LOVE! HEROES!

特撮番組全般、そして高岩成二さんと伊藤慎さんを応援します。

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ああ、いったいどうなることかと緊迫した前回でしたが、なんというのか、シーズン2にスムーズにつながるエンディングでしたね。
鷹山仁、水澤悠、2体のアマゾンの物語を、見届ける駆除班の人々。
「人間を守る」という確固たる信念の元戦い続ける仁が、途中からその力に酔い痴れ、か弱い未覚醒アマゾンたちにとってはまるで人里を襲うおとぎ話の鬼か何かのようで、弱者と強者の逆転現象に正義って何だと不安になるほどの素晴らしいバーサーカーぶりでした。
そして己の運命を呪い、アマゾンが人を喰らおうとすれば人を守り、仁が未覚醒アマゾンを襲おうとすればアマゾンを守る、悠の怒りと諦念と痛みを包括したあの静かな表情が、美しくて美しくてびっくりしました。


Rosette red green / A_Peach


人間側のドラマとしては会長の怪演がすごくて橘がまともに見えるレベルでしたが、駆除班各人のプロフィールが、ちょっとだけですが描かれていましたね。公式に書かれていた、かれらがお金を必要とする理由と、その日常が。でも、そういうのより、やっぱり駆除班はチームでなくっちゃと、マモルではないですが思ってしまいました。
視聴者が感情移入すべき、ドラマの見届人。である以上に、この人達自身に愛着を持ってしまったのです。潜入捜査に先立ち望に笑顔のレクチャーをする三崎、お手本を見せるマモルと、かれらを見守る福田や悠。姿を消したマモルを探そうと、言い出しかねる志藤の含羞。あの猥雑な待機所の空気。この人達が大好きです。
ただまあ、1つ突っ込みたいのは、水澤自身、
「成功確率は8割9割」と見なしていた通り、Tlalocの後も数百体は確実にアマゾンが生き残っているのになぜ即座に駆除班の解散を認めたのだろうと、そのことは疑問でなりません。志藤たちは辞めるにせよ、代わりの人員を補充しようとする動きがあってしかるべきなのに、それをせず調査班で代用しようというのが――無茶なような。

さあ、来春のシーズン2では、またかれらの活躍が見られるのでしょうか。
三崎の悲鳴と、土竜がその肉塊をむさぼり食う音。顔を背け震える福田。
「ぼくがアマゾンでも、変わらないでいてくれてありがとね」と悠に言われ俯く美月。
仁の、戦いに酔った哄笑。泣きじゃくるマモル。すべてが消えた土砂降りの雨の中――。


混乱

疲労のゆえか、おぼつかない足取りながら震える足を踏みしめ、警戒しつつ市街を行く望と志藤。
「マモルーッ! はるかーッ!」
「くそっ、この風じゃどうにも……っ!」
激しい風が降りしきる雨粒を飛ばし、視界を白く曇らせていきます。ゆっくりと地面を探るような足取りの、その足首にふいに何者かの手がかかり、驚き飛び退る志藤。
手の主は、ずぶ濡れで地に倒れていた女。
「たす……けて、助ケ……」と喘ぐように言いかけて、しかしたちまちその顔の半面は醜く溶けていきます。立ち尽くす志藤のそばで、全身から白いガスを吹き上げ、見る間に細かい分子へと分解していくその様を正視できず、顔を背ける望。
「もしかして、マモルと悠も」と言うその声が、震えています。「なんかさ……何もここまで……!」
「よせ」止める志藤。恐怖に強ばったようにも、取り残された子供のようにも見えるその顔。「下手にそっち側に立つんじゃねえ。抜き差しならなくなるぞ……悠みたいにな」
無言で目を伏せる望。視線をそらす志藤。

***

同じ雨の中。
疾走するノザマペストンサービスの車両。後部座席に横たわる三崎は、体温低下のためかひどく顔色が悪く、息も絶え絶えながら、なおも、
「……っ、フクさん……マモちゃんは」と問いかけます(´;ω;`)
「いいから黙ってろ!」緊張と焦燥の色がにじむ福田の声。「もうじき病院だ」
「無事かな……もし無事なら今頃……1人で泣いてるよ……くそっ……」三崎の喘ぎは嗚咽のようにも聞こえ、運転席に収まったまま、無言で顔を歪める福田。

