LOVE! HEROES!

特撮番組全般、そして高岩成二さんと伊藤慎さんを応援します。


Red Light Glasses / Jonathan Gross


ここのところの春休みスペシャルは戦隊、ライダー合わせた1時間の枠で一つの物語、という構成になっていましたが、今回は合体度低めというか、わりあいバラバラに平常通りのストーリーが展開し、但しショッカー怪人が現れた時はお互いに別番組の主人公が一瞬通りすがって協力する、というもの。どちらか一方だけの視聴でも支障はありません。そして今年は誰も疲れていませんでした!

敵も味方もマッシブなゴースト世界に紛れ込むイーグルの、細い身体の線としなやかな腕の撓り、舞い散る紅い羽根の効果もあって艶姿としか言いようのない戦いっぷり。対するジュウオウジャー世界でのゴーストは戦隊特有の見得きり&名乗りポーズに感動し、自分も見習ってやってしまうところが愛らしくコミカルです。どうみても
「うらめしや~」です。そして今便宜上ゴースト世界とか書いてしまいましたが、この2つの世界は異世界ではなく、ごく普通に両者の生活圏が重なっている模様です。

ということで特筆すべきは2点。
まず、グレイトフルがディエンド
そして御成。五右衛門魂に身体を乗っ取られタケルに活を入れるときは男っぷりが上がるというか、挙措も堂々として見栄えがします。まあメイクの違いもあるのですが、御成の飄々としたヒロインキャラは、ほとんどあのコミカルな表情と動きによってつくられているのですね。役者さんってすごいなあと思います。感想文はいつもの通りだとものすごく長くなったのでつまみました。
◇動物戦隊ジュウオウジャー

当番

アバンタイトルはデスガリアンの宇宙船。ほくそ笑みつつ注射器のような形状のものを弄んでいるクバル。
「それは何?」見咎めるナリア。
「アゼルドが卑怯なやつだとわかりましたのでね……次のゲームを楽しく進める下準備ですよ♪」

一方、ジュウオウジャーたちの家。くつろぐレオ、セラ、大和のいる居間へ、タスクの叫び声が響きます。
「アム! どこだ、アム?」
「どうしたんだよタスク」
「これだ、これ!」
「『タスクくん、とうばんおねがいね』……? はっはw」差し出されたメモの文面を読み上げる大和。サイン代わりの虎の絵が可愛い。
「押しつけられてやんのwwww」
「笑い事じゃない! ゴミ出し・洗濯・皿洗い。ぜんぶすっぽかしたんだ!」共同生活のマナーを守らないアムの怠惰さに憤懣やるかたないタスク。
「大変、ゴミの車もう近くまで来てるよ」超感覚で察知したセラ。慌てるタスク。家中のゴミ箱からゴミをまとめ、45リットル袋2つ持って駆け出していきます。ここでOP。

ゴゴゴゴーストが出た?

春休みスペシャル的なタイトルはなく、しいて言うならこの(↑)サブタイトルにゴーストと出るくらい。
「ぎりぎり間に合った……」と疲弊しきって戻ってきたタスクを大和が労います。
「ただいまー!」そこへ脳天気に戻ってくるアム。
「アム!」血相を変えて立ち上がるタスク。「今までどこへ?」
「聞いて聞いて、今話題のブーランジェリータサキ! 美味しいのいっぱい買えちゃった!」
「そんなことはどうでもいい! きみは」怒鳴り始めたタスクの口に突っ込まれるパン。「……旨いな」
「でしょでしょ!? これもタスクくん当番代わってくれたおかげだよ」
2人の傍らで、丸く収まりそうな様子を見て大和がうれしそうにしているのが可愛い。
「そうかそうか……、じゃなくて!」
「わかってる!」すかさずタスクの唇に人さし指を当てるアム。「みんなが決めた当番を守らなきゃダメって言いたいんだよねわかるよでもあたしそういうの苦手だしやっても雑じゃんきちんとできる人がやったほうが効率もいいしみんなのためにもなると思うんだよね」
一気呵成に言い切りました。他のメンバーもそこでタスクの家事遂行能力を口々に褒め称え、
「でしょでしょ、わたしタスクくんのそういうところ、すごく尊敬してるんだ♡」極上の笑顔とともに指をひっこめるアム。
「しかしだな、」
「食器だってタスクくんが洗うとぴっかぴかだもん気持ちよくていつも感謝してるよ♡」
わたしはアムを尊敬しています。
「そうか……」まんざらでもない笑顔になりかけたタスクに、押しつけられるパンの袋。
「じゃあ、また行ってきまあす!」
「どこ行くんだおい!」驚き1、2歩追っていくタスクの鼻先で、
「お洋服のセール♪」勢い良く閉まるドア。

「アムのああいうところすごいよなあ……」思わず賛嘆する大和が完全に傍観者。
「感心するところじゃない」食ってかかるタスク。「アムはずるい。ぼくは許さない。絶対に注意する!」
大和にパンの袋を押しつけ、アムの後を追って奮然と出て行きます。今回はこのタスクと、アムが主役。
「……ねえ、タスクも行っちゃったら、今日の当番、誰がやる?」

余興開始

「クバルの奴はどうした? ゲームはまだか!」逸るアゼルド。
「下準備とやらで、ジニス様に無断でメーバメダルを持ってでかけました」やや非難がましいナリアの口調。
「いいのか、そんな勝手な真似許して?」
「さあ」
「……やつにはやつの思うところがあるのだろう」そこでドアが開き、入ってきたジニス様が鷹揚です。わたしはこの人は動き回れないのだと思っていました形状的に。「たまには、そんな余興も……面白い」

ブティックであれこれと服選びをしているアム。しかしただならぬ気配に突如、しっぽがピンと突き立ちます。人目をはばかり店を出たところへ、怖い顔で歩み寄ってくるタスク。
「タスクくん!?」
「色々言いたいことはあるが!」タスクのしっぽもアムと同じ。「……後回しだ」
「やっぱり感じた?」
「デスガリアンだ。行こう!」

「なんで、おれたちが……?」掃除機をかけつつぼやくレオ。タスクは窓を磨き、セラはテーブルを拭き拭きこぼします。
「タスクもずるいよね」
「お早う!」“睡眠中”の札がかかったドアが開き、出てきた真理夫。「あれ? アムちゃん今日当番じゃなかったの」
「そのはずだったんだけどさあ」テーブルにへたり込んでぼやく大和。
「あはははは、逃げられたな? だったらしょうがないな。皆して分担して掃除、するしかないね」
うんざりとした表情の一同。しかしその時、セラ、レオのしっぽが同時にピンと立ちます。はっと立ち上がる大和。
「行くぞ!」間をおかずレオが吠え、
「悪いけどこれよろしく、おじさん!」
「お願いします!」
慌ただしく飛び出していく一同。

