LOVE! HEROES!

特撮番組全般、そして高岩成二さんと伊藤慎さんを応援します。

天空寺龍と眼魔世界の長官・イーディス。
天空寺タケルと眼魔世界の孤独な僭王・アデル。
2世代の戦いが重なり合い、そして――。ちょっとテンポは悪かったけど、好きな演出でした。あと、先週の予告だとアデルが追加戦士になるのか、という勢いでしたがそんなことはありませんでした。


angry chick / ppassu


そしてムゲンもガンマイザーも毎回、人の感情がテーマになっていますが、今回は怒り。登場人物たちがそれぞれの怒りを吐き出すシーンがありますが、タケルのおかげでそれが殺伐とはなりません。
前も少し書いたと思いますがタケルはいわゆる“きれいごと”を堂々と、本気で口にするキャラクター(今キャラクター、と打ったら機種依存文字で御成っぽいのが2つも出ましたが🙍🙎)で、18歳とは思えない無邪気さというか悟りっぷりというかが、ここまで突き抜けていると爽やかとしか言いようがありません。
わたしもあの下りは何の茶番かと怒りたくなったのですが、
「人の、あるいは己の怒りの根源を知ることが大切だ」というタケルに何か教えられた気になってさすが寺育ち。
退避

事態は急変。イーディス長官が眼魔世界から大天空寺に――。残された時間は、あと18日。

アデルが完全な存在となるために必要な鍵、天空寺タケル。
「タケル!」
人々を庇いガンマイザーたちの攻撃を一身に受け、倒れるタケル。
とどめをさそうとする鬼灯と、とっさに叫び、1人身構える三蔵ネクロム。マコト/ディープスペクターはドッペルゲンガーとの戦いで消耗し、起き上がれないままです。
「いかん、」はらはらと見守るイーディスの前で筋斗雲を召喚、皆とともに飛び去りながら金の冠をガンマイザーたちに投げつける三蔵ネクロム!
金冠にも何らかのダメージを与える効果があるのか、それを打ち返しつつ他のガンマイザーらを吸収して1体に戻るアデル――。
そして呆然と、その場に佇むイーディスで、OP。



大天空寺。居間に続く和室に、みっちりと詰まっている人々。その中央に床をのべ、ぐったりと昏睡状態のマコトを、ただ無言で見下ろしています。
絞ったタオルを兄の熱い額にのせるカノン。
「マコト兄ちゃん、何で言ってくれなかったんだ」と悔やむタケル。どれほど前から独りで戦ってきたのかと。
「お前のことを思って、言い出せなかったんだろう」というアランの言葉に、なおさらつのる悔い。

タケルの心痛を見て、独り居間に残っていたイーディスに向き合うアカリ。
「マコトそっくりの分身……あなたなら、何か知ってるんじゃない? イーディス長官」
その声を聞きつけたタケル、アランも戸口まで近づいてきます。
「わたしが開発したディープスペクターの眼魂は、ガンマイザーの力を一部利用し、強力なパワーを発揮する。スペクターの分身はガンマイザーと何か関係があるかもしれんな」
「でもあなたがマコトに渡したんでしょう? 責任は感じないの?」
他人事のような言い草に、呆れるアカリ。
「確かに責任はある。だが、スペクターは自らの意志で選んだのだ、魂の深淵を覗くことを」

「……っ」苦しげにうめき声を上げるマコトを、振り返るタケル。

眼魔世界。力の根源とつながるための、天井の低い部屋。

「アドニスは悔いていた、こんな世界にしてしまったことを」イーディスの述懐。
「完璧な世界とは誰のためだ。もうお前の周りには誰もいない!」マコトの非難。


元は眼魔世界の者でありながら帝王たる自分に歯向かう2人。その言葉に、
「どいつもこいつも……!」と苛立つアデル。それを部屋の片隅で、ただ見守っているアリア。
傍らでは、壊れた人形のように、
「鍵は天空寺タケル。鍵は天空寺タケル」と繰り返す空ガンマイザー。
「わかっている!」吠えるアデル。しかしその声すら、アデルの線の細さ、器の小ささを示すかのように、尖っています。

再戦

一夜明けた大天空寺。未だ目覚めぬマコトの傍らで、仮眠をとるカノン。兄妹の様子を戸口から見守っていたタケルが、覚えのある感覚に顔を歪めます。
「……あ。またやつが」飛び出していくタケル。

