LOVE! HEROES!

特撮番組全般、そして高岩成二さんと伊藤慎さんを応援します。

いきなりアバンでジャベル キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
御成とのふれあいがもっとほしいと思っていました! 軍荼利修行! 軍荼利修行!


All you need is... / Yumi Mariane Momoi


仮面ライダー=孤独、という図式は平成になって絶対の縛りではなくなり、世界の危機が終わってもその場にとどまり続け、平穏な日常を紡ぐライダーも結構見られるようになりました(だからこそぶらりと放浪の度に出る「ウィザード」の晴人に王道を見て感激するわけですが)。
人の心を、想いをつなぐタケルの場合、孤独とは最も縁遠く、戦いの中でもいつも仲間に囲まれていましたし後日談である今回もその延長線上にある、ほのぼの日常コメディ。事件らしいものと言えば、妙な力を使う男に狙われていた少年を、アラン・マコトが救って大天空寺へ連れてきたことくらい。

この子役、顔がきれいなだけでなく、神秘的な表情を見せる子でしたね。「アギト」の神木隆之介くん(今をときめく神木さんのことですもちろん)を思い出しました。

目の紋章=異世界へのゲートを開くことができ、しかし大天空寺の人びとに多くを語らない少年は世界を変える力を欲しており、妙に運命や未来に絶望しています。
脳天気な大天空寺の大人たちを醒めた目で眺める少年。果たしてただの人となったタケル(ゴーストとして変身し戦うことはできますが過去視などの不思議な力は失われた)はかれを救えるのか? という内容ですが、そこのところは何となくエグゼイドとのかっこいい共闘&意気投合と、タケルの謎の包容力で解決します。
少年の正体、少年が世界に絶望している理由、その辺りは明言されないのでドラマらしいドラマを感じないのですが、最終回に未来から来る少年は主人公の息子に決まっていますのでキニシナイ。
アラン様はあくまで爽やかで、マコトはその友としての信義を貫き、アカリ、御成は相変わらずタケルの世話を焼く。道に迷ったジャベルは修行の道をぶっちぎり、仙人はただ飄々とそこにいます。そして第四の壁を破るラスト。こういう終わり方、「ゴースト」らしくて好きです。やっぱりゴーストは可愛いライダーです。

そして祝・Vシネ決定!
それから

おれは天空寺タケル。仮面ライダーゴーストだ。ガンマイザーを倒して、戦いは終わった……!
おれはグレートアイの力で生き返ることができた。ようやく人間の世界にも、眼魔の世界にも、平和が訪れた。


大天空寺墓所。龍の墓前に手を合わせ、戦いの報告をする人びと。
「父さん。おれ、みんなのお陰で生き返ったよ」とタケルが口火を切れば、
「龍よ。お前の想いがつながって、人間世界が救われた」と続ける仙人。
「タケルが、あたしたちの未来を切り拓いたんです」微笑むアカリに、
「アデルの心までアランにつなげるとは。大した男です」と口添えするマコト。
「……この恩に報いるためにも、わたしが眼魔の世界を必ず、素晴らしい世界にしてみせます」やや緊張の面持ちで誓うアラン。それは当然かもしれません。主だった人達のなかで唯一生前の龍を知らず、しかしそれがタケルの父であるばかりか、兄・アデルの殺めた相手であるという知識だけがあるわけですから。
「タケル殿とともに、先代の想いを、受け継いでまいりますぞ」と締める御成。
「今度はおれたちの想いを未来につなげるんだ」蹲踞から立ち上がり、振り返って皆に宣言するタケル。褒められてよせよ恥ずかしい的な照れはありません。頷きあう人びと。

