LOVE! HEROES!

特撮番組全般、そして高岩成二さんと伊藤慎さんを応援します。

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先週は草薙の剣の故事(火を凌ぐのに穴を掘って隠れた)だね、と思ったり、望・マモルがいかに危地を脱するかが興味の中心だったのですが、脱してからが長かった。今回の暴力表現は凄惨でした。超人同士が戦って緑の血しぶきがとかそういうのは積極的に楽しむ性質ですが、今回のは現実に起こりそうなぶん逆に怖かったのです。わたしが子供だったら夢に見る自信がある。苦手な方にはお勧めしません。


Red hits green / uw67


アマゾンに対するために磨いた戦闘能力は、人間に向けるにはオーバースペック過ぎ、それを私刑に用いればその影響は大きすぎます。
だからこそ線引が必要だと言う仁。
そして、勘違いしないためにも、金になる仕事しかしないと言う志藤。この志藤の言葉は竜介狩りの裏づけにもなっていてよかった。

ただ、それにしてもマモルは、攻撃か逃げるかしかできないのでしょうか。
縛られる前に相手を捕縛するとか、もっと他に何かできたんじゃないかと思ったり。
そして今回も悠は苦悩するわけですが、その割に立ち直るのが早かったり、悠を受け入れる駆除班メンバーの懐が深かったり。志藤は順調に望、悠、マモルら若手にとっての“おやっさん”化しつつあります。

そして……衝撃のラスト! 引きが強いなあ毎週。
「お前確か、狩らなきゃいけないものは狩って、守りたいものは守る、とか言ってなかったか。そんな甘ちゃんでできるかって」
「ああしまった。高井くん、どうしよう!」


慣れ

廃車置場。
「おれの場所を、荒らすからだ……」
プレハブからもくもくと沸き起こる黒煙。サングラスを取り眺めている男。

***

資材置き場近くの広場。
悠の頭を片手で掴みあげている仁。
「……わかってるかどうか知らねえけどな。今お前が逃がした実験体、また誰か喰うぞ。お前の、せいでな」頭を抑えた手で、はじくように、そのまま悠を突き飛ばし、「化けもんの顔してなきゃできないなら、駆除班なんかやめとけ。お仲間にも迷惑だろうし。な」

「鷹山、だったよな。さっきの虫、実験体をどうやって見つけた。もううちの盗聴はしてないはずだよな?」去っていく仁を呼び止める志藤。
「さ、どうかな?」
「まさかまた!」歩み寄ってくる三崎。
「……嘘だよ」微笑む仁。「単純に警察の動き張ってただけ。そっちこそ、吊るされてたのが実験体の被害者だって、よくわかったな? 普通、やつら食料腐らせるなんて勿体無いことはしない」
「たまたまだ」
「たまたま、ね。……ま、そうなんだろうな。あすこらへんで変死体が発見されるんもさ。2度目らしいし?」
息を呑む志藤。その反応ににんまりと笑う仁。
「知らなかった? 3年前だから、実験体が犯人じゃないことは確かだよ」
志藤に顔を寄せ、
「たまたま」と相手の腕を叩く仁。たまたまー、と手を振り、今度こそほんとうに去っていきます。
穴の開くほどに、その背を見つめる志藤、三崎、福田。
「どういうことだよ? 単純に殺人事件?」
「さあな。とにかくそっちは望とマモルに任せて、おれたちは虫けらだ!」車両に向け歩き出す志藤。「鷹山の言う通り、あの状態じゃすぐにでも人を襲うぞ!」
「すいません。ぼくが逃がしたから……」声を震わせる悠。その前を行き過ぎつつ、三崎。
「まあ、しょうがない。こればっかりはさ、慣れないから」
「だからな。慣れないことに、慣れろ」振り返る志藤の声も存外優しくて、なおさらいたたまれない悠。
「……はい」
その肩を福田もぽんと叩き、車両に戻っていきます。

やがて決意の表情になる悠。

運転席でコール音が鳴り、慌てて乗り込む志藤。
『調査班です。一瞬ですが、識別コードの反応でました』
「フク!」

捜索

ノザマペストンサービス。その正面に立ち、ビルを見あげる七羽。

(駆除班の情報とか。仁のやつ、簡単に言ってくれるけど……前と同じ手は使えないだろうし)