***

裏山の水辺。
アランとともに現れたタケルは、対岸の黒い影に息を呑みます。
「今度こそ、完全に叩き潰す!」
「!」
アデルの凶相を睨み据えつつ変身するタケル、アラン。

アデルは今こそ初期のように雑魚やスペリオルも取り混ぜた大軍を率い、けが人と非戦闘員だらけの大天空寺を襲えばいいと思うのに、こうしてただの決闘のように自分だけひっそり裏山で待っているのはなぜなんでしょう。タケルやアランたちを意識し過ぎなんじゃないかと思います。父に信頼されていた兄、愛され可愛がられていた弟、その間に挟まれて自分自身の力を試したい気持ちが強いのでは。

鬼灯vsネクロムとムゲン。この構図好きでした。しかしあっさり2人を払いのけ、空と地のガンマイザーをまたも召喚する鬼灯。
組打つも逆に数で劣る立場となったタケルたち。中でも地のガンマイザー、及び鬼灯を相手取ったネクロムが、兄の拳を腹に受けて倒れこみます。

立ち上がりざま三蔵を身にまとい、サル・カッパ・豚のしもべを召喚。自らも突進するネクロム。
しかしあっさり、しもべごと突き倒されます。
「兄上! 父上はこんなことを望んではいません!」大点眼、メガウルオウド。雲を呼びしもべたちと一体化しつつ鬼灯に襲いかかりますが、
「所詮は不完全な存在」と嗤う鬼灯。
一撃一撃が弾き返され、叩き落とされます。悲鳴を上げ後ずさる三蔵ネクロム。
「脆弱な人間に成り下がったお前には何もできぬ」せせら笑い、歩み寄ってくる鬼灯。ネクロムの喉元を掴みあげ「その愚かさを噛みしめて消えるがいい」
「あっ。……わたしは。何も後悔などしていない!」
締め上げるその手を払いのけ、兄の胸を殴りつけ退けるネクロム! 至近距離よりガンガンキャッチャーを撃ち放ち、さらに距離をとります。
「……っ!」
「人間は死ぬ。でもその想いは残る、父上の想いも」武器を手に殴りつけるネクロム。それを受け止め、蹴りで反撃する鬼灯。身体をくの字に折り、再び首を武器で押さえられながら、さらにその腕から逃れるネクロム。「この胸の中に生きている!」

ここの殺陣、くるくると攻守が入れ替わり、パワーアップした鬼灯ことパーフェクトガンマイザー/アデルに、なんとかネクロムが食い下がっていっているのがうれしい。

今やガンマイザー2体を相手取りながら、この兄弟げんかを心配しているムゲン。

「……兄上の心は、本当は何を望んでいるのです!?」
そんな弟がわずらわしいのか、
「わたしの心は最初から決まっている。完璧な世界の実現だ!」と執拗にまた、ネクロムの首を絞め始める鬼灯。
右手で絞め上げつつ、左手には新たに気を集め、練り、とどめにしようとするのです。
「……ぐっ」その一撃に一瞬にして変身を解かれ、鬼灯の足元に倒れるアラン。

「アラン!」叫ぶムゲンも、2体のガンマイザーに抑えられ身動きがとれません。

「消えろ」今度はそちらに加勢しようと歩き出す鬼灯。しかし何者かに足を止められます。「……ん」
「兄上……」それは河原に倒れたまま、顔を上げる余力もなくただ鬼灯の足首をつかみ、叫ぶアラン。「なぜ、父上を殺した。マコトの言った通り、もうあなたの周りには誰もいない!」
両手で鬼灯の足に抱きつくアラン。その顔を見下す鬼灯。

「人は、独りでは生きられない。兄上!」
「身体だけでなく心まで脆弱に」その足を振り払い、さらに、
「これだから人間は!」とアランの胸を蹴る鬼灯!
「うああっ!」たまらず川の中に倒れこむアラン。
「!」とうとうガンマイザーを振り払い、アランの元まで跳躍してきて助け起こすムゲンがやっぱり余裕です。「アラン! アラン!」

