LOVE! HEROES!

特撮番組全般、そして高岩成二さんと伊藤慎さんを応援します。

埠頭でバイクにまたがったまま、物憂げにハンドルバーにもたれる仁――配信開始前、よく宣材に使われていたスチールでしたが囮のデータで何もない場所におびき出され、しかたなくお弁当食べてたシーンだったんですねw

母である水澤の言葉もあり、自分が人であるという答を何とかして見出したい悠。
そんな疑問を持つのは人でない者だけだと嗤う仁。
オメガを頼るしかないと、急場に腹をくくる駆除班・志藤。
かれらの泥沼の戦いが描かれます。
前回から悠の動きがどうも悪いと思っていましたが、途中で本能覚醒してからは本領を発揮し、その大きすぎるギャップがその危うさを強調します。悠はたぶん、人でなくなったほうが強いのでしょう。
藤田さんあのシーン口を怪我されていなければいいのですが。


Red and green bud / wolfpix


一方、総勢183匹のアマゾンマンションにたった6名の駆除班を派遣しておいて、この苦難を奇貨とする水澤。目論見通り見事に役員会の展開をひっくり返しましたが犠牲は大きく、この人の感情面の鈍さがどうにも奇妙です。
目的のためなら犠牲も厭わないという冷徹なタイプにも見えず、ただ高度に柔軟性を展開しながら臨機応変に対処してます。要するに行き当たりばったりです。どういう人なのか捉えがたい。でも加納とのコンビはなにかいい……というか加納がいいですね。
『同じマンション……どんどん増えてます……確認できる識別コード、――ぜんぶで183っ!?』
「まじかよ」うんざりとしてみせる望。
「これ……アマゾンマンション?」おどける三崎。


籠城

志藤の声に呼び戻され、今出たマンションの一室に戻る一同。オメガが蟻たちと玄関先で揉み合っているところへ、戻ってきた望が加勢し、蟻を蹴りだしながらオメガを奥へ送ります。
「中入ってろ!」三崎の手でさらにリビングのほうへ送られるオメガ。
福田がマンション特有の細い廊下に高圧電線を張り、追ってくる蟻たちを牽制しながらもその下をくぐり退避する三崎、望。
「壁作れ」
志藤の言葉にはい、と直ぐさまテーブルや椅子が運び出されます。ぼんやりその辺にいるオメガを
「どけ!」と突き退け、ソファを手にする望。
これらの家具たちは手早く戸口に積み上げられバリケードとなります。
侵入しようとして電流で倒れる蟻を、その隙間から銃で狙い撃ちする三崎。
これにより多少の余裕ができた志藤は、調査班との通信を再開します。
『……ランクは最初のB以外、すべてE』
「蟻の巣ってわけかよ」と望。
『とにかくどうするか、対応確認します』
「ああ。できればこっちが生きてる間にな」
『了解』
ベランダにつながる窓にもたれ、ぐったりと倒れこんでいる土竜とオメガに目をやる志藤。消耗の激しいかれらが、どこまで戦力になるか危ぶんでいるようです。
その目の前で、いち早く変身を解くマモル。
三崎の連射により、中に入り込んだ蟻が一応片づき、
「……全員、装備確認しとけ。リロードも今のうちだぞ」と指示する志藤。
バリケードもそうですが、すぐさま指示通りにする望・三崎・福田が統制がとれていて、口では勝手気ままなことを言いつつもこういうところが好きです。
一方、ハンバーガーの包みに跳びつくマモル。かれにとってはこれが装備の補給なのでしょう。
しかし食べようとして、そこにぐったりとしたままのオメガに気づきます。
迷いつつ、ハンバーガーを手で半分に割るマモル。
「はい」
驚いたようにさしだされたものを見つめ、すぐに顔を背けるオメガ。
「食べとけば?」声をかける三崎。「おれたち食べられちゃったら、たまんないスよ、はっは」
「!」奮然と向き直るオメガ、その眼前に、先程よりは少し強引に、ほらとつきつけるマモル。
「……」しかたなく変身を解く悠。そこに現れた、繊細な風貌の青年に、皆の目が集まります。駆除班の人々は、この時初めて“緑のアマゾン”の人間体を目にしたのです。
「ほら」
三度差し出されたハンバーガーを受け取り、食べ始める悠を見下ろし、
「お前。こっちサイドのアマゾン、ってことでいいんだよな」と大事なことを確認する志藤。
「くじょはん……でしょ? 一緒にやれって言われてる」と悠。
「誰に」
「母さん……水澤、本部長」
「は?」
「補充要員ってこと?」
「お前が?」
一斉に質問が飛びますが、その時いち早く反応した福田が、窓から入って来ようとする蟻たちに発砲します。この人の行動はプロ中のプロという感じでかっこいい。
素早く寝室のベッドを立てかけ、窓側にもバリアを張る一同。中断される会話。その統制された動きを落ち着かなく見ている悠に、嬉しげに話しかけてくるマモル。
「ね。名前?」
「水澤……悠」
「水澤、くん。同じチームだね」にこりと微笑み、食事を再開するマモル。
「水澤……」蟻の侵入を抑えつつ、その名の意味するところを、改めて理解しようとしている志藤。