その時、気配に気づきふと横を見るアラン。
「……ジャベル」
寺から墓所への小径を、歩んでくる黒い軍服姿。
「アラン様。一度失ったはずのこの生命……」片手を胸に当て、いきなり話し始めるジャベル。眼魔世界の再興にお使いください的なことを言うのかと思うと、そこで急に御成に向き直り、「ここで修行させてください」
深々と頭を下げます。満更でもない、という顔の御成。
「拙僧が、ビシ! ビシ! 鍛えますぞ、ジャベル殿」
「また1人、心がつながったね」
それを見守るタケルとアカリ。

謎の少年と黒いライダー

曇天の空に雷鳴。橋の中央に設けられた小さな公園に白い目の紋章が浮かび、そこから現れた幼い少年。
年齢に似合わぬ緊迫の表情で、
「世界を変える力を持つもの。見つけるためには……」とつぶやきます。
そしてその言葉に呼応するかのように――。
夜。土砂降りの雨と雷鳴のなか、ガシャットを手に立ち尽くす黒いライダー。波乱を予感させる絵でOP。

午後。制服姿で境内を横切っていくタケルを見かけ、呼び止めるアカリ。
「タケル! ……久しぶりの高校はどうだった?」
「楽しかったよ」近づいてくるアカリを笑顔で迎えるタケル。しかし次の瞬間顔を背け、「……勉強以外はね。ぜんぜんわからない」
「半年も休んでたからね」無理もない、と頷くアカリ。「あ、あたしが家庭教師やったげるよ」
「ありがとう!」

和室。
「……あれ」
「はいここ計算ミス!」開いた問題集の頁をぱんと叩くアカリ。ふう、と息をつき、背後の柱にもたれかかるタケル。
「ちょっと休憩」
「だーめ! 今晩はタケルの、第二の誕生日をお祝いする会でしょ? だから今のうちに、ほら、あと10頁、はい!」
そのタケルを強引に座卓に引き戻すアカリが結構スパルタです。
「うわ、ええ!? ガンマイザーより怖いよ……5分だけ。5分だけ休憩!」
立ち上がり逃亡しかけるタケル。
「いいから勉強しなさいっ!」金切り声のアカリ。と、前も見ずにダッシュしたせいで、柱に激突するタケル。
「いって、痛い……」
倒れ込んだタケルを見て――満面の笑みとなるアカリ。一瞬ひどい、と思いましたが、アカリは痛がるタケルが生身であることを、実感しているのです。
「……ほんとうにゴーストじゃないのね」
しみじみとした声に、その意を汲み跳ね起きるタケル。感動に我が身を抱くようなすがたで、
「サイコー! 生きている!」と叫びます。「……だから5分休憩!」

遭遇

水辺の公園。
青空を描いた水彩画を、地面に寝転んで持ち上げ、実際の空と見比べているアラン。
「……ふみ婆。いつか我々の世界も、こんな美しい空に…」
新たな夢を見つけて、うれしくてたまらない、という顔のアラン。

その、吸い込まれそうな同じ青空の下。買い物帰りなのか、おのおの両手にレジ袋を下げて橋の上を渡っているマコトとカノン。兄妹と知らなければ仲の良い恋人同士か、新婚さんみたいに見えます。
「でも、ほんとうによかった。タケルが生き返って」
「ほんとに。わたし、今がいっちばん幸せ。……お菓子買いすぎちゃったかなあ」
「……カノン!」袋の中を覗きこみつつどんどん歩いて行く妹を、立ち止まり呼び止めるマコト。
「ん?」
「おれは父さんの意思を継ごうと思ってる。だから、」
「今度はぁ」兄の改まった様子がおかしいのか微笑みながら、言いよどむ相手を助けるように、くるりと振り向くカノン。「アラン様を助けたいんでしょ?」
「……」見抜かれていた驚き。素直な笑顔で「ああ!」と応じるマコト。そのままカノンの元へ近づこうとして――ふと、空を見上げると、青空に目の紋章が浮かんでいます。
「あれは、」