***

ようやくこの時、駆けつけてきたイーディス。

***

「タケ、る……」抱きかかえられ、そう言ったところで力尽きるアラン。
「アラン、アラン! しっかりしろ、アラン!」
必死に叫びつつ、つい敵の存在を忘れかけていたムゲン。近づいてきた鬼灯、空ガンマイザーと地ガンマイザーは、それぞれ攻撃の準備動作に入っています。
「……あ」
アランを抱えて逃れる猶予はなく、やむなく盾となる覚悟をしたムゲン。すべての攻撃を受け、衝撃に変身を解かれて倒れ落ちます。
「天空寺タケル、お前がすべての元凶だ……」さらにとどめの攻撃を加えようとする鬼灯。
「いかん!」とっさにウルティマとなり駆け出して行くイーディス。今度はかれが盾となり、すべての攻撃を受け止めます。
「あっ」驚くタケル。
しかし次の瞬間、そこには何も残らず、
「完全に消滅したか、ふっふ、ははははははは!」と悦に入る鬼灯でCM。ツメが甘い。

暴露

大天空寺山門。そこにゲートが浮かび上がり、目の紋章から現れたのは、アラン、タケルを両脇に抱えたウルティマ。
そこまでが限界だったのか、アランたちを投げ出し、苦しみに呻き始めます。
「うう……」よろめき、変身を解くイーディス。次の瞬間、その胸から飛び出た眼魂が砕け散り、その姿は塵と消えていきます!
「ああ!」目撃し、驚愕するタケル。しかしかれも、
「イーディス、長官……」とつぶやきつつ失神。

***

「タケル。タケル……」暗転。いつか聞いたことのあるような、優しい女性の声。
「この、優しい声は……?」うっとりと聞いているタケル。

***

「タケル。タケル……」その声は、アカリの声に重なります。タケルの視線に気づき、微笑むアカリ。「タケル。やっと気がついた」
大天空寺地下室。床に横たえられていたタケル。
「アカリ! ……うっ」起き上がろうとして呻くタケルを、アカリだけでなく傍らに控えていた御成、シブヤ、ナリタがそれぞれに助けようとします。「みんな! ……ああ」

見回した拍子に、隣に横たえられているアランが視界に入ったタケル。
傷だらけの顔、あちこちが破れ綻びた若草色のニット、未だ目を覚まさぬかれのもとにはユルセンが、たこ焼きの被り物をかぶって付き添っています。
「大丈夫かあ、たこ焼き少年……」
「アラン!」
「タケルさん」アランのほうへ這っていきながらもシブヤタの声に振り返るタケル。その背後でユルセンが
「おれを食うかあ? ああ……」と妙な励ましを口走っていますね。
「気を失ってるだけです」
「……よかった」安堵するタケル。
「こいつ、ばあちゃんの匂いすんな。ばあちゃんの匂いすんな」
「おれとアランは。イーディス長官が庇ってくれたんだ」思い出したタケル。「でも、……アデルの攻撃のダメージで……」


イーディスが消滅一歩手前のところまでダメージを受けたことを、みなに打ち明けようとするタケル。しかし、横から低い声が遮ります。

「安心しろ、わたしなら大丈夫だ」モノリスの前に開いたゲートから1つの眼魂が飛び出し、人の姿になっていきます。「本当の身体は安全な場所に隠しておる。だから、不死身だ」
その低い声と、きちんと梳かしつけられた白髪頭はイーディスのそれながら、黒い杖に赤と金の派手な衣は……仙人!

ぽかんとなる大天空寺一同。
その時、ようやく気づいたマコトを支えながら、階段を降りてくるカノン。
「……」同様にやっと目が覚めたアランも、痛みに顔をしかめつつ起き上がります。
「ああああああ。見ちゃだめ!」慌てるユルセン。

「イーディス長官、ですよね?」代表して問うタケル。
「そうだ。何か?」落ち着き払って応える仙人。
「おいおいおいおい! 間違ってるよ! ……そのかっこう!」見かねたのか飛んでくるユルセン。
「……あ」身をすくめる仙人。一瞬にしていつもの剽軽な声に戻ってしまいます。
「何やってんだよぅ!」
「ほんとだ。……しまった、慌ててたから」
「はあああー」嘆息するユルセン。

「てことは!」起き上がるアカリ。
「長官とおっちゃんは」とタケル。
「やっぱり!」叫ぶ御成。
「「「「「「「「同一人物!?」」」」」」」」
「……てへ」自分で自分の頭をぽかりと叩く身振り。「ばれちゃった」
おどけてみせるも、一同は無言で見返しています。
「うわこの冷たい視線、重い沈黙ぅ……はーやく釈明しろよ!」
ユルセンにせっつかれ、
「べつに、悪気はなかったーんだあ♫」と踊り出す仙人が火に油を注ぎます。「なかなか言い出すタイミングが、つかめなくてさ」
笑顔で言うも、やはり一同は無反応。
さすがにしょげて俯く仙人。