***

路地の奥。まだ半裸のまま、うずくまっているマモル。すすり泣くその声を、聞きつけて走り寄ってくる悠。
「マモルくん! 早く、早く逃げて……!」叫びつつ駆け寄ってきて、立ち上がるように促しますが、マモルは動こうとしません。「逃げなきゃ……! マモルくん!」
「ぼく」うずくまったまま、その手を振り払うマモル。「みさきくん、たべちゃった……っ。ああ、あああっ……」
「……そうか」上着を脱ぐ悠。
美味しかった……っ」
「そうか……」
かがみ込み、その両肩に手を置く悠。そんな2人に、ようやく追いついた美月が後方から見ています。
「どうしよう……、どうしよう……」
「マモルくん」マモルの動揺をなだめつつも、頭上のドローンの音が気になる悠。「早く。まだ覚醒してない」
「もう、戻れない」頭を振るマモル。「戻ったら……また食べちゃう……」
泣き声を上げるマモルを、揺さぶる悠。
「いいよ! 食べてもいいよ
「……?」
「だって。それがアマゾンでしょ!」
必死に説得する悠。
「正直、人を食べちゃいけない理由なんてわかんない。そのせいで、アマゾンが生きてちゃいけない理由ってわかんない!」
悠の叫びを呆然と聞くマモル。美月。
「……だって生きるのは……っ!」

女王蟻に襲われるオメガ。その攻撃を、拳で止めつつつぶやいたアルファ。
「そして生きるっていうのは、他の誰かの命を喰らうってことだ!」


「……他の誰かを、食べるってことだよ!?」マモルの肩を揺さぶり、なおも続ける悠。冷たい雨に濡れて重い衣服、雨音に叩かれて聞き取りづらい声。
「……でも、」まだ躊躇するマモル。「三崎くんを食べたのは嫌でしょ!」
「うん」先ほど脱いだ上着を、ようやくその裸の肩に着せかける悠。その胸に揺れる五円玉に、マモルも目を留めます。五円玉をつかみ、マモルに示す悠。「もしかすると、ぜんぶの理由がここから見つかるのかも」
頷き、己の胸に下がる五円玉を、握るマモル。その顔を間近から覗き込み、また頭上を通るドローンの音に天を仰ぐ悠。
「でも今は、なんでもいいから、死んじゃだめ! 早く、いこ!」
マモルを強引に立ち上がらせる悠。
「早く!」よろよろと歩き出す2人。見送る美月は、目の前を通り過ぎていく2人に何もできずにいます。

***

女王蜂に触発されたのか、街のあちこちで次々と発生する蜂アマゾンたち。覚醒を遂げたものも、そうでないものも、雨に溶けていき、惨劇を目撃した人々の悲鳴が、街に響きます。

***

雨と、それにより発生したガスを拡散させる風は野座間製薬本社の前庭にも流れ、アルファが実験体たちと乱闘を繰り広げていた芝生の上には、点々と落ちている銀の腕輪。

***

雑居ビル。屋上へ至る階段。

***

数時間後。静寂を取り戻した街の様子を映し出す、いくつもの映像。それを見守る加納。
「――Tlaloc終了です」
水澤の机上に置かれた起動端末にも、<Complete Tlaloo operation>の文字が浮かんでいます。その背後で机に両肘をつき、額に両の拳を当てた水澤は、まるで祈っているようにも見えます。
「悠は……?」
「連絡とれません。おそらくは」
そのまま、動かない水澤。

***

降り続く雨の中、立ち尽くす美月。

解散

翌日は快晴。にも関わらず、薄暗いノザマペストンサービス・駆除班待機所。マシンのそばに腰かけた望に向かい、茶封筒を差し出す志藤は、髪に櫛目も入りいつになくこざっぱりとして見えます。
「最後のギャラだ」
「ほんとに解散すんのかよ」言い返す望も、白いジャケットが今までの隊服とは正反対の清楚な印象で、お互い、日常に還ろうとしているのがその出で立ちからも感じられます。
その射るような視線に背を向け、座卓の前の三崎にかがみ込み、無言で封筒を差し出す志藤。三崎が受け取ると、今度はキッチンスペースのカウンターを定位置とする福田にも。立ち上がり一礼して受け取る福田が礼儀正しい。
「Tlalocで死んだ虫はカウントされてねえが、協力したってことで、上乗せされてるはずだ。それから一也。お前には別で見舞金も入ってる。……その程度じゃ、割に合わねえだろうがな」
「あざっす……」
荷物を肩にかけ、戸口に立つ志藤。一同に背を向けたまま、

