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LOVE! HEROES!

特撮番組全般、そして高岩成二さんと伊藤慎さんを応援します。

別に何かがあったというわけではないですが、今は企業の採用シーズンもほぼ終盤の時期。
採用担当ではないわたしも、入社内定した学生さんたちが普通に手続きだ研修だと出社して来られているので、接する機会が増えてきました。

顔には出しませんけれども、希望に燃える人たちを見ると、わたしも昔はああだったなと内心忸怩たる思いがあるわけです。
微笑ましいというより、うらやましい。
一生懸命頑張ったつもりだったけど、結局何もなし得てなかったなとか。
と同時に、なに終わった気になってんだよと思ったり、だってもうあの頃のようには働けないと思ったり。
タイムマシンがあれば、昔の自分に助言したい。
同じことを思う人は多い、のでしょうが…

そんな心にさざ波立つ日には効きましたこれ。

「モップの魔女は呪文を知ってる」
近藤史恵著 ジェイ・ノベルス(実業之日本社)
わたしの記憶が正しければ、シリーズ三冊目となる短編集です。
オフィスに起こるちょっとした謎、不自然な事件を鮮やかに解決していくのは、初登場時まだ十代だった清掃アルバイトの女の子、キリコ。
深夜、あるいは早朝だけのアルバイトながら清掃という仕事に誇りを持ち、能率的に、徹底的に、パワフルに働き、もりもりと食べ、しかも制服である作業着はゴスロリやパンクにアレンジされ…

残業時にたまたま彼女と知り合った語り手「ぼく」との間に知らず知らず恋が芽生える1作目、その続編となる2作目…と読み継いできました。

伝統芸能の世界などを舞台とした本格ミステリで、殺人者のくらい情念を、緻密な犯罪計画を描いてきた作者。
それが、こんな溌剌としたシリーズを始めるとは、というかるい驚きと共に…

本作はキリコが2作目で経験した紆余曲折を、一応乗り越えた後の話となっています(傷が残っていることは、まだ窺えます)。
今回「ぼく」は登場せず、キリコの職場もフィットネスクラブやオフィスビルなど様々。
そして様々な人々が、身の回りの納得のいかない謎、経験した不思議な事件を、キリコに語ることになるのです。

「みんな、さ、それぞれ頑張って、ちゃんとやってきているの。なのに、自分がやってきたことって、つい、なんでもなことのように思っちゃうの。人のやっていることばかり、立派に見えちゃうの。どうしてだろうね」

20代になったばかりで、こんなことをさらりと口にし、謎の背後にある人間のリアルな、そして醜い感情を洞察して、相談者に最善の解決策を提案する…そんなキリコを作者本人も
「いい人すぎる」と評していますし、「ぼく」などは天使呼ばわりしていますが、まあ確かに実際にはめったにお目にかかれないキャラクター。
でも、こういう人がどこかにいるとするなら、世の中捨てたものじゃないなあと、心がぽっと、温かくなるような気がします。
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