怒りは力

眼魔世界。天井の低い部屋。光源に再び触手を伸ばすも、また拒まれるアデル。
「うっ……! なぜだ。なぜまだつながらない、力の根源と!?」
「あなたは何もわかってない」無言で見守っていたアリアが口を開きます。「父上があなたを祈りの間から遠ざけたのは、誰よりも純真に父上の理想に猛進していたあなたがグレートアイとつながり、新たな悲劇を呼ぶのを恐れたから……」

「お前の来るところではない!」と言葉少なにアデルを追い払ったアドニス。

回想する、このアデルの顔。怖かったですね。それに気づかず、言葉を重ねるアリア。
「父上はあなたを嫌ってなどいなかった! むしろあい、」
「くだらない戯れ言など興味はない!」
「鍵は、天空寺タケル」そこへまた、歩み寄ってくる空ガンマイザー。「……天空寺タケルは、消滅していません」
「何だと?」驚くアデルでまたCM。

***

大天空寺地下室。とうとう進退窮まり、頭を下げる仙人。
「すまん。……わしが悪かった」
「謝らなくていいから教えて」その前へ飛び出していくアカリ。「どうすればタケルは消えずに済むの?」
その真剣な顔の前で、怯えたように身をすくめる仙人。
「あのね? ……最初の、99日のタイムリミットがきれた時、もう、わしの力ではどうにもできない領域に、至ってしまったんじゃ……」
「わしの力では?」言葉尻を捉えるアカリ。「ね、もしかして。最初の99日の時までは、おっちゃんが生き返らせることができたってこと?」
「ぐっ。……そうじゃ」
「そんな……!」
「今のタケルが、どんな状態なのか、果たして、生き返ることができるのかどうか、全くわからんのじゃ、本当に、本当にすまん!」

力の根源。その正体を知らぬまま、理想の世界づくりに利用してきたアドニス。
外的から力の根源を防御する目的でガンマイザーを作り出したものの、今やかれらが暴走するまま、抑える術を知らないイーディス。
タケルの死の直後、かれを生き返らせることができたのに、そうはせず、ただ15の英雄眼魂を集めろと唆した仙人。その後どうなってしまうのか、理解しないままに。そして、せっかく集めた英雄眼魂を、打倒ガンマイザーに使うのでなく、口実そのまま、タケルの蘇りに使わせようとしていた不思議。
改めて、眼魔世界の大人たちってかなりひどい存在です。なかでもイーディスと仙人は同一人物ですから罪の重さは2倍。
その原理も知らず、使用してどんなリスクがあるか、それをどう防ぐかの視点を欠いたまま、ただ強大な力を弄んできたわけです。責任感皆無。

「あたし、全部目の前で見てきた。3度もタケルが、死んでしまう瞬間を……!」再び口を開くアカリの、その声が震えています。じっと見つめるタケル。

刀眼魔に、袈裟懸けに斬り伏せられたタケル。
海辺で、輝く金色の粒子となり、消えていったタケル。
裏山で、ぼろぼろになり倒れたタケル。


「……その度に、辛かった……苦しかった。今度こそタケルを助けたいの。絶対!」
「拙僧だっておんなじ気持ち」進み出る御成。「謝って済む問題ではない!」

(怒り……)日ごろ温厚な御成の、こんな様子を初めて見たタケル。

「タケルさんを利用してたのか!?」気弱なシブヤすら声を荒げています。
「最初っから騙すつもりだったんだろ」とナリタも。
「そんなのひどい。ひどすぎる!」声を上げるカノン。

(激しい怒り……)仲間たちの言葉を、ただ呆然と聞いているタケル。

「今度はどんな手で騙す気か。どんな卑劣な嘘で! タケル殿を利用するつもりか!」抑えようのない怒りに身を震わせる御成。
「何とか言ってよ!」とアカリ。
「何で黙っていたのですか!」とまた、御成。
「責任とってくださいよ」とシブヤ。
「ひどいよ……!」とカノン。
「おっちゃん!」またアカリ。
口々に責め立てる怒りの声。その前でただ身をすくめる仙人。口を閉ざしているのはタケル、マコト、アランの3人のみです。

「おおう。みんな角生えてんな……!」震えあがるユルセン。

(でも、この怒りはすべておれのためだ。みんな、おれのために……)

