LOVE! HEROES!

特撮番組全般、そして高岩成二さんと伊藤慎さんを応援します。

眼魔世界は案の定のディストピア、そのインパクトよりも陰謀・暗殺好きとしてはアデルの計略に大喜びです。これに一癖ありそうなイーディス長官がどう絡んでくるか、とわくわくしています。前にも「鎧武」で貴虎がプロフェッサーにだまし討されるシーンで小躍りしたわけですが、今回も素晴らしかった。冤罪を着せられ追い詰められるアランに盛り上がりました!


Coffins / elPadawan


ただ盛り上がったはいいものの、今回ラストではタケルの闇も深まってしまいましたね。

絵画好きな画材眼魔や騎士道精神を奉じる甲冑眼魔に、
「眼魔とも友達に」と夢を広げ、さらにアランから眼魔世界は完璧な世界だと聞かされればつい、興味を持ってしまうタケル。その夢は無残にも破られ、心に大きな傷を残してしまったわけです。
主人公ですからそのうち立ち直るんだろう、と思ってはいますが、タケルが浮上しないとアランが死んでしまいそうでハラハラします。心配するのはそっちかい、と言われると申し訳ない。その分次回はマコトが頑張ってくれそうですね。
そしてあのでっかい眼魂は何なのでしょう。前回、開発中のギアだと勘違いしてしまいました。
潜入開始

マコト兄ちゃんは独り、眼魔の世界に向かった。おれは仲間たちの協力で、ついに。

恒例のあらすじ解説のモノローグの後、顔を上げるタケル。眼前に広がる赤い空と荒野を見渡します。

(この世界のどこかに、マコト兄ちゃんが)

***

タケルの想いを知ってか知らずか、単身眼魔世界へ潜入し、ひた走るマコト。

***

そしてアラン。
やはり眼魔世界のある一室で、2つ並んだ棺のような入れ物の、一方を覗き込んでいます。
「マコト……」
そこに横たわるのは整った面ざしにも関わらず精気なく青ざめた青年の姿。マコトの真の肉体は、ここに捉えられたままだったのでした。

ビル探索1

「お兄ちゃん……」兄を思い、憂い顔のカノン。大天空寺の居間のテーブルにかけた傍らでは、キュビがまた絵筆を走らせています。
「タケルもマコトもいない。あたしたちが頑張らなくっちゃ!」それをなんとか励まそうとしているアカリ。
「まずは警戒が肝心」言って決然と踵を返す御成。胸を張り、右腕をさっと横に延ばして呼ばわります。「蜘蛛殿! 蝙蝠殿! コンドル殿!」
その声に応じ頭に降りてくる蜘蛛、伸ばした腕に止まりかける蝙蝠、先導するように前を飛ぶコンドル。
「――行きます」3体の使い魔を携え出撃する僧侶。シュールです。呆然と見送るアカリ。背後には憂い顔のカノン、絵筆を走らせるキュビ。
「さあ、あなたもよ、キュビ」気を取り直し振り返るアカリ。しかし、
「ねえ、一緒に絵を描く?」とカノンにキュビが、画材を差し出すのが先でした。にっこり微笑み、頷くカノン。幸せそうに見つめ合う2人を見て、
「――ま、いっか」

***

ディープコネクト社会議室。
「我が社の計画は順調に進んでいます」とイゴールに報告しているのはその社長。「じき、素晴らしい結果をご報告できるでしょう」
「こちらは全く問題ない……」満足気にそれを聞くイゴール。「だが」
振り返ったそこに、甲冑眼魔が跪き頭を垂れています。厳しい眼差しを注ぐイゴール。咳払いとともに、折檻のつもりか、その白銀の甲冑に電撃を見舞うイゴール。
「うわっ、ああああああ! うっ、ああ……っ」数回にわたる電撃に悲鳴をあげ、倒れ伏す甲冑眼魔。
「裏切り者を始末しろ。もう失敗は許されない……」
裏切り者とは、やはりマコトのことなのでしょうか。まだスペクターの英雄眼魂は奪えていません。それともキュビ?
うなだれる甲冑眼魔。