「まさか」公園。同じものを見て血相を変えているアラン。

川沿いの道。独り歩む黒いライダー。手にしたガシャットのスイッチを入れれば、シャカリキスポーツ! しかし湧き上がる紫のエネルギー体も、ガシャットもろとも、忽然と目の前に浮かんだ目の紋章の中に吸い込まれてしまいます。
呆然と見送る黒いライダー。
紋章が消えていく向こうには、1人の幼い少年が、ガシャットを手に立ち尽くしています。白いシャツに白いネクタイ、白いズボン。
「これが、世界を変える、力を持つもの?」
「……」
無言のままずいと進み出る黒いライダー。はっと目を上げる少年。
じりじりと後ずさる小さな足。構わず歩み寄り続ける黒いライダー。その背後からアランが追いつき、そして前方からはマコトが、少年を背に庇うように割って入ります。
挟み撃ちされ、足を止める黒いライダー。
「……?」対峙しつつ目を細め、その姿を眺めわたしているマコト。その脳裏を、前回雑魚眼魔の軍団を自転車で蹴散らした飛び込みライダーがよぎります。「お前は、あのときの!」
「その子に何をする気だ。変身」
「変身!」
駆け寄ってくるネクロム、ディープスペクターを、まともに相手せずに捌いては退き、捌いては退きしていきます。それを高架下まで追い詰める2ライダー。ここは「ドライブ」でも出てきましたよね。
とうとう退路を断たれ覚悟を決めたように一転、攻勢に出る黒いライダー。その早い身のこなし、落ち着き払い、ピンポイントで重い攻撃を加えてくる戦い巧者ぶり。蹴り倒され、武器で斬られ、倒れ込みながら自分たちも強力な武器を手に身構えるネクロム、ディープスペクター。2人の攻撃に燃え上がった炎が、消えたときにはもう黒いライダーの姿はなく。
「あっ」
まんまと逃げられた、と気づく2人。
「あいつは何者だ……?」

問答1

変身を解き、カノンとともに待っていた少年の元へ、戻るアランとマコト。
「もう大丈夫だ」
「お名前は? お家はどこ」
しかしアラン、カノンのその言葉に背を向ける少年。慌てて前へ回り込み、
「どこへ行く」と少年の肩をつかむマコト。全員屈み込み、少年の目を下から捉える話し方がさすがライダー番組です。
「……天空寺、タケル……」
「えっ?」

***

大天空寺。寺男として入ったジャベルは、1人だけ紺の作務衣で長い廊下を雑巾掛けしています。そのスピードのあまりの速さに、驚くシブヤとナリタ。
「軍荼利!」
「「おおっ!?」」
「軍荼利!」あっという間に廊下の端まで到達し、取って返してくるジャベルの雑巾がけに、風圧すら感じるシブヤ。
「ジャベルさん、すごい……」
「軍荼利! 軍荼利!」そしてまた一往復。廊下の床板が後ろへ吹き飛んでいくようです。

そして境内。ハチマキ&たすきがけで妙な拳法の稽古をしているような御成。と思ったら、
「はいィ! ……おいでえな、御成のそばにおいでえな! 来た~れ五右衛門殿、来た~るぇ、五右衛門殿!」とまた妙なことを唱えています。
廊下からそんな御成と、風のように傍らを往復するジャベルとを、見比べているシブヤとナリタ。

***

大天空寺和室。きりりと口元を引き結び立つ少年を、まじまじと見るタケル。
「この子が、おれの名前を? きみの名前は?」
アカリと勉強をしていたところへマコトたちがやってきたのでしょう、座卓の上にはまだ、辞書やテキスト、ノートのたぐいが散乱したままです。その両脇に、腕組みして座るアランとマコト。
「無駄だ。聞いても何も答えない」
「……アユム
しかし少年が即座に答えたので、梯子を外された表情になるマコト。
「アユムくん。お家は、どこなの。お父さんとお母さんは?」構わず近づいてくるタケルを、試すような目で見返すアユム。
「仮面ライダーゴースト。世界を救ったんだよね?」
「えっ」
無言で座卓から、タケルの問題集を1冊を取り上げるアユム。一瞥し、ぽいと元の場所へ戻すと、
「こんなことして、世界を救うよりすごいことができるわけ?」
「それは」

ゴーストでいたほうが、よかったんじゃないの?