ごめん!」いつしか、人々の背後で叫んでいたタケル。

「……なんで、」振り返るアカリ。「タケルが謝るの?」
「おれ、わかっていなかった」アカリの、みなの視線を受け止めつつ話し始めるタケル。「こんなにもみんながおれのこと、本気で心配してくれてるって!」
「……え」よろける御成。
「「「「「「「今更?」」」」」」」」
「そう……だからごめん。おれ、自分の不甲斐なさが、本当に情けないよ!」
「でもタケル、あなたが騙されてたことに」変わりはない、と言いかけるアカリ。それを遮り、
「前に、五十嵐さんの過去の記憶を見た時。その時のおっちゃんは、父さんたちと同じ顔をしていた。この世界を守りたい。その顔に嘘はなかった!」語りつつモノリスの前、すなわち仙人の前に、進み出るタケル。
身をすくめる仙人。
「……おれは、あなたのおかげで、眼魔の世界で生き残れた」ようやく口を開くマコト。

幼いマコトに、ライダーベルトと眼魂を与えたのは、やはりイーディスだったのですね。

「おっちゃんのおかげで」笑顔で頷くタケル。「おれは色々の人の想いを知り、繋がることができた。おれはあなたに、感謝しています」
「……」息を呑む仙人。泣き笑いの表情になっています。「タケル……お前というやつは、」
「ほんと! タケルらしいw」見守る人びとも、いつの間にか笑みを浮かべています。アカリの声に頷く人びと。「なんか、さっきまでの怒りが消えちゃった」
「おや」おどけて応じる御成。「拙僧もですぞ。はっはっは」

***

仲間たちの声に微笑み、振り返るタケル。その懐から黒と白の眼魂が現れ、タケルを吸い込みます。
招かれたのはベートーベンのサロン。
「べートーベン」
「うん?」
「……怒りは力になる」
「うむ」
「でも、その強い感情には、理由があります」
「それを知って、何をなすべきか考えることが大切。怒りに呑まれては何も見えなくなる! ……か?」
「答えを見つけて、前に進みます。無限の可能性を信じて」
「うむ」

***

「ベートーベンと、心がつながったのね」戻ってきたタケルの、晴れ晴れとした表情。ベートーベンの眼魂が金色に輝いています。それに目を留めるアカリ。
「ああ。……おっちゃんも力を貸してくれ、もう一度人間の可能性を信じて」
「あたしからもお願い」タケルに並び、仙人に手を差し伸べるアカリ。「お願い、2つの世界のために」
「うん、一緒に戦おう♡」その手を握り頷く仙人。うん、じゃなく、ゆん、に聞こえます。
「改めてよろしく!」とタケル。
「ゆん!」
アカリ、仙人の握手の上に自分の手をのせるタケルが今にも円陣を組みそうです。うれしそうな仙人。その顔を覗きこみ笑うタケル――。しかし、その時流れ込んできた暗いビジョンに顔を歪めます。

「なぜこんなことに……」眼魔世界。薄暗い棺の間。肉体が塵となり消えてしまったカプセルの1つを、暗澹たる想いでみつめるイーディス。「すべてはわたしの過ちだ……」
大天空寺地下室のモノリス。
川辺で、龍と戦うイーディス。


「……あ。……そういうことか……」
「ん? どういうこと?」見上げてくる仙人。
「いや」タケルの笑顔に、嬉しそうに笑い顔を見合わせるアカリと仙人が無邪気です。
その時、またもユルセンが叫びます。
「たいへんだああああ! やつが現れたぞ!」
「よし、行こう!」すっくと立ち上がるアラン。しかしすぐによろけてしまいます。慌てて駆け寄るタケル。
「ああ、いや……2人はまだ、戦える身体じゃ」アランを座らせ、まだカノンの肩に捕まっているマコトにも目をやります。
「しかし」身を乗り出すマコト。
「おれは負けない。おっちゃんや、みんなの想いを、アデルにつなげてみせる!」
決意のタケルでCMです。……いつの間に上段の研究スペースへ皆さん上がっていたのでしょうか。

二重写し

裏山に、1人立つアデル。近づいてくるタケルの気配に声をあげます。
「天空寺タケル」振り返り、「これで最後だ」
鬼灯となるアデル。その前に∞の眼魂をかざすタケル。
「いや。ここから始まるんだ! ……変身!」たちまち現れる白銀の姿。
対峙する両者は共に走りより、ぶつかり合う拳と拳!
「「おおっ!」」