侵入者1

眼魔世界。まだ、荒野を進んでいるタケル。
荒れ果てた建物の一群(ライダーや戦隊ではしばしば最終決戦の場となるところですね)を見回し、
「ここにも人がいない……これが、完璧な世界なのか……?」
そんなタケルに襲い掛かってくる雑魚眼魔たち。大剣を手に斬りつつ進めば、たちまち水に落ちた黒インクのようにかぎろい消えていきます。さらに頭上からは軍荼利が、体当たりせんとばかり低く飛び――。

***

「……?」
棺の部屋で、警報の音に、顔を上げるアラン。「侵入者? まさか」

***

逃げ惑うタケル。その行く手を塞ぐように現れるスペリオルと雑魚眼魔。
「侵入者発見。消去する」
「……やれ」
2体のスペリオルの命に従い、飛びかかってくる雑魚眼魔たち。
「変身!」
赤いブーストの身体となるゴースト。たちまち雑魚を打ち倒し、2体のスペリオルを相手どります。
マコトはうまくこの警備システムをかいくぐっているようなのですが、タケルはロスが多い気がします。

暗殺1

「ね、眼魔の世界って、どんなとこなの」
大天空寺居間。既に2枚目の絵にとりかかっているキュビ、キュビから借りた画板に向かっているカノン。
そんな2人にアカリが問えば、
「みんな眼魂。なんにもないんだな」と答えるキュビ。
「でも、争いもありません。大帝がいるから」口添えするカノン。
「たい、てい……?」
頷くカノン。
「いつも祈ってるんだな、大帝しか入れない場所で」

***

眼魔世界。キュビの言葉を裏づけるかのように、まだ詠唱を続けている大帝アドニス。先週からずっとです。しかしその声を止め、顔をしかめ――。
「アデル。祈りの邪魔はするなと言ったはず」
その後ろに佇む影はしかし応えず、無言のまま大帝の背に、紫の電撃を浴びせます。
「うっ!」硬直し苦しむアドニス。もがき振り返ろうとした、その身体が宙に溶け、その中から飛び出してきた眼魂も、砕け散ってしまいます。「あっ、アデル……ッ!」
一瞬の断末魔の後、すべては宙に消え、
「あなたは完璧ではなくなった。これからはわたしが、あなたの理想を引き継ぎます」と、その後に進み出てくるアデル。
頭上に浮かぶ神々の、おそらくは象徴がゆらめき――。

***

連動するかのように大天空寺地下のモノリスも、白い目の紋章の、内から洩れいづる光が、強くなり、弱くなり。
「世界に大きな変化が」
息を呑み見守る仙人。
「まさか……」

侵入者2

「はっ!」
荒れ果てた建物の中庭で、2体のスペリオルと戦うゴースト。その背後に音もなく、一瞬で忍び寄り、撃ちかかるのはアラン。
「!」
次の瞬間、突き倒され飛び起きるゴーストを、憎々しげに見下ろしています。
「天空寺タケル。なぜお前がここに」
「マコト兄ちゃんを、探しに来た!」
「やはりスペクターも戻って来ていたのか……」先ほど警報を聞いた瞬間、最初に思い浮かべた名を聞いて、頷くアラン。ゆっくりと左腕を上げ、身構えます。

暗殺2

アリアの居室。ゆらりと立ち入ってくるアデル。
「姉上。今日からわたしが、大帝の後継者となります」
「何を突然」険しい顔で立ち上がるアリア。「父上からは何も聞いていません」
「父上は先ほど暗殺されました……アランに
ぬけぬけと言い放つアデル。演技が下手です。もし本当にアランがやったのだとすれば、もっと怒りや憎しみ、それ以前の驚きがあっていい。
もっとも眼魔世界は感情がないもの、と思えばおかしくはないのですが、現に今、父の死を聞かされ動揺するアリアを前に、それは正しくない見方。
この手で暗殺を成し遂げた興奮と歓びを抑え平静を装わんとして、あって当然の驚きや怒りまで抑えてしまうアデル。そこに現れるのはただ、弟王子への悪意のみ。
「そんな……」信じられない想いにただかぶりをふる、アリア。

