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LOVE! HEROES!

特撮番組全般、そして高岩成二さんと伊藤慎さんを応援します。

前置きがすごく長かったのでよければとばしちゃってください。本文は折りたたみ以降。

先日来、献血ポスターの一件から主にTwitter界隈が賑わっています。わたしは「宇崎ちゃんは遊びたい!」はそう特別目くじらを立てるようなマンガではない、むしろ紳士的でなかなか宇崎ちゃんを女性として見ようとしない主人公を宇崎ちゃんが後輩という立場を利用して積極的に押しまくっている可愛いラブコメ、という立場ですが話はどんどん拡散していき、日本のアニメ・マンガは性差別的で女性は常に搾取されている、気持ち悪いしトラウマを刺激される、女性はコミケなんてなくなってほしいとすら思っているんだ! もう秋葉原なんか周りを壁で囲んでしまえ! みたいなことになってきています。最早宇崎ちゃんはどこかへ行ってしまって今槍玉に上がっているのはオタクそのもの。
表現の自由にもかかわる非常にデリケートな問題だったはずが、話の運びが雑すぎてびっくりします。で、こんなふうにざっくり、
「いい大人が真剣になるべきではない、くだらない遊び」
「なくなっても構わないもの、社会的に価値が低いもの」
 という扱いを受けるのは小説なんかは散々通ってきた道で、もちろん特撮でもしばしば起こっていることなので、ああまたこの展開かと思ってしまいます。

以前、こんな印象的なTweetを読みました。
わたしも女性の中には子供らしい趣味や遊びを否定され、そんな時間があるなら勉強しなさい、お手伝いしなさいと言われ、例外的に
・家事に役に立つ趣味(料理や手芸等)
・女の子としての価値を高めると世間的に思われる趣味(ピアノ、バレエ、人形遊び等)
のみを許されてきた人というのが少なからずいて、こういう人が他人の趣味にも否定的になるのではないかという仮説を持っています。フィギュアや鉄道模型を「片付かないから」という理由で処分してしまい、ゲームに集中している時に話しかけてきて、
「どうせ趣味を持つならもっといい趣味にしたら」などと言うのはだいたい主婦(妻や母親)だからです。そして男性は男性で、趣味を奪われてきた相手の前で趣味に没頭してみせたり、相手の無理解をあげつらい、
「女性にはわからないでしょうが」と言いたがったりする。どちらも無神経だよなあと。

一応社会学の看板をあげているなら、それはほんとうに性差別なのか否か、もっと丁寧な議論をすべきなんじゃないのかなあ。性差別をなくすことにはわたしも女の端くれなので何の異論もないのですが、同じくらい女の子にもずっといい感じの棒を持ち続けていられるような世界であってほしいと思っているのであまりにもざっくりしすぎる話はいい加減にやめてほしいなと思っています。
そんな夜に読みました。

御子柴くんと遠距離バディ(中公文庫)
若竹 七海


長野県警の所属ながら警視庁に席を置き、広域犯罪捜査の調整をとる、それが主人公・御子柴くんの表向きの職務。
警察には詳しくなく、こういう制度が実際にあるかはわかりませんが、言われてみれば必要な感じはありますね。各都道府県からそのような立場の人が来ているらしく、御子柴くんはしばしば「長野」と県名で呼ばれていたりします(ネタバレになりますが御子柴くんが長野県警に返された後の後任は「長野2号」)。

でこういう立場の人は
「こいつが言うなら手伝ってやろうか」と思わせる人柄や、誰に何を頼めば話が通りやすいか瞬時に判断できる独自の人脈が何より大切なのですが、御子柴くんの場合甘党である点をフルに活かし、東京土産ならどこの何がいいとか、長野銘菓は何がうまいから取り寄せるとか、日頃からその手の心配りで着々と縁を結び、甘党人脈を築いていたりします。
この御子柴くんと、前作「御子柴くんの甘味と捜査」でバディを組んだのは一つ年下の立花で、こちらも柔和な雰囲気を活かし、被疑者や現場周辺の住民にあまり警戒心を抱かせず聞きたいことを聞き出せる特技を持っています。
要は2人揃って職務に誠実で、まあまあ気がきき、同僚や上司からすれば仕事を頼みやすい雰囲気を持っており(これ大事ですよね)、そこそこ有能。
短編連作のなかでこのバディが中心となって様々な事件を解決していくのですが、その描写がフロスト風です。
同時並行でAという苦情がありBという指示があり、その頃茨城ではCという事件が起こり……みたいな感じなのですが思わぬ線からそれぞれの関係者がつながってきて、この作家独特の後味の悪い、やや皮肉な結末が呈示されたりします。
過去作品の登場人物がちらちら出てくる、その出てきかたもいい感じ。
不自然に出張ったりはせず、誰かがうわさ話をしていたり、証拠物件から誰かの名刺が出てきたりという程度で好きです。

若竹作品には、わりと全幅の信頼をおいています。
作家としてというより、それ以前にミステリの読み手として、この方の評論(というかブックガイド)を読んでいて、
「わかるわかる!」となることがあまりにも多すぎた。この人が書くなら、きっとご自分が面白いと思うものを書くに違いないし、この人が面白いと思うものはわたしにも間違いなく面白い、という感覚が先にできあがっていました。程のよい人物造形、定石をおさえた無駄のない筋の運び、なのに、いつも最後の一行で
「えっ」となってしまう絶妙なツイスト。
大好きです。

ちなみに行政区分や警察組織や登場人物はフィクションなのですが、登場する銘菓は各々実在しますのでお取り寄せカタログにもいいかも。
わたしは作中では、熊本銘菓、<誉の陣太鼓>を押します。先日虎屋文庫の「ようかん」を購入しましたが、それにも載ってましたよ陣太鼓。復興支援に是非。



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