタッチ。ふわりと宙から舞い降りてきたジュウオウイーグルの翼が艶やかで目を奪われました。毎度去っていく背中にきゅんときますね。お疲れ様でした!
同日追記。台詞を中心に誤字なども修正しました。
関連記事

style="clap"
2016.02.07 12:18 | ghost ゴースト | トラックバック(-) | コメント(-) |
| ホーム |