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LOVE! HEROES!

特撮番組全般、そして高岩成二さんと伊藤慎さんを応援します。

Twitter界隈では<ツイフェミ>という言葉があって、様々なメディア・表現上の問題についてTwitter上で発言するフェミニスト、という程度の定義でよく使われています。わたし自身は、昨年末の宇崎ちゃん献血ポスターに登場問題では「宇崎ちゃんかわいいよ何の問題があるの派」だし、とはいえ沼津みかんにラブライブ問題では「スカートにあんなしわ寄らないようどれだけ苦労してると思ってるんだふざけんな派」で、必ずしも賛同することばかりではないのだけれど気持ちは女としてわからなくもない部分もあり、関心は常に持っているほうだと思います。

また、だからといってすぐ「運動」に盛り上げて表現規制の機運に持ち込もうとする動きには危機感を持ってしまうので、常に警戒し、巻き込まれないようにしなければならないとも思っています。

しばしばツイフェミに見られる怒りに任せた暴言にはまったく共感が持てず、それ自体忌避したい対象と感じていますが、一特撮ファンとしても、決して対岸の火事と安心できない相手だからです。海外では特撮ヒーローは暴力表現という意味で問題視されることが多く、そうでなくても「紅一点論」を始めとして、特撮を女性差別的なものとして扱おうとする視点はまだまだ存在しています。
実際には多くの女児からも支持され、制作側も意図的に魅力的かつ多様な女性像を登場させている作品群である、にもかかわらず。ちゃんと観てない人、上っ面だけなでたような人が特撮ヒーローを争いの具にしようとするのはファンとしてはほんとうにしんどいし、そういう意味でもいわゆるツイフェミからは距離をおかなければと思うのです。

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Photo by Derek Oyen on Unsplash

……とだらだら前置きをしていますが、この日記はフェミニズムに関するものではありません。ただ、今Twitter上で話題になっている高輪ゲートウェイ駅のAI駅員が、ゼロワン視聴者として気になった、というだけのお話。
AI駅員とは

事の起こりはこのTweetが引用している東洋経済の記事。
新しく開業した高輪ゲートウェイ駅にはAI駅員が採用されていることが紹介されているのですが、男性型はこう、女性型はこうという記者の紹介の仕方が、これは確かに女性として癇に障るものになっています。なぜ
・可愛らしいアニメ絵で
・さくらさんという愛称を持ち
・業務に関係ない質問にも応じる愛想があり
・髪の毛を触ったりと女らしい仕草をする
必要があるのか、さっぱりわからない上に、それが女性型にのみ付与されているというのがどうしても
「またか!」とうんざりさせられる要素なのです。

ちなみに実際には、今回のAI駅員には男性型女性型のほかに動物型も何パターンか採用されており、それぞれ開発会社が異なっていて、女性型AI駅員さくらさんは先行して開発されている女性型AI受付嬢のさくらさんが援用されただけ(開発元のティファナ・ドットコムには男性型AIサイネージもありさくらさん同様愛想のいいイケメンタイプのアニメ絵が用いられている)、まじめな男性型駅員はまたJR東日本情報システムが開発したもので、したがってこの男女の対比は誰かが意図して行ったものではないようです。

さくらさん単体には問題がない

ただここで、わたしはやっぱりさくらさんそのものにはそんなに嫌な感情はわいてこないわけです。わたし自身若い頃は司会者やナレーターコンパニオンとして、なけなしの女性的な魅力をかきあつめて発揮することを求められていましたし、今現在、「仮面ライダーゼロワン」に登場する社長秘書AI、イズがかわいい仕草をする度に(*´ω`*)と和んでしまうのです。
求められる職能をきちんと果たした上で、そこに人間的(外見的なものも含む)魅力をトッピングする行為はそんなに間違ったこととは思えない。優先順位を間違えてはいけませんけれども。

で、わたしがなぜ、イズには和めるのか、さくらさんのようにうんざりしないのかというと、そこにはイズの他に、シエスタという副社長秘書(AI)や、ウィルという男性型の先代社長秘書(AI)、刃唯愛という対立企業の社長秘書的なポジションにいる人間の女性……といった多様なキャラクターが同時に存在するからだと思います。
同じ秘書AIでありながら必要以上の人間らしさを持たない、そのために高慢で冷たい印象すら与えるシエスタ。しかし副社長は、その献身を、心から信頼しているように見えます。
また、人間ではありますがぶっきらぼうな言葉遣いや戦闘におけるリーダーシップが目覚ましい唯愛も、類型的な秘書というよりは懐刀っぽい性格づけがされています。ストーリー上、雇用主との人間関係はよくなさそうですが、少なくともZAIAの社長・天津垓は、彼女を女性としてではなく、能力で評価しているはず。