妙に事情通です。しかしそれを疑うより、アユムの突いた点に顔色を変える一同。
「それは違う」そのなかで、再びアユムに語りかけるタケル。「生きていること。命そのものが、奇跡だと思うんだ」
「命が、奇跡……?」

問答2

夜。広間に大テーブルを出し、クロスを掛けてごちそうを並べる大天空寺。
お誕生会と大きな飾りが壁に配されていますが、これはどう見ても宴会です。ゴーストの顔をかたどったケーキ。ポテトサラダにコロッケはまだいいものの、おつまみ用に大袋で売っているチョコレート。おにぎり。カセットコンロの上にはすき焼きの鍋。

「無事に生き返ったタケル! 第二のお誕生日、おめでとう!」
年長者の仙人が音頭を取り、
「おめでとう!」と一同がウーロン茶やオレンジジュースのグラスを掲げます。ビールがないのが不自然なくらい宴会料理です。
三角のパーティーハットをかぶるジャベル、御成、マコトにカノン。
ろうそくがフレームの上で燃えているデザインの、パーティー用サングラスやレイで、本日の主役として身を飾るタケル。
「かんぱーい!」タケルがグラスを突き出しマコトたちと合わせ始めると、
「さささ、せーの!」御成の合図で皆がタケルに向けクラッカーを鳴らし、また歓声。拍手。
「あっはっは……いただきまーす!」手を合わせ一斉に食事が始まります。

「タケル殿、お野菜、お野菜」と勧める御成。向こうの方ではしきりにたこ焼きたこ焼きと周囲に勧める仙人の声。
アカリは傍らのアユムに、何が食べたいかと聞いているようです。
取ってもらったたこ焼きを1個、まるごと頬張り、たちまち相好を崩すジャベル。向かい側のアランと目を合わせ、
「……たこ焼き (•ө•)♡」
そういえば放浪中も、たこ焼きを目にしてまじまじと見ていましたよね。
「どうだ、美味いだろう」やはりたこ焼きを頬張りながら、なぜか誇ってみせるアラン。
「みんなで一緒に食べるご飯って最高に美味しい!」はしゃぐタケル。
「タケル」アユムの世話を焼きながら微笑むアカリ。「約束かなってよかったわね」
「タケル?」離れた席から立ってきて、そのタケルの傍らに正座するアラン様のこの振る舞いもまるで宴会です。「ありがとう。お前に人間の素晴らしさを、命の意味を、教えてもらった」
「アラン」
「我々の世界も必ず、人びとが生き生きと暮らす、美しい世界にしてみせる」
「……行くんだね?」
「ああ」
「眼魔の世界にはアランが必要だ」
「ほんとにありがとう」
ここの2人の表情は好きです。一時の目の険はなくなり、すっかり和らいだ表情となったアランはそのノーブルさが際立って見えます。手を差し出すアラン。その手を取るタケル。

そんな大人たちの様子を、醒めた目で見ているアユム。

「タケル。おれも向こうの世界でアランを手伝うつもりだ」生真面目な表情で告げるマコト。そちらにも柔らかな笑みを向けるタケル。
「決めたんだね。マコト兄ちゃんらしいよ」
「わたしも一緒に行くことにしました」とカノンも。
「なんだか寂しくなっちゃうな」見回すアカリの横で、御成が目頭を押さえています。
「皆の新たな旅立ち、気持ちよく、送り出してさしあげましょう」
「何をしんみりしとるんじゃ! 今日はタケルを祝う日じゃ、さあ、踊るぞ踊るぞ!」遠間から叫ぶ仙人。黄のアロハシャツにパナマ帽と、まるで亀仙人みたいです。「さ、ナリタ、シブヤ、来い!」
言うなり立ち上がり、踊り始める仙人。
「スイッチョ、スイッチョ、パパパパー♪」珍妙な歌。鳴り物を持ってその横で踊るシブヤとナリタに、なぜかジャベルまで加わっています。笑いながらアランの肩を抱き、一緒に曲に合わせて身体を揺するタケル。