打開策1

「182匹?」
「マンションの住人がまるごと実験体だったようです。駆除班が上層階の部屋に籠城状態です」
己の執務スペースへ向かいつつ、加納の報告を聞く水澤。
「悠も」
「はい。……やあ、こんな時こそ赤のアマゾンが飛び入りしてくれたらいいんですが。偽データつかまされたらしく」
「どういうこと」
「調査班の情報をハッキングしていたんで、ぜんぜん違う場所の情報を掴ませて……追っ払ったそうです」

***

埠頭。かっこよさげにバイクにまたがり、タンクにぶつけてゆで卵の殻を割る仁。
遠くで飛行機のジェット音。お弁当タイムです。

***

「……そう」
「で、どうしますか駆除班。撤退させますか」
「いえ。むしろ実験体を大量に駆除できるチャンスです」
「たった6人ですよ、ちょっと厳しいかと」さすがに突っ込む加納。間髪入れず切り返す水澤。
「マンションまるごと、って言ったわね。こないだ完成した、あれが使えるかもしれない」
悠のバイクもこないだ完成したばかりで、あれが使えるかもしれないと言われて出したんですよね。

***

水槽って、一つの世界なんだ――。

川辺。アクアリウムの雑誌を購入し、悠を思いながらグラビアをめくる美月。今回美月はこのシーンのみです。

打開策2

マンションの一室で顔をしかめる志藤。
「は? ……このまま駆除を続けろだと?」
『今から対アマゾン用ガスをそちらに届けます』会話の相手は水澤。どこかのプラントの中を歩いています。『これを使えば大量に実験体を駆除することが可能です』
「そんなんあるんだったら、最初っから使ってほしかったわ」戸口に銃を向け警戒する三崎のボヤキがごもっともです。
『これにはまだ問題があって、使用する環境や条件が限定されるんです。人間にも害がありますしね。ただ今回はまさにうってつけです。ほんとうに幸運でした』
「幸運。この状況のどこが、」怒気をはらむ志藤の声。それに覆い被せて、
『ガスは』と一方的に続ける水澤。『マンションの容積と設置場所から計算した分量を積んでいます。これから指示する方法で、指示した場所に、必ず設置してください。まず、設置場所は屋上の……』
「了解」仕方なく頷きながら、こう言い添えるのを忘れない志藤。「あ、それからバッテリーと、マモルと……もう1匹用の食料も頼みますよ。それから、虫1匹のボーナスも倍で。これくらい当然でしょ」
ご子息の、とはまだ言いたくない志藤。一瞬異様な空気になりますが、ボーナス倍発言でとたんにガッツポーズをかわす三崎と望。
『……わかりました。その代わり、失敗は無しです』
失敗したら死ぬんですけど。余計な念押しだと思いますが。
「ランクEのポイントが、倍。それかける182……」歓声を上げる望。
「それが入れば借金も……いやー助かるな、最近取り立て厳しいからな」と、三崎も同調します。
聞きとがめる悠。
「皆さんは、お金で駆除活動してるんですか?」
「はあ? それ以外何があるんだよ」たちまちムッとする望。
「こんな命がけの仕事、ただでできるわけないでしょ」と三崎。
「きみも?」
「ん?」傍らのマモルはうずくまったまま、顔を上げます。横から代弁する望。
「マモルは、チームとハンバーガーが好きなんだよ」
「ん!」我が意を得たり、という顔のマモル。

