LOVE! HEROES!

特撮番組全般、そして高岩成二さんと伊藤慎さんを応援します。

7月封切りのを今頃。でも上映が始まったのも当地では今頃なのでシカタナイ。
レイトショーで観たので観終わって出てきたらもう映画館の売店が閉まっており、パンフレット買い損なってしまいました。あとで加筆訂正するかもです。

パワレン2

高校生戦隊の苦悩がキュート

アメリカの小さな町、エンジェルグローブ。小さな町にはそれに似つかわしい小さな高校があり、けれどもフットボールチーム(アメフト)には、小さな町に不釣り合いなほどのスター選手がいました。将来を嘱望されたかれは、しかし、ある不幸な事件によりプロ選手への道を断たれ、学校の補修クラスに落とされてしまいます。
そして――。

既に観た方にはこの導入部が長い、という意見もありましたがわたしには「グリー」みたいなよくあるハイスクール青春ものの映画を観ているようで、かなり楽しめました。
落ちこぼれクラスには
・機械おたくで、同時に自閉症スペクトラムらしい“こだわり”も目立つ少年
・学園一の美人ながら、ボーイフレンドとのいざこざを通じ一気に嫌われ者へと転落した少女
など訳ありの生徒と、そんなかれらをからかいいじめる有象無象がいて、持ち前の正義感の強さからそれについつい口出ししてしまう主人公。
自分自身も堕ちた偶像として、父親の失望の目に苦しんでいるのですが。

自分が何者かわからない。愛し愛すべき対象であった家族や友人と、なぜかうまくやっていけない。
ティーンエイジャーなら誰でも感じるであろういらだちと孤独。
5人のレンジャーそれぞれの苦悩と、真の友を得た喜びがうまく織り込まれています。高速メモ回し大好きです。

パワレン

また、戦隊につきものの荒涼としたバトルフィールド(岩舟山という石切場がロケ地として有名)&爆発が本作でも登場しますが、エンジェルグローブでのそこは、いじめられっ子の少年にとっては、父親が働いていた鉱山。
いじめを止めてくれた主人公への感謝と親愛の情から、一緒に夜の鉱山へ出かけようと誘い、そして出かけた先にはむしゃくしゃした心を抱え気晴らしにやってくる少年少女たちがいて、そうしてかれらは互いの存在や求めていた不思議な“力”に出会うわけですが、こんなにも自然にストーリーに組み込まれた岩舟山ははじめてでうれしい。
あと力との出会いのシーンはクウガっぽい神秘的な画作りでうれしい。

さらに、パワーレンジャーの力を得たあとも、変身までの道は遠く、トレーニングを繰り返しながらもかつてのレッドからは
「子どもじゃないか」と期待されていないのは明らかで、そこからくるコンプレックスにも悩まされた主人公たちが、夜のキャンプで互いの悩みを打ち明け合う展開もキュート。
あ、ティーザー広告の、それぞれに星空を見上げる高校生たちの絵というのはここから来たんだと思いました。とくに、
・どこに行っても浮いてしまう転校生 と
・トレーラーハウスに住んでおり、学校には気まぐれにしか姿を見せないアウトサイダー
の独白にはきゅんきゅんきます。

ただちょっと難を言うなら、この辺りはずっと映像が暗く、何がどうなっているのかひと目でわからない恨みがあります。暴力表現のあるパワーレンジャーはあまり小さいお友達を対象にしてはいないらしいのですが、せっかくわかりやすいストーリーなのに映像的には曖昧で刺激が少なすぎ。そのあたりも
「導入部が長い」という批判につながっているのではと感じます。

敵がヌルヌル

このところ海外ゲームをよくやっているのですが、宗教的なものなのか、邪悪な存在というとあちらでは
「ヌルヌルしている」
「生臭い」
「軟体 or 触手」
という海産物的なイメージがあり、本作の敵も序盤はそのあたりの描写が満載です。
金やクリスタルといった鉱物を操るという特性からすると海産物っぽさには違和感もあるのですが、邪悪なやつだから仕方がないのかも。
彼女が金を集めて少しずつ回復していくにつれ、ヌルヌル感が減って小奇麗になっていくあたり、パワーアップ感があって面白かったのですが、同時に、邪悪さが減ってるのではと心配になりました。

ただ敵の出自が元パワーレンジャーだったというのはイエローの
「いつも仲間から浮いている」というコンプレックスにつけこもうとするくだり以外、それこそ“ちょっと浮いて”感じられます。そもそものパワーレンジャーシリーズの設定がそうらしいので仕方ないのですが、そういう話ならもうちょっと裏切りストーリーを丁寧に描いてよと思ったり。どういう背景で、何を求めて敵となったのかがよくわからない相手で、ここは元レッドと主人公との信頼関係がなかなか築かれないパワレン側の事情とからめたら面白かったのではないかと思うのですが。

後半の決戦シーンでも、相手の弱点とか長所とかがよくわかっていないので、レンジャー側にもとくに戦略というものがなく、
「友情パワーで頑張った!」
だけになっていて、そりゃ敵に対する描写がないからそうなるよなあと。レンジャーたちがいきなり力を使いこなすのではなく変身できないまでも体術トレーニングを積み重ねたり(最終的にトレーニングで習った技が出せたところ大好き)、秘密兵器があったりとところどころ気を使っているのが感じられるだけに残念。

アメリカ的なかっこよさ

あれだけ
「力を得たのに変身できない」
「力を使いこなせてない」
ことに苦悩していたのに、とうとう変身できた! というシーンはみんな疲弊や戸惑いの表情が勝っているし、変身後も日本の戦隊物の見得きりのような華々しさがなく、ただ歩いてくるところをスローモーションっぽく撮っているだけで、いやこれがアメリカ的なかっこよさ(戦士としての凄み、シリアスさを強調)なんだろうなあと彼我の違いを感じます。
そこまでずっとハイスクールもののノリで来ていたので、正直わたしは(戦隊ものではないけど)仮面ライダーフォーゼ的なにぎやかな変身が来ると思っていました。ちょうどジョックもクイーンビーもナードもいることだし。
決戦はロボ戦がメイン。はいいのですが、乗り物から降りて普通のアクション、というのをもう少し観たかった(唯一見せてくれたレッドが素晴らしい)。乗り物から降りていればイエローが男性だと思われることもないだろうと思われます。

「ごめんね、バンブルビー!」には笑った。

あと、ラスト、街を守った彼らを称える群衆、のシーンがみんなスマホで写真バチバチ撮ってて、ああわたしはこういうの名誉というより群衆の不気味さに書き換えられてしまうので(「キック・アス」で悪漢にぼこぼこにされているキック・アスを野次馬が面白がって撮影していて誰も救急車や警察を呼ばないシーンみたいに)、ちょっと苦手でした。
主人公のお父さんがひっそりと
「あれは息子だ」と勘づいて新聞記事を冷蔵庫(以前はアメフトの試合の記事を貼っていた)に貼るところは相当に可愛かった。
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2017.08.06 19:24 | dvd box 観たらめも | トラックバック(-) | コメント(-) |
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