その戦いを見届けようと、後から現れる大天空寺の一行。

「アデル。その力でお前は何がしたい!」
「はあっ!」問うムゲンを武器で打ち据え、「世界を正す。愚かで不完全な人間により滅びへと向かうすべての世界を」
「ああっ」
悲鳴を上げるムゲン。心配げに見つめるマコト。
「タケル!」
「……確かに人は不完全だ。感情に呑まれ、争うこともある……」

カノンを救うべく、必死に眼魂を集めていたマコト。地獄を見てきた自分たちに対し、お前はただぬくぬくと暮らしていたのだと、タケルには憎しみの目を向けてきたマコト。

そんな過去のマコトが、今、心配げにタケルを見つめるマコトに変わっていきます。その前で
「でも、信念があれば、心は通じる!」と武器を取るムゲン。雄叫びを上げ突進してくる鬼灯へ撃ち放てば、その身体からアイコンが1枚飛び出し、砕け散ります。
「貴様ら人間の心は迷いと弱さを生む」立ち上がり矢を向ける鬼灯。「はっ!」
その真紅の矢を、一矢は避けたものの、二の矢、三の矢を受け倒れるムゲン。
「タケル!」カノンに支えられながら、声を上げるアラン。
「確かに、心があるから人は悩み、悲しむ! でも、楽しみを知り、笑顔になれる!」

父アドニスの死。ふみ婆の死。子供のような純真さゆえ、大きく傷ついたアラン。

その姿が、今は2つの死を乗り越え、人間世界を愛し守るために力を尽くし、友であるタケルを心から心配している、頼もしいアランの姿に変わります。いや一瞬、たこ焼きを頬張る姿も映りましたけど。

起き上がり、矢には矢だと、コンドルの弓を構えるムゲン。
「「はっ」」両者同時に連射しますが、ダメージを受けたのは鬼灯。その身体から2枚めのアイコンが飛び出し、砕け散ります。
「!」ならばと杖を手に突進してくる鬼灯。ムゲンが浴びせる銃弾の雨を掻い潜り、殴りかかります。
「わたしには不要だ!」
「うっ!」飛び退くムゲン。
劣勢と見てか、口々に声援を送り始める大天空寺一同。
杖には杖。幾度も打ち合わせ、火花散る中、
「人は1人じゃない。仲間がいるから、喜びがある!」と叫ぶムゲン。「はあっ!」
膠着状態を打ち砕くように振り上げて喜びストリーム。頭上高くまで己の杖を飛ばされ、よろめく鬼灯。その身体から、また1枚、飛び出すアイコン。
「仲間」せせら笑う鬼灯。「弱いから群れを作り、また争う!」
構えた銃口に浮かび上がる梵字。
鬼灯の攻撃をまた受け、
「ああっ!」とよろめくムゲン。

「タケル!」叫ぶアカリ。

信じられない不可思議現象に悩み、のほほんとしたタケルに対して心配のあまりいきり立ち、幼い日の思い出を語り合い――いつも隣に居てくれたアカリ。何度もタケルの死に立ち会ってきたアカリ。イーディス/仙人を許し、タケルのため笑顔でその手をとったアカリ。

「……何度も衝突し、人は学ぶ、本当の強さと優しさを!」

今はタケルを信じ、ただ静かに見守るアカリ。その視線の前で、ひらりと舞い上がり、鬼灯の攻撃を躱すムゲン。
「そして目の前の苦難に、立ち向かう!」そのまま鬼灯へ連射を続けるムゲン。爆発と悲鳴。
着地し、立ち上る煙が消えるのを待つムゲンの前に、よろよろと近づいてくる鬼灯。
「天空寺タケル……人間は、変わることはない……」
「人は変われる! 人には、無限の可能性がある!」

***

その言葉にはっとする仙人。タケルはこの言葉、何回も口にしていますが仙人が聞くの、初めてだったでしょうか。

「人は変われる。人には、無限の可能性がある」
大天空寺地下室。現れたイーディスと対峙しつつ、龍が口にした言葉。
「ふ、くだらん」一笑に付し、ウルティマとなるイーディス。
「武蔵、召喚!」
「武蔵、見参!」英雄武蔵を召喚し、ウルティマと戦わせる背後で、自らも剣を構える龍。