「……お前はどうなんだ。何のためにわざわざこんなとこに飛び込んできた」離れた場所から問いかける志藤。
「ぼくは」口ごもる悠。思い浮かべるのは母・水澤の言葉。

「アマゾンが人間か。確かに疑問ね。でも、あなたが人間かどうかは別。わたしは人間であってほしい。あなたが確かめなさい」

「!」
再び玄関側から、入ってこようとする蟻たち。望、三崎、福田、志藤の一斉射撃で退けます。
「ふ、す~ごい。全部金に見えるw」三崎の現金さに、
「馬鹿野郎」と苦笑する志藤。
「でもさ。さっきまで知らんぷりだったのに、なんで急に?」
「あの女王蟻みたいなの攻撃したからじゃねえの」と指摘する望。
「完全におれたち、敵とみなしたわけか。ありがたいね」
駆除班メンバーの会話をよそに、崩れ落ちる悠。
「!」物音に振り返った一同のなかで、真っ先にフォローするのはやはり三崎。
「大丈夫? 食べ足りないみたいだね」
「ふ、ぼくも、まだお腹空いてる」微笑むマモル。
「もうちょっと我慢しろよ、食べ物くるから」
ひもじそうにただじっとしている悠を、注視している志藤。
「……お前、何なら、あれ喰うか」女王蟻がおやつを備蓄していた冷蔵庫を示します。開いたままのドアの中身を一目見るなり、顔をそむける悠。
「ふ、冗談だよ」詫びるような笑み。その時通信機の着信音。「駆除班、志藤」
『調査班、浅井です。到着しました』
「おお、早い!」
『マンションは清掃班が封鎖しています……ただ、我々だけでそちらに荷物を届けるのは、厳しいです』

音声とともに、マンションの前で車から降り立つ3人の男が映ります。通路にベランダに、うようよと溢れるような蟻アマゾンを、こわごわ見上げる調査班メンバーたち。

「今、1階か? 迎えに行くまで、動くな」言って通話を斬る志藤。「ここを引き払う!」
「引き払うって、この状況でどうやって」
「マモルたちだって何か食うまで使いもんになんねえし」
「玄関ふっ飛ばして突破する。一也、実弾出せ。フクに狙わせる」
望に急かされ、火薬の塊を握りしめる三崎。
「うまく行ったとしてもこの数だ。動線ができるのは一瞬、その一瞬をついて下に降りる。調査班と合流さえできれば、大量駆除剤が手に入る!」
ちらり、天井のスプリンクラーを見上げる志藤。

下へ

「――打て」
バリケードの隙間からからりと実弾を投げ出す三崎。福田の銃口が火を吹き、過たず一撃。
刹那まばゆい閃光が走り、玄関口に殺到していた蟻たちが一掃されます!
「行くぞ」いち早く飛び出していく志藤、後に続く一同。

マンション1階の玄関ホール。
おずおずと入ってきた調査班の3人は、警戒していなかった背後から、蟻たちに襲われます。
「わ」
「あああああ!」
ずるずると1人を通路の側へ引きずっていく蟻に、望の飛び蹴りが炸裂し、倒れた腹にナイフ。
ほぼ同時に現れた福田、三崎が他の2名も救出します。
「志藤さん」叫ぶ浅井。
「バッテリーと例のもの寄越せ。食料は」
「ここです」
早く早く、と急かすマモル。
また電線を、手早く通路や入り口に張り、その背後で銃を構える福田。第1話から思っていますがこの人、いちいち仕草が決まります。
てきぱきとけが人の介抱を始める望・志藤・三崎。燃料の補給に余念のないマモル。忙しく立ち働く駆除班のなかで、ただぼっと突っ立っている悠がでくのぼう。
「あっ」先ほど蟻に襲われて足首から流血している調査班メンバーを見て、驚く悠。「大丈夫、ですか」
「……いいから、……食べてください!」喘ぎつつ応じる調査班メンバー。
「早く食べて、早く力つけないと!」悠を促しつつ、自分も咀嚼を続けるマモル。

(こういうアマゾンもいるんだ……ぼくだって、そうやって戦えばきっと)

やっと納得し、ハンバーガーの包みを開けると、自分の分を呑み下し始める悠。
その時かれらに襲いかかろうとして、電流で阻まれた蟻たちが悔しげに吠えます。
「マモルくん、行こう」
「うん!」
同時変身。共に咆哮する2体の獣。蟻たちへ突進していけば、すかさず剥がされる通路の電線。この阿吽の呼吸が練度高いです。
土竜、オメガに弾き飛ばされ、倒れこんだ蟻に、福田らが銃口を向けます。
そのさなかでただ怯え、三崎らの背後に隠れるだけの調査班。それを庇うように位置取りする駆除班。
かれらの前で蟻アマゾンたちを蹴り飛ばし、心臓を抜き取って快哉をあげるオメガ。
「ぼくは人間だ!」