自分で言う

ユグドラシルタワーの円形の庭。本能に従い駆けつけてきたアムとタスク。高所からの銃撃を受け、緊張の面持ちで身構えます。
「デスガリアン!」
「来ましたねジュウオウジャー。わたしはクバル。ブラッドゲームの賢しきチームリーダーです」名乗りを上げ雑魚をけしかけるクバル。
「いつものやつらとは違うってことか」それを睨めつけつつ変身。「「本能覚醒!」」

***

一方、特撮御用達の磯場まで、駆けてきた大和、レオ、セラ。
「出てきやがれ、デスガリアン!」
辺りを警戒する3人の前に、
「アビー! アビアビアビアビー!」と奇声を上げ海中から飛び出してくる怪人。「獣の気を感じるやつら……こいつらなら改造人間のいい素材になる……!」
「どういうことだデスガリアン!」
「違う! おれはシオマネキング。偉大なるショッカーの一員だ」腰のバックルを示し胸を張ります。
「ショッカー?」油断なく構えるジュウオウジャーたち。

のっとり

「……はっ!」雑魚相手の格闘を始めているエレファントとタイガー。小柄なタイガーの軽快さが可愛い。
その背後へ静かに歩み寄るクバル。タイガーの背を撃ちます。
「きゃあっ!」
「アム!」振り返るエレファント。
その前で、タイガーに対しまるで嬲るように剣を振るうクバル。剣技ではタイガーはクバルの敵ではなく、あっさり倒されてしまいます。変身が解けたアムを、両側からメーバたちが抱え起こし、
「何する気!? 離して」
「こうするんです……」クバルが注射器を手に近づいてきます。
「注射! やだ痛いの嫌い」
「ぜんぜん痛くありませんよ? だって……刺さずに吸いますから」
「へっ?」
喉元に突きつけられた針。クバルがシリンダーを引くと、中へ吸い込まれていくアム。背後で雑魚達と戦いながらその様を目撃したエレファントも驚愕します。
「アムに何をした? アムを返せ!」
「ふふふ、いいですよ。ほーら、注入」
次に、傍らに立つメーバの一体に、そのまま注射器の中身(アム)を注入するクバル! たちまちメーバの雑魚っぽい頭は両肩の間に消え、代わりにアムの虎頭が生えてきます。

味方を操られる、というのは特撮ヒーローの定番ですが、この表現はかなり不気味で、ある意味出色。

「アム!」
「ほほほほほ、先ほど吸いとった成分はすべてこいつの中に注入しました。つまり……あなたの仲間はメーバになったのです」
「アムが……メーバに……!?」
「やりなさい、虎メーバ」驚き立ち尽くすエレファントに、けしかけるクバル。剣を与え、「これ忘れないで」
メーバの虎頭はアム獣人体そのままなのに、その目に宿る赤い光は眼前のエレファントを敵としか見ていません。
「やめろアム! ぼくだ、わからないのか?」
無言で駆け寄り、襲いかかる虎メーバ。防戦一方となるエレファントに、その剣を振るいます。

見知らぬ青年

「アビー!」口から火弾を吹き付けるシオマネキング。危うく逃れる大和たち。
「なんか、危ないやつだな!」
「よくわかんないけど、やっつけるよ!」
キューブを手にした3人。しかしそこへ、
「ちょっと待って」と1人の青年が現れます。
「「「え」」」振り返る3人。
「その怪人はおれに任せて」
「ここまで追ってきたか!」そして、青年に見覚えがあるらしいシオマネキング。わたしはまだ「1号」映画を観てないのですがたぶん絡みがあるのでしょうね。
「「「……誰?」」」
ぽかんとしている3人の前で、青年は懐より丸い目玉状の機械を取り出し、スイッチを入れるとベルトのバックル部分に装填します。
そこから飛び出してくる黒とオレンジのパーカ。
「「「!」」」
変身、と叫んだ青年の姿は白昼の光の中、ゆらりと陽炎のように立つ、1体の怪人の姿に。
浮遊するような得体の知れない動きで、3人のすぐ目の前まで迫ってきます。
「おのれ……」迎え撃とうとするシオマネキングに、
「仮面ライダー、ゴースト!」と名告るゴースト。

「かめん」
「らいだー?」
「……」

「迷惑かけてごめん。こいつはすぐ片づけるから」まだ事情の飲み込めない3人に告げるや、シオマネキングに跳びかかりパンチ。青い眼魂(ニュートン)を手に換装、敵の火弾を浴びせ返します。
「……青くなった!」妙に嬉しそうなセラ。
次には黄(エジソン)で電磁銃。
「おい、今度は黄色になった!」とレオ。
「次は……もしかして……」かたずを飲む大和の前で、とうとう赤(武蔵)を召喚するゴースト! 二刀流でシオマネキングに迫る姿に、「やっぱり赤だぁ!」
「アビー! アビー!」武蔵の剣に斬り伏せられ倒れるシオマネキング。

「うおおすげえ。本能がたぎるぜ!」
「おれたちも行こう!」
「うん!」
飛び出してきた3人に、今度はゴーストが驚く番です。
「うわ……え、何……?」と言いつつ怯えたように立つしぐさ、イーグルたちの見事な名告りに「鷲? 鮫? ……ライオン!」と目を瞠る様子、そしてついかれらに同調し、うらめしやポーズをとってしまうところ(ispy参照)、1人で3人ぶん驚いてますね。

「ジュウオウジャー? どうぶつ、せんたい?」

まさかこんなところに、自分以外の戦士がいるとは思わなかったのでしょう、ひたすら驚いているゴーストの前で、シオマネキングを取り囲む3人。

***

「何だ、あいつは」そんなジュウオウジャーたちを宇宙船から観察しているデスガリアンたち。注目するのはシオマネキングです。
「ふふ、面白いね。かれらもゲームに組み込めないものか……?」グラスを揺らしつつあくまでも鷹揚なジニス様。

