LOVE! HEROES!

特撮番組全般、そして高岩成二さんと伊藤慎さんを応援します。

洋楽好きにはたまらない映画でした! 「キングスマン」のタロン・エガートン、あんなに甘い歌声だったとは!
逆に言うと、洋楽にはあまり興味がない、とか、特定のジャンル以外・最近の曲以外聴かないという人にとっては、魅力半減なのかもしれません。これは聴衆たちと一緒に、ラストの素人歌謡ショーを楽しむ映画なので。何度も一緒に歌ったり、脚でリズム取ったりしたくなりました。


Squid Lamp / George Grinsted


イカ、あらすじを書いても、ネタバレになりようがない(一行で済んでしまう)映画なのですが、一応折りたたみ。
主人公はさびれた劇場のオーナー兼支配人。起死回生の一手として、街の素人相手に歌謡コンクールを企画しますが――。

基本のストーリーはこれだけ。
そこからカメラは街のあちこちへと視点を移します。

ギャング団の見張りを任されている不良少年。
25匹の子豚を育てる戦争のような毎日にちょっぴり疲れた主婦。
透き通った歌声の持ち主ながら内気な性格のために家事手伝い程度のことしかできない若い娘。
横暴でプライドの高い恋人に、引きずり回され貶されてばかりの10代の女の子。
才能あるストリート・ミュージシャンでありながらツキに恵まれぬまま、やさぐれてしまった男。
パッとしない日々、くすみそうになる心。それをほんのひと時だけでも輝かせ、空へと誘う魔法、それが歌うこと。
そんな市井の人々がたまたま目にしたコンクールのチラシ。賞金は何と10万ドル!
たちまち熱狂した人々が劇場へと詰めかけ、ご機嫌の主人公は高らかにオーディション開始を宣言します。

ロマンティックな導入部からユーモラスかつテンポのいいオーディションまで、ミュージカルっていうのはこうでなくちゃ、という展開です。
もちろん財政難に苦しむ主人公が賞金10万ドルなど用意できるはずもなく、企画していたコンクールが開催されるまでには紆余曲折あるわけですが、この辺り、ドラマとしてはさほど複雑ではありません。
それよりも60曲以上の名曲を次から次へと堪能できる贅沢な構成。
そして街の素人、いうなれば有象無象の中から確実に才能を発掘し、なおかつ
「歌声は確かだが見た目が地味」な主婦を派手なパフォーマンスで魅せるダンサー&シンガーと組ませたり、ソウルフルな歌声が身上の若者にピアノの弾き語りを提案したり、という主人公のプロデュース力がすごい。しかもポップシンガーに仕立て上げようとしていた少女が自作の曲(パンク)を弾き語りしているのを耳にするや即採用する柔軟さも持ち合わせています。
また、たとえばこのハートフルかつキュートな映画の中で異色ながら、初登場時から一貫してやさぐれて性格の悪いストリート・ミュージシャンが、ラストで内気な娘の歌声に心底感動していて
「ああ、性格は悪くても音楽に対してだけは誠実なんだな」とちょっと納得させられたり、ダンスレッスンにやる気をなくした主婦が、閉店間際のスーパーで、ふと耳にした曲に合わせて踊りだしたのがめちゃくちゃ本気になってしまったり、とにかく寂れた劇場の再興成るや? というメインストーリーすらどうでもよくなるほど音楽中心の映画。

登場人物たちはコアラや豚、ゴリラなどの動物たちですが別に何かの寓意があるわけではありません。
ただ、実写だと、ちょっといい話だとか感動するとか言われそうなくさみのある話なので、こんなふうにあくまで明るく可愛い絵柄の動物たちに活躍させたのは良かったと思います。

あとは小ネタ。

・きゃりーぱみゅぱみゅが採用されていたのは知っていたのですが支配人ムーンの下手なニホンゴが謎。
 どんな辞書を見ればあんなことになるのか。
・くたびれた主婦の夫はやっぱり仕事にくたびれた感じだったのに意外に情熱家。
・わたしも金持ちのドラ息子に生まれて人生コンサルタントに頼んで自分探ししたい。
 かれが生まれて初めて「役に立つこと」を始めたところは良かった。
・劇場の月の装飾が三日月から満月に変わるのはぐっと来た。
・イカはネ申。
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2017.03.18 21:01 | dvd box 観たらめも | トラックバック(-) | コメント(-) |
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