さらに盛り上がる宴会を、やっぱり醒めた目で見ているアユム。
「……ねえ」気づいてその肩を叩くタケル。「きみを狙っていたのって……?」
「そいつはこんなやつだ」すかさずスケッチを差し出すアラン様が絵心がありすぎ。

(どこかで……?)その絵の人物に、見覚えがある気がして、首をかしげるタケル。

「狙われる心当たりはあるの?」と、今度はアカリもアユムに問います。ポケットからガシャットを取り出すアユム。
「これが、世界を変える、力を持つものだから、かも」
「なんとも奇妙な……」少年の手にある装置を、科学者として捨て置けないという表情で見つめる仙人。
「世界を変える力とは、ずいぶん物騒だな」真顔になるマコト。アユムのほうがそれを黒いライダーから奪ったのですからよほど物騒です。
「幸せで平和な未来だってつくれるってこと?」努めて話題を明るいほうへ持っていこうとするタケルに、
「未来に希望なんか持っても、無駄だよ。絶望があるだけ」と応えるアユム。
その、あまりの発言に、息を呑む一同――。

「違いますぞ」そこへ割って入る御成だけが救いです。「アユム殿のお父上とお母上も、未来への想いをアユム殿に託しているのです」
「適当なことを言うな!」しかしそれに反応するアユム。「未来がどんな世界か、わかってないくせに!」
「あっ、や……」
「アユムくん。きみの想いが未来をつくるんだ。きみはどんな未来を望むの」
「やるだけ無駄。未来は変わらないんだ!」
タケルの言葉もそう切り捨て、立ち上がるアユム。人形のように整った顔がその言葉の冷徹さを強調します。そのまま飛び出していくアユム。
動揺を収めようとしてのものでしょうが、
「なんなんだあの子?」と不快気なナリタ、
「感じ悪いですよね」と同意を求めるシブヤの声が悲しく、ただアユムの去った先を見つめ続けるタケル。

問答4

夜。タケルの勉強していた部屋に床をのべ、アユムを寝かしつけた御成、アカリ、タケル。
「不思議よね……この子はなんで、いろんなこと知ってるのかしら」
小さな手が出ているのを、掛け布団の中に戻してやろうとするタケル。その瞬間、アユムが
「父さん」と寝言でつぶやき手を握りしめてくるので驚きます。手を繋いだまま、もう一方の手でアユムの頭を撫でてやるタケル。

翌朝。山門の前まで、アラン、マコト、カノンの旅立ちを見送る一同。この人達ったら荷物といえばたこ焼き器一つです。画材すら持っていかない気でしょうか。
「その、たこ焼き器はいったい何?」みなの気にしていたことを指摘する御成。
「たこ焼きでみんなを笑顔にするんだ」
「カノンちゃん……」進み出て声をかけるアカリ。
「大丈夫です。向こうには、アリア様もいるから」
「タケル。元気でな」言葉少なに掌を突き出すマコト。笑いながらそこへ拳を打ち込むタケル。
「心は、いつも一緒だから」
微笑み頷きあう一同。
今が潮時と眼魂を掲げるアラン。ネクロムとなり、気取った仕草で目の紋章を描くと、マコトに預けていたたこ焼き器を再び大事そうに抱えます。
「じゃあな」
みなで手を振るなか、あっけなくゲートの向こうへ姿を消す3人。
「……行っちゃった」
「見てみたいですな、アラン殿の作った世界を」
「アランなら絶対にできるよ。マコト兄ちゃんも居るし」微笑み言うタケル。「必ず眼魔の世界を変えられる」
いつもならタケルの言葉に異を唱える者などゴースト世界にはなく、ここでまた皆が笑顔でうなずきあって終わるのでしょうが、今日はアユムがいます。