一時撤退

虎メーバに剣で斬られ、銃で撃たれ、されるがままになり、ついに変身が解けてしまうタスク。
「目をさましてくれ、アム」とどめをと近づいてくる相手に、目を上げ、叫びます。「ぼくたちが戦ってどうするんだ」
一撃、二撃。相手の攻撃を許しながらも立ち上がり、虎メーバを取り押さえようとするタスク。手にしか触れないところが紳士的です。
「やめろアム!」
「……よし、そのまま食い止めていなさい」膠着状態の2人に近づいてくるクバル。「あなたも仲間にしてあげましょう」
そしてタスクにも、注射器の針を向けます。とっさに振り払い、銃で牽制しつつ逃れるタスク。しかし遠くまでは行ってないと踏み、呼ばわるクバル。
「逃げていいんですか? 10分だけ待ちましょう。残りの仲間も連れて来なさい。10分で来なければ、こいつの命はありませんよ……わはははは!」
虎メーバの肩を抱き、悠然と去っていくクバル。

「アム……!」そして、クバルの見立て通りまだ物陰に潜んだまま、顔を歪めるタスク。「ぼくはきみを、必ず助ける……だってぼくは、ぼくはきみのことを……!」

コンティニュー

CM明け。汀ではジュウオウジャーたちが三者三様の攻撃をシオマネキングに加えています。無様に水の中に倒れこむシオマネキング。
「……すっげ……きみたちも中々やるね!」賛嘆するゴーストに、
「へへ♪ とどめは一緒にやろう!」と爽やかに誘うイーグル。次の瞬間ゴリラパワーで盛り上がるその胸や肩の筋肉に、驚くゴースト。
「イーグルがゴリラに? よし、じゃおれも!」
全開眼。一気に飛び出る色とりどりのパーカに目を奪われるジュウオウジャーたち。
「おお……なんかよくわかんないけど、すごいな!」
「お互い様!」
にこりと微笑み合い、次に並んで敵に目を向ける2人の主人公。
「おれたちを舐めるなよ!」
「命燃やすぜ!」
「まだまだあ!」
グレイトフルオメガドライブとゴリラパンチを同時に受けるシオマネキングが気の毒です。
「しょっかーぐんだん、ア、ばんざーい!」それでも健気に叫び、倒れこむシオマネキング。
「……よっしゃ!」互いに拳を打ち合わせ快哉を叫ぶイーグルとゴースト。

***

「もう少し、この戦いを見てみたい……コンティニューだ」

***

ジニスの命で、汀まで遣わされたナリア。身のこなしと言い声音と言い、いつもながらセクシィです。
「ゼニス様の細胞から抽出したエネルギーです」取り出したコインにちゅっと口づけ、「……効能は保証しませんが」
呆然と見ているゴーストたちの眼前で、次の瞬間、突如巨大化するシオマネキング!
「アビアビアビアビィ!」
「巨大化した……」思わぬ事態に動転するゴーストに、
「こっからはおれたちに任せろ!」とライオンが戦いに逸っています。
「あんな、巨大な敵と戦えるのか!?」
「大丈夫、これがある」ジュウオウキューブを取り出してみせるイーグル。手元で操作すれば――。

「おあーっ!? 何だ、あの四角!?」とユルセンが現れて覗き込みます。
客人たちの見守るなかで、ジュウオウワイルド発進!
「巨大ロボ巨大ロボ巨大ロボ!」指さして叫ぶゴーストの声が裏返っています。
「かっこいいーい!」ここのユルセンのはしゃぎっぷりも可愛い。2人とも落ち着きなさい。
ユルセンはでっかい声は嫌いですがそれ以外のでっかいものは好きなのですね。象とかトラックとかが好きな幼児のようです。近づきすぎ。

「ダイヤキャノン!」
己の威容を誇るかのようにはしゃぐシオマネキングに、放たれたキャノン砲。相手がアビアビよろめき波に倒れる様を見て、
「よし、今だ!」とゴーストが叫びます。
「任せろ!」コックピット内で応じるイーグル。
「……あ、びっくりしたあ」立ち上がって来た敵にワイルドロケットナックル。要は連続ロケットパンチ。これがとどめになったのか、
「ショッカーは……何度でもよみがえる、イーッ!」と最後は敬礼し、大爆発するシオマネキング。
「やった!」快哉を叫ぶゴーストとユルセン。
「見たか、仮面ライダー!」コックピットから、高らかに叫ぶイーグル。その眼前で、青年/タケルは変身を解き、
「ありがとー!」と叫びます。傍らではユルセンが、
「待たな! あーあーああああー!(ジュウオウジャーOPで流れる、ターザンの雄叫び風のあれのまね)」
そして両者の姿は宙にかき消え――。

「え、消えた?」我が目を疑うイーグル。幽霊ですもの、基本です。

ぼくはきみを

「……おい、タスクとアムは?」コックピットで我に返る3人。ライオンの言葉に、そういえばと気づくイーグル。傍らでシャークが通信を試みています。
「タスク、アム? 何してるの」
『きみたちこそ何してるんだ』ぶっきらぼうに応じる声はタスク。イーグルたちには見えませんが満身創痍です。『こっちはデスガリアンが現れて、アムが奪われた!』
「え」その報告に息を飲むイーグル。「……待って、すぐ行くから!」
しかしそれを待たず、通信を切ってしまうタスク。
「皆を待っている時間はない。ぼくが1人で」
思いつめる表情で立ち上がる、そのアップでまたCM。

駆け引き1

先日ゴーストも白の魔法使い様やらシバルバやらと戦った大階段。その上に腰掛け、周囲に部下を配するクバル。わざわざここまで椅子を運んできたのでしょうか。その膝下に猫のように甘える虎メーバの、頭を撫でつつ、
「……くっくっく。なかなか心地よい手触りですね……、もう完全にわたしの虜……お前だけは手下にしてあげましょうか」
「やめろ!」そこへ駆けつけてくるタスク。
「ん、来ましたね?」
「アムを返せ。でなければ、今すぐお前を倒す!」
「ははは……冗談を。あなたにできるのは2つだけ。ここにいる仲間を殺すか。それができずに、仲間に殺されるか」
タスクを見てすっくと立ち上がる虎メーバ。
「ぼくは信じる、それ以外にも道はあると」クバル、虎メーバを見上げるタスクの、決然たる表情。「本能覚醒!」
「どうぞお好きに。しかし現実というのは厳しいですよ」虎メーバに武器を差し出すクバル。「……あの男を殺してきなさい」

下知に頷く虎メーバ。足元に立つエレファントへ、非情にも向けられる銃口。

「アム! ぼくだ、わかるだろ。きみには聞こえているはずだ……!」
その銃撃を危うくかわし、必死に訴えかけつつ、階段を昇っていくエレファント。対して、連射しながら、1段1段、階段を降りていく虎メーバ。
「アム、目をさましてくれ、アム!」
傷を負いながらも上がってくるエレファントと、降りていく虎メーバの両者は、とうとう階の半ばで出会います。立ち止まった虎メーバの肩を抱くように、手をかけるタスク。
「アム……」
その胸に、直に銃口を押し当てる虎メーバ。銃爪が引かれた瞬間、衝撃に倒れ、変身を解かれるタスク。
起き上がったその胸に、さらに――。
「アム、答えてくれアム。ぼくは、ぼくは、きみのこと……」
「無駄だ」
「きみのことを……っ!」
「やれ」