「もういいだろ。潮時だよ」

沈黙。座卓の前におかれた空き缶に、ただ目をやる三崎。福田。望。電車の音。そして振り返る志藤。
「――じゃあな」
遠ざかっていく足音。腰かけたまま、溜息をつくように頭を下げる望。

成果

野座間製薬本社・会長室。
「水澤くん。トラロックの成功、おめでとう」
「ありがとうございます」
「それで。3週間経って、その後の様子はどうだね?」
「はい……」言いにくそうに、そこに立つ橘へ視線をやる水澤。
「気にすることはない。参考までに話を聞きたいというだけだ」
「勉強させてもらうよ?」おどけて変な頭の下げ方をする橘。
「ではまず。駆除した実験体の数ですが、回収した腕輪は、3000弱。過去の駆除と合計しますと、約3分の2が駆除できたことになります」
「素晴らしい!」頓狂な声を上げる橘。「つまり残った実験体は……、あっ、たったの1000匹だ!」
「まだ未回収の腕輪が相当数あると思いますので」指をつきつける橘の無礼を睨み返す水澤。「そこまで残っているとは」
「いや。残っていていいのだよ」口を挟む天条。「そうあるべきだ。個体差こそ面白いのだから。……で、水澤くんのつくったアマゾンは、その中に入っているんだろうね?」
じろりと横から見つめてくる橘、背後に立ち尽くす加納。正面から見据える天条。
3者の視線が工作する中で、しれっと言い放つ水澤。
「それが……わかりません」
「探し給え! 他の生き残りも、すべて」
「はい。もちろん調査はするつもりです」
「いや。しかしそれは一体誰が?」口を挟む橘。「確か、駆除班はもう解散したとか」
「ご心配なく。調査班は残っておりますので」
「ほ、それは良かった」
白々しいと言いたげに橘を睨み、天条に目をやる水澤。

晴れた空。かもめの声。岩場に広がる緑も青々しく、美しい海。
海岸沿いの道をひた走る一大の車両。
「こちら調査班。これよりエリアに入ります」マイクに向かって報告し、そのままカーブの向こうへ消えていく車両。その向こうに何があったのか、急ブレーキの音と男の悲鳴。衝突音。『……こちら調査班……生き残りの実験体を発見……!』

しかしその声の流れる駆除班待機所は無人。

『……っ、ぎやあああああああああっ!』そして咀嚼音。

志藤

夜の街。スナック早苗、という看板が灯っています。
カウンターで痛飲しているのは志藤。
その隣の席に、鞄を投げ込むように置く新客。
「いらっしゃい」
「ビール」と、マスターに告げる声が加納です。顔を上げる志藤。
「……何の用だ」
「携帯が誰も通じなくなっていて、唯一あなたの周辺事情だけ、わかっていましたので」
舌打ちする志藤。
「あんたんところの本部長に、紹介してもらうんじゃなかったな」
「でも名医だったかと。お子さんの手術はいかがでしたか?」
加納の前に手が伸びて、ビール瓶とグラスが置かれます。
「さあ。もうずっと会ってないんでね。やりとりは金だけだ」グラスを呷る志藤。
「なるほど。ではもう一度稼ぎませんか」
「……っ、げほっ」むせる志藤。「はあ?」
「実は、生き残りの実験体を探していた調査班が、あるエリアで行方不明になりました」ビール瓶にハンカチを巻きつけてから持ち上げ、グラスに注ぐ加納。「……数十匹の識別コードをキャッチしてます。やはりTlalocの生き残りは、相当数いるかと」
「そいつは大変だなあ」
「駆除班に行っていただきたい――本部長からの伝言です」
「断る。そんな物騒なとこ冗談じゃねえ」
「あなたがたなら慣れたものでは」
「慣れるかよ!」突如激高する志藤。目を伏せる加納。「一度離れるとな、自分たちがどんだけやばい仕事してたかわかる。あんなもん、毎日のように見てたとはな」
「ギャラは1体につき」
「断ると言ったんだ」
「そうですか。残念です」グラスにもハンカチを巻きつけ持ち上げる加納。一気に飲み干し、ごくりと飲み下します。「ごちそうさまでした」
マスターに告げ立ち上がる加納。あれいつ支払いをしましたっけ。
「……ああ。そういえば」
「?」
「その場所で、Mらしきアマゾンの目撃がありました――これを落としていったと」
釣り込まれるように振り返る、志藤の目の前に差し出されたのは、首から下げられるよう紐に通された一枚の五円玉。