「――たった3人で何ができるんだ」

振り返れば、いつの間にか物陰から姿を現すアユム。
「そんなの無理だ。世界なんか変えられない!」
「そんなことない」皆の間をすり抜け、アユムに近づくタケル。「最初は3人でも、仲間ができて、想いがつながり、世界を変える力になる。……おれも、おれ1人で世界を救えたわけじゃない。父さんや英雄たち。みんながいたからできたんだ」
「……でも。それでも未来は……」
泣き出しそうなアユムを、見つめるタケル。突如踵を返し、駆け出していくアユムを追いかけます。
「アユムくん!」

新たな敵

大天空寺裏山。白い衣装で万緑のなか駆け抜けるアユムは、小さな蝶のようです。絶望にとらわれ走りながら、それでも、周囲の様子が何かおかしなことに気づき、やがて足を止めるアユム。
寺の裏山に、どうしてマリオ世界のようなキューブやブロックが、奇妙な植物が、あるのでしょうか。
「!?」
突如湧き出た怪人たちに驚くアユムの目がまんまるです。
「何あれ!?」
「何と奇っ怪な」
タケルとともに追ってきていたアカリ、御成も声を上げます。
逃げ惑い、躓いて倒れるアユム。
「アユムくん!」とっさに眼魂を出し、走り寄りながらゴーストに変身するタケル。「変身! はっ!」
しかし眼魔相手とは勝手が違い、相手は一撃で姿を消すようなことはありません。構わずパンチを繰り出すゴースト。

――そこへ、ひらりと高みから舞い降りてくる紫のライダー。

賑やかな電子音とともにぴょんぴょんと宙を舞い、蹴りを入れ、槍で突きますが、その身のこなしがまた人間離れしています。
「?」戦いつつ、ついそちらを注視してしまうゴースト。その眼前で、
「HIT」の書き文字とともにいつしか消えていく怪人たち。残されたのはゴーストと紫のライダー、そしてその中央で、草の上に座り込んだままのアユム。

「お前は。……あっ」
アランのスケッチに酷似するその姿を、睨みつけるゴースト。アランが彩色していれば、別人だとわかったのでしょうが。
構わずアユムの手にあるガシャットに目を留め、
「それを渡せ」と言う紫のライダー。
「これが狙いか」割って入り、アユムを庇うゴーストに、
「世界を救うために必要なんだ」と告げます。

しかしゴーストは、かれこそがマコトたちを襲った相手だと思っています。「555」第1話の
「カバンを寄越せ!」とどこまでもヒロインを追ってくる男を思い出しますよね。

「嘘をつけ。おれの仲間を襲ったくせに。はあっ!」
その突きをひらりとかわす紫のライダー。
「嘘じゃない。襲ってない!」
「はっ!」
尚も向かってくるゴーストの、肩を捉えて飛び越し体をかわす紫のライダーの、動きがやはり、人間離れしています。普通ならこれだけの大ジャンプにはスピードや勢いが必要ですが、そんなものは感じさせず、ただふわりと舞いあがり、重力などないように、ぴょんと飛び越すだけ。そのままゴーストの後ろをとり、羽交い締めにする紫のライダー。
「……っ、あれで世界を好きなように変える気なんだろ!」振り払い向き直るゴーストに、
「おれが変えるのは運命だ!」このわからず屋めと言いたげな紫のライダー。斬りかかってくるゴーストの腹をパンチし、突き飛ばします。
「!?」
「人の命を救って、運命を変える!」
「……命」
「命は、……何よりも大切だからな」
「それは、」跳ね起きるゴースト。「……おれもそう思う」
ゴーストの得心がいったところで、改めてアユムに目をやる紫のライダー。