「ああっ!?」ついに駆けつけ、その光景を目の当たりにするイーグル、シャーク、ライオン。「タスク!」
虎メーバの銃撃をゼロ距離で受けて、後様に吹き飛び、最下段まで落ちるタスク。とっさに駆け寄り支えるイーグル。シャーク、ライオンも後に続きます。
「よしよし、ちょうど良いタイミングでした」展開される愁嘆場に目を細めるクバル。タスクを始末し、従順に戻ってくる虎メーバを迎えつつ、「お前に仲間を増やしてやりましょう」
クバルが再び注射器を握ったその瞬間――。

逆転

「はぁっ!」可憐な声と共に、至近距離からその手を撃ち抜く虎メーバ。ためにクバルの握っていた注射器は下まで弾き飛ばされます。
「たあっ!」そして、はっと目を見開くや飛び上がってその注射器をいち早くつかむ、タスク。すかさず虎メーバから、アム成分を抜き取ります。
「ブルブル……」いつもの雑魚メーバが出現したのを目にして驚愕するジュウオウジャーたち。たぶんまったく状況が飲み込めていません。そして、それまでの余裕はどこへやら、
「き、きさま……っ」と立ち上がってしまうクバル。
雑魚メーバを一撃のもと倒すと、何もない宙に向け、タスクが注射器の中身を発射すれば、
「ふああああ! ああ、やっと出られたあ」そこで大きく伸びをするアムは、すっかりいつもの調子です。
「なぜ!」
「アムは、メーバになっても自分の心をなくしてはいなかったんだ!」叫ぶタスク。
「そうよ! タスクくんの呼びかけで意識を取り戻したあたしは、何とかそれを伝えようと考えて」

銃口が火を噴く寸前、タスクに向かって唇に人さし指を当てて見せた虎メーバ。それはタスクとアムにだけ、わかるサイン。

「だからぼくは、アムを信じて、倒されたふりをしたんだ!」
「何っ」
「あんたを油断させようとしてたこと、全部わかってくれてた♪ さすがタスクくん!」その隣で頷くアム。
「おのれ……っ」
「どうだクバル。やっぱり3つめの道はあったんだ!」注射器を投げ捨て、足で踏み潰すタスク。
「……ふ、ふはははは! 面白い。あなたたちはやはり、倒すよりゲームの障害として活かしておくほうが、楽しくなりそうですね」
「何その上から目線!」
タスクの銃撃はかわされ、代わりに階上から撃ち下ろされる青い光弾を、今度はイーグルが長剣で跳ねのければ。その隙に
「今日は楽しかったですよ」と撤退を始めるクバル。「また会いましょう」
「逃げるな、卑怯者ぉ!」叫ぶアム。しかし、緊張の糸が切れたのか、その背後でタスクがふつりと気を失い、クバルどころではなくなるジュウオウジャーたち。
「タスク大丈夫!?」

駆け引き2

夜。
鼻歌を歌いつつ浴槽を磨いているアムを、一同が信じられない思いで眺めている(ここの皆の表情が面白いです)ところへ、ようやく気づいたのか起きてくるタスク。
「あ、起きたんだ。……どう、傷は?」気遣わしげな大和に、
「みんなが運んでくれたのか。ありがとう」と言いかけるタスクですが、ついセラたちの視線を追い……「うあ! アムが、風呂掃除を!?」
こらこら驚きすぎでしょうと浴槽のほうから出てくるアム。タスクの真ん前に立ち、いたずらっぽい目で見上げます。
「……それよりほら。あの時なんて言おうとしてたの?」
「ん?」
「ほらぁ、あたしを取り込んだメーバと戦いながら」

「答えてくれアム。ぼくは、ぼくはきみのことを」
思いつめた表情で何度もそう言ったタスク。しかしその続きは。


「……言わなくたって、わかるだろ」照れたように皆に背を向け、つぶやくタスク。その前に回りこむアム。
「いやいやいや! それが気になって気になって、それで正気に戻ったんだもの」
「確かに気になるよなあ♪」背後で他のメンバーはにやにや聞いています。
「そうか……じゃあ言おう」覚悟の表情でアムを見下ろすタスク。ふい、と目を逸らし、「ぼくはきみのこと……」

よし来い、という表情の一同。

「……ちゃんと注意しないと気が済まないからな、って言いたかったんだ」
ナニソレ
「何それ? もっといいことじゃなかったの」
「そんなわけないだろ!」すかさずアムの唇に人さし指をつきつけるタスク。「ほんとはぼくは、ずーっときみに注意したかったんだ! まず、洗濯物を裏返しのまま出すのはやめろ。それから、食後の食器はすぐに水につけておけ。まだあるぞ、部屋のゴミは分別してまとめて袋に出しておけ。それから、」
文句は湧き出る泉水のごとく。しかしその指は、ずっとアムの唇に押し当てられたままです。
皆には内緒、きみだけに、のサイン。

「藪蛇だったねアム……」気づかない大和が同情の声を漏らし、
「うあーん、もう、助けて!」とタスクを振り払って皆のところへ逃げてくるアムと、まだ終わってないぞと追い回すタスク。
なんというラブコメ回だったのでしょうか。終わってみれば犬も喰わない。ショッカー関係ない。


◇仮面ライダーゴースト

そしてゴースト。ごく当たり前にOP(グレイトフルの脚線美入りました)からいつものモノローグへと入るので、やはりスペシャル回とは一見わかりません。それを示しているのはこの(↓)サブタイトルのみ。

出現! 謎の戦士!