上へ

倒された蟻たちの死骸が消え、後に残された腕輪を、1本2本と拾い上げる三崎。
「……3本♫」
「一也そんなもの拾ってんじゃねえ」止める志藤。普段は腕輪でボーナスカウントしているわけですが、183体分も拾う暇はありません。
「一也、後ろだ」
到着したエレベーターのドアが開き、満員の蟻が降りてきます。
「定員オーバーだろ!」
驚きエレベーターの前から飛び退く三崎、警戒する望、代わって突っ込んでいくオメガと土竜。
「畜生、これじゃお前らが外に出るのは無理だ」叫ぶ志藤。「ここに残すわけにもいかねえし」
「行きます、最初からそのつもりですから」
すかさず叫ぶ浅井に、望から手渡される棒状の武器。
「スタンガンだ。これ持っとけ」
「よし、行くぞ!」
言うや非常階段を上がり始める志藤。エレベーター前で蟻たちを抑えている土竜とオメガに
「お前ら遅れんなよ!」

非常階段。ここで先頭を行くのは望。武闘派の彼女は、言うなれば先鋒。上から襲ってくる蟻たちを蹴り飛ばし蹴り落として道を開きます。
しかし途中の階の通路に繋がるドアから、続々と入って来る蟻。横合いから調査班メンバーが2名、捕まってしまいます。
「離せ!」
「ドアが閉じられる!」
悲鳴を上げてもがくも甲斐なく引きずり出されてしまう調査班メンバー。閉まりかけたドアの前では福田も蟻に襲われており、どうすることもできません。
「仲間、加藤!」叫ぶ浅井を抑える志藤。救出のため深追いするのは良策ではありません。
「みんな急いで!」追いついてきたオメガたちが、その中を駆け上がっていきます。
殿に残る福田。
おろおろとその場に残りかける三崎は、その福田に行けと叱りつけられてようやく
「お言葉に甘えて♡」と上がっていきます。

思ったより多くの蟻が上から降りてくるので、通路に出るドアを開け、向こうを伺う志藤。こちらのほうが障害が少ないと判断し、
「マモルこっちだ!」と先を行く土竜、オメガを呼び戻します。ひらりと飛び降り、ドアをくぐっていく2体のアマゾン。
「福さん!」
自分の銃を1丁、まだ下にいる福田の元に落とす三崎。2丁拳銃となった福田が上がってくる蟻たちを打ち下ろし、通路を駆けて行く志藤、望、三崎。先頭に立ち行く手に待ち受ける蟻たちを、突き落とし殴り倒して走るオメガ、土竜。
「えええい!」勇ましい飛び蹴りで道を開く望。「こっちも階段がある!」と走りだしたとき、横合いから現れた蟻に捉えられ、足に食いつかれます。苦しげなうめき声。
「望!」
「う、あああ……っ」悲鳴を上げつつも相手を殴り落とし、よろける望。
「高井くん?」そちらへ戻り、心配そうに覗きこむ土竜。
「大丈夫。鍛え方がちげえから」しかし隊服の裂け目からは痛々しい傷口が覗いています。「……先行けって。おら」
いやいやと首を振る土竜を、突き飛ばす望。
「マモル行くぞ!」促し先へ飛び出していく志藤に続き、
「行こマモちゃん、行こ!口早に声をかけ手を添えて土竜を押し上げていく三崎。
しかし土竜は叫び声を上げ、皆を押しのけるように望の元へ戻ってきます。
「マモちゃあん!」
「やっぱり、高井くん助けなきゃ!」
呆然と見守るだけのオメガ。
「たく、しょうがねえな。先行くぞ!」叫び、道を急ぐ志藤、行こう、と浅井の手を引き進む岬。
「マモルくん?」後ろ髪引かれる思いながら、かれらを置いて進むオメガ。