迷ったようにその前を行き過ぎ、横から覗きこんだり、挙動の怪しい七羽。ということはまだ、七羽は盗聴に成功してないわけですね。
その時、同じようにノザマペストンサービスのビルの前で、うろうろしている少女に気づきます。
「カノジョ」呼びかける七羽。「ここに何か用?」
振り返ったのは美月。
「……あっ。す、すいません」おどおどしながらも、口を開く美月。「あたし、ここにいる悠に、水澤悠くんに会えれば、……その」
その可憐さ、初々しさが微笑ましくなってしまう七羽。
「あなた。悠の……お友達?」
「知ってるんですか?」

***

山野。銃を構え警戒しつつ、百舌鳥を探し求める駆除班。
「この辺一帯って。ちょっと広すぎんだろ。……坊ちゃま、どうよ、いる?」ぼやく三崎の問いに、
「はい。……でも、場所までは」と悠。
「悠に頼ってばかりもいられねえ。分散して捜索する。但し。発見してもすぐに手を出すな? すぐに招集かけろ。……悠、お前は行けそうだったら行け」
「はい」
「行けそうだったらだ」念を押す志藤。
「……はい」
散開する一同。

***

廃車置場。なおも黒煙をあげ続けるプレハブ。その前で、車のボンネットを鏡に、ボクシングのフォームをチェックしているような素振りの男。長身です。弓削さんだけなんですよね、伊藤ライダーに変身した時身長やプロポーションが変わらなかったの。
やがてそれにも飽きると、鉄パイプを手に取り、プレハブの方へ。
「一応見とくか」

「うあああああっ!」突如その背後で巻き起こる土煙。地表に穴をうがち、叫び声とともに地下から飛び出してきたのは望と土竜!

驚き振り返る男に、
「この野郎っ!」ととっさに旋風脚を繰り出す望がかっこいい。それを躱し鉄パイプで打ちかかってくる男。しかし立ち上がり掴みかかる望はあっさりその後ろを取り、鉄パイプで喉元を抑え制圧します。たまらず膝をつく男。
「マモル! こいつ虫だな!?」
「人間だよ」
「……人間?」
呻く男。望が手を緩めた隙に、手を振りほどき、横ざまに鉄パイプを振って牽制します。転がって避ける望。
「お前ら何なんだよ!?」
ご尤もです。銃に手をやりかけて舌打ちする望。
「人間か……」
相手の攻撃をかいくぐりすかさず蹴りを繰り出す望。しかしその電磁レガースの殺傷能力を危うく思い出し、
「やべっ」と足を止めます。たちまち男に殴り倒される望。
「高井くん!」
倒れた望の腹を踏みつけ、頭部を鉄パイプで打つ男。
「高井くん!」突進する土竜。
「だめだ……よせ」それを止めるのはほかならぬ望。
「どうして!?」
「人間だ……」
「……」
「マモル……にげろ……っ」苦しい息で必死に止める望。
「高井くん!」
望の肩を蹴り飛ばし、鉄パイプを振り上げる男。
「動くなよ? 怪物」
土竜に釘を差し、慎重に位置を変えて、徐ろに手を上げ……また望に打ち下ろされる鉄パイプ!
荒々しく吠える男。望のくぐもった悲鳴。
この後も男が望に加える暴力は、決定的なシーンは車の影になって見えないよう工夫されていますが、見えないほうが怖いんだってば。

発見

山野。一人ひとりばらばらに百舌鳥を探し求める駆除班。
「いるかな」
「いないね」
「いないかあ」
楽しげに鳥の巣箱をつついてみるハイキングの男女を見つける三崎。銃を隠し後ろ手に近づいていきます。
「……いいですねえ。あのう、すいませーん。あ、こんにちはあ。あのですね、今からここで、危険な作業入りますので。ちょっと離れていただいてもよろしいでしょうか。すいません」
「何あの人」
「わかんない。コスプレ?」
「ええー。きもくない? 行こ?」
散々な言われようながらあっはっはと流す三崎の味方になりたい。立ち去る男女に、
「お気をつけて、すいませーん。……きもいって」どんまい。「この仕事のきつい瞬間トップスリーだなー」
自分も立ち去ろうとして、ふと男女が叩いていた小鳥の巣箱を、とんとんとつついてみます。人間がそんなことする巣箱には入りませんって。