理解

その目が驚きに見開かれます。アユムめがけ背後から飛んでくる紫のエネルギー体を見たからです。
「危ない!」叫び、とっさにアユムを庇う紫のライダー。ほぼ同時に、やはりアユムを庇うゴースト。2人は背にその攻撃を受け、仲良く草の上に倒れます。
「うわあっ!」
「ああっ!」
先に起き上がった紫のライダー。おのれのことよりも這い寄るようにアユムのところまで来ます。「……大丈夫か?」
「うん……」助け起こす手が、声が優しく、さすがに素直に応じるアユム。「でも、世界を変える力が」
倒れた拍子に手からガシャットを取り落としてしまったのです。

(あの人、とっさにアユムくんを守った……)

その様を見ているゴースト。

「タケル! あれ見て!」そして背後から声をかけるアカリ、御成。2人が指さす方に、ガシャットが落ちています。
しかしゴーストと紫のライダーが気づいたその瞬間、先にガシャットを見つけていた黒いライダーの手が、それを拾い上げていきます。
睨みつける紫のライダーに気づき、一瞬振り返る、黒いライダー。逆光を背に立つその姿は、踵を返すや宙に掻き消えていき、
「なんと」と驚愕する御成。「同じ姿でしたぞ!?」

「奪われた」自分が誤解していたせいだと、気づいたゴースト。「ごめん」
「……今はいい。この子を救えたからな」
アユムの頭を撫でながら、そう応じる紫のライダー。たっくんならここで喧嘩になっていたはずですし蓮ならボロカスに言いそうなんですが平成ライダーも二期はぐっと穏やかですよね。
そんなことを思っていたら、再び湧き出てきた変な怪人たち。
「ノーコンティニューでクリアしてやるぜ!」すっくと立ち上がる紫のライダー。
「命、燃やすぜ!」応じるゴースト。2人それぞれに怪人の群れの中に飛び込んでいきます。軽快に、スピーディーにハンマーを古い敵を倒していく紫のライダー。
重い蹴りで撃破していくゴースト。
また全然違うファイトスタイルです。

抱擁

再び敵を一掃すると、
「ありがとう」と声をかけに行くゴースト。差し出された手を見てふっと笑みを漏らし、力強く握り返す紫のライダー。「……ふふ」
笑いながら変身を解いたタケルの胸をハンマーの先でちょんとつつき、
「またどこかで会おう。じゃあな」と去っていく紫のライダーがいい人です。
「想いがまた一つつながった」笑顔で見送るタケル。しかし変なライダーはやっぱり挙動不審で、意味なくブロックを踏んで飛び上がり、宙のある一点を叩いて去っていきます。
そこからこぼれ落ちた緑色のメダルを、手にするタケル。と、それはいつの間にか紫の眼魂になっています。
「……?」
一体何者なのかと、もう一度相手の去った方に目をやり、それからアユムに振り返るタケル。
「人と出会い、想いがつながって、未来を変える力になるんだ」じっと大きな目を見開いているアユムの前で、屈み込み話しかけます。「あの人も、運命を変えるって言っていただろ」
「でも。でも。……ずっと一緒にいて助けてくれるわけじゃない! タケルがいないときはどうすればいいんだ? 未来なんて変わらない。想いなんて意味ない。どんなに頑張ったって! 無駄なんだ……ぼくには何もできないんだ」
いつしかその大きな瞳から涙がこぼれおちそうになっています。悔しさに目を落とすアユム。
その小さな身体を、抱き寄せるタケル。
「……あったかい……」
「おれの想いは、今、アユムとつながっている。おれはずっと一緒にいる。だって、おれたちが出会ったことは永遠に消えないんだ。……おれと仲間の想いは、ずっとアユムと一緒だ。未来は変えられる。おれは人間の可能性を信じている」
落ち着いたのか静かになり、タケルに体重を預けてくる小さな身体。抱きしめていたその身体を一旦引き離し、今一度その目を、覗き込むタケル。
「おれはアユムの力を信じている」