さらに言うなら、「ゼロワン」に登場するAI搭載ロボ=ヒューマギアは、イズも含め顔は造り物であるわけですから、美男美女ばかりであっておかしくないのに、実際には様々な容姿のヒューマギアが登場します(俳優が演じる都合上必然でもあるわけですが)。

こうした多様性は、イズの持つ和みや癒やし、可愛らしさや一途さを、イコール女性に求められるもの、女性が持つべき美徳とジェンダーに固定させず、イズ単体としての個性と認識させる作用があるのではないかなと思います。ちなみに「電王」ではイズの持つこの性質は、デネブという渋い声の男性型イマジンに付与されていました(かれは献身的なだけでなくライダー変身者の身の回りの世話を細かくやくことまでしていました)。また、他の作品を見てもヒロインはイズのような従属タイプだけでなく、逆に自分の趣味・関心事に没頭して主人公を引っ張り回すタイプや怪力の持ち主などバラエティに富んでいます。さすがに東映特撮は、何十年も前から女児の視点を取り入れているだけあると感じる次第です。

女性はかわいいもの、美しいものが大好きです。基本的には、魅力的な同性を嫌うはずがない。もし嫌な感情を持つとすれば、その魅力的な同性と自分を比較して、
「お前はここが足りない」とあげつらったり、
「お前も彼女を見習え、女性はこうあるべき」と押しつけたりする圧力を感じた時です。誰もそんなことしてないと言われても、幼い頃からその繰り返しを経験していれば勝手に感じてしまうものでもあります。わたしももちろん、さくらさんには最初に、
「またか」と感じました。ただ、だからといって、魅力的なものを公共の場から排斥しようとするのは違うと思うのです。

元凶は安易な記事

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思えば、かつて「人工知能学会誌」改め「人工知能」の表紙絵が炎上したのも、ほぼ同じ理由だったのではと思います。
・さくらさん同様、表紙イラストの作成や編集に差別の意図はない
・さくらさん同様、もしそこに差別があったとしても被害者となる現実の女性はいない
それはそうなのですが、家事労働をする女性型ロボット単体の絵からは、
「女性は家事労働をするもの」
「家事労働をするロボットは女性の代わりだから女性型」
 というメッセージを感じてしまいます。イラストレーターはそのロボットが、家事の傍ら書物を手にしている構図に別のメッセージ(例えば知性への憧れ、夢など)をこめたのではないかなと思うのですが、何しろ女性は家事、というメッセージが強すぎて伝わってこない。

可愛らしい女性型家事ロボットそのものがいけないのではなく、例えばその背後にもう1体、同様に家事をしている男性型ロボットか、あるいは女性型でも家事以外のことをしているロボットがいれば、かなり印象が変わったのではないかと思います。
そうしろという意味ではなく、1体だけだとそれが女性らしさなのだ、お前も見習えと言われているように、どうしても受け取ってしまうのです。わたしたち女性は長年そのように訓練されてきています。
そのようなイラストを、女性の目にも触れるであろう学会誌に採用すれば、まあ炎上はやりすぎでも、配慮の無さは問われるだろうなあ、と。

同様に、AI駅員にしても、もし女性型がさくらさん以外に複数存在していて、その中でさくらさんは愛想がよいとか、○○さんはまじめであるといった多様さがあるのであればよかった。
もしくは、男性型にもうやうやしい執事タイプや愛想のいいイケメンタイプなど、さくらさんとあまり変わらない性格づけのものを採用すればよかった。
いっそのこと性別をなくしたマスコットや動物型に統一すればよかった。
……というふうに、JR東日本にも配慮の足りなさを感じないわけではありません。が、今回の高輪ゲートウェイ駅はテストケースだということなので、いずれ理想的な(あるいは無難な?)形に収束していくでしょう。目くじらを立てるほどのこととは思えません。