***

ぶらぶらと歩む悠。谷のほうの竹やぶに、屈みこむ白い影を見かけます。志藤に現在地点を送る悠。

***

「……?」悠からの連絡に目を剥く志藤。「フク……カズ!」後の2人を呼びながら走り出します。

***

報告を終え、ゆっくりと降りていく悠。その先には白いジャージ姿の、新聞配達の男が座り込んでいます。
「い……いやだ。やめてくれえっ」泣きじゃくる男。
警戒しつつも、近づいていく悠に振り返り、
「あんたも……アマゾン?」
答えず立ち尽くす悠。
「そうか。さっきの……あんた、人、喰ったことは」
首を振る悠。
「おれは、あん時……初めて」

男の回想。廃車置場の中を、ふらふらとプレハブの方へ近づいていく新聞配達の男。
「好奇心で、入っただけだったと思う。でも。あれを見つけた時」
鎖でぐるぐる巻きにされ、車のシートに座らされている女の死体。
「身体が勝手に動いてた……」
その全身からしゅうしゅうと蒸気が吹き出し、気づけば死体を車の外に引きずり出して、食べようとしている百舌鳥。しかしその腐敗臭にたまらず放り出します。
「……でも。食べられなかったんだなあ。もう腐ってて。じゃあ、誰が?」
投げられた死体は電線に。自転車に戻り、走り去ろうとしていた新聞配達の男。そこへ入れ違いに入ってくる、オーナーの車。先週の冒頭シーンへ。


嬲る

「……あ、……っ」
廃車置場。そして血まみれになり、整った顔は土埃で汚れ、地面に横たわる望。
身体は鎖でぐるぐる巻きにされています。
かろうじて息のある状態。
望をそうしておいて、土竜をも廃棄された車両に、鎖で縛り付けている男。
「お前……マモルに、何した……っ」なんとか首をそちらに向け、喘ぎつつ問う望。
「別に。ちょっとした運動だよ。昔からさ、動いてるものを叩いて壊して、動かなくなると生きてるって感じがすんだよな」
苦しげにもがく土竜を観察するように、うっとりと言う男。
「すごくすっとするよ……こんなふうに!」
立ち上がり、再び鉄パイプを、土竜の首に叩きつける男。くぐもったうめき声。
「……やめろ」悔しげな望の声。「マモル。そんなっ、鎖引きちぎれんだろ。やれ……え」
「でも。高井くんが」
「そう。……こうなる」
土竜を蹴りつけると鉄パイプを投げ出す男。今度は両手にボクシングなどで使われる拳用のサポーターを装着します。
望の傍らに外れ落ちたヘルメットを邪魔そうに蹴り飛ばし、馬乗りになって、徐ろに拳を望の側頭部に振り下ろす男。
「!」望の悲鳴は声になりません。
もう一撃。
「高井くん! ……やめろ!」
「い、……から、にげろ……」
さらに拳を振りかぶる男。望の小さな頭を左手で持ち上げては、右手で打ち下ろす、その繰り返し。
「やだ! やめろぉ!」身悶える土竜。
「おい。何であんな怪物がいんのか知らねえけどさ。おれの場所が荒らされたのもお前らのせいなんだろ? ……おれが害虫を駆除してやるよ!」
無言の望になおも殴りかかる男。
「うりゃ!」
その長い髪の毛が強く引っ張られ、解けて乱れ。この辺りは直視できない凄惨さでした。
「高井くん! やめろ!」と土竜のほうが悲鳴をあげています。
サンドバッグのように繰り返し、長身の男の全体重が、望の小さな頭部に、衝撃を以って。
「はっはっはっはっは……!」
とうとう男が笑い出した時、鼻や口、耳からの出血で顔を赤く染めた望は気を失い。

告白

山野。
「まさか。あそこのオーナーが人を?」新聞配達の男の告白に、驚愕する悠。
「……かな。でも」両手を地面につき、うなだれる男。「そんなことどうでもいい! ……そん時からおれは……、もう……、ああっ、はラが減って。腹がへってェ……」

先週はあんな感想文を書きましたがわざと告発したわけじゃないようです。そんなことどうでもいいとか言われてしまいました。
それにしても、監視カメラ付きとはいえ、誰でも入れるようなところにあんなふうに死体を放置するとは豪胆な殺人犯です。
わたしは地下室に死体が転がってて、それを望が目撃するんだと思ってました。

