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ロートレックになっていた! 映画「ミステリと言う勿れ」

うーんボリュームから言えば映画化はこれなんだろうと思いつつ、後に「誘拐編」読むとちょっと劣る、「誘拐編」が映画になればいいのに! と思っていた「広島編」を観てきました。
時系列で言えば本エピソードはドラマのバスジャック事件の直後。
整くんは印象派展の最終日、美術館であわよくば冷蔵庫につけるドガのマグネットを買いたいと思ってそのバスに乗ったのでした。事件のために見られなかった印象派展が次は広島に行く、と我路くんに教えてもらい、そしてたまたま手に入った格安チケットで広島へ行き、
「(東京で見逃したけどここで)見られてよかった! ドガの“踊り子”のマグネットも買えたし」とほくほく顔で広島県立美術館から出てきて、そこから「広島編」がスタートします。

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でもこの印象派展どうのこうのを、ドラマでは「広島編」カットにあたり、
「大阪に行った」ことにしたわけです。
なので導入どうするのかなーと思っていたら、何の説明もなく広島の美術館から出てきた整くんが、
ロートレックのマグネットも買えたし」と言ってました。力技すぎる。
東京近郊在住者が、印象派展みたいなメジャーかつ東京でやらないわけがない展覧会を意味なく地方まで見に来ることはまずないです。逆はいっぱいある。逆はいっぱいありますよ。
俳優さんの熱演とか色々評価が高いシリーズなのに風呂光問題が持ち上がったりするのはこういう変に雑なところがあるからなんじゃないかな。

もちろん厳島神社とか旧家の豪壮にして品格のあるお屋敷とか、絵としては魅力的なので、そこをもって
「映画に向いている」と言われれば確かにそうなのですが、逆に謎解きと言いつつパズラーではないし、素人が集まってああでもないこうでもないと推理合戦が始まるわけでもなく、犯人当てとするとかなり不満がある内容なので、テレビでだらだら観るにはいいけど映画館で集中して、となるとなんだかなあ……となってしまう本エピソード。

でも毎度のことながら、俳優陣はよかった。
整くん周りのコメディ色がしっかり出ていたし、ヒロインの狩集汐路役・原菜乃華さんがとてもよかった。
うざいくらいに騒々しく強引で上滑り、明るく元気な高校生。でもどこかに闇を抱えている彼女は、幼い頃に深い傷を得たことを誰にも気づかれなかった、誰からも守ってもらえなかった、でも本来は、まだ皆に守られるべき<こども>。彼女が泣くとぎゅっと抱きしめたくなりました。そのアンバランスさがよかったです。
鈴木保奈美さん、松坂慶子さん、松嶋菜々子さんも全員素敵で色々なことを呑み込んで年齢を重ねてきたからこその良さが表現されていて贅沢な脇役陣だと思いました。
肝心な犯人は原作のしれっとしたところがちょっとアクセントついてて、人格のいびつさが強調されていてこれも熱演だったと。
あと、劇中劇<鬼の集>のナレーション、松本若菜さんもよかった。ドラマでは横浜のかっこいい女刑事を演じていてお美しい方ですがナレーション、よかったです。こういう声のお仕事も増やしてほしいな。声のいい人は好きなのです。

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毎度出てくるレトロ建築と陰影のある絵もよかった。遺言の開封が広島市内のホテルとかでなく狩集家の座敷に変わっていたのは犬神家っぽくていいです。倉敷の旧野崎家住宅がメインらしい。聖地巡礼できるかな?

なお、恋に悩んだりスポーツを諦めたり、事件までにも色々あった狩集家の人々が、解決後、宿命から解き放たれたように転職を決めたり好きな人にプロポーズしたりという展開がこの「広島編」の好きなところで、でも映画からはまるっとカットされています。残っていたのは仕事がしたいゆらが不承不承家庭に入ってるところくらい。

ゆらは自分で家庭に入ると決めたようなのに不満たらたらで、なおかつそれを肝心の父親や夫「ではない」、気安いいとこ達に当たり散らす不当さ、ヒステリックさが好きになれないタイプで、こんなとこばかり残すからポリコレアフロとか言われるのではと思います。
整くんは
「家事や育児が楽しいならもっと男性がやりたがるはず」と言いますが、そういう男性いると思うのに(いやいない)が聞こえてくるような反語表現を使ってしまっては、その後の
「人それぞれ」と矛盾するんですよね。原作はいとこ達全員に諦めた夢の再生が示唆されていてゆらだけがここまで悪目立ちしないけど。
ただまあ、そのへんの人間ドラマを描きこむともっと早期に犯人が絞り込まれてしまうしなあ。

ラストはレギュラー陣が登場し、第二期いかにもありそうな雰囲気で終わり。
やるなら風呂光さんはどうなるんだろう。「横浜編」が破壊的だったので希望が残ってないのだけど、この間の相良レンがとてもよかったので。

サムネは全然関係ないのですがバーモントカレーの文庫本カバー。たまたま行った本屋さんでバーモントカレークイズラリーをやっていたので解いて、景品にカレーのシールをもらいました。整くんがカレー推しなので。60周年おめでとうございます🎉
10/3追記。またぞろこの「広島編」を切り抜いてポリコレアフロ言いたがる人がXに出てきたので、
 ・アフロじゃなく天パだ(映画でもストパをかけた理紀に向ける整くんのきらきらした
  目つき!)  ということと、
 ・整くんは名探偵でも正義の人でもない、観察眼や記憶力がいいだけで虐待で
  受けた傷から立ち直ってない、「王様は裸だ」と思ったら黙っていられない未熟な
  「子供」だ  ということを
もう一回言っておきたい。どちらかというと連続殺人犯になりそうな危うさを「もてなそうなぼっちの大学生」というガワでくるんでいる、というか。過去記事にはそういうことも書きましたが(作品中では色々な人から突っ込まれたりうざがられたりいい加減なことは言わないようにと諭されたりしていて本人も納得すれば改めている)、もっと端的に書いている方を見つけたので引用させていただきます。

ゲテモノが好きで、かつゲテモノに好かれるタイプということですね。

<頭の上にミカンをのせる> 「ミステリと言う勿れ」の主人公がポリコレアフロみたいに扱われてることに違和感を感じるので、自分から見た「久能整」について説明します

まさにその通り、これにラブコメ風呂光を配するとか見当外れすぎるんだよな > ドラマ化

まあポリコレアフロ呼びされ始めたのは原作漫画を切り取って、ここ、気にいらない男に読ませればわからせられるでしょ? みたいに扱った人が元凶だと思います。整くんが結構ボケた意見を言いがちだし、作者がすこしフェミっぽい感じなのも認めます。だから反論する人もつい反論したくなるのでしょうが、整くんはとにかく傷ついた人の立場で、自分が言ってほしかったようなことを言ってるわけで、それが正しいかどうかはわたしはわりとどうでもいいかな。未熟な人が未熟なことを言ってたらいい感じにサイコな犯人が出てきて大当たり、という展開を楽しんでいるので。あと整くんも
「ダンゴムシになっちゃダメ」と未熟さを脱するため必死になっている面も描かれているし。まだ占星術の件進展してないので、そこまでは読みたい。
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