おれは、マコト兄ちゃんの想いを受け止め、おれは皆の命をつなぐために戦う。残された時間は、あと、63日――。

夜の遊園地。様々な乗り物がイルミネーションに彩られ、美しく輝いています。
「お兄ちゃん、きれいだね」
「ん」
仲睦まじい兄妹が、マコト、カノンの姿に重なり、この後何か重要な展開が? と思ったりしましたがそんなことはありませんでした。
「さささささ。どーん!」突如現れたねずみ型の怪人。擬態語をなぜか口に出しつつ、小型テントをかぶっています。遊園地の客達が大勢いるなかで無数の針を槍とを投げれば、たちまち不思議な力によって姿を消されてしまう人々。
少女の兄もまた、低くうめき声をあげたかと思うと、次の瞬間その姿はなく。
「お兄ちゃん!?」



大天空寺居間。これまでのことを語り合っている御成、タケル、アカリ。
「……マコト殿が眼魂だったとは。もう、驚きですぞ!」
「し!」声が大きいと合図するアカリ。隣の和室のほうを目顔で示し、「カノンちゃんが」
失言にうろたえる御成がいい人です。
「マコト兄ちゃんの身体は……向こうにある、って言ってた」話し始めるタケル。
「それってどういうことなの」
「眼魔の世界では、肉体は完璧な方法で保護しているから、朽ちない、って」
「つまり、あちら側の世界の人間は、死なない、ってことですか?」

少なくともマコトとアランはそう信じていました。しかし。

「おれ……カプセルのなかで、命が消えるのを見たんだ。だから、早くマコト兄ちゃんの身体を取り戻さないと」

***

隣の和室。実は起きていて、皆の会話を聞いているカノン。

***

そして眼魔世界。マコトの肉体の眠るカプセルを、奇妙な表情で見下ろしているアデル。

***

埠頭。憔悴し座り込んでいるアラン。

「……守ると言っただろ? おれが、お前の命をつなぐ……」

うなだれ、マコトの最期の言葉を反芻しています。手の甲に残る戦闘の傷に、生身の不便さを思い知らされているようです。

合従連衡1

大天空寺居間。引き続き相談しているタケルと、アカリと御成。キュビは傍らで一心に絵を書いています。
「……タケル、あんたまさか。1人で助けに行くつもりじゃないでしょうね」問うアカリ。
「それしか、方法がない」
「また絵を描けばいいんだな」わけもわからず口を挟むキュビに、
「描かなくていい」外へ押し出すアカリ。戸を閉めて振り返り、「そんなの無茶に決まってるでしょ。マコトの身体だって、どこにあるかわからないんだし」
「でも、放っておくわけにはいかないだろ」他にどうすればいいのか、という表情のタケル。タケル以外、ゲートをくぐることができたのはマコトだけだったのに。
「……そうだけど」

アカリが不承不承黙りこんだ時、隣室との境の障子が開きます。かれらの会話を聞いていたカノン。
「アラン様の力を借りるのはどう? ……アラン様のお力を借りれば、お兄ちゃんを助け出すことだって」
「信用できない」不機嫌に却下するタケル。「あいつだって今、身体が弱って死んじゃうかも知れないのに、マコト兄ちゃんのために命を賭けるとは思えない」
「でも、アラン様はお兄ちゃんを友と呼んでました。だからきっと協力してくれる。……あたし、説得してきます!」踵を返し走りだすカノン。
「カノンちゃん!」

「うわ!」カノンが走り出て行くのと、シブヤ、ナリタが入ってこようとしたのはほぼ同時。
危うくぶつかりそうになったのをかわし、助け起こそうとするタケルに、取りすがるシブヤ。
「……不可思議事件です! 針山ワンダーランドで、人が次々に行方不明になっているみたいなんです」
「眼魔の仕業?」身を乗り出すアカリ。
「それが、現場の近くでねずみ怪人が現れたって目撃情報が」廊下でカノンを見送った後、中へ入ってくるナリタ。
「ねずみ怪人ですと?」その一言で飛び出してきた五右衛門魂。御成の身体に取び込みます。
顔には隈取、背筋を伸ばし、歌舞伎に出てくる盗賊のような伝法な口調で
「ねずみ小僧たあ面白れえ!」と慨嘆する御成。
「え? 御成……?」
「ちがいますって。ねずみ怪人ですよ」ナリタがその肩をたたこうとして手を払いのけられます。
「やかましいわ!」
「これってひょっとして」
「……五右衛門眼魂が、御成の中に?」
「これは挑戦状だ。大泥棒、ねずみ小僧がこのおれさまに! 挑戦状を叩きつけてきたってえわけよ! ア、天下の大泥棒、五右衛門様に、なぁ!」
両袖にはきりりとたすき掛け、白い荒縄のような帯を背に結び、大見得を切る御成。
「ええ……?」
シブヤだけが拍手しています。

針山ワンダーランド。遊園地によくあるスカイサイクルのレールの上を、すたすたと歩く御成。こわごわと這っていくタケルでは追いつけません。
「ちょっと待ってよ」
「ねずみ小僧もこの五右衛門様も、悪い奴らから奪い取った金を貧しい人々に配って歩く。そうやって世直しを競い合ってたってぇわけよ」
「泥棒は泥棒でしょ、褒められるようなもんじゃないと思うけどな……!」
「だが目の前に困っている者がおれば、助けないわけにはいかんだろ! ア、たとえ釜茹でになろうとも、なァ!」
そこでまた大見得。
「いちいち大袈裟なんですね」
「小僧! いい話をしてやろう」扇子で膝をぽんとうち、這い寄ってくるタケルのほうへしゃがみ込む御成。「おれさまとねずみ小僧は、犬猿の仲だった。だが一度だけ手を組んだことがある。どでかいことをやろうってぇ時に、細かいことは気にしておれん、っちゅうことだ!」

その言葉に、ふとアランの姿が脳裏を過る、タケル。

うえーっははは、と不気味な笑い声を立て始める御成。もぞもぞと這っていくタケル。その時、アカリが2人を探してやってきます。
「タケル、あっちの方で騒ぎが!」

遭遇

悲鳴と叫び声。騒然となる広場に、駆け込んでいくタケル達一行。
しかしそこに、これという怪人は見当たりません。
「どこ行ったんだ?」
「む? ……ねずみ小僧ォ!」その時本能が覚醒したのかファンシーなピンク色のミニテントに跳びつく御成。突き飛ばせば中から、全身を針に覆われた怪人が転がり出ます。
「いっててて」
「ねずみ怪人!」身構えるタケル。「……ていうか」
「ハリネズミ、だよねえ」顔を見合わせるアカリ。
「うっせえよーっ!」起き上がってくる怪人。「おれの名前は、ヤマアラシロイド。おい、このトゲトゲをよく見ろ? 地獄大使様の復活に先駆けて、栄誉あるショッカーの構成員を集めているのだ!」
「お前もショッカーなのか!? そうはさせない!」その名を聞くや、手を拝むような形にして取り出した眼魂のスイッチを入れたタケル。その眼前に
「待てえ!」としゃしゃり出てくる御成。「黙って聞いてりゃ聞き捨てならねえな。つまりおめえは、ねずみ小僧の名を騙って悪さをしてたってわけか」
「ねずみ小僧!?」心外だ、と言わんばかりの声を上げるヤマアラシロイド。
違うと思います、と御成の中の五右衛門のため、訂正を入れるタケル。しかし聞いちゃいません。
「そんなふてえやつはこの五右衛門様が! ア、成敗してくれるわ!」
「……いちいち、大袈裟よね」