児童養護施設。
「ゆう。よーし、今日は何をしようか」子供たちに笑顔で問いかける若い女は、望。
「サッカー!」
「サッカーでいいの? 何がいい?」
「鬼ごっこ……」
「鬼ごっこにする? 時間を分けて両方やる?」
その姿を生け垣の向こうから覗いている志藤さんが不審者です。
気配に気づいてか、振り返る望。声をかけるのをためらい、ただ五円玉を掲げてみせる志藤。顔を背ける望に、傷ついたような顔で五円玉を掴んだ手を下げる志藤さんが可愛いです。
再びくるりと振り返り、笑顔を見せる望。

福田

老人介護施設。
緊張した面持ちで腰掛ける上品な老婦人。
「いつもお世話になってます。……先生」
怯えたその顔を、優しく覗きこむのは福田。
「寒くない? 母さん」と、認知症らしく自分の存在を認識しない母親の世話をやく表情が柔和です。
その背後に立つ影。振り返ると、居心地悪そうな顔で志藤が立っています。首からまだ自分の分の五円玉を下げた志藤が、その手で高く掲げたもう1枚の五円玉を、見逃さない福田。

三崎

「いや、ちょっちょっちょっちょっちょ」右手を広げ、相手を押しとどめるようにしながら後ずさりする三崎。赤い柄物のシャツが派手です。「ちょっちょっちょっと待ってくださいって! あっ」
背後のフェンスにぶつかり、左の義手の付け根が痛むのか手を当てる三崎。逃げ場をなくした彼の前に顔を近づける2人の男はおそらくは借金取り。
「半分以上返したじゃないすか。腕、1本売ったんですからね、一生これ」
笑いながらそれをなぶる男たち。
「へえ、だったらもう1本売れよ!」と義手を引っこ抜きます。
「ああっ! ちょっと! もう!」
「1本1本やかましいよ」
「はっはっは、いいなあこれ!」
三崎の義手を玩具のように弄ぶ男たち。
「こんなことしてどう責任取るつもりですか」
「やっかましい」
「あ、痛、痛……」
「わざとらしいw」
笑いながら仕上げに引きぬいた義手を、三崎の胸に投げつける一方の男。
「あっ、おれの……っ」
その背後から近寄ってきた若い女に、1人は背後から股間をやられ、もう1人は鳩尾にパンチと足払いを重ねてくらい、ばたばたと倒れます。
「……っ、あれ?」
若い女は望。驚く三崎の前に、静かに五円玉を掲げます。
「……へっ」笑う三崎。五円玉に通されたのと同じ紐が、今もかれの首にはかかっていて泣けます。

命令

海辺の道。小さな港に停められた、駆除班の車両。スライドドアを開け降り立ってくるのは武装した志藤と福田。
後部座席からは三崎と望。
『残っているのは、Tlalocを生き抜いた実験体です。ガスは効きませんので、こちらからの援護は期待しないで下さい』
加納の声を聴きながら、周囲を見回す一同。

『それから、もし悠くんが生きていたら、』緊張に足を止める一同。

***

野座間製薬本社。水澤の執務室から、電話している加納。傍らには憂い顔の水澤。
「――保護してください。との本部長からの伝言です」

***

「相変わらず簡単に言ってくれる」ため息とともに吐き捨てる志藤。
「ここにマモルも……?」進み出て港を見下ろす望。
「もしかしたらな。覚醒してるかどうかもわからねえ」
「してたら?」三崎の問に振り返る志藤。
「あの時はまだしてなかった」と福田。
「とにかく探しだしてからだ。行くぞ」歩み出す志藤。

見通しの悪い田舎道。晴天の下、警戒しつつ進む一同。その時警戒音が鳴り響きます。確認し、
「識別コード反応」と告げる福田。「前方から1匹」
「ぴるるるるる」果たして百舌鳥アマゾンが1体、走り寄ってきます。
「来たぞ」
銃口を向ける志藤、身構える望。しかしまたも警戒音。
「左手に2匹!」
はっと振り返れば、すぐそばに迫っていた2体のアマゾンが横手から跳びかかってきます!