その顔がムゲンと重なって見え、驚愕する仙人。それは、かれがまだ龍の盟友となる前の頃の思い出。
「あの時と同じじゃ……」

***

走り寄るムゲンと鬼灯。

***

「でぃや!」
走り寄る龍とイーディス。場所も同じ、裏山で。武蔵、龍対イーディス。水辺に展開される、2対1。


***

「はっ!」豪剣が風を斬る音。地のガンマイザー、空のガンマイザー、2体を相手にするムゲン。2刀で地のガンマイザーの攻撃を抑え、
「アデル。お前の怒りを感じる……その理由を考えろ!」
空ガンマイザーの膝を蹴り宙に舞い上がるムゲン。飛び降りざま相手の脳天から唐竹割りにします。

***

龍と武蔵、両者の剣を危うく交わしながら退くウルティマ。

***

大開眼。すさまじい勢いで2体のガンマイザーを斬り伏せるムゲン。

***

「!」龍の上段から振り下ろす剣を、まともに受けたウルティマ。

***

アイスラッシュ。上段から振り下ろす剣に、爆散するガンマイザーたち。

***

「うわっ、おお……っ!」体表に電流を走らせながらよろめき倒れるウルティマ。

龍との戦いを思い出しながら、つぶやく仙人。
「もしかしたら……」

***

「……!」ムゲンの鬼神の如き戦いに呆然と見入っていた鬼灯。そちらへ振り返るムゲン。
「ほんとうはわかっているんだろう? 父親の、アランの。みんなの想いが!」
「はあああああああああっ!」問答無用と伸ばす触手が宙に禍々しいアラベスクを描きます。「はあっ!」
印を結ぶムゲン。金色に、虹色に輝く∞を背に宙に舞いあがります。
「とうっ!」
赤と黒、触手ごと回転しながら蹴りあげる鬼灯と、白銀の衣をはためかせ光輝をまとい蹴り下ろすムゲン。
両者の蹴りは宙でぶつかり合い、大爆発とともに――無様に落ちてくる鬼灯。ひらりと舞い降りるムゲン。

「……!」ムゲンの勝利と無事を確信し、愁眉を開く人びと。
そのなかで、また龍との戦いを、思い出している仙人。

***

「……」河原に倒れ、変身を解かれたイーディス。最早これまでと覚悟しつつも、言わずにはおれない言葉。「信じられん。……人間にこのわたしが負けるとは」
見上げた龍の顔は、しかし勝ち誇った様子もなく、ただ息をついていた。


***

その龍と同じように、変身を解き、ただ荒い息をついてアデルを見下ろしているタケル。

「まさか、このわたしが、敗れるとは……」そのタケルに目をやり、仰向けに倒れたまま、慨嘆するアデル。「これが、天空寺タケル……人間の、無限の可能性」
「アデル、」起き上がろうとするアデルに、歩み寄ってくるタケル。「倒すべき相手は、ガインマイザーだ」

***

同じ構図。起き上がろうとするイーディスに、歩み寄ってくる龍。
「あなたの心には迷いがある。だから負けたんです」呆然と見あげるイーディスに、差し伸べられる手。「一緒に戦おう」


***

「この世界のため、君たちの世界のために」かがみ込み、アデルに手を差し伸べるタケル。驚き、それを見あげるアデル。
見守る仙人の顔にも、驚きの表情が浮かびます。

***

「わたしが、間違っていた」悔恨を口にするイーディス。その顔を静かに見返す龍。

あの時から2人の友情が始まったのだと。

***

「わたしが……間違っていた……?」差し伸べられた手を見つめ、つぶやくアデルの、整った白い顔。
見返し、口元に笑みを浮かべるタケル。

***

身を起こし、龍の手を取るイーディス。しっかりと握り合わされる手と手。

***

起き上がり、タケルの手へ、おずおずと己の手をのばすアデル。じっと待つタケル――。しかしそれは、タケルの手を取るためではなく、払いのけるため。

ぴしゃり、と鳴る高い音に、はっと息を呑む人びと。
独り、よろめき立ち上がるアデル。
「ようやくわかった……」それだけを言い残し、去っていきます。その背は、タケルの目の前で赤い炎と掻き消え。
アデルの心が捉えられない敗北感に、ただ目を伏せ、大きく息をつくタケル。