「だって。人じゃなくても、人を食べないアマゾンだっている!」思わず男を慰めようとしてしまう悠。
「だめなんだ! 本性なんだ。おれたちの……」顔面に穿たれた2つの穴のように、無表情な目。その時泣きじゃくる男の全身から熱量が吹き出します。百舌鳥となり飛びかかってくる相手を、とっさに
「アマゾン!」と変身し、その熱量で弾き飛ばすオメガ。
「悠大丈夫か!」ようやく到着した志藤たちの声に跳ね起き、百舌鳥を追います。

***

「そう。悠がアマゾンだって知ってるんだ。それで? 連れ戻したいわけ?」
雑居ビルの、七羽の部屋。美月を誘ってきたようです。
「ほんとうは、悠はあんなふうに戦う子じゃないんです。……すごく優しくて。熱帯魚をかわいがっていて。いつもわたしに」

美月、お帰りと微笑みながら水槽の前で手招きする悠。
いつもながら水槽の向こうから中を覗き込む悠の姿は、すっぽりと水槽の枠線のなかに収まっていて、まるで悠自身が水槽の中に入っているような撮り方です。


「悠が家に来てから、悠とすごす時間が一番楽しくて。それまで冷たかった家もすごく居心地がよくなって。悠も、あの部屋にいる時までは穏やかでした」

「この部屋は、ぼくの水槽ってことかな」笑って言った悠。

「それなのに、あんな姿になって……あんな苦しそうに戦うなんて」

水澤家の光あふれる白い部屋とは対象的な、七羽の部屋。薄暗く、ものは雑多に散らかっていて、その中央でビールをらっぱ飲みする七羽。

「……そんなのひどいです。だからわたし、悠を助けなきゃ、って」
「それはね、大きなお世話、ってやつ。ごめんね? わたしが悠にアマゾンのベルトを渡したの」
「どうして」
「生きるために」
「生きる、ため……?」

犠牲

「うああああ!」
野山の一角。ハイキングの男を捕らえ、その首筋に噛み付いている百舌鳥。それを投げ出すと、今度は腰を抜かして逃げられない女の方に飛びつきます。
「きゃああああああっ!」
男の身体は木の高い梢にぶら下がっています。
近づいてくるバイクの音に食事を中断する百舌鳥。立ち上がりオメガの方へ駆け寄ってきます。バイオレントバニッシュ。すれ違いざまに斬り捨て、バイクを停めれば、足元には百舌鳥に襲われ倒れたままの女。

「今お前の逃がした実験体。また誰か喰うぞ。……お前の、せいでな」

仁の言葉を思い出し慄然とするオメガ。立ち上がってくる百舌鳥の気配に振り返りつつ咆哮します。
ついに完全体となった百舌鳥。バイクのシートを蹴って跳びかかるオメガは、しかし相手の力が強く、翻弄されてしまいます。地に倒され、投げ落とされ、蹴りはかわされ、それでも猛然と立ち向かうオメガ。
「成長してやがる……!」追いつき、その泥臭くもある戦いを目撃する三崎。銃口を向ける福田。
志藤は横たわる犠牲者に気づきます。
「きっと仮死状態のはずだ」
合図し、援護に近づいていく駆除班の面々。その眼前で必死に戦い続けるオメガ。

喰うか喰われるか

「かれは檻から出て、自分で生きることを選んだ。そりゃ苦しいかもしんないけど。もう一度檻に戻すのは、もっと苦しいんじゃないかな」
そのオメガの戦いにかぶせるように、ぼそりと低く言う七羽。その意見に驚愕する美月。
「檻に戻すなんて、そんな! 今度はちゃんと、一緒に外にも出るし、もっと自由に」
「ほんとに自由? それ」
「……どうして、みんな悠をそんなに」目を落とする美月。「悠は絶対そんなふうに戦う人じゃない」
「そっか」

***

「おおおっ!」蹴り飛ばし、突き倒すオメガ。振り払われても雄叫びを上げて跳びかかり、今度は後ろを取られて抱え上げられ、樹の幹にぶつけられ。
武田刑事にしたように、オメガの身体を木に引っ掛けてひたすらその腹を打つ百舌鳥の攻撃がきついです。
その背に炸裂する福田らの銃弾。逃げ出す百舌鳥。
「あんな大物逃げられちゃ、商売上がったりだ!」
叱咤しつつ追う志藤。
オメガを木から抱え下ろす三崎。
行け坊ちゃま!
「おおおおっ!」起き上がり走り出すオメガ。