遭遇

砂浜に続く丘。
揉み合いになりつつなんとか蟻アマゾンに銃弾を命中させる三崎、福田。
その背後では百舌鳥と格闘になっている望。
ふた手に分かれての白兵戦。三崎の片腕アクションが逆に強そうです。
「ええええっ!」鋭く叫び電磁レガースと電磁ナイフで攻撃を加える望。志藤が倒されつつも銃撃でその隙をつくったところへ跳びかかり、ナイフで百舌鳥の首筋を切って仕留めます。
そのまま砂浜で暴れている蟹に跳びかかっていく望。その腹に電磁ナイフがつきささります。
しかし一息つく間もなく、
「新手の虫、18匹」と告げる福田。
「ああ?」
「囲まれてます」
隠れていたのか一斉に走り寄ってくるアマゾンたち。
「たく。まじかよ」
各自数体ずつを相手に戦う駆除班の獅子奮迅ぶり。というかこんなところに調査班を送り込んだ野座間製薬は異常です。乱戦に継ぐ乱戦。斬りつけ、蹴り、撃ち、危ういところで敵の爪や牙から逃れ。
「退くぞ!」合図の口笛を吹く志藤。
たちまち牽制しては逃げ、牽制しては坂を転がり落ちでアマゾンたちの円陣を破り、走り出す駆除班メンバー。波打ち際まできて、海を背に4人集まります。
策があるのかないのか、追ってくるアマゾンたちを前に、身構える一同。
迫り来る獣たち。
「――っ!」
見返すその精悍な表情に惚れ惚れします。望のことです。

その時。右手から現れた緑色の影に、たちまち首が引きちぎれ、緑の体液を撒き散らしながら倒れていくアマゾンたち。
「……?」無事な者たちも驚き振り返ります。
それは銃口を下ろした志藤も同じ。こちら側に背を向け、荒く息をつきながらそこに立つ姿は、オメガ。
「悠」

***

野座間製薬本社。水澤の執務室。
窓際にかけられたスクリーンには、<SHIDO>、<TAKAI>、<MISAKI>、3人のカメラに捉えられたオメガの背が映っています。「悠!」思わず立ち上がる水澤。呆然と見入っている加納。
福田さんは車両待機か狙撃が多いので、カメラ付きヘルメットを被ってないんですよね。

振り返るなり襲い掛かってくる蝶を、百舌鳥を、蟹を、蝙蝠を、一撃必殺で倒していくオメガ。倒れた蟹の巨体の上を転がるように超えてその勢いで蟻を蹴り倒し、更に1体、また1体。この悠然とした戦いぶりはアルファに倣ったのか、貫禄すら感じさせます。

その勇姿に見入る水澤。
螺旋階段を降りてきた橘にも気づかないその顔には、異様な興奮と喜びが浮かんでいます。

***

海辺。アマゾンたちを片づけ立ち尽くすオメガに、志藤が声をかけます。
「悠。お前……」
「すいません」変身を解き応える悠。その首にも、五円玉がかかっているような気がするのですが。「何も言わずに」
「何があった」

回想1

水澤邸。制服姿で門から出てくる美月。歩き出す、その脳裏に浮かんでいるのは、あの雨の日のできごと。

立ち尽くす自分の前を、通り過ぎていく悠。
「早く」ともう1人の、アマゾンらしい青年を引き連れて。


畏怖

海辺。
「暴走は、してないらしいな。とりあえず戻れ。本部長命令だ」
「それはできません」現下に応える悠。
「なんで」問う三崎。岩に大波がくだけます。
物憂げにさえ見える静謐な表情を浮かべ、ただ立っている悠。その視線を追う一同。悠が目をやった先では、集落の方から、傷ついた人々がよろよろと集まってきています。
「もしかして。あの人達って」問う三崎。
こくりと頷く悠。
「「「「!」」」」たちまち銃口をあげる駆除班一同。
「待って!」悠はその前に飛び出していきます。「まだ覚醒してません」
「お前……あいつら虫だぞ」と、まだ構えを解かない望に、
「そう。ぼくもね」と応じる悠。
「結局」銃口を下ろす志藤、続いて三崎。相手の頑固さに苦笑しているようでもあります。「守りたいものを守る、か」
「今はそれが、ぼくの戦う線引きです」
福田も銃口を下げ、望も構えを解きます。