ビル探索2

大天空寺本堂。そこから境内へ降りていく階段の上に立ち、魔物の来襲を見張るかのように、錫杖片手に仁王立ちとなっている御成。
「御成さん」緊張していたのか、背後からのカノンの声にびくっと飛び上がってしまいます。
「お、おや、カノン殿」振り返って相手が外出用のコートをまとっていることに気づく御成。「……どちらへ?」
「じゃーん!」
しかしカノンは、御成に描いたばかりの絵を披露します。箱の周りにスタンプで推したような色とりどりのタコとハートや星の飾り。稚拙ながらまるでポスターのように明るく賑やかな、たこ焼きの絵。
「これ、ふみ婆に見せて来る!」
「あ、ああ。お気をつけて」その嬉しそうな笑みに、つりこまれて笑う御成。
「行ってきまーす!」
「行ってらっしゃい。……兄がいなくても健気な!」無邪気に出て行くカノンを見送りつつ、感極まって衣の袖を濡らす御成。

「御成? これを見て」但し直後、アカリに声をかけられると慌てて厳しい顔を作ります。
差し出されたタブレットの画面を覗きこむ御成。
「この社長、次々に関連企業を買収して、急速に経営規模を拡大してる」アカリが示すのはディープコネクト社のサイト。「例の事件の直後からね? 偶然とは思えない。何か不自然よ」
「あっはっはっは。相変わらず疑り深い」一笑に付す御成。ただ、タブレットを返す時きちんと向きをアカリの方に向け直しているのは好印象です。「……ここは前に一度調べたところで何にも、」
「ふうっ!」突如現れるキュビ。「そのビル、好きじゃないんだな!」
「いつの間に」
「好きじゃないなら、なぜ絵を描いたの?」

“例の事件”の際も、アカリはこのビルを、なぜキュビが絵に描いたのか、という疑念を持っていました。キュビが絵を描いたのは、りんご、御成の頭、ガスタンクと、すべて丸いものばかり。そのなかで四角いオフィスビルだけが、異質だったのです。

「命令されたんだな、イゴール様に」
「KMS。やっぱりあいつが」

侵入者3

「アランが父上を殺すはずがない」聞かされたばかりのアデルの言葉が信じられないアリア。「だとしたら……」
しかし背後に気配を感じ振り返ります。
警戒の表情から、突如、歓喜の表情へ。
「戻ったのですね……」
その視線の先に立つのは、マコトの長身。何も言わずただ頭を下げるマコトの口元も、柔らかくほころんでいます。

***

「――くっ!」
「はっ!」
廃墟の屋上。ぶつかりあう剣と剣。しかしスペリオルも加えれば3対1と、ゴーストには不利な体制です。
1体のスペリオルに殴り飛ばされたゴースト。
それを機と見て必殺技の発動動作に入るネクロム。
「destroy」
その掌から発せられる炎が、逃げ惑うゴーストを追い詰め、飲み込み、焼き尽くそうとします。
「があああああっ!」
悲鳴とともに、崩れた屋根から下へと落ちていくゴースト。それを覗き込み、1体のスペリオルが
「消去、完了」と告げます。
「いや」まだ落ちていった先から視線をはずさないネクロム。「やつを甘く見るな、きっとまだ……」
「アラン様」
遮るように、背後からかかる声。新たな1体が、恭しく頭を下げています。
「――アデル様がお呼びです」
このスペリオルはいつからここにいたのか。兄上が何用あって。一瞬、飲み込めないという表情を見せるネクロム。
「兄上が?」