「小僧、おれを使え!」振り返る御成。その胸から五右衛門眼魂が浮き上がり、タケルの手に飛び込んできます。
はっしと受け止め、
「わかった」と変身動作に入るタケル。その背後でアカリが失神した御成に駆け寄り、つんつんしています。
開眼、五右衛門!
「何、おれさまとやり合おうってのか。槍だけに!」見得を切るゴーストに向け、針の槍を構え突進するヤマアラシロイド。しかしスカイサイクルのレールを支える鉄骨に遮られ、ゴーストに痛手を与えることができません。その槍先をつかむゴースト。
「はっ、離せ。離せぇ!」慌てるヤマアラシロイド。

しかしゴーストの剣は、前回ウルティマと戦った際、塵と朽ち果ててしまっています。
「……そういえば、武器はないんだ。どうしよう」
「まあ、まーままま!」ふいに出現するユルセン。「だいじょぶだいじょぶ。手おろしてみ」
「ん? そうなの?」手を離すゴースト。反動でヤマアラシロイドが倒れてしまうことにも気づかずベルトに手を添えれば、いつの間にかそこに握られている剣。
「あ……! ありがとう」
「便利だろ。行ってこーい!」
剣を手に突進していくゴースト。一撃、二撃と躍りかかり、応戦しようとする相手の得物を叩き落とし。
「セイヤー!」
その勢いに吹き飛び、傍らの樹の幹にぶつかるヤマアラシロイド。慌てて身を起こし、
「おわ、まて、待って、待て待て待て!」
「あ?」
「……実に強い。お前もショッカーの一員にならないか。共に世界征服を目指そう!」
「あ、それって」考えこむような仕草をするゴースト。「……ってなんでやねん!」
逃げ惑うヤマアラシロイド、見得をきりつつめまぐるしく追い回すゴースト。気がついて起き上がった御成が、再び目を回すほどに。
そのままゴーストから逃れるべく遮る柵の向こうへ飛び込んで勝ち誇るヤマアラシロイド。一瞬悔しげにするゴーストですが、警戒を促すブザーの音に、
「あ、行ってらっしゃい」と手を振ります。ヤマアラシロイドの乗り込んだのはパイレーツ。大きく左右に揺さぶられる船型の遊具です。
しゅるるるる、と不気味な音を立て動き始めるパイレーツ。
「ばいばいっ♪ あ……? あああああああやめてえええ! すごすぎるこれ!」
手すりにつかまらず恐怖のあまり動き回るので、とうとう放物線を描いて落ちていくヤマアラシロイド。

追手1

埠頭。現れた眼魔たちの気配に、柱の陰へ身を隠すアラン。逃亡者なのにいつもいる場所、というのが定まっているのはどうかと思います。
どうやら諦めたのか、引き上げていくスペリオルと雑魚眼魔の捜索隊。ほっと緊張を解くアラン。
「兄上はどうしてもわたしを消したいらしいな。やはり、直接話す以外に誤解を解く手段はないか」誤解じゃないと思うのですが、アラン様。「……だが、今の力では」
いまだ手の甲に残る傷跡。アランには肉体という器の、もろさの象徴として映ります。ジャベルのまとったウルティマの力に、完膚なきまでに叩きのめされた、その記憶とともに、震え始める我が身。

「何だこの感情は。恐怖……? わたしが死を恐れているというのか」

「アラン様?」そこへ現れたカノン。手に白いレジ袋があって、ここにくるまでにまたたこ焼きを買ってきたんだなと。逃亡者なのにいつも(以下略)。見回せば物陰に屈み込み、ただならぬ様子のアラン。「……アラン様!」

秘密

眼魔の世界。地下神殿。
「何か御用でしょうか」入ってきたのはイーディス。迎えるアデル、アリア。
「わたしに協力するといったな? 祈りの間のことを話してもらおう」
「……この世界を創造するのに関わる、力の根源。そこに入ることを許されるのは大帝のみ。しかし、もうはるか昔から、大帝の問いかけには応えないと聞いております。詳しいことは大帝に直接お伺いしてみてはいかがでしょう」
「父上は死んだ。忘れたのか」
「そうでした」一礼するイーディス。「失礼をいたしました」
「アデル。何の話をしている?」
「時が来たら話す」
立ち去るアデル、退出するイーディスを、険しい顔で見送るアリア。今の会話は何なのか。

(やっぱり父上は死んでいない。……いったいどこに)

そして幽閉された地下の一室で、在りし日と同じく詠唱を続けるアドニス。四隅に立つ柱が結界を成しているのかなとか、足元が濡れているので地下なのかなあとなんとなく。
現れたアデルが問いかけます。
「父上。聞きたいことが。……あの祈りの間は一体何なのです。どうすれば力を使えるのですか」
しかし顔を背け、答えないアドニス。
「ご自分の立場をおわかりですか」
苛立ち、どうやら空であるらしい眼魂をぽい、と投げつければ、たちまち結界が跳ね返し、アドニスが囚われの身であることを強調します。見えない壁のなかで、ゆらりと立ち上がるアドニス。
「あの力のことを知ってどうする」
「あなたの理想を実現して差し上げます」
「……ふ、」

合従連衡2

針山ワンダーランド。メリーゴーランドの3頭並んだ馬たちに、乗っているのは御成、タケル、アカリ。
「……五右衛門殿がついに、ついに拙僧の中に!」歓びにたまらず馬の背で暴れまわっている御成が危険です。タケルが五右衛門眼魂を手にしているのを見て、「あ、貸してください、貸してください!   ……これも日頃から五右衛門殿と語り合った成果で御座いますな!」
しかしその手から飛び上がる五右衛門眼魂。そのまま御成にとりつき、見得をきります。
「……あ、また?」心なしか迷惑そうなタケルの顔でひらりと馬を降り、離れる御成。
「おれさまとこやつは、一度も語り合ってはおらんわ」
「そうだと思ってた」頷くアカリ。
「あの、ちょっと聞いてもいいですか」その背に叫ぶタケル。「五右衛門さんと、ねずみ小僧とじゃ、活躍した時代が違うと思うんですけど!」
「そうなの?」
「五右衛門さんは戦国時代で、ねずみ小僧は江戸時代……なんだけど」
「はーはっは。なかなか鋭いな」メリーゴーランドの回る床の上を歩きまわっている御成。他の馬車などには、遊園地の客達の姿が見えます。すっかり平常営業に戻ったのですね。「……その通り。さっきの話はつくり話。お前の煮え切らん態度を見て苛々してな」
「それは」
「やるべきことがあって、選択肢は一つしかねえ。ならばやるしかなかろう!」メリーゴーランドの床の上に仁王立ちで喝破する僧侶。シュールです。「後は自分の心に聞け!」