苦闘

殿の福田、負傷した望と土竜の3名を欠き、ようやく屋上に到着した一同。
しかしそこには、のがした女王蟻が待ち構えていました。目指す塔屋の前で、嬉しげに笑う敵を見て唸るオメガ。
「あいつ……」
「やっぱり、生きてたね」
進み出てくる女王蟻。それに続き、続々と塔屋から出てくる働き蟻たち。
「糞。大して減ってねえな」唸る志藤。
「そりゃね。……で、設置する例のあれは」
「あれです」三崎の問に飛び出て、指さす浅井。「あの給水槽に」
しかしそれは、蟻たちがいる塔屋の、更にその向こう。渋面をつくる志藤。
「おい! この際、お前に頼るぞ。いいな」
コクリと頷くオメガ。

(ぼくも、マモルくんのように)

低く構え、蟻たちへ突進するオメガ。その隙に、給水槽めがけ走りだす浅井と、志藤・三崎。
しかしせっかくの志藤の指示なのですが、今ひとつ戦いに精彩を欠くオメガ。頭で身体を動かす訓練など受けていないのですから当然です。体術の知識も何もない、ただ戦いの緊迫感に、血の匂いに昂ぶり、突き上げる衝動に身を任せ、その超人的な体力を発揮してきただけのオメガ。

攻撃しても敵はびくともせず、逆に敵の攻撃を受ければ何度も固いコンクリートの上に転がされる、その無様な戦いぶりに、先を急ぎつつ目を留める志藤。

「……あいつあんなに弱かったか?」
志藤はこれまでに、突如戦いに飛び込んできてはランクAの蝙蝠を、ランクBの蜻蛉/竜介を、瞬殺するオメガを見てきました。
「アマゾン蟻、強くなってる」その声に振り向き、敵が強くなったのだと評する三崎。それも確かに事実なのです。
「餌喰ったか……」

***

通路に落ちている、血まみれの眼鏡。

***

「うわ」そんなおしゃべりがいけなかったのか、蟻たちに捕らわれる三崎。とっさに浅井を引き寄せ、前進を続ける志藤が冷徹です。
必死で相手の手を払い、顎を押し上げて喰いつかれるのをかわそうとする三崎。
「!」それに気づいて突進してくるオメガ。飛びつき、三崎から蟻を引き剥がし、逃げる相手を捉えようとすれば、それをさらに引き寄せる女王蟻。

くるるるかあああああ、と異様な音を立てながらオメガの身体を蟻たちの只中に引きずり込み、迫ります。
オメガの抵抗など歯牙にもかけず、猫のごとく獲物をなぶる女王蟻。

その時疲労からか、唐突に変身が解け、その場に現れるのはただの生身の悠。こうなってしまえば武器を持ち訓練を積んだ駆除班以下。怯えながら後退る様に目を留める志藤。
「燃料切れか」
調査班・浅井を守りつつ移動するこちらも苦しく、次々と襲いかかり喰いついてくる蟻にほとんど進めていません。
「これ、まじでやばいかもです」うそぶく三崎。
「他に手はねえのか! 他に!」

打開策3

志藤がやけくその声を上げたその時。
塔屋のドアが開き、蟻たちの屯するその向こうに、新たに現れたのは仁。敵を蹴り飛ばしつつにやりと笑い、
「お待たせ♡」
赤いアマゾンは、偽の情報でまいた筈。混乱する志藤たち。
「なんで」

その少し前。埠頭。むしゃむしゃとゆで卵を食べていた仁の背後で、シートに括りつけた布鞄の中のスマホが鳴ります。
取り出して画面を眺める仁。


野座間製薬通路。
「マンションの住所を教えても、赤いアマゾンが動くかどうかわかりませんでしたが。成功でしたね」と福田。
「間に合ったわね」と労う水澤。
かれらが再び会議室に戻ってくると、なかではスクリーンに映し出された高井望視点の映像に、釘付けの役員たち。
わらわらと取り囲みかじりついてくる蟻を、怪我の痛みに耐えて雄々しく蹴り倒し、払いのける望。彼女を守り戦い続ける土竜。