背後に集まる人々を眺めつつ、何かを察知した表情になる悠。同時に、覚醒していないアマゾンたちの、恐怖の表情にいぶかる志藤。
「……来た」血まみれのシャツを着た眼鏡の青年がつぶやきます。じりじりと後ずさりし始める人々。かれらはなぜ傷だらけなのか。
その畏怖の対象に向け、逆に走り寄っていく悠。
「悠!」
行く手からは、ベルトを手に、汀を歩み近づいてくる男の姿があります。その前に立ちふさがる悠。
「鷹山……」息を呑む志藤。福田に視線を送り、全員で悠を追います。

仁の左手から下がった物体に、目を止める望。
「なんだ、あれ」

「よう、駆除班の皆さん」笑う仁の、顔の半面は汚らしく溶けかけています。「相も変わらずボロボロか♡」
「あんたに言われたくないわ」言い返す三崎。
「さてー? 今日は何匹だ」
「しつこいですね、仁さん」悠のこの台詞の静謐通り越した冷たさにぞっとします。
「お前らぜんぶ殺さないと、おれもゆっくり死ねないんだよ」
「ぼくも。あなたが狩りをやめないかぎり、ゆっくり生きられない!」
「言うようになったなァ」左手の物体を持ち上げ、齧りつく仁。獣のような咀嚼と嚥下の音がおぞましい。たちまち仁の顔は緑の液体に汚れます。

「……虫だ」仁が食べているものの正体に思い当たる志藤。
「うえっ」途端に口元を押さえる三崎。
その奥底からちらちらと光が漏れる様は、アマゾンの胸から抜き取られた、心臓だからなのでそう。そこから垂れ下がる様々な神経や血管の束。

「殺したもん喰って何が悪い」聞こえたのかそう嘯き、アマゾンの死体を食べ続ける姿に、憤りを覚えるのか荒い息をつく悠。
徐ろに顔を上げ、ベルトを操作する仁の、吠える声すらも変わっています。
「ううううううう……アーマーゾーン!」
「ああああああああああっ! アマゾーン!」
「「うああああああああっ!」」
巨大な熱が膨れ上がり、そこに出現する2体のアマゾン。身構えたオメガが、アルファが、互いに突進する寸前、その目が光る様がかっこよくて身震いします。

仲間

唸り声を挙げながら組み打ち、オメガの攻撃を腕で受け止めその腹を打ち、蹴り飛ばすアルファ。
波の中に倒れこみつつ起き上がるオメガ。刃のように鋭利なヒレが、腕を打ち合わせる度に高い金属音を上げます。どちらかといえばアルファが優勢。

「志藤さん。どうすんだよこれ!」と望。
「どっちの味方すんの」と三崎。

その目の前で三度倒されるオメガ。その首を抑えこみ――2体の戦いを、ただ棒立ちで見ているだけの、未覚醒のアマゾンに目をやるアルファ。オメガよりもより簡単に倒せそうなその標的のほうへ、走りだそうとします。
「やめろーっ!」必死で延ばすオメガの手を避け、大きく跳躍するアルファ。
「悲鳴を上げ逃げ惑う、未覚醒のアマゾンたちに迫り、次々と血祭りにあげていきます。
「あああ……」仲間たちの死に、腰が抜けて動けない、血まみれのシャツの青年。その襟元を押さえ襲いかかろうとするアルファ。しかしその一撃は、前方から跳びかかってきた者に妨げられます。
勢い良くタックルしてアルファを青年から引き剥がし、低く身構える、そのばうばうという叫び声は土竜!

「マモちゃん! 生きてたか」
「マモル!」
「……マモル」

喜びの声を上げ駆け寄って行く駆除班の前で、アルファと戦う土竜。口元を押さえられ、蹴り倒されて変身を解けば、見慣れた半裸の姿。
「ああああああ!」ベルトをつけたアルファ、オメガとは格段に劣る、その変身すら解かれた状態で、なおも戦う姿勢を見せるマモル。
あざ笑うように近づき、手を振り上げるアルファ――。

しかし次の瞬間、その体表に電流が走り、
「がっ!?」と苦しみ崩折れるアルファ。背後から駆除班の面々の銃弾が命中したのです。
「マモルッ!」
「ああああああああっ」アルファに向けなおも攻撃を加えながら駆け寄っていく駆除班。
振り返るマモルの顔が歪みます。
「みんな……」

「お前ら」憎々しげに起き上がるアルファに、蹴りかかる望、銃を構え取り囲む志藤、三崎、福田。「何やってんだてめえ、……そいつは虫だぞォッ!」
「さあな、おれにもわかんねえっ!」叫び返しつつ撃ち続ける志藤が結構ひどい。呆然と見守るマモル。
「やあああっ!」蹴りかかる望を、しかし殴り倒すアルファ。