「……!」息を呑むタケル。しかし、考える間は与えられません。またも逃げ惑う人々の足音、悲鳴が彼らの元へ届きます。

「行こう!」馬から降りるタケルでCM、ジューシー開眼。

赤い翼の戦士

「……この辺りのはずなんだけど」人々が来た方向をたどり、広場に到達したタケル。
「あ、あれ!」アカリが指さします。柱の陰から覗く、ファンシーなピンク色の小テント。
「……向こうに回れ」低く囁く御成、散開する一同。柱の反対側から回りこんだタケルが、
「隠れても無駄だ!」と飛びつきます。しかし中は空。「あ? あれっ?」
「ソソソソソッ!」その隙にやりを手に駆け寄ってくるヤマアラシロイド。絶体絶命!

「はあっ!」その時現れた赤い服の青年が、飛び蹴りでヤマアラシロイドの槍を蹴り落としていなければどんな目に遭ったかしれません。驚き立ち上がるタケル。それは大和。
「え? どうして、ここに」
「いやあ、偶然だよ」笑顔で振り返る大和。しっぽもないのに1人でいったい何をしていたのでしょうか。「でもよかった。さっきの借りを返せるな」
「じゃあ一緒に」
「もちろんやろう!」
揃ってヤマアラシロイドに向き直る2人。
「ちょちょ、ちょっとちょっと。この人いったい誰」いいところで割って入るアカリ。
「あ、えーっと、ジュウオウイーグルさん」紹介を始めるタケル。「動物たちの力を借りて、戦う戦士さ」
「よろしく」
「動物の力って、タケルが英雄の力を使う、みたいに」
「そ」
「すっげーロボットも持ってるんだぜ!」
「ロボット?」
「はあ……どんな伽羅倶梨か」
「それはジュウオウキューブって……」
ユルセンも途中から割り込み、話に花が咲く一同。

「おい! おーい!」

その時背後から、待ちくたびれたヤマアラシロイドの声がします。振り返る一同。
「……おれさまのことを放っておきすぎ。ショッカーの恐ろしさを思い知れ。野郎ども!」
「「「「「イーッ!」」」」わらわらと湧き出てくる戦闘員達がアクロバティックで好きです。途端に顔を引き締め身構えるタケル。
「タケル。おれたちの力を使え」声をかける御成に頷きます。
グレイトフル!
たちまち御成の胸から五右衛門の眼魂が飛び出し、さすがに2度めは失神し倒れる御成をはっしと支えるアカリ。まるでフィリップを受け止める所長のようです。

イーグル、グレイトフル、同時変身。
本能覚醒。全開眼。
「……大空の王者!」名乗りをあげるイーグルの、ひらりとしなる腕がかっこいい。
「うわ、それかっこいい! じゃおれも。……英雄の心を知る、仮面ライダーゴースト!」
対するはヤマアラシロイド。
「お待たせしました。242センチ92キロ。ヤマアラシロイドーッ!」名乗りというよりリングアナウンス?
「「!」」
身構える2人。しかしすぐ、互いに握る剣の形に注目します。
「あれ、これ似てる」
「似てる似てる!」
「気が合いそうw」
展開する戦闘員達をそれぞれに斬り、蹴り倒し。魅せますイーグル!

CMでお坊さん見ても御成に見えます。

追手2

埠頭。テーブル席にかけ、一心にたこ焼きを食べているアラン。その傷ついた方の手を取り、ハンカチを包帯代わりに巻きつけているカノン。そちらに目をやり、
「話があるんじゃないのか。ただこれを持ってきたわけじゃないだろう」
「お兄ちゃんを助けて下さい」
「……約束はできない。わたしは肉体という牢獄の中だ。今、向こうの世界に乗り込んでも、無事に戻ってこられる保証はない」
「わかっています。でも。タケルくんと一緒なら……」
「天空寺タケルか。……無理だ」立って行って、海を眺めるアラン。
「アランさまは今、命を狙われてるはずです。このまんまじゃ、何時か」
「余計な心配はするな」
「タケルくんと協力することは」しかし黙らず近づいてくるカノン。「死ぬより嫌なことなんですか」
「……」アラン。目を伏せるアラン。しかし考えこむ時間は与えられません。

「イゴール様の命により!」高所からアラン、カノンめがけて飛び降りてくる青龍刀眼魔!
ここ、目を奪われました。かっこよかった。

「きゃあ!」悲鳴をあげアランの背に回るカノン。そこへ笑い声を立てながら退路を断つべく近づいてくるマシンガン眼魔。
「――お命頂戴する!」
「カノンは下がっていろ。変身!」すっくと立つアラン。誇り高き王家の血を感じさせます。点眼、ネクロム出現。
わらわらと近づいてくる眼魔達のなかで、くるくると戦う殺陣を、真上から撮る構図が好きです。

成敗

「――っ!」華やかに宙を舞い、長い脚で一気に戦闘員たちを蹴り倒した後、ひらりと舞い降りるイーグル。青空にひらひらと散る紅い羽根。魅せます。
「はあっ!」負けていないゴースト。こちらも長剣を一閃させればおびただしい数の戦闘員たちが爆散します。
「貴様ら、わたしの可愛い戦闘員たちを! ならば!」地団駄踏むヤマアラシロイドのほうがカワ(・∀・)イイ!!です。「針攻撃ィッ!」
無数に発射される針を、それぞれ得物を手に叩き落とすゴースト、イーグル。やがてイーグルの剣は鞭としなり、ヤマアラシロイドの身体に巻きつきます。
「ああっ!」悲鳴を上げる敵を宙高くぐるぐると振り回し、翻弄するイーグル。