アマゾンマンション屋上。
「――何やってんだ?」
通りすがりに知人を呼び止めるような調子。涼しい顔で進み入ってくる仁。蟻たちがかれに気圧されてか動きが鈍った隙に、おいと浅井を促し前進する志藤。
「また、“お前の中のお前”がなんか言ったか……?」
「違う」仁のからかうような視線を捉え、立ち上がる悠。さっきまで怯えていたのにどうしたのでしょうか。「ぼくの意思で確かめに来た。ぼくが人間かどうか」
「は?」
「アマゾンでも人間だ。あなただってそうでしょ」
アマゾンたちの会話の間も、給水塔につながる梯子段を上がっていく浅井と三崎。
「……人間ねえ。そんなことを考えるのは、人間じゃないやつだけだ
醒めた声と共にゆで卵を1個、取り出します。ポイと投げ、
「足りないだろうが食っとけ」
「……」受け取った卵を、じっと見つめる悠。次の瞬間、それを手でぐしゃりと握りつぶし、転がり出た中身に殻ごと齧りつきます!
シャリ、シャリと殻ごと噛み砕く音。次の瞬間、緊張する蟻たちの間に、響き渡る低く太い咆哮。
「うおおおおおおおお! アマゾォォォォン!」
再変身。低く構え、次の瞬間、勢い良く跳躍するオメガ!
女王蟻に投げ飛ばされればその勢いで、梯子の下を守り必死の戦いを続ける三崎を庇います。そしてまた女王へ。

「なるほど、それが人間の戦い方ってわけか」のんびりとつぶやく仁。「けど、残念ながらそんなにかっこいいもんじゃないんだな、アマゾンは」
自分のゆで卵(剥いてある)に齧りつき、醒めた目でオメガの戦いを見つめる仁。
「人間かどうか知るか。あるのは生きてるかどうか、それだけだ」
アマゾンと、小さくつぶやき、空気が赤く染まるほどの熱量をもって出現する赤いアマゾン・アルファ。倒され、よろめきながら再び立ち上がろうとするオメガと、かれを嗤い襲いかかる女王蟻との間に、いつの間にか入り込み、その拳を受け止めます。
「そして生きるっていうのは、他の誰かの命を喰らうってことだよ!」
受け止めた手に力を込め、蟻の腹に拳を打ち込み、倒すアルファ。オメガを振り返る姿に遣る瀬ない表情が見えるようです。
「――直接だろうと、間接だろうとな」
背を向けるアルファ。呆然と見送るオメガ。その両肩に2体の蟻が噛みついているのも気づかぬように。
「生きるために喰らう。そういう意味じゃ同じだ、ここにいる誰もが」

一掃

喰うか喰われるかの戦い。屋上で。マンションの各層で。アルファの言葉を裏づけるかのように必死の戦いを続ける駆除班の面々。
階段の下では土竜が、そして満身創痍の望が、蟻たちの緑の血煙にまみれ鬼気迫る戦いぶりを見せます。
非常階段では福田も、もはや弾が尽きたのか、スタンガン片手の肉弾戦。
屋上でも、給水塔への梯子段の下で守る三崎が多数相手に獅子奮迅の戦いを続け、それでも上がってきた蟻を、志藤が電撃棒で叩きのめし。

両肩を蟻たちに噛まれつつ、うつむくオメガ。
「……うぉぉぉおおおおおおおおおおおお!」
突如叫び声とともに自分に集る蟻を跳ね除け、腰から棒状の武器を引き抜きます。その先にしなる長い鞭。
<Violent...blade>
雄叫びを上げ投げつければ、蟻3体を一気に壁へ串刺しで縫い止める大技。
さらに跳躍して蟻1体を蹴り倒し、落下地点にいたもう1体を殴り倒し。拳が、そのまま敵の身体を撃ち抜いて行くのです。向かってくる1体を殴り、跳びかかってきた蟻は関節を極めるように押さえつけ、腕を引きちぎり、次も腹を撃ち抜き振り上げた腕でその胴体を2分し。一撃必殺。殺戮に次ぐ殺戮。オメガの前では、蟻たちは崩れやすい泥人形のように、いとも簡単に塵へと帰していきます。
見る者を畏怖させずにおかない、圧倒的な力。
「何だありゃ。人間かどうかってレベルじゃねえだろ」呆れる志藤。

***

その活躍は、野座間製薬の役員たちの前のスクリーンでも、展開されています。押し黙ったまま見つめる役員たち。

***

屋上。
「志藤さん。こいつを配管に取りつければ、全館に供給される水に、ガスの成分が溶け込みます」
とうとう給水槽までたどりつき、声を上げる浅井。

その下ではアルファが、ゆっくり女王蟻を料理しようと回し蹴りにし――しかし、別の蟻に後ろからしがみつかれた隙に逃げていく女王蟻。そのまま給水槽へ駆け上がっていきます。慌てるアルファ。
「あ、……行っちゃった!」

