LOVE! HEROES!

特撮番組全般、そして高岩成二さんと伊藤慎さんを応援します。

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というわけで今頃「君の名は。」を観るような今日このごろ。大ヒットすぎてこんな田舎でもまだ一日に何回もかかっていてすごい。
アニメの映像表現って今こんなになってるのか! と呆然となるほどで、光や水の美しさに驚嘆し、そして山手線のドアががーっと開いたり閉じたりするところや新幹線のシートにノスタルジー誘われてえらいことになりました。


諏訪湖の雲 / kuracom


午前中は色々用事があって、電車に乗っている時間は正味20分くらいなのに乗り換えの駅で40分くらいただ待っていたり、ついた先でもまだ時間が早すぎて40分ほどつぶすためにどこまで行っても人気のない道をあてもなく歩きまわったり。そんな余裕があるのかないのかよくわからない日に読み終えました。

身代わり(幻冬舎)
西澤保彦著


前作「依存」から9年。あの名探偵が帰ってきた!
デビュー作「解体諸因」から西澤作品に登場し続けている愛すべき大学生たちのこのシリーズを、わたしはずっと愛読してきました。

小柄でおとなしく、およそ平凡を絵に描いたような青年、タックこと匠千暁。
ソリッドかつ凄みのある美貌と長身、独特のファッションセンスが人の目を奪わずにおかないタカチこと高瀬千帆。
ぶらりと放浪の旅に出たかと思えば後輩たちの面倒見もよく、酒宴を催すためだけに大学の近くに一軒家を借りているような万年学生、ボアン先輩こと辺見佑輔。
そして、小学生のようにあどけない容姿とは裏腹に、鋭い観察眼を発揮するウサコこと羽迫由紀子。
彼らの共通点はとにかく酒豪であることで、主に4人が酩酊しつつ出会った様々な事件をああでもないこうでもないと推理しあい、討論しあっていくという構成。

アームチェア・ディテクティブの楽しさもありながら、この4人の関係性がとても心地よくて好きなのです。
まだシリーズはじめの時点ではそんなにキャラは立っておらず、ただ探偵役としての機能を発揮していた彼らですがじわじわと存在感を増してきて、「麦酒の家の冒険」あたりからがっつりとらわれてしまいました。
それぞれの心の傷の故に、深く魂の底から強い絆で結ばれている千暁と千帆。その千帆に真剣な愛情を寄せつつ、千暁の負った傷の深さを思いやり、ただ忍耐強く待つ、佑輔。かれら3人から一歩引きながらも3人それぞれを大切に思い、愛してきた由紀子。
どんな重苦しい関係なんだ、となりそうなところ、全編軽妙かつのんきな会話で綴られ、タックの穏やかな人柄に似つかわしくない皮相な物の見方やタカチの“ツンデレ”という言葉が生まれる以前からの峻烈なツンとちょっぴりのデレ、ボアン先輩の包容力やウサコの愛らしさ、そして学生時代特有の、怠惰に飲んだくれていてさえ、一瞬一瞬がかけがえのない、きらめきを感じさせる独特の空気感。

ということで基本的には肩のこらない楽しいシリーズなのですが、なかで一番の名探偵、千暁は前作「依存」で心に傷を負い、それを支える千帆とともにほぼ一ヶ月、学生街から離れ、とある場所にひきこもっている状態です。
いつものメンツを欠いたまま、いつものごとく後輩たちを集め酒宴を催した佑輔が、出会った不可解な事件。死亡した青年に、いつしか千暁を重ね合わせ、ついつい積極的に巻き込まれて行けば――。

相変わらずの後味の悪さと救われなさ(褒めてます)。

実際に事件を解決すべき警察や探偵が主役ならこの動機はどうなの、このやり方は実行可能なの、と諸々疑問を持ってしまうでしょうが、アームチェア・ディテクティブであるタックはただ単に酔っ払いながら
「こうも考えられる」と、1つの解を示したわけですので、これはありだと思います。被害者側の、そして加害者側の、人間の卑小さに関する検証がとにかく説得力ありすぎる。
そして、それよりも何よりも、2人が街に、そして佑輔と由紀子のもとに帰ってきたことがうれしい。「依存」以降何年もシリーズが途切れていたままだったので、そしてその間わたしの方もいろいろあって読書量もぐっと落ち、発刊からさらに7年経ってこの本を手にしたというありさまだったので、夏の名残を慈しむ会に2人が現れたときの描写はついうるっときてしまいました。
ただこれ1巻では(シリーズ読者でない方には)わかりにくい、というのは作者自身があとがきで断っている通り。読む人を選ぶかもしれません。
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2016.11.13 02:00 | read or die 近視de乱視 | トラックバック(-) | コメント(-) |
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