走って逃げる百舌鳥。
福田の狙撃がその足を止め、志藤が短銃で連射しつつ近づいていきます。そこへ再びバイクで突進するオメガ。
前回のように跳ね飛ばすのではなく、衝突の衝撃で百舌鳥の肉体が四散しました!
バイクを停めてもなお、しばし肩で息をするオメガ。
「悠。望とマモルに合流だ」
志藤の声に、先に発進していきます。

合流

廃車置場。襤褸のようになった望の身体から立ち上がり、ゆっくりと伸びをする男。再び鉄パイプを取り、また土竜に殴りかかります。
「ばう!」吠える土竜。
「さっすがに怪物はしぶといなあ。すごいやりがいがある!」楽しげに笑いつつ、バットのように鉄パイプを振り回す男。「おれ今すごい、生きてるよぉっ! ひょおおおっ!」

「……ぜったい、ゆるさねえっ……ぜ、ったい……」うつ伏せに放置され、うわ言のようにつぶやく望。

土竜を叩き続ける男。その背に、突然上空から跳びついてくるオメガ。
「はああああっ!」と男を突き飛ばし身構えます。
「水澤くん!」歓声をあげる土竜。その鎖を一撃で斬るオメガ。その足で男へ迫ります。
「高井くん!」自由になるやいなや望のもとへ駆けつける土竜。

「望!」
「ああ、やられたなああ」
そして今ようやく到着し、望の惨状に驚愕する志藤たち。
「大丈夫?」とおろおろする土竜に対し、
「早く外せ」とあくまでも気丈な望。たちまちその身体を拘束する鎖が切られます。

「あ、ああ……やめろ」怯えたように蹲りオメガを見あげる男。その喉元を掴み上げるオメガ。「やめろっ」
「うりゃああああっ!」
無理やり立ち上がらせ、男の身体を手近な廃車にぶつければ、たちまち四散する窓ガラス。
「……このやろおおっ」そしてなんとか立ち上がった望も、男へ突っかかって行こうとします。志藤、三崎、そして土竜も彼女の怪我を気づかっているのですが、知ったことではない。
「やめろ」後ろから抱きとめる志藤。小柄な望はその腕の中にすっぽりと入りますが、それでも押しとどめられません。
「どうして!」歯噛みし、身悶えする望。
「人間だ!」体重を後ろにかけ、必死で止める志藤。
「そうだけど!」
「望!」

断罪

その望に代わり、抑えきれない怒りの目で男を見下ろすオメガ。恐怖にすくみ、みっともなく地に座り込んだまま、後ずさる男。
「があああああああ……っ」その腕を振り上げるオメガ。「!」
怯える男へ拳を振り下ろした瞬間。何処からか現れた赤いものがオメガの足を払い、身体に巻きつくように投げ倒します。

「たく、暴走する癖があるな、お前は」巻きついた赤いものとはアルファ。オメガを組み伏せのしかかるアルファに、
「どいてください……っ!」と足をパタパタするオメガが不覚にも可愛かった。
「ばあか、どけるかよ」笑うアルファ。
「その男は! 殺人犯なんです!」
「だからどうした」
「どいてください……っ!」低く唸るオメガ。
そして望も同様に、志藤に抑えられつつもがいています。土まみれの顔の中で、睨みつける目だけが白く。
足をばたつかせもがくオメガ。
「どいてください……、あああああああっ、どいて……っ。どけえええええっ!」
「あ、そ」
突如ひょいと立ち上がるアルファ。続いて立ち上がるオメガ。慌てるのは殺人犯の男です。
「おい、お、ちょっと待ってくれぇ。やめろ、」
「あああああっ!」
激情とともに殴りかかるオメガ、すかさずその鳩尾に拳を入れるアルファ!
がくりと崩れ、地に突っ伏したまま変身を解く悠。
「う、……なんで、」
「おれはな」その前に立つ仁も、変身を解いています。「人とアマゾンは単純に、でも絶対的に切りわけてる。だから」
へたりこんだままの殺人犯の前にかがみ込み、まじまじと見つめる仁。
「どんなやつだろうと、人である限りは守る。それだけの話だ」
「でも。そいつは」身を起こす悠。
「お前、おれが自分の都合でアマゾンを殺してるって言ったがな」振り返る仁。「おれから見ればお前のほうこそ、だ。……守るもんと守らないもんと。お前の都合で選り好みしてんだよ。自分の中で線引ができてない」
俯いたままの悠の頭を、手に下げたベルトでかちりと小突き、踵を返します。
「……だからふらふらすんだ」
「!」
言い返す言葉もなく、ただ地を打つ悠。