***

アリアの居室。
「おれがここに来た理由は、3つあります」口を開くマコト。「1つは、自分の身体を取り返すこと。1つはアリア様、あなたに礼を言うこと」
「なぜ礼など」
「あなたがいなければ、おれは生きていないでしょう。……妹も。生き返ることはできなかった。ありがとうございます」
真摯に一礼するマコト。それを見て、思わず笑顔となるアリア。
「アリア様。おれたちの世界に行きませんか」
「……無理ですね。わたしはこの世界に責任があります」毅然と応じるアリア。「離れることはできません。……それに」
「それに?」
今告げられたばかりのできごとを、口にすることに躊躇を覚えるアリア。やがて決意の表情で、
「大帝が殺され、その罪はアランに着せられています」
「……そんな」
「わたしも信じてはいません。おそらく、罠にはめられたのです」
「わかりました……」
もう一度、軽く頭を下げ背を向けるマコト。
「戻った3つめの理由。アデルに会うつもりですね」
「それがおれの、けじめです」

暗殺3

地下神殿。
太い柱の陰に遮られ、画面の両端に小さく映しだされる兄弟の姿。右端に立ち、待っていた兄王子、アデル。左端に現れ、
「お呼びですか、兄上」と一礼する弟王子、アラン。
「アラン」
振り返り、父にしたのと同じように、その姿に紫の電撃を浴びせるアデル。
「兄上、なぜ……っ」
驚きと苦悶の表情を浮かべたアランの姿は塵となって宙にかき消え、その胸から飛び出した眼魂もまた、弾けて消えます。
それを見届け、
「完璧な世界のためだ」とつぶやくアデル。
立ち去っていくその背後に、落ちたままになっているネクロムの変身ギアと眼魂。

***

「――!」
アデルの立ち去った後、横合いから別の人物が現れ、人知れずアランの残した眼魂を拾い上げます。
明るい鈍色のその袖の主は、イーディス。決意の表情で、CM。

ビル探索3

「うええええええ」悲鳴をあげ嫌がるキュビを、両側から引きずるように引き立ててきたアカリと御成。
ディープコネクト社のビルの前。
「KMSは、ここで何をしてたの!?」
「ええん! も、知らないんだな!」
しかしその時、蜘蛛、蝙蝠、コンドルのただならぬ様子に思わず振り返る御成とアカリ。彼らの背後に迫ってきていたのは、白銀の甲冑をまとった女騎士、甲冑眼魔。
「裏切り者に天の裁きを――!」

暗殺4

タイマーのような音に呼び覚まされ、目を開くアラン。それは、白い棺のような形の容器のなか。怯えたように半身を起こしつつ、
「いったい、何が……?」
この容器は、先ほどアランが見つめていた、マコトの肉体を納めていたものと、まったく同じです。
ということは、このアランは人間としてのアランの肉体そのもの。そこに今までの意識が返ってきた、ということのようですが――。
「みんな眼魂」というキュビの言葉もありますし、現にマコトがそういう扱いを受けている以上、彼ら王族も肉体は別に安置し、精神だけを眼魂に移していて何の不自然もないわけですが。
ただ、さっきアデルは父同様アランをも亡き者にしたと思っていたようなので(消滅過程の描写もまったく同じですし)、なぜアランは元の肉体に戻れてアドニスはできなかったのか? と首をひねってしまいます。いや、別にできなかった、と断言できるわけでもないのか?

侵入者4

「……っ」
廃墟の内部。痛む脚を引きずり、喘ぎ喘ぎ進むタケル。ネクロムが言った通り、あの程度では消去されないのがタケルです。
ふと、その耳をとらえる話し声。
「……理想世界のすべての同胞たちよ……」
どこから聞こえてくるのかと、首をかしげるタケル。

***

大会場。集結する雑魚眼魔、スペリオルたちの前の大きなスクリーンに、アデルの姿が映しだされています。
「大帝アドニスが暗殺され、わたしが新たな大帝に即位した。この世界はわたしが統治する……」
建物裏の連絡通路の窓から、その様子を覗きこむアラン@人間。さっきは簡単な肌着1枚だったので、現実にも軍服があってよかったなと思います。
「……まずは」続いているアデルの即位演説。「大帝殺しの大罪人、アランを捕らて処刑すること……」
「わたしが父上を……? そんな、馬鹿な」
しかし動揺する暇も、与えられないアラン。行く手に現れる追手の姿に、とっさに踵を返し、走り出します。