「……」立ち上がるアユム。「世界を変える、力を持つもの」
「えっ?」
後ずさり、距離を取っていくアユムは、困惑したように見つめるタケルに、微笑みかけます。
「来てよかったよ。聞いてたとおりの人だった。もう諦めない。ぼくも未来へ、想いをつなげる」
宣言するかれの背に目の紋章が現れ、えっと驚くタケル、御成、アカリ。
「ありがとう……」そのくちびるがとうさん、と動き、ゲートの向こうへ、消えていくアユム。
「あの子はいったい何だったのかしら」
「わからない……でも。きっとまた会える気がする」

眼魔世界。赤い空を背に並び立つビル群を見渡しながら、
「必ず青い空を」と誓うアラン。「今、ここから始めよう」
「ああ。おれたちが……」頷くマコト。
「「「未来を、つくる」」」カノンも含め、3人声が揃います。

大天空寺山門。不可思議現象研究所の看板をせっせと磨いている御成。
「眼魔の脅威は消えるとも、不可思議現象はなくならず。人びとを救う、ために! 不可思議現象研究所はこれからも続けていきます!」
「心配するな。寺の方は新住職のこのわしがおる」ゆらりと門の影から姿をあらわす仙人。紫の衣を着てなんか格が高そうです。
本来なら罪滅ぼしにアランの手伝いをすべきなんでしょうが、年寄りは身を退く的なあれなのでしょうか。かちんと来たのか無理な笑顔で一礼する御成。奮然とシブヤたちの方へ歩んでいきます。
「シブヤとナリタは拙僧を手伝うのですぞ」
「パス!」
「ぼくらは、ジャベルさんと修行します」
「生きる意味を、生涯をかけて見つけます」ジャベルはあくまで真面目なだけなのでしょうが、腕組みして遠くへ目をやるその仕草に、完全にシンクロしてみせるシブヤとナリタ。軍荼利修行に心酔しちゃったのですね。
「……あ、アカリくんは、手伝ってくれますよね?」
「あたし、これから自分のやるべきことが見えた気がするの。科学の進歩が人類を不幸にするのを止めるには、人間力が必要なの!」
「あっ、タケル殿……学校かああああ!」すがりつきながら1人ツッコミし、へなへなと石段の下に蹲る御成。「ああ……拙僧は……独りぼっち……」

「未来はどうなるか決まっていない。想いが未来をつくる……」そろそろ締めなのかタケルがいいことを言い始めます。「だから!」
突然カメラ目線になるタケル。飛び出してきて指を突きつけます。背後の皆も、泣いていた御成まで、タケル同様カメラ目線でこちらを指さし。
「「「「「「「「今度はきみだ! きみの想いを、未来につなげ!」」」」」」」

すかさず入る、「一年間ありがとうございました」のテロップ。
なんと第四の壁を超えてきましたよ。すごく舞台劇っぽい終わりでしたね。
今週のモビーディック。
「あなたを守りたいだけだ!」と身を捨てて戦う大和にかつての戦士の姿を見てほだされる、というのは自然な成り行きですが、なついたキューブホエールがその大和に授ける武器が銛、というのはシュール。そもそも銛が背中に突き刺さっているのもシュール。
そして今週もやっぱり操がめんどくさいのですが、セラがめんどくさがりつつも
「あんたのそんなとこ、嫌いじゃないよ」と見捨てられずに世話を焼いてしまうのは長女気質のゆえなのでしょうが、なんとなくだめんずにも見えました。まあ操はポテンシャル高いし根が素直なので伸び代ありますけどね。
関連記事

style="clap"
2016.10.05 18:11 | ghost ゴースト | トラックバック(-) | コメント(-) |
| ホーム |