ではなく、火をつけたのは、紹介記事を書いた、「東洋経済」ではないかとわたしは感じています。該当箇所のみ引用すれば、

改札から外に出ると、AIサイネージが2台置かれていた。男性駅員タイプと女性駅員タイプの2種類で、乗り換え案内や周辺の飲食店情報など声に出して質問すると答えてくれる。

男性タイプを開発したのはJR東日本情報システムで、駅構内や周辺の案内は的確だが、いたってまじめな印象。ところが女性タイプはアニメキャラクターで会話の最中に髪の毛を触る仕草をするなど、かなり凝った作りだ。

このキャラには「渋谷さくら」という名前が付けられており、年齢、住所、職業なども質問すると答えてくれる。会話に夢中になって後ろに行列ができたりしないかと心配になるほどのレベルだ。日・英・中・韓の4カ国語に対応しているので、外国人もクールジャパンの底力を目の当たりにするに違いない。

女性タイプのAIサイネージの正体は、ティファナ・ドットコムが提供するAI接客システム「AIさくらさん」。JR東日本グループのホテルメトロポリタンをはじめ、約300社に導入実績があるという。「さくらさんの基本設定は共通ですが、各社によってカスタマイズが可能です」(同社広報)。AIさくらさんも試行導入という位置づけだが、AIなので使われていくうちにどんどん賢くなる。試行導入後の本格導入が楽しみだ。

AI女子駅員が大活躍「高輪ゲートウェイ」の衝撃 東洋経済オンライン

……というように、男性はこう、女性はこうという当然のような対比。なのに、写真はアニメ絵を用いられているという渋谷さくら・通称さくらさんのみ。男性タイプにあまり着目してないのは新しさを感じなかったからと紙数の都合なのだろうと思いますが、それを雑に
「男性はまじめ、女性は髪の毛を触る、職務に関係ない会話にも応じる」とまとめてしまったところに配慮の足りなさを感じます。なぜその他のマスコットタイプに触れてないのか。なぜ女性タイプの魅力だけをそこまで強調してしまったのか。それが女性読者を刺激するとは……思わなかったんだろうなあ……

宇崎ちゃんやラブライブみかんに関する論争の中で、かつての人工知能学会誌にふれ、
「前回も今回も、肌の露出のないイラストが問題視されるのは納得がいかない」とするコメントがTwitterにもしばしば見られて、ああ、この人は問題を性的なものでしか理解できないんだなあと思ったりするのですが(尤もちょっと胸が大きいだけのイラストに牙をむくツイフェミのせいでそうなってしまったのかもなのですが)、わたしとしてはそんなことよりこういう悪意のない無頓着さや、周囲の押しつけのほうが、より日常的に嫌な思いをさせられてきただけに、気になってしまいます。つい先日もこんな(↓)ことつぶやいたし。
と同時に、同じAIだからと「ゼロワン」まで延焼類焼してくることのないようにと心配もしています。
イズは可愛い。
3/22追記。セクハラ質問に対し、
「すみません、聞こえませんでした」というさくらさんの回答がデフォルトで入っていたのですが(現在は修正されている?)、それについて

・セクハラを容認している とする人と
・現実に用いられるうまい言い回しで何の問題もない と受け止める人

がいるようです。わたしはこの件については前者です。確かに、現実に接客中の女性が答えたくない質問をされた時
「えっ、何ですか? すみません、聞き逃しちゃって」等と笑顔でしらばっくれるテクニックを用いることがありますが、これって苦肉の策なのです。客とそのアテンド、という力関係のために正直な反応が返せない状況下では他にどうしようもないわけです。そんな状況を目の前で再現されるのは、たとえ客体はAIサイネージという人権のないモノであるとはいえ、やはりいい気分はしません。

どちらかといえばAIという非人間的な、要は人間同士の力関係から解放された存在なのですから、思い切ってこんな(↓)運用だってできるはずです。 にもかかわらず、現実の女性同様に笑顔を崩さず、“うまい”対応、“要領のいい”言抜けをしているさくらさんには、セクハラされてもやんわりかわす=セクハラに比較的鷹揚、セクハラなんて気にならない、あるいはセクハラに耐えしのんでいるという性格づけがなされていることは間違いありません。現状は
「駅についてお答えしたいです」と、相手を軌道修正する方向に対応が変わっているようです。

前述の通り、わたしはさくらさんの設計そのものには、大きな問題はないと思うのです。が、大きな問題でないのと、何の問題もないというのは、違うことだからなあ。
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