残された者達1

公園。
蜘蛛ランタンが照らしだすなか、甲冑眼魔を迎え撃つのは錫杖を振り回す御成と、マークⅡをぶっ放すアカリの2人。
銃撃を剣で弾いて避けるだけの甲冑眼魔は、どうやら人間相手ではやる気が出ない模様です。
「タケルは必ず戻ってくる!」
「それまで、拙僧たちがキュビ殿には指1本触れさせは……へあっ!?」
血相を変える御成。それを見てへ、と振り返るアカリ。
彼らの前ではキュビがのんきに座り込み、スケッチをしています。
「我輩、戦いは嫌い。絵が好きなんだな!」
「そうだ……!」駆け寄って行くアカリ。「キュビちゃん、これであの眼魔を描いて! そうすれば倒せるわ!」
「なるほど! 思う存分描くのです!」
「もうちょっと!」差し出された新しい画板を手にするキュビ。その背面に目の紋章が描かれているのには意味があるのでしょうか。「ぬぬぬぬぬ……!」
「あっ、ちょっと!」やおら叫び声を上げる御成。その剃り上げた頭が見る間に極彩色に彩られていきます。「なぜ拙僧を描くのです」
「美しい物が描きたいんだな!」
あちゃー、と手を頭にあてるアカリ。ピカソ風の御成の肖像を見せるキュビ。
「え、え? うわああああああ!」
悲鳴を上げる御成の向こうで、甲冑眼魔が困ってますよ。

ディストピア

「ここは……」迷い込んだ先で、薄暗い一室に踏み入っていくタケル。「これは?」
そこには先程マコト、アランも収まっていたのと同じ、棺型のカプセルがずらりと並んでいます。中を覗き込み、その異様さに動揺するタケル。「なんなんだ……これは、どうして……」
広い部屋にたくさん並べられているのを見ると、これが普通で、たった2つだけのマコトとアランの部屋が特別扱いだったのだな、と思います。
あ、と卒然と悟るタケル。

英雄眼魂と引き換えに犠牲者の魂の解放を求めた際、イゴールの答えた言葉――。
「魂は貴重な資源だ」


「まさか、魂を?」
その時棺の中の1つが赤く光り出し、そこから警報音が鳴り出します。はっとして駆け寄るタケル。その眼前で、中に収まっていた青年の肉体が、塵と消えていきます!
「!」思わず棺に取りついた、瞬間、その脳裏を過る様々な記憶。「今のはこの……カプセルにいた人の……」
卒然として立ち上がるタケル。
「……何なんだ……」
一つ一つの棺を覗き込んでいくと、人体が収まっているものもあれば、既に塵芥に帰しているものもあるのです。
「何なんだよ……っ! 一体何なんだこれは!」
絶叫し、こみ上げる憤りに拳を打ちつけるタケル。泣き出しそうになりながら、あることに気づきます。
「……マコト兄ちゃんの身体も、このどこかに……?」

立ち上がり探し始めようとした、その時、駆け込んでくる雑魚眼魔たち。変身しそちらへ襲いかかっていくゴースト。

残された者達2

「は!」
甲冑眼魔のかるーい一撃に、くう、とうめいて倒れ落ちる御成。徐ろにキュビに向き直る甲冑眼魔。一心に絵を描いているその手元に剣を突きつけ、
「今一度聞く」
「ん? おおおおっ!」今さらにして慌てふためくキュビ。
「なぜ裏切った」
「……この世界にきて、絵を描く楽しさを知ったんだな」
くるりと画板を裏返してみせるキュビ。いくつもの習作が描かれています。
「は」力の抜けたような声を漏らす甲冑眼魔。「楽しさだと? ――くだらん! はぁ――っ!」
振り上げられた剣。
「キュビーッ!」アカリの悲鳴。