「引き上げるぞ」三崎とともに望を支え、歩き出す志藤。まだそこにしゃがみ込む悠にも優しく、「悠。……行くぞ」
「あっ、……痛、」その時可憐な声を上げ屈みこむ望。足が痛むのか右の靴を緩めようとしています。
「望。大丈夫か」途端にうろたえた志藤の手が緩んだ、その瞬間。

「くぉのやろおおおおおおおおっ!」

へたり込んだままの男に跳びかかっていく望! 靴を脱ぎ捨てた、その素足の回し蹴りが炸裂……するかと思えば、男の前にただ佇む望。彼女の蹴りは、人間を相手にするには強すぎるのです。
望は人間を殺めない。肩で息をする望。
それを確認した駆除班の面々は、改めてすたすたと去っていく仁の背中を見ています。
「線引、か」
「ああ。実際やるのも難しいし、覚悟も要る。だからな、おれたちは金になるかならないか、それで動くんだ。その一線を越えたら、いつか勘違いするからな……おれたちは、正義の味方になるな」
今ようやく顔をあげ、去っていく仁を見つめる悠。

(……それでもぼくは、)

***

「悠を連れ戻したいです。それでもあたしは、悠を」
雑居ビルの、七羽の部屋。それはエゴかもしれないと、承知のうえでなお決然という美月。
戸口で一礼し、ばたばたと出ていきます。

新たなる

廃車置場。
「……いった、」頭を抱える望。
「望大丈夫か」
「はい」脱いだ望の靴を拾い、差し出す悠。受け取る望。
「たく。来るのおせえんだよ」毒づきながら履き直します。
「どういたしまして」
「はあ?」よろよろと立ち上がりながら顔を上げる望。
「なんか、ありがとうって言われた気がして」
マモルがうれしそうに三崎の顔を見ます。三崎も、
「おお? 慣れてきたんじゃないの坊ちゃま!」
「坊ちゃまって言われるのは慣れませんけど」
あっは、と笑い出す三崎。ニコニコ見守っているマモル。
それを背後に振り返る志藤も、
「さあとっとと帰って! ……宴会するぞ」
「よいしょおっ!」ガッツポーズの三崎。
「やったあ! 早く帰ろ!」悠を急かして走り出すマモルの足取りが軽やかです。ええと警察とか呼ばないのでしょうか。

***

サンルームに車いすの老人の影。
レースのカーテンごしに声をかける中年の男。
「会長。お時間いただき、ありがとうございます」
「……橘くん。きみに時間を与えるのは今に始まったことではない。国際営業戦略本部に独自の研究部門を設けてどれほどだね?」
無言で頭に手をやる橘。恐縮のふりでしょうか。
「その存在感のなさは驚異的だ」
「もおーしわけございません。逐一ご報告するのも、ご迷惑かと思いまして。今まで控えておりました」
「では報告に値する成果があると」
「はい! 今あるアマゾン細胞をより進化させたアマゾン生命体が、ほぼ、完成いたしました」
「ほぼ? わたしはそういう曖昧な表現は好まない」
「承知しております」あくまで調子のいい橘。「しかし、100%に見たない要素は、会長のお口添えがなければ手に入りません……アマゾンのベルト。あれのデータさえあれば、今すぐにでも」
黙したまま、くわと目を見開く天条の横顔。
そして檻の中では、甲虫の如き光沢のアマゾンが蠢き――。3号ですかもしかして!

次週、文字通り虫が蝟集します。3月撮影であの衣装は寒かったでしょうね……
同日追記。見直したら望の靴は脱げたのでなく屈んでわざわざ脱いでいたので改めました。関係者のtwも貼りました。他の方の感想を見ると、望の蹴りは炸裂した派(靴を脱いで威力を落としたので男は失神した)と、望がぎりぎりのところで踏みとどまった派があるのですね。
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2016.05.20 10:39 | amazonz ΑΩ | トラックバック(-) | コメント(-) |
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