先ほどまでの攻撃が有効だったのは、アルファが油断しきっていたからに過ぎません。一度自分に害をなす敵と認識すれば、それ以上つけ込む隙はありません。

「おおおっ!」連射しつつ近づいてくる志藤の腹を蹴り、むしゃぶりついてくるところを払いのけます。同様に跳びかかる三崎を薙ぎ払い、撃ちかかってきた福田をも倒してその胸を踏みにじり。
「「「!」」」福田から退けというように、一斉に跳びかかってその腕を、胴を押さえる望、志藤、三崎。その全員を振り払い、蹴り倒すアルファ。
自分を守ろうとするチームの戦いを、見つめるマモルの顔は、今にも泣きそうです。
「お前らああああっ! 死ねえ……っ!」そちらに近づいてくるアルファを、ようやく立ち上がったのか、横様から蹴り倒すオメガ。
雄叫びを挙げながら跳び上がり、その頭部を殴りつつ、腕のヒレで相手の首筋を斬り裂きます。

回想2

川辺の道を、歩く美月。雨の日の回想。

「悠!」行き過ぎていく悠の後を追い、引き止める美月。
「!?」掴まれた腕を振り払おうとする悠、離さず後ろへ体重をかける美月。
「あたし、悠の話してることぜんぜんわかんない。人間を食べてもいいなんて、そんなの絶対、」
「当然だよ!」足を止め叫び返す悠。「美月は人間だから! でも、ぼくは!」
「アマゾン?」


歩く美月。

相剋

汀での戦い。回し蹴りをしようとするアルファの足を取り、押し倒すオメガ。そのまま腕を振り上げ、打ち付けます。その腹を蹴りのけるアルファ。立ち上がり、体勢を崩したオメガの頭部を殴りつけます。さらにもう一撃。
「おおおおおおっ!」反撃しようとするオメガ、その拳を腕で受け止めるアルファ。ならばと相手の腹を蹴りつけるオメガ。ガードした、その上から蹴り倒され、砂に仰向けになるアルファ。
蹴った勢いで更に体勢を崩し、自分まで倒れこむオメガ。

***

駆け寄ってくるマモルと駆除班。

***

荒い息をつき起き上がる両者。共に天を仰ぎ、雄叫びを上げます。
「いいいいいいやあああっ!」
「おおおおおおおおおおおっ!」
互いの腕の刃と刃がぶつかり、次の瞬間、互いの首を抑えこもうとする2体。

***

駆け寄ってくるマモルと駆除班。しかしかれらのしようとすることを察し、思わず足を止めます。

***

次の瞬間、勢い良く互いの首筋からおのれの腕を引き抜く2体。腕の刃が血管を切り裂き、血しぶきに赤く染まる空。
駆除班の、マモルの見守る前で、倒れ落ちるアルファとオメガ――。

――そして力尽き、変身を解いたまま、砂の上で動けない悠。
うつ伏せに倒れて両手をつき、なおも立ち上がろうとあがく仁。
「今日の狩りはここまでか」呻きつつ笑う仁。冷たい怒りにただ見返す悠。立ち上がりかけてつんのめり、倒れてなお笑う仁には前回から狂気が漂いっぱなしです。
「あはははははっ! ……あは、おれは何度でも来るからな! 最後の1匹を殺すまで」
立ち上がり、また崩れる仁。
ゆっくりと身を起こし、それを見返す悠。
「……人間を、守るために」
仁の顔は逆光になり、その表情は殆ど見えませんが、白い歯をむき出していることは辛うじてわかります。

互いによろめきつつ立ち上がり……マモルたちの方へ向かう悠。背を向ける仁。互いに別々のほうへ歩み始めます。
えっ、決着をつけないの? と驚きました。予想ですが、ここは
・マモルが覚醒し、それをかばうオメガが、アルファを倒す
・マモルが覚醒し、泣きながらそれを倒すオメガ
・決着をつけず次シーズンに持ち越す
等々、何パターンが考えられていたんじゃないのかなと。



「大丈夫?」悠に肩を貸し、支えるマモル。待っていた駆除班の面々に目をやりつつも、さらにその前を通り過ぎていきます。未覚醒のアマゾンたちの群れへ、戻っていくのです。