暗殺5

「よく戻ったな? スペクター」
眼魔世界、地下神殿。玉座にかけていたのは、今や大帝を僭称するアデル。
「あなたがおれを、選手に取り立ててくれた」その横に回りこむように、現れたのは青いライダースーツ姿のマコト。「感謝している」
「でも今は違う、か」
「アランをどうする」
「もう不要だ。お前もだ……スペクター」
立ち上がり眼魂のスイッチをいれるアデル。
白と金、豪奢な色彩に包まれた戦士、ウルティマが出現します。
青いパーカをまとう戦士、スペクター。
一瞬の対峙の後、互いに駆け寄り、重い拳をぶつけあう2人。

残された者達3

公園。キュビの身体にあたる寸前で、剣を止めた甲冑眼魔。
「……お、ああ……っ?」
「なにゆえ」
「くだらなすぎて斬る価値もない」剣を収める甲冑眼魔。「待つとしよう。やつ……必ず戻るのだろう?」

暗殺6

地下神殿。
ネクロムよりさらに数段勝るその腕力に、後退させられるスペクター。諦めず襲いかかるも、重い拳にまたも、打ち崩されてしまいます。
「うあああっ!」悲鳴をあげ転がり倒れるスペクター。「アランには、心がある、かもしれない……っ」
「心、だと?」
起き上がり銃を打てば、その弾はすべて止められ、打ち返されます。
「何!?」
驚く隙に、また一撃。
「……あいつは」叩きのめされつつ、呻くスペクター。「変われるかも知れない……っ」
「変わる必要はない」とウルティマ。ゆらり、と右手を上げれば、そこからほとばしり出ようとする紫の電撃。「今すぐ消えろ……」

最早立ち上がる力も奪われたスペクターに、襲いかかる紫の電撃。
その寸前、横様から飛び込んできた影が、スペクターの身体を抱えて跳ね退きます。
勢い余って地下神殿の床を転がりつつ、
「マコト兄ちゃん!」
「タケル。お前もこっちの世界に?」

残された者達4

公園。その場に立ってただ、タケルたちを待つ甲冑眼魔。
それを前にしてもなお、平然とスケッチを続けているキュビ。
なんとも言えない間の持てなさに、立ち尽くす御成とアカリ。
「タケル……」

暗殺7

地下神殿。
2対1となってもまったく不利と感じていないらしいウルティマ。今度はもっぱらゴーストを追い詰め、重い拳をその腹に、胸に打ち込んでいきます。
その勢いによろけ、後ずさるしかできないゴースト。壁にもたれればその壁は、まるで一瞬で数百年の時が経ったかのようにもろく朽ち果てていきます。
「うそだろ……?」
あまりの威力に驚きながら、危うくかわしていくしかないゴースト。絶体絶命。
その時背後から、
「大開眼!」の音がします。敵を異次元に送り込む、ツタンカーメンの大鎌、オメガチョップ。ピラミッドの中に吸い込まれていくウルティマ。
「タケル。今のうちに……!」
「マコト兄ちゃん!」
この必殺の技すらも、ウルティマの前には時間稼ぎ程度の効力しかないということに驚きます。
スペクターに肩を貸し、走り去っていくゴースト。
その直後、宙に浮かんだピラミッドを内から破壊し、舞い戻ってくるウルティマ。
「……」静かに変身を解くアデルで、またCM。

侵入者5

薄暗い廊下。
ボロボロになって進む、マコトとタケル。行き止まりのような場所で、一瞬立ちすくみます。
「……そっちじゃない……」
「声が聞こえる?」首をかしげるタケル。
「こっちじゃ、こっちじゃ……」その声の正体もわからぬまま、誘われる先へ進んで行きます。

残された者達5

公園。
先ほどと同じ姿勢でまだ、立ち尽くしている甲冑眼魔。
その前ではいくつもの絵を周囲に並べ、まだ描き続けているキュビ。
見守っていたはずの御成は、立ったまま居眠りしています。
「ちょっ……!」伸び上がってその頭を平手打ちするアカリ。
「危ない寝るところだった」って、もう寝てましたから。