セカイ

「タケル!」いつしか傾きつつある光のなか、戻ってきたタケルに、駆け寄り出迎えるアカリ。「大丈夫。きっと思いは通じる! でしょ、おっちゃん」
「もちろんじゃ。人には、無限の可能性があるんじゃ!」微笑み、頷く仙人。
「……そうだね。おれ、ちゃんと生き返るから。みんな、これからも力を貸してくれ!」仲間たちを見渡すタケルの、晴れ晴れとした笑顔。
「もちろんですとも。無限の可能性、見せてやりますぞ!」応じる御成も、その御成に肩を借りているマコトも、晴れ晴れとした笑顔です。
「お? ビッグマウスじゃんつるつる頭?」
現れたユルセンを捉えようと、一瞬マコトから手を放す御成。よろけるマコトの全体重が、シブヤにかかります。
ユルセンを絞め上げ御成が怒鳴り、ユルセンが言い返すという応酬がしばらく続きましたが、ここはちょっと聞き取れませんでした。
逃げるユルセン、追う御成。騒がしい両者を、みなが笑顔で見守ります。
「こういう人間達がいる世界。これがわしの望む、理想の世界なんじゃあ」うっとりとつぶやく仙人、土煙をあげ走り回り、空へユルセンをトスする御成、ユルセンの悲鳴。人々の姿をロングで収めるカメラ。

眼魔世界。天井の低い部屋。
「わたしは間違っていた……完璧な世界など、創っても無駄だ」口元から血を流しながら、虚ろな表情で戻ってきた弟を、訝しげに見つめるアリア。
「それは、どういう……?」
しかし問いには答えず、己の胸に己の手を、突き立てるアデル。

「「「新しい強い感情を確認。それが、意志というもの……?」」」声を揃えて言うアデルマイザーたち。

「アデル、何を!?」ようやく起こったことを理解し、叫ぶアリア。その前で、己の胸から己の眼魂を抜き取ってみせるアデル。
「……わたしが、世界になる……」
恍惚たる表情で、手にした眼魂を握りつぶすアデル。たちまちその身体は崩れ落ち、塵と消えていきます。
その自殺行為に驚愕し、目を瞠るアリア。地に落ちた眼魂の破片がラストカット。
アデルマイザー激減ですね。
4/4話 宿命! 2人のタケル!

大天空寺居間。2脚の椅子を並べ、その上で眠っているタケル。床で、というか布団で寝たらいいんじゃないかと一瞬思いましたが幽霊なのでこの姿勢でも疲れないのかも。

「わ、ああ!」巨大な眼魂の中へ吸い込まれていく夢。「ええ!? わあ、ああ、あああああああああっ!」
内部は白く眩い光にあふれた空間。
「……ここは? え?」そこに立つ、自分のドッペルゲンガーに気づくタケル。「ええ!? ……おれなのか……?」
覗きこみ、不気味そうにつぶやいた時、ドッペルゲンガーが目を開き、タケルに笑いかけます。
「わあっ!」驚き、飛びのいた時――元の居間で、椅子から転げ落ちるタケル。
「今のは、何だったんだ?」
夢、なんじゃないでしょうか。

宇宙空間に浮かぶ、巨大な眼魂。月くらいの大きさはあるように見えます。その中には八雲立つ険しい山があり、その中心には天にそびえる不思議な塔。
その頂点から放たれる不思議な光が、地球にまで届き。

山の中の開けた場所。ダークゴーストとなったアルゴス。
「天空寺タケル。待っていろ……」天を仰ぎつぶやくと、控えていたダークネクロムたちに指を鳴らします。
「さ、行くか」
「行くわよ!」
「おう!」
このカラフルな人達はいつも士気が高いですね。アルゴスの合図を受け立ち上がると、それぞれにイグアナに跨がり、天へ、その先にある地球へと飛び立っていきます。ということはこの人達は今、巨大眼魂の中にいるということ? 
頼もしげに見送るアルゴス。かれらの地球侵攻から、映画は始まるということでしょうか。
次週、いよいよデミアプロジェクトリリース。しかしそんなことより、アラン様が……。
今週の花火大会。田舎なので大掛かりな花火大会からは遠ざかってしまいました。大和たちが羨ましい。

それはともかく、巨獣ハンター、強かったですね!
「両方やる」とつぶやくや飛び込んでいった瞬間、ぞくぞくしました。そこからのジュウオウジャーたちとの乱戦もかっこよかった♡強い敵は大好きです。
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2016.08.01 11:03 | ghost ゴースト | トラックバック(-) | コメント(-) |
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