給水槽。志藤を突き飛ばし、浅井の両肩を掴み上げる女王蟻。
「浅井!」

「うああああああああ!」猛り立ち戦いの興奮に吠えるオメガの声は、全館に響き渡ります。下の階で戦いながらも、思わず上を仰ぎ見る福田や土竜、望。

雄叫びとともに再び棒状の武器を引き抜くオメガ。作業中の浅井にとりつく女王蟻の身体にしなる鞭を巻きつけ、引き落とし、落ちてきたところを待ち構えるように拳で突き上げます。頭上からシャワーのように降り注ぐ緑の体液を浴びながら、仁王立ちのオメガ。

「ハッハッハ。……極端なやつだな」アルファも呆れています。興奮冷めやらず、なおも叫び続けるオメガ。

「浅井」起き上がり浅井のもとへ急ぐ志藤。「全員、マスク装着!」
声を上げ、装置のスイッチを入れます。事情を悟ったアルファ。
「たくもう」正気を失ったオメガに飛びつき、無理やり撤退していきます。
「フク? やれるか」インカムに叫ぶ志藤。

何体もの蟻に抑えこまれ覆いかぶさられた体勢のまま、志藤の声にも応答せず天井のスプリンクラーを見上げる福田。過たず銃で撃ち抜けば、全館に降り注ぐガスの水溶液。

たちまち鳴り響く警報音。どれほど危険な毒なのか、しゅうしゅうと泡立つ廊下、壁。発生する煙に悶える蟻たち。
「……」変身が解け半裸のマモルにも、望がマスクを装着させようと奮闘しています。
このガスは人にも影響する猛毒だったはず、とどきどきしました。マモルはマスクだけで大丈夫だったのでしょうか。
「うりゃあ!」声を上げ、塔屋の上から、ホースで蟻たちに散水する志藤。
マンションを取り囲む広い野原の枯れ草も、無残に溶け落ちていきます。

***

よろけながら立ち上がる福田。見回せば周囲の蟻は、すべて溶け、階の上には点々と腕輪が落ちています。
「大丈夫?」そしてマモルに肩を貸し、支えながら降りていく望が気丈です。その背後にも消えていく蟻の身体と、残される腕輪。

撤収

会議室。
「……安全なところにあって危険な檻の中を覗こうともしない役員諸君。これで少しは、この現実が伝わっただろう。いいかね? これが、この街に4000匹いるアマゾンだ」
スクリーンを通じ居並ぶ役員陣の顔を見渡す天条。もはや駆除班の予算増額に異を唱える者は、1人もいません。

マンション前。
「ああ、いってってって、ああ……」満身創痍。うめき、悲鳴を上げながら、文字通り死屍累々の中を引き揚げ、下までたどり着いた一同。
とくにマモルは痛い痛いと泣き叫び、包帯を巻いてやっていた望が
「うっせえよ」とつい叫んでしまうほど。
ノザマペストンサービスの車両を中心に、てんでに撤収作業に入っているなかで、ドアの向こうから仁の背に、ちらりと目をやる志藤。
その仁はまだ戦いの興奮冷めやらぬ悠のほうを見ています。
「……あのさ」
仁が口を開き、悠がそちらへ振り向いた瞬間。突如ドアの影から、仁の肩に撃ちつけられた電磁警棒。
「……!」何か言いたげに振り返り、志藤の顔を見て、そこで崩れ落ちる仁。
驚く駆除班、悠で以下次週。
実はこの感想文は4/22に書いていたのですが、
「UPする前にもう1回」と思い、第4話を観なおしているさなかに突然PCがダウン。慌てて翌日仕事が終わってから販売店に持ち込んでみましたが打つ手なしとのことで、その後は新しいPCを購入、セッティング、そしてアマゾンズの後に手をつけようと思っていた課題をやっつけ、結局今頃のUPとなりました。
何が言いたいかというと、いや福田さんかっこいいよねと。
リアルタイムで誰かに言いたかったのです。
第1話から気になっていましたがじわじわ来ています。かっこいいです。マンション1棟丸々蟻の巣だったという設定も面白く、駆除班の苦闘に興奮しました。悠もどんどん危ない感じになってきていますね。仁の明日はどっちかとか……は、あまり心配してません。たぶん自力でなんとかするのでは。
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2016.04.22 04:48 | amazonz ΑΩ | トラックバック(-) | コメント(-) |
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