脱出

薄暗い廊下。進めば進むほど、一層荒れ果てていく光景。
よろめき迷い込んできたのはしかし、タケルたちではありません。
「父上が、死ぬはずがない……っ!」壁にもたれ、大きく肩で息をするアラン。「長官なら、真実を……」

***

薄暗い廊下。マコトに肩を貸し、進むタケル。
「ここは」
周囲の光景に驚き、タケルから身体を離して立つマコト。大小の台が幾つも並べられ、その上に眼魂や、変身ギアらしいものが、麗々しく載せられています。その中の一つが、タケルを迎えるように紅く輝き――。
ここは前回、イーディス長官がイゴールの戦利品であるタケルの英雄眼魂を、一つ一つ並べていた場所。
「ああ! 武蔵の声だったのか!」
手に取って立ち上がるタケル。その背後で、ひときわ大きな白い眼魂が、ぼんやりと光っています。
「このでっかい眼魂は?」
何気なく伸ばした手に強い電流が流れ、痛みを感じるタケル。しかしそれは一瞬だけで、二度目に手を伸ばした時には何も起こりません。首をひねり手に取ってみるタケル。それを見守るマコト。

「なぜ、貴様らがここに」

その時背後からの声に、振り返る2人。戸口に現れたのはアラン。力尽き崩折れていく身体を、とっさに駆け寄り支えるマコト。
「アラン。お前、まさか身体を」
「離せ!」うるさそうにその手を払うアラン。

「この世界は何なんだ!?」その時、独り部外者であったタケルがアランを問い詰め始めます。「おれはここに来て、色々見た! 人のいない街。カプセルに入れられたたくさんの人たち。その1人が、おれの目の前で消えた……!」
激しく叫ぶタケルに、怯えたかのような表情を見せるアラン。
「この世界は誰も死なないんじゃなかったのか!? ほんとうに、これが完璧な世界なのか!」
喉元を掴みあげ、揺さぶるように詰め寄るタケル。揺さぶられるままになっているアラン。いつものふんわりしたタケルとは大違いの、激しい演技です。
「よせ。今は言い争っている時じゃない」止めるマコト。「――囲まれたぞ」

脱出2

傷の癒えないまま、自由の利かない身体のままで、建物からよろめき出てくる3人。
眼前には無数の雑魚眼魔と、その指揮官らしいスペリオルが並んでいます。
「やれ」
つい先程までアランの指揮下にあったスペリオルが号令をかけ、一斉に襲い掛かってくる雑魚達。
変身動作をとり、その中へ突っ込んでいくマコト。
「マコト兄ちゃん……!」
「無茶だ。ここは……」その背後で荒い息をつきながら、ネクロムとなるアラン。残る力を振り絞り、空に大きく目の紋章を描きます。
「スペクター」
その合図に気づき、駆け戻ってくるスペクター。
「行くぞタケル!」と説明もなくタケルを抱え上げ、その勢いのまま空に広がる目の紋章へ。そしてCM。

決着1

公園。地面に広がる無数の絵。その中心でなおも絵の生産を続けるキュビと、無言で立ち尽くす甲冑眼魔、御成、アカリ。
後者は空の彼方から異音が聞こえた気がして、顔をあげます。
と、蒼穹の果てに開く目の紋章。そこからほとんど落ちるように、飛び降りてくるスペクターとタケル。その手からこぼれ落ちるあの大きな白い眼魂。
「タケル殿! マコト殿!」
「やっぱり返ってきた!」
快哉を上げる2人の前に、さらに降ってきたのはネクロム。受け身も取れず立ち上がることもできず、気を失うと同時に変身が解けます。
「あっ、アラン! とか言う敵!」
「なんで一緒に?」
「あいつのおかげで、戻れたんだ」息も絶え絶えに説明するマコト。