「マモル!」その足を止める望の声。
「マモちゃん! 戻ってきなよ!」と呼びかける三崎。「全然だいじょぶだからさ! 帰ってきなって」
自分の腕を指さしつつ訴える、その声は涙に曇ります。
「……」振り返るマモル。マモルの肩から、手を離す悠。
「戻ってきなよ。な」今や完全に泣き出している三崎。
そして無言のまま、マモルのぶんの五円玉を掲げる志藤。
泣きじゃくる三崎も、望も、福田も――その首にかけた五円玉を引き出して見せています。

同様に泣きながら――それでもあれほど愛していたチームの仲間に一言も返さず、震える唇を無理矢理に引き結び、歩み去るマモル。従う悠。

(ぜんぶの理由は、ここから見つかるのかも)

去っていくアマゾンたち。優雅にたなびく蝙蝠の羽。高く五円玉を掲げたまま、動かない志藤。
「忘れんな! おれたちがいることを!」叫ぶ福田。

***

人気のない砂地。ここまで1人引き上げてきた仁。力尽き砂の上に座り込んで電信柱にもたれます。
そこへ近づいてくる影。それを察知してつぶやく仁。
「……あれ。一人旅は?」
「来て欲しかったんでしょ」傍らに座り込むのは七羽。
「……くっ、はははははは」仁が泣き顔のまま笑い出します。その膝に頭を載せ、「七羽さんはなんでもお見通しだ♡」
「まったく」ぼろぼろになった男の顔に手を伸ばす七羽。「バカなんだから」
「……っ」ひくひくと震える腹筋。
先週からこのシーンまで、仁さんが完全に人間を忘れたようになっていたのでハラハラしていました。ここでようやくああ、まだ人間捨ててなかったとほっとしました。一瞬、腹に力が入ったのか身体をわずかに曲げた仁を見て、本格的に泣き出すかと思いましたが絶妙なタイミングで切れました。
この2人の関係性も好きです。仁とそれを支える七羽。
じゃあ駆除班に、マモちゃん帰ってきてもいいんじゃないの? と思うのですが。

回想3

歩き続け、そして足を止める美月。

「アマゾン。それだけはわかった。一緒に。いられないって」
「ありがとう……でもやっぱり、戦う選択肢は……ありだ」泣きながら同じ言葉を繰り返す悠。美月の手を振りほどき、突き飛ばし、そして決然と歩み出す悠。それ以上動けなかった美月。


うつむき、再び歩きだします。

狂気

野座間製薬本社。水澤の執務室。
未覚醒アマゾンたちと共に、去っていく悠の後ろ姿が、志藤たちのカメラを通し、スクリーンに映し出されています。
続いて、会長室の天条の顔が。
「水澤くん。あの第三のアマゾンというのはまさか」
「……人にアマゾン細胞を移植したのが鷹山仁なら、」静かに語り出す水澤。「アマゾン細胞に、人の遺伝子を与えたのが悠です。人工細胞の塊などではなく、ただの人でもない。より完璧な、新しい人間です」
「そしてその与えた遺伝子というのは」
「はい。わたしのです……あれは、わたしの子です」

誇らしげに微笑みながら、目だけをぎらぎらと光らせる水澤がとんだマッドサイエンティスト。
その答を聞いて歓声をあげる天条もなかなかイッてしまってます。

「人喰らうアマゾン、それを喰らう鷹山仁。そしてその双方を喰らう水澤悠! この街に新しい生態系が生まれたのだぁっ!」興奮のあまり杖を床に打ち付け、立ち上がる天条。「まさに、この天条隆顕の見たかったものだっ!」
微笑む水澤。
「会長……まさかとは思いますが、2年前の事故は」ああやっと橘がそこに触れてくれました。
「は、うえあははははっ! はーっはっはっは!」しかし天条は答えず、ただ狂気じみた哄笑を続けるだけ。口元を引き締め立ち去る橘。

終章

海辺。座り込み海を見ている三崎、その傍らに立つ望。腕組みしている福田。
「帰るぞ」言っていち早く歩み出す志藤。
「また解散?」
「いや」足を止め振り返る志藤。「駆除しなきゃ、食ってけねえ!」
爽やかに宣言する志藤でラスト。

EDはいつもと違いましたがフルサイズ?

そして、1人海辺に立ち、咆哮する悠。
「アマゾン!」叫びとともに出現したオメガの足元には、あの金の腕輪が波に洗われ――。
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2016.06.24 06:54 | amazonz ΑΩ | トラックバック(-) | コメント(-) |
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