それを見て何を思いついたか、おのれの武器をバットのように構えるゴースト。
「一番バッター、天空寺タケル!」自分で自分をアナウンス。そのタケルの方へ、ヤマアラシロイドの身体をボールよろしく勢いつけて投げつけるイーグル。
「タケル! 行くぞ、せーえの!」
「よっしゃー!」
フルスイング。思い切りかっ飛ばされるヤマアラシロイド。
「あっ、あああ……赤いあなたも随分と強いじゃないですか」落ちたその場でよろよろと起き上がり正座します。「ショッカーの一員になりませんか」
「どうする?」
「おれのこと? ……冗談じゃない」奮然と立って行って身構えるイーグル。「野生解放!」
翼をはためかせ舞い上がります。
それを見てゴーストも金色の曼荼羅を出現させ何やら凄そうな雰囲気に。
「降参いたします!」正座からそのまま両手をつくヤマアラシロイド。「と見せかけて」
背中から発射される針の雨! その中を恐れることなく飛び込んでいき、ヤマアラシロイドを宙高くまで持ち上げるイーグル。
散々痛めつけ、地面へ落下させれば、それへめがけ、下から必殺の蹴りを見舞うゴースト。
ヤマアラシロイドには逃れるすべもありません。
「じごくたいしさま、ばんざーい!」

「よし!」その場に起こる大爆発を見て歓声を上げるアカリ。ヤマアラシロイドの身体から奇妙な槍が四散するのを目撃してつぶやきます。「きっとさらわれた人たちね」
遊園地のあちこちに、消えた人々の姿がよみがえります。冒頭に消えた青年もまた。
「お兄ちゃん!」駆け寄ってくる妹に、笑顔を向ける青年。

ひらり、舞い降りてそのさまを見ると、微笑む2人の英雄。変身を解き、
「やったな」とタケルの両肩に手をおいて労う大和。
「ありがとう」
「じゃ、おれ帰るよ」
「また一緒に戦おうな、ジュウオウイーグル」
「またなあ!」

合従連衡3

埠頭。多勢に無勢で戦い続けるネクロム。
「……あっ、力が……っ」ネクロムには制限時間があります。真っ黒に染まった我が身を見下ろしたところへ青龍刀眼魔に横ざまに斬られ、変身を解かれるアラン。

***

「タケルくん!」針山ワンダーランド。まだ大和と手を振り合い別れた余韻の残っているタケルの元へ、駆け寄ってきたのはカノン。「アラン様が今、眼魔に襲われているの。……お願い」
「……わかった。行こう」
一瞬の躊躇の後快諾し、埠頭へ向かいかけるタケルの懐から、五右衛門の眼魂が声をかけます。
「タケル。信用できない男を助けるのか?」
眼魂を手に取り、考え深げにつぶやくタケル。
「会って間もないジュウオウイーグルさんとだって、一緒に力を合わせることができるんだ。目的が同じなら、きっと協力できるんじゃないかな」
「いよーっ!」その言や良し。タケルへ囃すような祝福の声をかける五右衛門。カノンとともに駆け出していくタケル。
「……タケル!」アカリも同行したかったようですが、失神したままの御成のおもりをしなければなりません。「んもう!」



「はっ、くだらない」ヤマアラシロイドの健闘を高所から見ていたらしい狼男。“元ショッカー怪人・ウルガ”とテロップが出ています。「……わたしは新しいショッカーを作る」

***

そして某国。夜の街で人知れず戦うライダー。赤いスカーフ、赤く光る眼。
「貴様……」
「仮面ライダー1号。とう!」

合従連衡4

埠頭。変身が解け倒れこんだアランを、取り囲むおびただしい雑魚眼魔。その包囲のなかへ、一歩一歩踏み入ってくる青龍刀眼魔。
「やはり。だめか……」起き上がれぬまま苦笑するアラン。
「終わりだな」振り上げられる長薙刀。観念したかのようにアランが目を閉じた、その時、突如飛び込んでくるゴースト!
青龍刀眼魔を横に押しのけ、ならばとマシンガン眼魔がアランに銃口を向けるとアランごと雑魚眼魔の包囲を破り安全な場所へ移動します。
「お前」我が目を疑うアラン。しかし会話は後。
「タケル、おれたちをよべーい!」五右衛門、ロビンの眼魂が騒ぐので取り出せば、ディディディディディエーンド!
ロビン魂、五右衛門魂が普通に等身大で地上に現れ、普通に敵と格闘し始めるので驚きました。
まるでディエンドのような召喚術。グレイトフルにこういうことができるとは知りませんでしたのでびっくり。
結構ロビンのアクション、好きでした。

その間にアランをカノンに託し、戦いに戻るゴースト。
雑魚が片づいたところで、
「大詰めだ!」と叫ぶ五右衛門。「ア、でっけえ花火を、打ち上げーろぅー!」
ロビン、ゴースト、五右衛門、3人並んでレッツゴー・オメガフォーメーション。
先制する青龍刀、マシンガンの攻撃にぶつかり、押し返す強力な攻撃。
たまらず爆散する青龍刀&マシンガン。

「やった!」にこりと微笑むカノン。呆然と見守るアラン。その前で、
「うむ」
「……さらばだ」
 とそれぞれに納得したのか、眼魂となってベルトへ戻っていく五右衛門とロビン。
「解散!」の合図で変身を解いたタケルは、しばしそこへ立ち尽くしています。やがて覚悟を決めたのか目を上げ、アランたちのほうへ駆け寄って行き、
「……お前に話がある」
「奇遇だな。わたしもお前に話がある」
見つめ合う2人でラストです。

しかしタケルと組むと、肝心な時三蔵とグリムをとられてしまうのではないでしょうかアラン様。
【1分間PR】

大天空寺居間。あれ? あれと、引き出しを開けては覗き込んでいるタケル。何か探しものをしているようです。
そこへ針山ワンダーランドから、ようよう戻ってきたらしい御成とアカリ。とくに、大柄な御成をかついできたアカリは疲労困憊。よろばいつつ中へ入り込み、そこで力尽きて2人ともどうと床に倒れこみます。
「お帰り御成。こないだはごめんね、やっぱりあの名刺頂戴?」
御成謹製の不可思議現象研究所の名刺、ださいと言っておいて今頃欲しくなったらしいタケルに、
「はっはは、今さら遅いですぞ」と倒れこんだまま答える御成。「……もうありません!」
「え、なんでだよ」
「全国の映画館にお渡ししてしまいましたからね」
「早く行かないと配り終えちゃうかもね」
うつろな笑みを浮かべつつ起き上がる御成とアカリが不気味です。なぜここで照明を落とすのですか。
「ええっ、そんなあ!」
一転、満面の笑みで昨日から公開中の仮面ライダー1号を映画館で見ていただくと先着80名様がもらえると言うアカリと御成。
「やばい、皆映画館へ急げ!」
そしてわたしはこれを書いている水曜日現在、まだ映画が見られていません。なんということでしょう。
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2016.03.30 22:37 | ghost ゴースト | トラックバック(-) | コメント(-) |
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