決着2

そして、3人のなかでは一番ダメージの小さそうなタケルの前には――。
「待っていたぞ。約束通り勝負だ」まっすぐ歩み寄ってくる白銀の甲冑。
「……」よろめき立ちあがるタケル。覚悟の表情で、「わかった」

対峙する2人。異様な光景です。甲冑眼魔の傍らにはおびただしい数の絵を広げ寝そべってなおも描き続けるキュビ。
片やゴーストの傍らには、座り込んだまま起き上がれないマコトと、それを介抱するアカリと御成。反対側の植え込みには気を失ったまま放置されているアラン。
いろいろなものを放置して、ただ戦いのため、見つめ合う甲冑眼魔とゴースト。
「……勝負」
ゴーストの声に、思わず渾身の力で立ち上がるマコト、支えの手を伸ばす御成。彼らの目の前でぶつかり合い打ち合わされる剣と剣。
「はっ!」
「やぁっ!」
その気迫にすごい、と目を瞠るアカリ。そして、
「……」目が醒めたのか、よろよろと起き上がりかけている、アラン。「なんのための戦い……? なぜ必死に戦う……?」
「一対一、それが相手の望みだとして」その眼前に、マコトの長身が影を落とします。「タケルは全力で戦っている。命がけで」

「ふっ!」大上段に撃ちかかってくる甲冑眼魔。がら空きの胴に斬るべく一歩踏み出すゴースト。ゴーストのほうが一瞬早く、相手の腹を斬り裂きます。この構図、「パラダイスロスト」の対サイガ戦を思い出します。
「はあっ!」裂帛の気合。それに気圧され、よろめき後ずさる甲冑眼魔。一息つきまだ終わらぬと、最後の一撃を賭け、駆け寄ってきます。
闘魂ブースト。大開眼。すべての気を剣に集め、それを待ち受けるゴースト。

一瞬で勝負は決し、ゴーストの横を駆け抜けた甲冑ガンマはその背後で
「見事だ。楽しかった……」の言葉を残し爆散します。その名の通り甲冑がまず飛び出し、地に落ち、さらにその体内から飛び出た、ふた振りの刀。
「あっ……」無言でそれを見つめるゴースト。
びっくりしたんだな、と尻もちをついたキュビの声も、今は誰の耳にも入っていません。

一部始終を見届け、ゆらりと立ち上がるアラン。疲労の色濃い物憂げな目で、
「わたしには理解できん……」と立ち去っていきます。その後姿を、いつまでも見つめているマコト。

処刑人の復活

眼魔世界。
棺型のカプセルが居並ぶ室内。但しタケルの見ただだっ広い部屋ではなく、数基だけが、一列に並んでいます。
そのなかの1基が静かに開き、起き上がってきたのはジャベル。
アデルから差し出された眼魂を、すぐさま受け取る不敵な表情。

大天空寺本堂。
一心に祈りを捧げるタケルの傍らで、不可抗力とはいえぶんどってきた形になった大きな眼魂が、鎮座ましましています。
それを見守る御成とアカリ。

「いったい何なんだよ、これは!」
眼魔世界の一室。薄暗い室内に並ぶおびただしい棺型の容器。目の前で塵芥に帰した人の身体。


その衝撃が拭い去れぬまま、目を開くタケル。闇はいや増しに深く、その背が小さく、小さくなったところで、ラストカット。
アランが死ぬのはいやんです。
1分間PR。せっかくの「不可思議現象研究所」名刺を使っていないタケルに、ショックを受ける御成。
大丈夫、今度はもっといいデザインで作ります! とはりきります。もう先週の時点でそれが入場者プレゼントになるのはわかっているので、先の展開が読めるのですが。
今週の人間宣言。仲間はずれのヤマトが
「いえいえい!」と虚しく叫んでるのがおかしかったです。イーグルがやられるときは抜けた羽が舞い散るところや、敵の殺気でみんなのしっぽがすごいことになっているところの演出もよかった。鳥って骨が脆そうだから肉弾戦はハラハラしますね。
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2016.03.14 18:49 | ghost ゴースト | トラックバック(-) | コメント(-) |
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