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久々に観直しました 「ミッション・インポッシブル ゴースト・プロトコル」

これ2号と映画館でも観たし地上波でも観たし1号がTSUTAYAで借りてきた時も観たし、けっこう何回も観ているのですが毎回ブラントの
「次は僕が金持ちを誘惑する!」で吹いてしまいます。
それだけ観て感想文書いてないなと思いたち……

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Photo by Nikolay Vorobyev on Unsplash

ブルジュ・ハリファのほうが象徴的かも、だけど。

あいまいなロシアの描写

スリリングなIMFメンバーの活動からスタート。この「ゴースト・プロトコル」で用いられるギアは全編そうですが、いかにも実用化されていそうなものばかりで、駅の雑踏の中、コンタクトレンズに仕込まれた顔認証システムを用い敵方を発見するという描写などほんとうにリアル。「007」シリーズの非現実的なスパイギアとは対照的です。

ロシアの核爆弾発射コードが流出し、ブタペストで奪還に挑むIMFチーム。軽快なアクションシーンが続き、見事コードを収めたアタッシュケースを手にした、と思いきや、それをさらに冷酷な女殺し屋に奪われ……そうして生じた欠員。新たに編成されるチームには、トレヴァーに代わるヘッドとしてイーサン・ハントが配されます。
この冒頭シークエンスのテンポの良さ、いかにも60年代スパイドラマという感じで前任エージェント・トレヴァーの死さえスタイリッシュ。
イーサンは「セルゲイ」という名でロシアの刑務所に投獄されています。セルビア人6名を殺害したというのがその罪状。IMFメンバーはまず、このイーサンを脱獄させねばならず――。

冷戦崩壊後のロシアの、曖昧な存在感がよく現れている映画だなと思います。
アメリカに用いられるであろう核の持ち主としては第一に名があがり、けれどもかつてのような明確な敵とは言えない、そんな国。
敵のクレムリン爆破によりイーサンらがその犯人と疑われるのですが()、そのため作戦行動中、かれらはずっと、冷酷なロシア諜報部から追い回されます。その恐怖を描きつつ、実はイーサンは
・「百聞は一見に如かず」方式で身の潔白を証明するため、そして
・助けが必要な場合の保険として
敢えて追わせていた……ということがラスト近くでわかります。実際、最後の最後で駆けつけてきたロシア人たちはことの真相を悟るとあからさまに態度を和らげ、イーサンには病院で手当を受けたいかと尋ねるのです。敵とも言えず味方とも言えず、敵でもあり味方でもある、そんな国。
ああ、この頃はこんなふうに描かれていたんだなあとしみじみします。
今なら、明確に敵国として扱われるんじゃないかな。

副題の「ゴースト・プロトコル」もここに第一にかかっていて、これが発令されるとIMFメンバーの活動につき米国およびIMF当局はこれに関知しない、ということになります。要するに組織の庇護はあてにせず自力で何とかしろ、ということ。

「ぼくが金持ちを誘惑する」

ゴースト・プロトコルの発令、そしてIMF長官の謎の死。孤立無援で奮闘するイーサンたちがいつも通りです。
ダイヤモンド好きな女殺し屋の手に渡ったコードは、当然の成り行きで高額な取引の場へ。これを阻止し、かつコードを奪い返すため一同はブルジュ・ハリファへ、あるいはミサイル発射に用いられる衛星の持ち主がいるインドへと、乗り込んでいきます。

本作はシリーズ中でもアクションの派手さが話題になりましたが、わたしはどちらかというとこれらのシーンの、過去シリーズのセルフパロディのようなカット、コンゲームのような駆け引きの面白さや、それらを成り立たせるチームプレイが面白かった。
まずベンジーの姫っぷりはまだ鳴りを潜めていますがイーサンとの仕事を楽しんでいるのは明らか。そしてこのベンジーの雑な仕事によるブラントの受難っぷりがコミカル。
今回のヒロイン・ジェーンはイーサンと恋に落ちる要員ではなく、冒頭命を落としたトレヴァーの恋人。このためセクシーな演技はあくまで相手を騙す時だけで、ふだんはさっぱりとした言動に徹しているところ、好感が持てます。
トレヴァーの仇である女殺し屋・モローを殺してしまった彼女には、
「イーサンのセルビア人殺しは妻ジュリアを殺された復讐」という噂が、支えになったのでは。
と同時に、ジュリアの護衛に失敗したと悔やんでいるブラントには、
「ほんとうにその死を確認したのか?」と念を押すイーサン。実は、ことの真相は、
・ジュリアの身柄を守るため「死んだ」という情報を流し、
・それによってセルビア人殺しというでっちあげの罪状にもっともらしい味付けをしたうえで
・わざと投獄され、刑務所内でボグダンと接触し、今回のミッションの下地をつくっていた
というもの。
味方にさえ虚々実々の駆け引きをしかけるイーサンの念の入りっぷりに改めて呆れさせられます。
悔やみ続けてきた過去の失敗にあっさり片がつき、怒ってもいいくらいなのに苦笑いでチームに加わるブラントが可愛い。

すべてが終わった後、
「正常に活動していたのはうちのチームだけだったらしい。ぼくは誇りに思う」とメンバーを讃え、次の指令を受けるかと声をかけるシーンや、その直前にルーサーと軽く飲んでいるところ、諸々チームの絆を描きたかったんだろうなあと感じます。ジェーンはここで退場ですがそれ以外の面々はこの後も関係が続きますので。

もう1人のゴースト

ラストは人知れずほほえみ合うイーサンとジュリア。互いを思う夫婦愛、ともとれますが、これだけ入念に準備された計画なので、今後2人が夫婦に戻ることがあるとは考えられません。永遠の別れでありながら明るく、ほろ苦い描写になっているところも好ましく感じられます。

……と映画はきれいにまとまっていますが、日本人としてひっかかるのは、今回のテロリストのスピーチ(なのか講義なのか?)。
「広島、長崎の復興ぶりを見れば、核爆弾を恐れる必要はない、むしろ破壊を経ていっそうの進化を遂げるのだ」みたいなことを言ってるけどお前いっかい原爆資料館を見に来いよと。このところ映画の悪役ってだいたいエコ急進派なんだけどここまでおかしいことを言ってるのもめずらしい。
ハリウッドは長年、おそらくは意図的に核を軽く描いてきたけど、そろそろ止めたほうがいいと思うよ。、
5/26追記。新作のトレイラーが発表されたので観てみれば、総集編かと思うような既視感がすごい。懐かしい顔ぶれも見える。仕上げに来てるなという感じがします。

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